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あと二巻
ローマ帝国の衰亡は裏返して言えば、ローマの外側にいる民族の興隆史 でもある。今回はイスラム帝国、マホメットからウマイヤ朝、アッバー ス朝までが主役。 で、読んで気になったことが一点。6巻途中から中野好之氏に代わった のだが、訳文が理解しずらい箇所が結構あった。間違っているというよ りは語彙の選択が適切でないか、もしくは単語レベルで単純に日本語に 置き換えている箇所が多くみられる。もう一度訳文を読見直してくれれ ば闊達な日本語に置き換えられたのでは?
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気持ちはわかるが・・
「力と闘争の文明」より「美と慈悲の文明」を、 と言われれば、とくに異論のあろうはずはないし、 環境考古学の立場から、巨視的に文明の盛衰を論じる著者が 現代文明の先行きについて覚える危惧にも共感できるのだが、 しょせん、「畑作牧畜文明=悪、稲作漁撈文明=善」 という二項対立で全てを説明し切れるはずもなく、 環境考古学を離れて政治的主張を開陳する段になると、 やや根拠が薄弱で粗雑な論の展開が目につき、 一般向けの著書とはいえ、ツッコミどころ満載である。
あくまで「学問的」であることに固執する学者には、 こういう一種の「トンデモ本」は書けないだろうし、 専門である環境考古学に安住することなく、 国際戦略上の提言を積極的に行なったりするあたりが この著者の魅力でもあるのだろうが、 狭義の「学問」から大胆に踏み出したかに見える部分が、 梅原猛ばりに「幻視」の成果だったりするのはやはり困るし、 何よりも、冒頭からいささか調子の高過ぎる文章が、 「美と慈悲」を感じさせるものとは言い難いのが、 基本的な内容には共感できるだけに、いかにも残念だった。
★追記……本書pp.60-61では、 地球を救済するために「アニミズムの罠」 を仕掛けるべきだとされ、その具体例として、
・美と慈悲に満ち溢れた「生命文明の構築」 ・アニミズムによる「島国性の再評価」 ・アニミズムによる「女性原理の復権」 ・アニミズムによる「紛争の回避」 ・アニミズムによる「アニミズム的応戦」 ・「アニミズム連合」の構築 ・「全球アニミズム化運動」の展開 ・アニミズムの心を核にした「ハイテク・アニミズム国家」の構築
の八つが列挙されているのだが、 こう並べられると字面が凄過ぎて、ややウケてしまった(笑) とくに、アニミズムによる「アニミズム的応戦」、というのが勇ましい。
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個人旅行者にぴったり。不安が軽減されます。
歩き方の巻末にぎゅっと押し込めた情報だけでは不十分だったものが十分補充されています。 親本である「歩き方」とかぶるかというとそうでもありません。
必携とまではいきませんが、読み物にも、現地でのガイド本の補充としても案外よいもので、値段相応に感じました。おすすめいたします。
個人旅行で 列車を使う方には 現地での不安が軽減できるでしょう。
内容は フランスのTGVほか、タリスなどの国際路線、地方に残る珍しい路線など。 いずれも結構詳しい丁寧な情報で、写真もあり、取材記事もゆったりと配置されています。 ゆっくり読むうちに行ってみたいなという気になります。 親本でコラムや1ページ程度のところを、こちらでは3?6ページぐらい割いてゆったりと紹介しています。
さらに、鉄道でいくパリ近郊紹介は、個人行動のガイドなかなか役立ちます。 現地の駅下車後の大きな地図もあります。 鉄道に不慣れな方にはあると便利でしょう。
発刊をぎりぎりまで待った甲斐?があって、 2005年のサン・マロTGV延伸や、その他新しい変更情報も ぎりぎり滑り込ませてありました。
フランス国鉄の列車システムについても、できるだけ詳しくかいてあります。 もちろん切符の写真や、自動券売機の画面紹介、駅の図などもあります。
リピートの個人旅行者にも読みごたえがあり、普段眺めるのにもよさそうです。
写真も豊富で、全般的におしこめすぎずゆっくり読めました。
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「負の遺産」を訪ねて…
終戦からもう60年が過ぎた。戦争を知る人達も高齢になってしまった。 今も9.11アメリカ同時多発テロに端を発するイラク戦争などで、戦争とは如何に悲惨かというのが分かったが、それでもこれ以上こうした惨劇を繰り返してはならない。 日本にはトーチカ、防空壕、兵器の工場跡などが各地に残っている。また中国人や朝鮮人を強制連行して無理矢理働かせたという事実もある。それから、修学旅行などで原爆ドームを見た人も多いだろう。愚生も原爆ドームや瀬戸内海の大久野島の毒ガス工場跡を見て戦争の悲惨さを実感した。 この本ではそうした負の遺産である軍事遺跡を多く紹介している。地図付きで紹介されているので分かり易い。最近ちょっとしたブームになっている軍事遺跡だが、あまり軽い気持ちで見学せず、先人達の遺したものを色々な気持ちで見てみよう。
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一人の人間から歴史を再考察した一冊
日系三世である筆者が、アメリカが原爆を使用した背景について、特に当時の大統領だったトルーマンの価値観を中心として考察を進めた一冊。
日本の降伏は時間の問題、原爆を使用する必要はなかったという意見がアメリカ軍部の中にも存在する中、あえてその使用に踏み切った大統領の思惑は、よく言われるように、ソ連への牽制だけであったのか。筆者はそういった政治的背景だけではなく、トルーマン自身が常に抱いていた「強いアメリカ人、強い男」の価値観を貫き通した結果でもあったと述べる。もちろん、トルーマンの価値観を強引に推し進めた結果だけがこれほどの悲劇を生んだわけではないだろうが、原爆投下後のアメリカ国民の抱いた一種の動揺と、トルーマンの確固とした「投下は正しい判断だった」とするスタンスの対比が本書の中で浮き彫りにされると、考えさせられるものがある。一人の人間に重大な責任が与えられ、そしてどう動いたのか。人間から歴史を考察した興味深い一冊。
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波乱万丈
エリザベート(上)の続きです。まず(上)は冒頭から読みやすく、歴史背景もわかりやすく書かれています。皇女であるのに歴史の流れには逆らうことのできない、一人の女性としての姿が印象的です。ハプスブルグ家崩壊後、再婚相手の社民党闘士と寄り添って政治活動に励んでいた折、夫が政治犯として投獄される。生きて再開できる可能性の少ない中でも気丈に生きるエリザベート。そして感動の再開。読んだ後(いい意味で)不覚ため息が出ます。
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旅するよりも、暮らしたい!
ページを繰ると、ロンドンの街の空気の匂いがします。玉村さんのするどい考察と、独特のユーモア溢れる筆は 英訳したら、きっとロンドナーにも面白がって受け止められること 間違いナシだと思います。 でも初版はもう20年も前なのですねぇ。 2004年版を書いてくださらないかしら。 でもブドウ畑の世話があるから、もう長期では旅をされない かしら。残念!
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和を以ちて貴しとす
本の帯には、「太子とはどのような存在なのか?これが真相だ!」と書かれている。まさにその通りの内容だった。 聖徳太子といえば、旧々一万円札、17条の憲法、10人の訴えを同時に聞いた程度でおしまいだった。しかし日本に仏教がはいってきて、それが定着するために様々な物語があったことがわかった。(インドや中国とは異なる)現在の日本独自の仏教のルーツが読み取れる。 また17条の憲法の冒頭の「和を以ちて貴しとし、」の「和」を、これまで現代語で解釈して日本人らしいと思っていたが、この時代の「和」は自身より下の者に対して和らぎ打ちとけるという意味であることを知った。これも目から鱗。
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これからバリへ行く人必見☆
この本は本当に初めてバリへ行く人には、もってこいの一冊ですよ!!各エリアの裏情報や、ぼられない為の裏技、地元の人が活用しているべモの利用法まで・・・さらには現地サービス・パッケージツアーの相場やオススメスポット満載で、大満足な本でした(^0^)
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プロイセン中心的解釈を超えて
中央集権国家化に失敗して分裂した帝国という一国主義的な従来の解釈を超えて、多様な可能性を持った帝国として捉えているのが本書。 帝国内の領邦国家がその内において絶対主義的中央集権化を追求し、他方では皇帝の絶対主義に抵抗する政治的二面性を持っており、 それが帝国議会、帝国裁判所、帝国防衛などを通して領邦国家と皇帝が駆け引きを繰り広げながら意外に長く続いた事を示している。 神聖ローマ帝国で培われた諸制度(連邦制)と理念(普遍君主制)が帝国崩壊後もドイツ史に影響を与え、EU内で主導権を握ろうとしてる 現代ドイツまで断続しながら続いてるというのが興味深かった。 ただ本書自体やや内容を詰め込み気味で歴史専攻以外の普通の学生にとってわかりにくいと思う。そんな人は菊池良生「神聖ローマ帝国」(講談社)で知識をある程度入れてから本書を読んだほうが楽しめます。
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鉄の意志を持つ女性を迫力豊かに描写
「白衣の天使」と名高いナイチンゲールの業績を的確に追いながら 人間的な葛藤や情熱にも肉迫しており、第一級の伝記と言えるだろう。 あまりに恵まれた自分の暮らしとあまりに貧しい民衆の暮らしのギャップに衝撃を受けた少女が、 社交界の無理解やイギリス陸軍上層部の無気力さと戦いながらも 「困っている人たちを助けたい」「私にできることを何かしたい」という 情熱を貫き通した姿は読む者の年齢を問わず感動を呼ぶ。 今こそあらゆる職業において一人でも多くのナイチンゲールが必要なのだと、この作品を読んで改めて痛感した。 ナイチンゲールがトルコの戦場に目を向けるきっかけとなる記事を書いた ウィリアム・ラッセルが歴史上初の従軍記者という記述も興味深い。
なお、この作品がナイチンゲールの「鉄の意志を備えた情熱家」の側面を強調しているのに対して 小学館版の伝記まんがでは「アイデア豊かなヒューマニスト」の側面が強調されている。 比較して読むと更に面白いだろう。
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読むことで自分を見つめ直す
読むことで自分を見つめ直すことができます。 自分に足りないものは何か、自分に厳しく、他人に優しくなるためには、どのように考え、行動すればよいか、を分かりやすく説いてくれます。
じっくり読んでも、サラッと流して読んでも、心の中に何かが残る本です。
何度でも読み返してみたいと思いました。
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気丈さの裏に
橋田信介さんが襲撃され、殺されたとき モハマド君を日本に呼び寄せたとき この人はカメラの前で強い笑顔でいた。 本当に強い意志を持って笑っていた。 夫が死んで何故この人はこんなにも気丈にしていられるのだろうか。 それが知りたくて、この本を手に取りました。 読み進めていくと、幸子さんはカメラの裏では 本当に想像絶するほどに嘆き悲しんでいたことが分かりました。 そして、本当に心底夫を愛していた。 愛していたからこそ、ジャーナリストとしての夫の最後を 正確にきちんとメディアに伝える必要があったと思ったのだろう。 幸子さんの大きな愛に圧倒され、 こんなにも素敵な夫婦を引き裂く理不尽な戦争に対して 心から腹が立ちました。
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前編より分かりやすいです
前編よりも時代が近く説明も分かりやすくなっています。 紹介されている人物は、有名な人物から、あまり知られていない人物までいました。 とくに石田梅岩のことは全然知りませんでしたが、読んでいて興味を持ちました。 それぞれの人物について時代的な背景や育った環境により、何故それぞれの人が 現代の日本に影響を残すようなことを行ったのかということを解説してあります。
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へぇ
この本を読んで驚いたこと。 その1,武士は拙者などとはほとんど言わなかった。 その2,現在より男女差は少なかったのではないかと思えること。 その3,現在でも通用していることば多数。 解説も丁寧でおもしろくて分かりいいです。 欲を言えば、第4章通じ合う江戸市中方言の中のやまとかみの会話などをCD?ROMの付録を付けたらもっとすばらしい本になると思いますが。
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阿波根の思想の結晶
基地建設のために、米軍は沖縄伊江島の農民をだまして土地を取り上げた。農民は奪われた土地を取り戻すために闘いを始める。1955年に始まったこの闘いは、阿波根が亡くなった今もまだ終わっていない。そして、「米軍と交渉する時の態度と心構え」として阿波根が考え出した交渉のスタイルは、これからもずっとずっと役に立ち続けるだろう。本書150頁から154頁にわたって書かれている「心構えと態度」を一読して欲しい。阿波根の思想の結晶である。
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倭国と日本国
この本に納められている旧唐書倭国日本伝は、魏志倭人伝と比較すると 知名度ではマイナーだが、「倭国伝」と「日本伝」という二つの伝があ り、倭国と日本国を別扱いで記述しているという極めて問題の書。つま るところ、九州と近畿に2つの王朝があったとの証左であるとされる。
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冷徹でわかりやすい内容
自由貿易体制もなければ国連もない時代の話、やらなければやられる。 陸奥の李氏朝鮮や清の評価が辛らつだ。 李氏朝鮮は日本の足を引っ張るだけ、 できれば半島とは関わりたくないという本音が見える。 歴史を見れば陸奥のポジションは正解。
陸奥は当時偉大な政治家といわれた李鴻章の経歴を冷静に観察、 実は曽国藩などの功績を巧く利用した人間で、 彼自身の功績はさして無いと見抜く。 勝海舟の李鴻章評は、古典的というか至誠とか徳ではかり、 人間を評価するに服装や作法を見てするような印象。 一方陸奥は政治的手腕を実務能力や判断力で丸裸にしてしまう。 この二人には近代と前近代の人間の壁がある。 陸奥には士大夫的な優雅さとは縁遠いけど新政府で活躍した。 勝が新政府で干されたのは、 彼の発想や哲学が時代とずれているせいだためか。 (西郷の失脚もこの辺りが遠因かも)。
侵略する側の苛立ちというものがあるのかもしれない。 清はやたらと西洋列強を巻き込んで、 外国同士の潰しあいに持っていこうとする。 対する日本は国際法を盾に列強の干渉を何とか撥ね退ける。
清や李氏朝鮮の話の通じなさやバカにした態度は今でもイライラする。 体系を異にする新文明を頭ごなしに否定する彼らに、 当時の列強だって面白くはなかったろう。 列強がアジアやアフリカを植民地にして全く悪びれなかったが、 同じ土俵には立とうとしない連中を、 人間と見なくなってもあまり不自然ではない。
表現は確かに古典調だが、ロジックは明快で決してわかりにくい本ではない。
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アイディアがユニーク
本とは、タイトルで興味を惹き、アイディアで読むかを決めると思う。 その点で、この本はタイトルだけで、思わず手に取ってしまう。
読んでみると、歴史上の有名な人物を変わった視線で見つめている。 日頃は見過ごすポイントに注目してみると、確かに不自然さがあるような気がしてくる。
絵がどこまで本人に忠実か、あるいは本人なのかという問題はある。 でも、病気を元に自分なりのストーリーを広げていくのも面白い。
病気に苦しむという面では、古今東西、あまり変わっていないように感じる。
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面白くてためになる
この本で初めて知ったことが多く、考えさせられました。 「民族」と「国家」ということについても、肌で感じることができました。 日本の戦後教育を受けてきたわたしには、「えーっ、そういうふうになるんだ・・・」と、驚きもありました。
とはいうものの、しかつめらしい歴史書ではなく、とてもドラマチックで面白い本です。 タイトルと違い、戦争のことから入るので、最初はとっつきにくく感じましたが、すぐに入り込むことができました。
中ほどに登場人物たちの写真があるのですが、そこまで読んできて抱いていたイメージ通りの写真でした。 対象をとらえる著者の取材力と的確な描写力が、証明されたような気がしました。
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very interesting book, but.....
ギリシア史とローマ史とで筆者が異なるので、一冊の本としては、幾分不調和なところが目立ちます。 前半の古代ギリシア史は、かなり巧くまとめてあるのですが、後半のローマ史のほうは、筆者が奇妙なまでに旧弊としか言えぬ「偏見」ないし「差別意識」をもっているため、やや読み辛い事実を否むことが出来ません。一例を挙げれば、男女一対の夫婦愛のみを「正常な性関係」とし、少年皇帝エラガバルスを「性倒錯者」と今日では死語と化した名称で断じている点などは、とうてい「良心的な」学者の書く文章とは思われません。 とはいえ、「古代末期」という禁欲的風潮が瀰漫した真の意味での「頽廃期ローマ」が歴史における「大転換の時代」であったとの指摘には大いに賛同いたします。そうした「禁欲的」道徳律が20世紀にいたるまで西洋社会を支配することになり、さらには他の世界にまで拭いがたい塊大な影響を及ぼして今日に至っているのですから。
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一般教養としての知識は得られる本
1928年に生まれ、北欧の大使館に勤務した経験を持つ、元宮内庁式部官・イスタンブール総領事が、1993年に刊行した、「主として歴史の主役たちを念頭に置いて執筆した」、「一般的な知的教養の一部としての北欧史」の略史。本書の対象地域である北欧とは、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノールウェー、アイスランドを指し、対象時期は800年頃のバイキング時代から1990年代初頭までである。10?11世紀頃にキリスト教化と国家形成を進めていた北欧三国は、1397年デンマーク主導でカルマル同盟を結ぶが、1523年にスウェーデンが同盟から分離し、バーサ朝の下で北方大戦役までバルト海の覇権を握った。この宗教改革と絶対王政の時代の後、ナポレオン戦争の過程で、スウェーデンはロシアにフィンランドを奪われ、ベルナドッテ朝の下でデンマークから、高度の自治権を認めてノールウェーを割譲させた。19世紀は政治的・経済的近代化の時代であり、また汎スカンジナビア主義の挫折とナショナリズムの高揚が見られた時期でもある。1905年領事制度をめぐってノールウェーがスウェーデンから、1917年ロシア革命の最中にロシアからフィンランドが、1944年アイスランドがナチス占領下のデンマークから独立した。20世紀の北欧は社会民主主義政権下での福祉国家化と「中立」政策(ただし戦後ノールウェー、デンマーク、アイスランドはNATOに加入。また、国連の活動には積極的に参加)によって特徴づけられ、モデル国家と見なされたが、冷戦後は環バルト海協力と共に、経済的理由による福祉国家の動揺、EUへの接近傾向が見られる。本書の内容は以上のようなものだが、正直言って事件史中心で英雄史観的な叙述であり、説明不足や主観的な評価が目立ち、叙述もあまり整理されていない。あくまでも一般教養としての知識を得るための本。
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ライシャワー博士による円仁の中国アドヴェンチャー
天台の高僧である円仁は、838年の最後の遣唐使節に参加し、唐代末期の中国において9年間に亘って教学の研究に勤しみます。大陸での歳月は旅また旅の連続であり、各地における物情騒然たる状況や中央政府による仏教弾圧という厳しい試練の中、彼はさまざまな人と出会い、教えを求め、そして思想を熟成させていきます。 円仁自身によるこの旅の記録が「入唐求法巡礼行記」であり、本書はこれを下敷きとしてライシャワー博士が中国における円仁の冒険を一般向きに分かりやすく語り、円仁の中国行の意義と成果を解説するものです。 本書には、唐朝廷における熾烈な権力闘争や地方における政情不安、あるいは僧侶・官吏・庶民の風俗・習慣など、唐代末期の世相が鮮やかに描かれています。また、当時の中国における朝鮮人コミュニティーの実態や、我が国遣唐使節団の構成や出発までの各種手続・儀式など、歴史ファンの目から見て興味をそそられる記述がちりばめられています。 それにしても、米人でありながらあの「入唐求法巡礼行記」を原文で読みこなし、こんな素晴しい歴史ドキュメンタリーに仕立て上げるとは、ライシャワー博士の学識の深さには驚きを覚えます。 また、本書の翻訳は現代天台学の泰斗によるものであり、たいへん読みやすく、かつ正確なものとなっていることを特に申し添えたいと思います。
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けっこう感動した。
20世紀後半の伝説的構造家(建築構造のエンジニア)ピーター・ライスが著した、自伝としての建築論。死の直前まで病床で、彼の仕事の集大成として書かれたもの。だが、不思議なほどに自分の死のことを客観的に描いている。そして自分の生い立ちから、若き日の頃、そして晩年まで、実際の作品を例示しながら構造家としての思想を綴っていく。彼が何を求め、何を実現させてきたのか。エンジニアはどうあるべきなのか。あくまでこれは彼の自伝だが、デザイナーやエンジニアの誰もが思い悩み、誰もが葛藤してきたことをズバリと言い当てる。建築家、構造家、建築学生の方々に広くお勧めする。(ただし著者は建築以外の一般の方々にも広く読まれることを願っていたそうだけど、専門用語が多すぎるのでそれは無理だと思う)
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読み直そう明治の人物
司馬遼太郎が書けなかった児玉源太郎を見事に書き切った著者は、郷里が児玉源太郎の故郷徳山の出身。今、読み直して現在の日本を、考える一書に。 児玉が後10年生きていたら日本の軍隊は?戦争は?現在は?と考えさせる。
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欧米人の名前について詳しく出ています。
この本はヨーロッパ系の人名を中心に色々と興味深いことが書かれています。 聖書だけでなく、ギリシャ語やラテン語、ケルト語やゲルマン語起源の名前について色々と解説が出ていて興味深いです。 例えば、聖書に見られるマークMark,Marcが軍神マルスに由来していることや、ジェニファーJenniferがアーサー王の妃グイネヴィアがなまったもの、フレデリックFrederickが北欧神話の豊饒神フレイと関係があるというのは大変面白いです。
尚、アジア、アフリカなどの人名について詳しく知りたいという方にはちょっと物足りないですね。
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詳しく知りたいならこれで十分
三国志に興味をもっていればこの本がおすすめ。とにかく他の本に比べ格段に分かりやすく、読破すれば三国志に詳しくなれる事をほしょうします。でも正直面白くありません。読んでいるうちに先へ読み進めたくなるあの感動がありません。途中であきます。 具体的に内容を説明します。この本は魏呉蜀についてそれぞれのいきせつについて順番に説明してあります。なので、まずは魏の説明を読んで、次の呉の説明を読むと「この戦いは魏の説明でもでてきたな。この時呉はこんな状態だったのか」という事がわかります。そして、魏のコーナーでは魏は英雄のように語られ、呉のコーナーでは呉が英雄にされています。これによって一つの国に感情移入せずに、それぞれの感動的なストーリーを素直に受け止める事が!!できます。 途中で諦めずに読破して下さい!!きっとすがすがしい達成感があなたを待っています!!
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丁寧な概要説明、故事名言が数多く解説されている
膨大な紙幅をなす「史記」《本紀》《表》《書》《世家》《列伝》を徳間版では全七巻に収録している。これを読まなければ話にならないが、別巻として第8巻「小事典」は充実した内容になっている。 1「史記」概要(約170頁)で全130巻の内容が要約できていて、便利である。 2「史記」故事名言(約280頁)は280余り紹介されていて、益することが多い。ここが本書の中軸をなし、限りない魅力となっている。たとえば、次のような名言の拠って来たるところが記されている。「怨み骨髄に徹す」「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」「臥薪嘗胆」「合縦連衡」「鼎の軽重を問う」「管鮑の交わり」「曲学阿世」「鶏口牛後」「鶏鳴狗盗」「逆鱗」「狡兎死して走狗烹らる」「先んずれば人を制す」「四面楚歌」「酒池肉林」「春秋に富む」「太公望」「蛇足」「断じて行えば、鬼神もこれを避く」「忠言は耳に逆らえども行いに理あり」「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」「嚢中の錐」「敗軍の将はもって勇を言うべからず」「杯盤狼藉」「日暮れて途遠し」「人の死せんとするや、その言うこと善し」「刎頸の交わり」「焚書坑儒」「傍若無人」「まず隗より始めよ」「累卵よりも危うし」「禍を転じて福と成す」…よく知られたものでもこれだけある。すべて読み尽くせば、人生の奥襞が知り尽くされるほどになるであろう。 3「史記」人物小事典には上古の黄帝から前漢の武帝まで約550名の人物紹介がある。孔子・孟子・老子・荘子など思想家も入っている。
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到達点にして終着点
著者は前著『昭和精神史』について、どこかで「自分はこれを書くために生まれてきたのだ」と書いていたはずだが、ならばその続編たる本書は、著者の到達点であり、残念ながら終着点であろう。戦後という時代に対する憤懣が行間の到るところから吹き出るように強く感じられ、読んでいるのが辛くなる時もあった。しかし著者の真摯で誠実な姿勢は痛いほどよく分かる。三島由紀夫の死をもって「昭和」は終わったのだという認識は、それまで以上にその後の歳月が著者に苦痛の日々であったことを伝えて余りあるものがある。この大作を書き上げることで、著者は出すべきものを出し切ってしまったと思われる。これを書いて以降、保田與重郎の文章を換骨奪胎したような文章ばかり書いているのが気になるが、もう読書人の注目を集めるような傑作は書けないだろう。以て瞑すべし、の感がある。 それと、改めてやはり著者は年齢とともに「右」にシフトしてきた人だなと感じた。それは保田與重郎と昭和天皇を書く態度が、著者の若い頃とは全く異なっているからだ。今日の保田再評価に著者が果たした役割は小さくない(しかし絶対的に大きいとも言えない。保田本人の思想の永遠性こそ評価されるべきだ)が、若き日の著者はずいぶん保田と距離を置いていた。何よりも、生前の保田とおそらく会っていないのだろう。そのことが、本書にも少なからぬ影を落としていると思えて仕方ない。会わなかったことを、著者は強く後悔しているのではないだろうか。 著者が絶望し、沈黙したところで、本書を読んだ若い人がその沈黙を破り、今日の閉塞的状況を打破していく…その礎となることをこの大冊に期待したい。
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復刻された枯葉剤問題の必読書
本書は以前新潮文庫から発売され、読書感想文の推薦書にもなっていました。今回、新たな資料も含め、復刻版として、岩波書店から刊行されました。ベトナム戦争時の枯葉剤被害は、ベトナムだけでなく、従軍した米国兵や韓国兵にも及んでいます。さらに、枯葉剤の被害者は、兵士の子どもや孫にまで及んでいます。化学戦争が生む深刻な事態にぜひ目を向けてください。
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一家に一冊!
私は横浜出身ですが昨年まで4年弱広島市内にすんでいました。 実際に住んでみると「平和都市ヒロシマ」という面と 当たり前ですがそこに住む人々の日常というものが混在しています。 この絵本のすばらしいところは 原爆の実際の体験談をもとに描かれている上に 客観的な核の知識や歴史について学べるということ、 子供にも分かりやすく「ヒロシマ」について知ることができる 資料だということということと共に たとえば戦前の広島市内の風情など 日常の広島市の風土についても伝わってくることだと思います。 周りを何本もの川と穏やかな瀬戸内海に囲まれ、 のんびりした美しい町に訪れたまさに「一瞬」の惨劇。 西村先生の絵には、そんな広島の人の「日常」と「1945.8.6」 について思いを馳せることのできるパワーがあると思いました。
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明石書店の叢書の中では好著といえる
明石書店には「○○を知るための△章」という各国事情を紹介するシリーズがあります。本書もその内の一つですが、同シリーズの他書と比べて言えばかなりよく出来ています。◎60テーマの選定が巧み このシリーズは編著者によって章立ての巧拙に差が激しいのが特徴です。執筆者の拘りが色濃く出すぎて一般向け入門書にふさわしからぬほど特異な事柄を取り上げる場合もあって、こちらの興味が向かないという思いをしたこともあります。(「インドを知るための50章」など。)しかし本書はそうしたことはなく、かの国を知る上でとりあえず知っておく事柄を幅広くバランス良く取り上げているという印象を持ちました。 ◎文章が平易 「現代フィリピンを知るための60章」を読んだ際に、全編に渡って硬質な文章が続いてなじめなかった覚えがあります。しかし本書はそうした心配は不要で、簡にして明な文章で綴られています。おそらく執筆陣の多くが(アカデミズムに身を置く人も含まれているとはいえ)NGO関係者やジャーナリスト・現地とのビジネスに携わる人々であって、研究者に特徴的な「人を遠ざけるような」硬い文章を書いていないからでしょう。 ▼若干の重複があり整理が必要な部分も とはいうものの、NGO関係の章には重複感が残ります。アジア最大のNGOとされるBRACや日本でも著名なグラミン銀行の小規模金融が53・54・56章に跨って異なる執筆者によって紹介されています。執筆者が複数であることが裏目に出たかっこうです。こういう部分を整理して紙幅に余裕を作り、バングラデシュの現代芸能やマスメディアについて紹介する章を設けてほしかったと思います。伝統芸能については紹介されていますが、青年層に大きな影響を与えているであろう現代音楽や映画といった分野についての記述が本書には残念ながら欠けています。
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わかりやすい読み物
沖縄の歴史をしらずに、沖縄に行くのはもったいないことが、この本を読むとわかる。 沖縄には、いろいろな歴史があり、それを偲ぶことが出来る資料、史跡がある。
旅行であれ、仕事であれ、沖縄の歴史を知らずに、訪れるには勿体ない。 中国との関係を含め、様々な重みを感じるのによい書物である。 薩摩藩とのかかわりによる奄美大島の帰属や、清(シン:中国)との分割案など興味深いものがある。
わかりやすい読み物にするために、学問的な検討の記録はすくないため、専門的に勉強したい人には、ここで得た鍵となる言葉(キーワード)を基に、専門書を読むとよい。
#名古屋市の図書館にて
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好きこそものの上手なれ
「才能プラス努力」が成功の近道であることは見易い道理であるとしても、本書を読んで、小平博士の偉大な達成は、それに加えて真っ直ぐな気持ちと生き生きとした好奇心そして楽天性を保ち続けたことに依るものであることがよく理解できた。(そして、これらこそは今日の日本において青少年が最も保持することの困難な心的要素ではないのか。)「専門バカでないものは唯のバカである」(148頁)という博士の言葉とともに、かみしめたいと思う。
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原始キリスト教の発展とは
この巻では、キリスト教の発展についての15,16章が、なかなか興味深いところです。当時としても相当な批判があったでしょうが、ギボンの奇蹟の遠回しな否定、殉教者数の水増し疑惑などの協会に対する皮肉は枚挙に遑がありません。現代にもさまざまな新興宗教が誕生していますが、1つの新興宗教が勢力を拡大していった数少ない成功事例を批判とともに述べられているあたり、読み応えがあると思います。
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植民地支配の「傷」とは「統計」にあらず、「人間」か……
本書は、近代を迎えた日本人が「かの国」に積極的に移住していった時から、終戦を迎え、「かの国」から積極的(あるいは消極的)に帰国していったまでの、「日本人の記録」を主観を入れずに丹念にまとめ上げたものである。とは言っても、著者のスタンスは「繰り返してはならない」というもので、今風に言うならば、「自虐なんとか」であろう。だが、本書は「朝鮮人の苦悩の記録」でも「朝鮮人の言葉」を代弁したものでもなんでもない。繰り返すが、あくまで「日本人の記録」をまとめたものだ。その範囲は本末の文献に記されている如く、可及的に全体を網羅したものである。さて、これらは「嘘」であろうか、「偏向」であろうか、果ては「捏造」であろうか。06年10月今現在の日本は「好景気の期間が戦後最大」を迎えたという。統計では「確かに事実」であろう。では、我々の実感はどうだろうか。バブル・デフレを抜けて、本当に景気のいい「日本」を実感しているだろうか。「政治」も「景気」も「国」も「国民の実感」を伴って初めて「真実」ではないだろうか。そうであるのなら「植民地支配」もしかりであろう。その辺りを踏まえることができるのなら、本書の立つ位置は「明確」である。日韓併合を「統計」ではなく「人間」で捉えたい人は勿論、今まで「統計」でしか捉えたことのない人にも是非お勧めの本である。「歴史とは人間」という事を本書で考えたい。
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グルジェフの書いた 十牛図 的意味合いの含蓄する
青春の或る日、この本に出会いました。他の「奇蹟を求めて」等というグルジェフ本は、知的に難解な感じでしたが、この本は物語形式で読みやすいと言う印象でした。 その後月日が流れました。わたしという現象の経験を通した時に、ふと、この本は 禅でいうところの 十牛図であったと 思い起こす次第です。 なぜそうであるかは、読者の内的経験におうところが大きいのでいわじ、いわじ、ということにしておきます。 でも、一つ一つの、エピソードが秀逸です。私は○○教授が、山に登り自然の美しさに感動する場面が好きです。
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大人でも感動する
二宮金次郎は、今では子供どころか、大人もほとんどその事蹟を知らない。しかし、日本の歴史上、庶民・農民として最も偉大な人物の一人といってもよい。「報徳記」「二宮翁夜話」などの訳本を読んでもよいが、なんといっても読み応えがあるのは、少年時代の、想像を絶する苦難、すなわち、両親の死、洪水による田畑の壊滅、弟たちの離散、叔父方への居候というどん底の時代から、工夫と勤勉を重ねて蓄財し、独立し、たちまち二宮家を再興して大地主になっていく青年時代であり、後半生の農村再興に対する無私の奉仕活動と併せて、その生き様の迫力は、昔の農民にとっていかに痛快なヒーローだったかと思う。昔の日本の「農民魂」の最良の部分を味わう伝記として、二宮金次郎は追随を許さない。この漫画は子供にも非常にわかりやすいため、おすすめである。 2,3代もさかのぼれば殆どの日本人は農家に生まれている。祖父の代までいけば、二宮金次郎の事蹟は、目の前の苛酷な現実でもあった。にもかかわらず、すでにとうに失われた記憶でもある。
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★「心理的に健康であるとは、一体どういうことなのか」★
●専門家にとってさえ実態をつかむのが困難な「自閉症」。ドナによる子供時代から現在にわたる「戦い」の歴史である本書により、その世界を「少しだけ」垣間見ることができる。 ・魔法の世界と「世の中と」 ・キャロル ・学校 ・友達 ・あべこべの世界 ・十二歳 ・迷子 ・ウィリーの葬式 ・ダッフルコート、ピアノ、レポート ・独立 ・引越しばかりの人生 ・メアリー ・復学 ・過去の亡霊 ・触れ合い ・闘争と逃走 ・海へ ・旅 ・再び、海へ ・最後の戦い ・本当の居場所 ●決して明るく希望のもてる内容ではないが、関係者にとっても非常に貴重な本であることに間違いない。
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安土桃山時代を理解するために必要なMap
「信長が賭けた天下布武 秀吉が駆けた天下統一」や「京を制するものは天下を制す」とという言葉の通り、争乱と陰謀の中で戦国武将は京を目指しました。
その時代の京都はどのような姿だったのか、分かっているようで分からないことがあります。本書ではそんな安土桃山時代の京都を再現すべく、現代の京都の地図を半透明のトレーシング・ペーパーに印刷し、戦国時代の京の地図はカラーで印刷し、それら2つを重ね合わせると、安土桃山時代と現在の位置関係を知ることができるという優れもののマップになっています。 狩野永徳の「上杉本 洛中洛外図屏風」にも収録されていますが、京都の寺院や神社や街並みはこの時代に形作られたのです。 52頁以降の「信長と京と本能寺の死」で展開していますが、信長が天下布武を目指し、京へ攻め上がった上洛ルートや、軍事デモンストレーションとも言える馬揃え、そして本能寺の変について、分かりやすい記述と図解が施されており、簡単に理解できる歴史図鑑という趣も持っています。
秀吉の聚楽第、方広寺大仏殿、御土居堀の記述も興味をひきましたが、74頁からの京都改造にあるように「短冊形地割り」や「寺町・寺之内」が現在の近代京都の街並みを作ったのです。本書の利点である安土桃山時代と現代の街並みで一番受け継がれている地域や区割りが、この秀吉が考えた仕組みですから。
視覚で歴史を捉えられるように編集されています。歴史を暗記物として捉えることなく、ダイナミックにリアルに考える契機になるような書籍ですので一度手に取ってください。
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楽しめたんだけど
知り合った子供の父親が連れ去られ、殺された事から事件に関わっていくのだが、 主人公がめっぽうおせっかいです。
事件の中で知り合う浪人に世話を焼いたり、 残された子供や母親に世話を焼いたりして進んで自分から事件に関わっていくのですが、 そのおせっかいさがちょっと違和感を感じてしまいました。
事件の発端となった母子も江戸を離れて行くのに、事件に関わり続ける。
なんというか、全体に少しこう無理矢理感というかなんというか、 上手く言えないのですが、読んでてストンと納得して入ってくるものが無かったかな。 キャラが上手くイメージ出来なかったというか。
それさえ気にならなければ楽しめるお話だと思うので、私には合わなかったんだろうなと思います。
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然るべく、田植え
子供の時分「どうしてわざわざ田植えなんて手間をとるのか? 籾を直接蒔けないのか?」って周りの大人に尋ねても、腑に落ちる答えを持っている人はいなかったなあ。
田舎育ちの私ですが、水田という耕地は、未だにナゾだらけです。水を入れたり落としたり、とにかく畑とはあまりに異質な農風景です。 数々の本に「畑作の陸稲から水稲に移行した」とありましたが、両者の作業性はあまりにもかけ離れて見え、それが歴史上スムーズに変遷できるなんて、随分無茶で具体的な見解とは言えないんじゃないかと思ってました、内心。
この本の最大の素晴らしさは、水田と田植えの発生を、無理なくイメージさせられる豊かな説得力にあります。 水田に不思議を感じていた方、長年の憑きモノが落ちますよ(笑)。 縄文籾の件りなどは、正直距離を置いて読みましたが、この株分け説、今後細かな修正はあるでしょうが、長く生きる説かと思えました。
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「”私の”バリ」という観点に共感
本書は、外国人観光客が往来するリゾート観光地としての賑わいとすぐ隣り合わせに静かに息づいている、バリ島に生きる人々が織り成す奥深い精神世界を、著者の個人的なバリとの関わり・体験・視点から、まるでそこにある音・色・匂い・動きまでもそのまま再現させようとするかのような精緻な筆使いで細やかに描写している。
私は、タイトルにある通り、「私の」という概念を常に念頭に置いていることに特に共感を覚えた。本書に登場する「バリ」は、著者の五感を通じて体験され、意味づけられた「著者にとってのバリ」であるということであるが、これは客観性を欠くということではなく、逆に著者自身の人生経験・葛藤・疑問などの具体的な視点から対比されることで、バリ社会の混沌とした内面をより鮮明かつ端的に捉えることに成功していると思う。読後に、読者がそれぞれの「私のバリ」を模索したくなるような一冊である。
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ナイル川をさかのぼる、古代エジプトの旅
スーダンとの国境にほど近いアブシンベルから、地中海に面したアレクサンドリアまで、エジプトを縦断して流れるナイル川。 本書は、ナイル川を下流から上流へとさかのぼる順序で、ナイル川のほとりに生まれた古代エジプトの文明・人々の暮らし・思想などを、豊富な図版とともに解説しています。解説の順序が 「ナイル川に沿って」 ですので、遺跡の建設された年代・その背景にある歴史は、章によってかなり時代が前後します。歴史の流れを見失わないよう、巻末の 『古代エジプト史略年表』 に栞をはさみつつ本文を読み進めることをお奨めします。 古代エジプトの主要(かつ有名) な遺跡はほぼ網羅されているので、エジプト旅行に携行する一冊としてよいのではないでしょうか。 * 単行本版ではカラー写真が比較的多かったのですが、NHKライブラリー版では残念ながらすべてモノクロになっています。
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東京裁判を問い直す
洪思翊中将の存在はこの本を読むまで知らなかった。 日本兵として戦い、最後まで立派に国際法にのっとって軍人として役目を果たしにもかかわらず、戦勝国の偏見により処刑されてしまった。 これの意味するところは、何であるのか。改めて考え直すきっかけになった。
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敗者の深層に迫る民俗学
四天王寺では、合戦で敗死した物部守屋の怨魂が悪禽(啄木鳥)となって危害を及ぼし、聖徳太子は鷹となって追い払ったとも伝えられる。物部氏は正史『日本書紀』でも近代史家の間でも不当に遇せられている。本書では民俗学の立場から物部氏と金属文化との関係を追求し、秦氏の役割も重視している。秦氏は鉱山開発等に貢献した帰化人で、「秦姓の舞」と称する四天王寺の楽人として活躍した。また、らい病者の救済に挺身した僧忍性は四天王寺の別当であったという。著者は広々と開放的な四天王寺に人間の精神の解放を感じるという(雅)
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司馬デビュー作を含む最初期の妖しく官能的な短編集
司馬32歳から37歳ごろの最初期の短編小説を編んだものである。
幻術は司馬作品に繰り返し表れるモチーフのひとつで特に初期の作品に多い。本書も8作中6作は幻術や呪術をテーマにしたものだ。幻術に惑乱される主人公たちの精神内面の描写のためか、この頃の作品には純文学に近い香りがある。
筆者は「兜率天の巡礼」が気に入っている。古代ユダヤ人の日本渡来説を下敷きにしたもので、新聞記者時代の司馬が実際に遺跡を踏査して記事にした。その小説版である。ちなみに司馬の長編第3作となる「風の武士」にも同じプロットが使われた。
以下、発表年順に収録作品を紹介する。
【ペルシャの幻術師】昭和30年 13世紀、蒙古軍のペルシャ遠征を背景に、ペルシャ人の幻術師と蒙古軍の若き王の戦いを描く。色彩や光、匂いの描写が実に官能的。
【戈壁の匈奴】昭和32年 ジンギスカン最晩年にしてやっと西夏を征服する。その動機はひたすら「西夏の美女を抱きたい」というものであった。男の夢、執念のすさまじさを描いて印象的。
【兜率天の巡礼】昭和32年 亡くなった妻は紀元前に日本に渡来したユダヤの末裔であった。何世紀もかけてギリシャ、中国をへて日本に渡った一族の歴史を追いつつ妻の面影を重ねていく。
【下請忍者】昭和34年 もがいても抜け出せない貧しく虐げられた下忍の人生。
【外法仏】昭和35年 呪術とあやかしの世界に迷い込んでしまった高僧の破滅。
【牛黄加持】昭和35年 帝の后となった憧れの女性に安産の密教秘法を施す青年僧。息が止まるほど官能的。
【飛び加藤】昭和36年 伝説の「超」忍者、加藤段蔵の伝。あまりにも凄まじい術ゆえに上杉謙信に疎まれ、武田信玄に暗殺される。
【果心居士の幻術】昭和36年 こちらも伝説の「超」忍者、果心居士の伝。漂着したインド人の子で、幻術で秀吉の秘事を暴いたため殺されたという。
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助け合って…
ヘレンケラーは、病気のため、見たり、聞いたり、話したりすることが出来ません。しかし、彼女は、サリバン先生とステキな恩師との出会いにより、彼女は、障害を乗り越えていきます。 私は、この本を読み、人間は、互いに支え合って生きているのだということに、改めて気付かされました。 とても、心温まりました。
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