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文学・評論
ゾマホン、大いに泣く―みなさま心よりありがとう
ゾマホン、大いに泣く―みなさま心よりありがとう
河出書房新社
price : ¥1,050
release : 2000-04

【商品詳細】

ローラ・インガルスという名の女の子… …それは「リトル・ハウス」シリーズの著者、ローラ・インガルス・ワイルダーのこと。インガルス一家は、小さな丸太の家を売り払い、インディアンの住む西部へ向けて旅に出ることになりました。一家はウィスコンシン州からカンザス州へ入り、ついにパパは、カンザス州の大草原に小さな家を建てます。農場での生活は苦しく、危険な目にあうこともしばしば。でもローラとその家族はいっしょうけんめい働き、大草原での新たな生活を夢見て楽しく過ごします。 幌馬車で西部をめざしてきたローラ一家ですが、そこがインディアン居留区だとわかり、再び移動しなければならなくなりました。 1940〜1954 ノータブル・チュルドレンズ・ブックス(ALA) 1976 ホーン・ブック・チュルドレンズ・クラシックス

この人、素晴らしい!!凄い!!分かりやすい!!感心したッ!!

 「見抜かれてる・・・」
 この人は「魂」で人と遣り取りをしてますね。人の深層心理を見抜くというか、薄っぺらい現代人とはワケが違う。現代人が失った「野生」を今もなお持ってますね。真理を見抜く目が鋭いというか。
 これは前著「ゾマホンのほん」の続編である。彼の日語の語学力は物凄く桁外れに大したものだ。驚いてしまう。その「言霊」というか、言葉の持つ一番深い意味を理解した上で喋っている。「ただ日語が上手な外国人」ではない。日人以上に日語が持つ当の意味を理解して話してる。そこが凄い。そんな彼が日の優れたところを世界的視野で見て、説明し、アフリカの現状を、欧米の搾取時代の事などを説明している。とにかく彼の「生き様」にはホトホト感心させられます。「ここまで相手を理解しているとは・・・」「世界を洞察しているとは・・・」と、この人は深い深いところを見据えた上で生きてますね。「教育こそ命」とばかりに自分の国に学校を建て、日のこれまでの歴史を教えたり、自分達の国を一つに纏めようとしているその姿は使命感に燃えています。このを読んで「そうか、日にはそういう良い部分があったのか・・・」と再確認する機会にして欲しいです。
俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)
俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)
幻冬舎
price : ¥480
release : 1999-04

チックな短編集

中身も見ずに「三谷幸喜」ってゆーだけで手に取ってしまったので、10分くらいで読み終えてしまうのは、少し悲しかった。そして話は切なかった。
「三谷幸喜=笑い」なんですが、今回は笑い無しです。もちろん三谷さんを想像しながら読むと少し笑えてきますが...。

モテない男の女性に対する空回りぶりを話にしたものです。
しかも、一晩の間でです。

この空回りぶりは読んでる方をヒヤヒヤさせ、切なくさせます。

10分間、引き込まれて読んでしまいましたが、やっぱり三谷さんには笑わせて欲しいので、笑いを求める人は他のエッセイをオススメします☆
腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)
腰痛放浪記 椅子がこわい (新潮文庫)
新潮社
price : ¥420
release : 2003-07

腰痛闘病記がとてもわかりやすい。

さすがに文章がうまいので、引き込まれて最後まで読んでしまった。
夏樹静子の腰痛は、色んな検査をしても、器質的な疾患が明確に
ならなかった。
そこで、考えられるのは、心の病である。
しかし、夏樹静子はそれが納得できなかったので色々と治療を試みる。

このを読んで、器質的な疾患がなくて、身体に疼痛がある時は、
心の病を疑う必要があるということが、少し理解できた。
天人五衰 (新潮文庫―豊饒の海)
天人五衰 (新潮文庫―豊饒の海)
新潮社
price : ¥540
release : 1977-11

完成された芸術

私はかつて、写真を通し、三島由紀夫の誠に美しい死体を見たことがある。

首を失い床に倒れた体の、何とも言えない膝の折れぐあいや、
カーペットに黒く染められた壮絶な血の広がりすら、いかにも絶妙で、この上なく美しかった。
胴体が首もとの切り口をこちらにむけ、その左手前に、三島と森田学生の首が並べて置かれている写真もあれば、
眠るが如く清廉な面立ちの三島の首のアップ写真も見た。
それらは超然としていて、すさまじい光景を移していながらも、
実に静かな印象を与える写真だったことを覚えている。

グロテスクなものの大の苦手な私が、三島の死体だけは、
大きな感動をもって見ることが出来た。
心底美しいと思った。
彼の死は、芸術的な意味でも、彼の持っていた武人的な意味でも、
間違いなく「成功」で、周りがどうのこうの論じることのできない境地にあり、
あの美しすぎる死体の前には、彼自身の成した如何なる作品でさえも、
実に小っぽけなものだと思った。

しかしながら、結果として、彼ほどその死をもって芸術を完成させた者は、近代・現代を通じていないし、
彼の数多き名作の中でも、「春の雪」?「天人五衰」の四部作が、
その作品スケール、繊細さ、強さ、哲学性、日精神、…あらゆる面で、群を抜いた最高傑作であることは論を待たず、
実に、日史上最高の文芸作品と評価されえる作品だと思う。
殊にこの「天人五衰」は圧巻であり、彼の終曲にふさわしい、
彼の持っていた一切の詩の横溢である。
三島の死を思うと、「天人五衰」の終わりを思い出さずにはいられず、
「天人五衰」を読み返せば、三島の死を思わずにはいられない、
彼の死とは切っても切れない唯一の小説作品ではないだろうか。

彼の死によって、ゆるぎなく完成されたこの作品を、
これからも世界中の人々に読まれ続けることを願わずにはいられない。

ひぐらしのなく頃に 語咄し編 2 -スクウェア・エニックス小説大賞アンソロジー
ひぐらしのなく頃に 語咄し編 2 -スクウェア・エニックス小説大賞アンソロジー
スクウェア・エニックス
price : ¥1,000
release : 2007-11-22

前回より

レベルが高くなったと思います。
個人的に『あるスクラップブック?』一押し。
最初は「?」な印象なのですが、ページを進めるとスクラップされた記事の内容などから
話が掴めてくる。これは凄いです。肝心の記事もリアリティがあります。
あとは『胡蝶の夢』。夢か現実かもわからない、最悪の世界と最高の世界。
祭囃し編の世界が「出来過ぎている」所に目をつけるとは面白い。
しかし、最後のグロはもう少し控えても良かったと思います。
『百年の病』では自分の気持ちに振り回される梨花が可愛らしい。恋愛ものはあまり好きでは
ないのですが、素直に楽しめました。
『りかさとうぉーず』は小ネタとテンポで読ませ、お約束展開を踏まえた優等生作品。
『祭囃しその後』はシナリオ中の富竹の変態ぶりが見所。

自分は上記の作品がお気に入りです。創作に興味がある人は一読しておくと良いでしょう。
すすれ!麺の甲子園
すすれ!麺の甲子園
新潮社
price : ¥1,470
release : 2008-04

椎名誠が“わしわし”食ってないのが少し寂しいが

小説新潮に06?07年にかけて連載されていた「麺の甲子園」を改稿・改題した作品。日全国の麺を食べまくり、独断と偏見?で日一の麺を決定するという企画物。

環境問題だとか難しいことは一切無しで、現地の店を訪れてひたすら食べまくる。そして、あらかじめ店に予約をするでもないので突撃ルポの様相を呈している場面が多い。椎名誠のおもしろさはやっぱりこれだよと思いつつ楽しみながら読んだ。

残念、というか寂しさを感じたことがひとつだけある。昔は、“わしわし”食っていたはずの椎名誠が今回はわしわし食っていないことだ。椎名誠も年をとるんだなぁと感じると同時に、わしわし食っている彼を知っている自分もまた年をとってしまったことを思いいつつ妙な感慨が湧いてしまった。

点と線 (新潮文庫)
点と線 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥460
release : 1971-05

謎解きを終えた後に感じる、昭和の名残

九州福岡の海岸で見つかった心中と思しき
男女の死体。いったんは心中と片付けられた
この事件の謎を追う警視庁の刑事三原と
福岡県警の鳥飼。
福岡、東京、北海道、鎌倉・・・。
いろんな場所が点が線で結ばれて、絡まりながら、
謎が解けていく。
社会派ミステリーの推理小説。

ヨメが福岡出身なので、香椎だとか行ったことがある
場所が舞台となっているので、多少イメージしながら
読めました。
だけど、時代背景が昭和30年代なので、ちょっと
ピンとこないところのないわけでもない。

青函連絡船も廃され、鉄道も高速化、飛行機も
普通に乗れるようになった今では、この話の
前提も変わってくるでしょうね。

清張は以前、「日の黒い霧」を読んだけど、
ひとつの事件の裏に、何か大きな黒い陰謀が隠されている
っていうところに、その共通性もありながら、
それが昭和30年代だったんだなと痛感してみたり。
ある意味、今の中国にも通じるところがあるんだろうけど。

謎解きを終えた後、男の、そして女の執念の恐ろしさを
感じました。

山本五十六 (下巻) (新潮文庫)
山本五十六 (下巻) (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1973-02

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旧海軍軍人のノスタルジアも多少・・・

五十六に関しては、およそ支離滅裂な愚将という印象しか湧いてこない。しかしながら、この作品に見るように、戦後も彼を異常に美化する人々が如何に多いことであろうか。大方、戦前、海軍や外務省にいた人々は、自分達は戦争に反対であったのに、陸軍が無茶をしてあんな戦争になってしまった。我々は常に利口でスマートであったという、優越感のようなものがあって、その象徴として山五十六という存在が必要なのではないだろうか。「二年間は暴れ回ってご覧にいれます。それ以上となると物量が続かないのでそれまでに講和してください」というのは、確かに賢そうに聞こえるが、もし、その言葉通り将来的な講和を睨んでの作戦なら、真珠湾奇襲のように相手の急所を蹴り上げるようなまねはしないだろう。酔っぱらいのケンカでさえ多少の分別がのこっているのなら、せいぜい、胸ぐらをつかんでの取っ組み合いである。結果として、アメリカ人をして、原爆を叩き込んでも良心の呵責に苦しむことないほどに日に対する憎悪をかき立てたのが山ということになる。アメリカの国力を知り尽くしていたというなら、政治の延長としての作戦を優先するべきではないか。もし漸減邀撃作戦に類似した戦い方を選択していたならば、かなりの長期にわたって交渉の可能性を残していたであろうことを考えれば、一時の功名に走って日の命脈を丁半博打に賭けた博徒としての山像しか浮かんでこないのだが・・・。それに死に場所を求めての南方視察なら一式陸攻の搭乗員は自死に付き合わされたということなのだろうか?確かに、あの様な戦争は誰も望んでいなかった、それに反対していた「海軍」というエリート集団の代表をヒーローとして持ってきたいという旧海軍軍人の気持ちは分からなくもないが、虚像を理想化し続けることは進歩にはつながるまい。
ホビットの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)
ホビットの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥756
release : 2000-08

ロード・オブ・ザ・リングでトールキンにハマッたひとにオススメ

指輪物語のように壮大なスケールではないが、その分暗さがないというか明るくて楽しいという感じ。
指輪物語や映画ではビルボはすでに年老いていて指輪に蝕まれた姿からマイナスイメージを抱くかもしれないが、書では彼はまだ青年(?)で、純真で間抜けなホビットである。

また、指輪物語のギムリの先祖のドワーフたちが登場するなど、指輪物語へのつながりも深いのでお勧めする。
大草原の小さな家 (福音館文庫)
大草原の小さな家 (福音館文庫)
福音館書店
price : ¥788
release : 2002-08

ローラの眼は、自然界から身のまわりの社会へと

ウィスコンシン州からカンザス州への幌馬車の旅(これは、実に千キロ余、札幌から東京を過ぎ静岡あたりまでに相当する!)をする。プレイリーも平らな草原ばかりでなく谷山あれば川もあり、その川も、流れは激しく、泳ぎの上手な犬でさえ渡りきれず行方不明になることもある。小さな家を建て、ささやかな牧畜を始め畑も開墾する。狼の群れとその鳴き声に緊張をおぼえる。子どもたちもそうした生活の中から大自然との共生を学ぶ。インディアンの風習や権利をも考える。そう、そこはインディアン・テリトリー。父さんは、漂泊の情にも動かされ、インディアンの地から脱出することを決め北への旅に出る。

6?7歳のローラの眼は、自然とのつきあいから、次第に身のまわりに展開する社会というものへと拡ってゆく。しかし、ローラ一家にとっては、インディアンをその地における先輩と見ることは考えるべくもなかった。それは、アメリカ西部開拓のその後の歴史を多少なりとも先取りしていたのかも知れない。
愛しの陽子さん (新潮文庫 よ 18-19 yoshimotobanana.com 20)
愛しの陽子さん (新潮文庫 よ 18-19 yoshimotobanana.com 20)
新潮社
price : ¥540
release : 2007-11

「愛しの陽子さん」と「モリログ・アカデミィ 8」


 よしもとばななさんの「愛しの陽子さんと、森博嗣さんの「モリログ・アカデミィ 8」を続けて読んだら、ちょうど同じ時期の記録でお互いに相手に会ったことが書いてありました。
 作家さん同士でも当然気の合う合わないがあるんでしょうが、このお二人が親しくしているというのも何か不思議な感じがします。
 まったり癒し系にみせてその実裏にダークな心を潜めている風なよしもとさんと、クールでそっけなく感じるのに当は情が深いといった面があるような森さんでは作風がまったく反対に思えるんです。
 当然相手のことを二人とも褒め称えあっているし、どちらのファンが読んでも不愉快に思うようなことはまったく書いてはいないんですが。
 とくによしもとさんって何でもかんでも褒めてばっかりの人なんですよね。
 こんなにいつもいつも周りの人や物事を、ものすごいとかすばらしいとかって思ってばかりいられるものですか。
 まあもちろん作家の文章だから、真実ばかりではないのは当たり前でしょうが、それにしてもこんなに普通のことまで賞賛してばかりいると褒め殺しのようにかんじてきてしまう。
 


日暮れ竹河岸 (文春文庫)
日暮れ竹河岸 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥500
release : 2000-09

短編19編 みんな完璧!

この単行は藤沢周平さんが亡くなる前年に刊行された。なかなか感慨深い。
私の購入した文庫の帯には、「最晩年の記念すべき名品集!」となっている。

このに収録されている短編は大きく2つに分かれ、
■江戸おんな姿絵十二景:12編
■広重「名所江戸百景」より:7編
市井もの短編 計19編収録。

どれも10?15ページほどの短い小説であるが、短編ながら起承転結が完璧。
また、短いながらもスケールが大きく、 「よくこの長さで話をまとめるよなー」と感心させられる。


どれもこれも1級品であるが、なかでも特に
「雪の比丘尼橋」はすごい。

たかだか14ページ。しかし帰宅の地下鉄の中、思わず涙ぐんでしまったのは他でもない私です。「ほんと、参っちゃうよなー」という感じ。言葉がありません。

■内 容:
若い時から好き勝手やってきた老いぼれ爺が、小銭を手にして酒を飲む。ついつい自分の非力も省みず勢いで喧嘩をふっかけ、こてんばんにされて雪の中に放り出される。目の前には先に逝ったばあさんが、「若いうちは良いんだよ、若いうちは・・」と。血だらけになった身体を引きずり、どうにか誰も居ない家までたどり着いた。
「おや?そこですすり泣いているのは誰だ?」と、

この後の残り3行、一気に涙が溢れます。
この短編だけはぜったいに自宅で読んでください。間違っても電車の中では読まないように。

■お薦め度:★★★★★
新解さんの謎 (文春文庫)
新解さんの謎 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥540
release : 1999-04

それほどでも....

「新解ブーム」の火付け役かもしれませんが、このそのものを読んでもそんなに腹を抱えて笑えるとか、電車の中では読むなとかと言うほどでも無いと思います。
新明解国語辞典を買って、面白い例文を自分で探して読んでみたくはなります。
いっしょに掲載されている「紙がみの消息」もどうもいただけない。
何かこの作者の語り口が性に合わないみたい。

裸のランチ (河出文庫)
裸のランチ (河出文庫)
河出書房
price : ¥1,050
release : 2003-08-07

フリージャズ

理解しようと努力しなくてもいい、するべきではない。このは読むのではなく感じるものです。フリージャズをマイルスデイヴィス、オーネットコ?ルマン以外、誰が理解しているでしょうか?これは音楽でも文学でもなく”音学”です。どんな凡人の方でも、どれだけ気狂いの方でも感じようと努力してください。アンディーウォーホールのポップアートがそうであったように、パンクロックがそうであったように、バロウズもジャンキーの阿呆ども、インテリのチャラ男、興味位で見ただけの自称読書愛好家、だけでなくすべての人々に感じて頂けるはずです。バロウズはあなたの隣にある狂気を、嘘偽りなく赤裸々に表現することができる数少ない作家の一人です。
最近映画化やドラマ化で流行っている”読者を感動させる”こそ偽りそのものです。
書いているバロウズ自身は『このを書いた記憶はない』と言っているのですがそんなことは関係ありません。感性で描かれたものを感性で受け止めてください。
全一冊 小説直江兼続―北の王国 (集英社文庫)
全一冊 小説直江兼続―北の王国 (集英社文庫)
集英社
price : ¥1,000
release : 1999-08

はぁぁ・・・

才槌頭=のっぺりした東洋系ではなく、凹凸のはっきりしている西洋系の頭蓋
反っ歯=歯が反っているのではなく、噛み合わせで上歯が下歯の前に来ると言うことで、現代風の歯並び
身長=当時の平均身長より、やや上
容貌=女顔の美男子

なのに、石田三成はこんな風に書かれているのかー・・と、ショックと言うより失望的感情
もう少し、史実に沿った物語だったらよかったのになぁ・・(涙
内容の方は、かなり美化されてるなぁと言う印象
越後大名時代、後任の堀長政にかなりの迷惑を掛けた『米持ち去り事件』を知らないのか?と言いたい
この作家さんは、周囲の人間を悲惨な人物で書くことでしか、主人公を引き立たせられないのかと思うと、他の作品を買う購買意欲が失せる
たくさんの作品を手懸けているだけに、とても残念
夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)
夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)
新潮社
price : ¥460
release : 1971-07

今の季節にぴったり

妖精の女王タイターニアと、人間の世界の恋人たちに
妖精パックが魔法をかけるが、手違いで奇妙なことになる「夏の夜の夢」と、

追い落とされたかっての王が、元の地位につこうと魔法をふるい、
その娘と、互いにひとめぼれした王子の恋が
すべてを大団円に導く「あらし」

二話とも、人間の世界と魔法や妖精の世界がまじりあう幻想的な雰囲気と
登場人物たちの心情のリアルが
美しい文でしあげられています。
ちょっと強引な大団円ですが、あらしのラスト、エピローグは
ちょっとした仕掛けになっていて、すごく好きです。

今の季節に読みたい一冊です。
神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)
神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)
偕成社
price : ¥735
release : 2004-09

最悪の状態から…

数ある漂流小説の中で、これほど最悪な条件から始まる小説は無いだろう。
ヴェルヌの『十五少年漂流記』では、漂流した船に、必要な道具は積んでいたが、この話は殆どゼロからだ!
米国の南北戦争で、南軍から逃げた五人の男と一匹の犬が、気球を奪い、南太平洋の無人島に漂着するのだが、道具は殆ど失い、リーダーのサイラス・スミス技師が行方不明。
マッチ一、小麦一粒、犬の首輪、着ている服、懐中時計数個の状態。

……なのに、この五人は、カマドを作って煉瓦や壷を作り、火山の麓から鉄鉱石を見つけ、製鉄を始めたりと、当に凄い!
『無人島に行くなら何を持っていく?』
の質問に、カップめんと答える人は多いが、私なら、この神秘の島を持っていきます。(笑)
石鹸や、フイゴ、鉄、蝋燭まで作っていくのだから、当に凄い!
フランスの旅 (no.3) (エイムック (1279))
フランスの旅 (no.3) (エイムック (1279))
〓出版社
price : ¥1,260
release : 2006-11

せつなさは夜の媚薬 (リンクスロマンス)
せつなさは夜の媚薬 (リンクスロマンス)
幻冬舎コミックス
price : ¥898
release : 2004-11-27

面白かったです

シリーズも3作目。この作家さんの思い入れと執着を感じます。
他の作品に比べて内容も濃いです。編の主人公を好きな声優さんが
演じていることもあり、脳内変換しながら読んで萌えました。
円陣先生のイラストがきれいで印象深いです。このイラストなしには
語れない作品でしょう。次回作も楽しみです。
個人授業のその後で!? (角川ルビー文庫)
個人授業のその後で!? (角川ルビー文庫)
角川書店
price : ¥520
release : 2005-04-28

藤崎さんの作品ではこのシリーズが一番!!

年下攻めの好きな私にはもうこの二人はツボでした。
クールでかっこ良くて気がきく攻めが、受けの言葉に傷ついて切なそうにするシーンなんて受けと一緒になってこっちまで心臓ぎゅってなってしまいました。

受けの視点で書かれていると、攻めの心情が読み取りづらいことが多いのですが、この作品ではそれがなく、どんどん感情移入できました。

お勧めです!!
嵐が丘 (新潮文庫)
嵐が丘 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥740
release : 2003-06

ケルト民族の古代悲劇

嵐が丘を近代小説として読むと
思いこみだけで行動する人物像に、
人形劇のような不自然さを覚えてしまう。
しかし、嵐が丘は、ギリシャ神話のように、
荒野に生き愛し死んでいくケルト民族の古代劇として読まれるべきなのだ。
心理学者河合隼雄がいうように、人間の愛や嫉妬や憎しみといった感情は、
それこそ古代から現代まで何も変わっていないのだ。
スコットランド荒野という限定された舞台をつかって、
いや限定された舞台だからこそ、
人間の原始的欲望や愛憎が明らかになる。
ギリシャ悲劇や源氏物語のように、
エミリー・ブロンテは、伝えられず消滅していたケルト古代劇を、
巫女のように想像力で時空を越えて読み解き、
たまたま生きていた19世紀に作品としたのだ。
エミリ・ブロンテは、ケルト古代劇を憑依されて伝える巫女なのだ。
嵐が丘を書いた後、巫女の役目を終えたエミリは、30歳で神に召された。
嵐が丘は、荒野に生きるケルト民族の古代悲劇なのだ。

しかし、この新潮社版の翻訳者は、
原文がそんなに下品な言葉でないときでも、
下品な日語に訳すなど、
英語の階級差による微妙なニュアンスが理解できているか疑問なので、☆三つです。
原書は、もちろん☆5つです。
要所要所は、ぜひ原文で"Wuthering Height"を読むことをおすすめします。
冥途のお客 (文春文庫 さ 18-13)
冥途のお客 (文春文庫 さ 18-13)
文藝春秋
price : ¥510
release : 2007-09-04

文壇は霊界にもあった

「なんだろう」と手に取ったら、
佐藤愛子による霊界についての解説書だった。
心霊現象にたびたび襲われる中、
佐藤愛子は霊界の存在を信じるようになった。

「死は怖くない、あの世があるから。」
それが書のテーマだ。
工藤美代子の「日々是怪談」のような心霊エッセーだと思い購入したが、
霊界指南的なメッセージ性の高い書籍だった。

霊界にまつわるエピソードに登場する人物は、
遠藤周作、開高健、有吉佐和子、色川武大・・・。
昭和の文豪たちが続々と登場する。
佐藤愛子は彼らと交流があったのだので当然ではある。
いわゆる文壇の様子が思いかけず追体験できた。
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (上) (スニーカー文庫)
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い (上) (スニーカー文庫)
角川書店
price : ¥540
release : 2006-10-31

祭りの始まり

上下巻です。
この巻ではみかんが故郷に帰ります。
そして、『祭り』に巻き込まれます。

あくまでも始まりの部分しか描かれていません。
それぞれの思惑が渦巻く直前。

祭りを行おうとする葛城家
葛城家に雇われた石動圭
みかんの姉(香)の守り人、紫藤 辰巳
みかんの守り人、橘 弓鶴
協会の影崎

読み応えは少し物足りなく感じます。
描写は悪くありません、静かな雰囲気が出ていて良い。

全ては下巻で明らかになります。
触発 (中公文庫)
触発 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥800
release : 2001-04

ラストシーンは緊張感たっぷり!

 冒頭いきなり地下鉄霞ヶ関駅構内での爆弾テロ事件から始まります。死傷者300名を超える大惨事となったこの事件の数日後、爆弾処理のスペシャリストである岸辺と横井の2人の自衛隊員が捜査部に送り込まれた。そして捜査に加わった当日にも第二の犯行が渋谷センター街で起きた。岸辺の独自の考えで、犯人は軍隊経験者で爆弾のプロと推理し、その犯人像から一人の男が浮かび上がった……。

 物語では、爆弾テロ事件、犯人の目的、主人公・岸辺の過去……と、見応えある展開が最後まで続きます。命懸けで爆破処理をするラストシーンも緊張感たっぷりに描かれているのですが、爆破シーンではその場面の描写があまりにもあっさりと描かれていたのが残念です。もう少し、怪我人の状態や爆破直後を迫力ある描写としていれば、更に物語は緊迫した印象になっただけに、この点だけが残念です。それでも、事件捜査する警察と岸辺達が少しずつ犯人像に近づく過程や犯人の最後にとった行動など、読ませる作品となっています。

平成三十年 (上) (朝日文庫)
平成三十年 (上) (朝日文庫)
朝日新聞社
price : ¥714
release : 2004-01-17

予想が当たっている?

このが、最初に朝日新聞に掲載されたのが平成7-8年ごろです。その後、12年経って改めて読み直すと、恐ろしいほど実現しています。平成30年まであと10年、改めて読む価値があると思います。
午前五時のシンデレラ (新書館ディアプラス文庫 167)
午前五時のシンデレラ (新書館ディアプラス文庫 167)
新書館
price : ¥588
release : 2007-08

とても好きです

BL小説を読み始めて間もない頃に手に取り、どっぷりはまりました。
主人公が飛良に惹かれてから二人が真に結ばれるまでの過程が丁寧に描かれていて、とても自然です。
飛良の、野生的な荒々しさの中に少年らしさや純粋さが垣間見える様子も、とても魅力的。そのキャラクターに、小倉弁がこの上ないほどぴったりです。小倉弁あっての飛良でしょう。
主人公の芯の強さも好感が持てます。
主人公の謎が少しずつ提示されはじめ、おや? と思う間に次が気になって仕方なくなるつくりがうまいと思いました。
おかげで、最後まで一気に読んでしまいました。面白かった。

単語の遣い方がおかしいといった違和感を感じることもありませんでしたし、BLに見られがちな、一般的ではない難しい言葉をこれ見よがしに使うといったこともなく、すっきりして読みやすいです。
当に文章がうまい人は、難しい言葉を使わなくとも十分に魅力的な文章を書けるのだと思いました。
トポロシャドゥの喪失証明―ソウルドロップ彷徨録 (ノン・ノベル 841)
トポロシャドゥの喪失証明―ソウルドロップ彷徨録 (ノン・ノベル 841)
祥伝社
price : ¥880
release : 2008-02

伊佐 VS 千条

今回は、高等数学に基づいて造られた芸術作品、トポロスに刻まれた予告状をめぐる物語。 サーカム上層部の意向に沿わない行動をとったと判断された伊佐と、サーカム上層部の命令を重視する千条との闘いは注目です。 今回のキーパーソン、波多野ステラと諸三谷吉郎も、味のあるキャラクターで良い。 「いい男じゃない?俊一さんって」と言って奈緒瀬をからかう強者、ステラ。病気の妹のために、どこか間違った頑張り方をしてしまった吉郎。 これは、大切なものは何なのか考えすぎてしまった人、大切なもののためにどう頑張ればいいのかわからなくなってしまった人、わからなくても突き進もうとする人の話。 間違ってはいたけど頑張り続けた吉郎のラストはどこか切なく、でも共感出来て… 頑張ることは時に辛いことだけど、でも、頑張りたいことが一つもないというのは、すごく寂しいことなのかもしれないと思わせられた作品です。

ルー=ガルー ―忌避すべき狼 (1) (リュウコミックス) (リュウコミックス)
ルー=ガルー ―忌避すべき狼 (1) (リュウコミックス) (リュウコミックス)
徳間書店
price : ¥580
release : 2007-09-20

うまい

原作を読んでいると、結構ギャップを感じます。いや、そこが良いとも言えますが。
絵も話の展開のアレンジも良いです。オリジナルの要素も多数入れられているので、原作を読んでいなくても大丈夫でしょう。
京極夏彦さんの小説が苦手だという人でも、これは一つのマンガとして楽しめると思います。お勧めできます。
辻斬り
辻斬り
新潮社
price : ¥500
release : 2002-09

読み出したら止まらない


久し振りに第1作を読んだら、止まらず第2作の書も手に取ってしまった。

書には7つの短篇が収められているが、どれも味わい深い作品ばかりだ。強烈なキャラクターが登場する「鬼熊酒屋」と「妖怪・小雨坊」は印象が強いが、鰻屋が主人公の「悪い虫」も軽妙でいい味が出ていて楽しめる。

あっという間に読んでしまったので第3作を読むしかないようだ。
エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)
エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)
集英社
price : ¥1,575
release : 2005-12

がっかり

「光の帝国」に収録されている「オセロ・ゲーム」の続編ということで、かなり期待していました。しかし期待が大き過ぎたのか、全く楽しめませんでした。

行方不明になった父親や冷蔵庫に張られた電話番号、ひっくり返すという能力・・・オセロ・ゲームのスリリングでミステリアスな世界観を形作っている断片的な「謎」が具体的に解き明かされ、よりスケールの大きな物語が展開されていくのが今作です。しかし、前作で私を惹き付けた、日常と非日常の危ういバランスの妙といったものは失われてしまい、再構築された広大な世界観からは、高踏的なコンセプトを一方的に突きつけられたような居心地の悪さを感じてしまいました。

個人的には、あの薬局の奇妙な存在感が好きでした。でも説明されると、どうもしらけてしまう。
つばさよつばさ
つばさよつばさ
小学館
price : ¥1,365
release : 2007-09-27

軽妙洒脱な旅のエッセイ

現在もJALの月刊機内誌にて連載中である。飛行機に乗ると,まずこれを読むことに決めている。自分の旅のあれこれを気ままに綴ったもので,無言の機内で1人で吹き出しそうになることもある軽妙さ。
それでいて,優れた文章力,豊富な表現力である。
浅田次郎さんの小説は,「プリズンホテル」「鉄道員」など映画化等もされていて,
メジャーでミーハーと勝手に思っていたが,
体育会系文学少年であったと自称するとおり(体育会系かどうかは関係ないが),
深い教養に支えられた文章は,読んでいて満足感が深く,変なストレスもたまらないものである。
大昔,遠藤周作さんの「狐狸庵」先生シリーズというエッセイを愛読したことがあったが,
軽妙さ,巧みさ,
「そんなことどうでもいいじゃない」といったことに敢えて首を突っ込む下世話な感じなど
ちょっと似ているかなと思った。
★4つにとどめたのは,機内で「今月は何かな」と思いながら1作読むのがちょうどよいようにできており,したがって,何作もの連載がになったものを一気読みするには向いていないな,という感じがしたからである。実際,このも寝る前に1作という読み方をさせてもらった。
雲を掴め―富士通・IBM秘密交渉
雲を掴め―富士通・IBM秘密交渉
経済新聞出版社
price : ¥1,785
release : 2007-11

交渉術のと読むと良いが知的財産のとしては

富士通がIBMのソースコードを盗んだことを訴えられた事を元にした小説

この小説は1980年代に実際に起こった紛争とその交渉を題材に
その富士通側の当事者だった著者がまとめたものです。
小説はほとんど、著者の視点から展開されており、また時系列で
書かれているので、特に伏線などもなく、報告書とも言うべき内容に
なっている。しかし事実を元に書いているので目次は充分にインパクトが
あります。

 結果的にはその時代の背景などをうまく利用した富士通が
交渉を有利に展開したという交渉術としては成功した事例だと考えます。
また著者も交渉の経緯を書きたいという意図どおりの内容になっています。

しかし残念ながら、ビジネス的には海外展開の道を塞がれ、
20年経った今、富士通のITビジネスに対する評価が無いこの交渉記述は
古き良き富士通の伝説を伝える小説ではないかと考えます。

交渉の焦点が知的財産であり、日で起こった珍しい事例なので、
それを期待して読みましたが、ほとんど記述がありません。また
事実を元にしているとは言え、20年前で且つ小説とのことで
真実かどうか検証する手段が無い点で厳しい評価になっています。
ヘミングウェイの酒
ヘミングウェイの酒
河出書房新社
price : ¥1,680
release : 2007-12

続・大空のサムライ―回想のエースたち (光人社NF文庫)
続・大空のサムライ―回想のエースたち (光人社NF文庫)
光人社
price : ¥900
release : 2003-04

大空のサムライを読んだ人へ

名著「大空のサムライ」の続編ですが、ひとつひとつのエピソードに、失った戦友への愛が感じられ、彼が戦争という狂気の中にあっても人間として大切にしなければいけないものをちゃんと持っていた軍人であったことがわかります。
書を読むと彼が、「自己の全知全能を傾けて取り組む姿勢」に大きな誇りを持ち続けたことがわかり、またそう言った人たちが戦時中にたくさんいたからこそ、緒戦の勝利に結びついたんだ、ということが改めて理解できます。

さきの戦争については様々な議論がありますが、こういう人が、「戦争はやってはいけないんだ」ということが何よりの反戦のメッセージになるんだ、と感じました。

いぬかみっ!EXわん! (電撃文庫 あ 13-19)
いぬかみっ!EXわん! (電撃文庫 あ 13-19)
メディアワークス
price : ¥578
release : 2007-09-10

編があまりにも盛り上がったがために…

編…特に13,14巻 完結編(上・下) がすさまじい盛り上がりだっただけに、番外編がいまいち物足りない感じがします。星1つ減じてあるのはそのため。

こう…ゆったりとした雰囲気を楽しみたい方には、逆に星6つぐらいでもいいのではないかと。

あえて難を付けるとするなら…変態さんたちがあまり出てこない点でしょうか。
SummerDays (ハーヴェストノヴェルズ)
SummerDays (ハーヴェストノヴェルズ)
ハーヴェスト出版
price : ¥893
release : 2006-11

岡田版「School Days/Summer Days」は現代の「源氏物語」

 前著の「School Days」ほどの衝撃的な物語ではありませんし、背後の動きを携帯メールの文章だけに留めて敢えて省略して読者に想像させるという手法に戸惑われる人も多いかもしれません。しかしそれでも相変わらず凄くて感嘆するのは、ヒロインの心理描写の巧みさです。
 小説の前3/4くらいは清浦刹那の言動や心理描写を中心とし、その後の1/4くらいは桂心の言動や心理描写を中心に話が展開していくのですが、ヒロインたちの心理描写が当にうまいです。
 私個人的には、西園寺世界のようなあけすけな性格の女性と話すほうが安心できて、清浦刹那のような口数の少ない女性に対しては「何を考えているかわからない」ということでつい敬遠してしまいがちですし、実際「School Days」でも、刹那が何を考えているのか私には今ひとつわからなかったのですが、この「Summer Days」小説版では (もちろん作者自身の解釈でしょうが) 刹那が何を考えどう感じていたかという心理の動きが見事に描写されていて、「あぁ、そうか、刹那はこんなことを考えていたんだ」と思わされるところが多かったです。
 桂心にしても私にはただ単に無邪気な小学生にしか見えていませんでしたが、(もちろんこれも作者自身の解釈でしょうが) 桂心の心理の中ではこんなことを考えていたのか…と感心しました。
 私自身が伊藤誠なみに女性の気持ちに疎いだけかもしれませんが(^^;) 岡田版「School Days/Summer Days」を読んでいると、女性たちの心理の機敏さが見事に描かれていることに感心するとともに、自分には小説で女性の心理を描写するなどできそうもないということを思い知らされます。

 伊藤誠という一人の男性をめぐって、前著「School Days」では西園寺世界と桂言葉が、そしてこの「Summer Days」では清浦刹那と桂心が、伊藤誠に対する恋心で一喜一憂し、そして「School Days」の桂言葉に至っては狂気にさえ陥るわけですが、伊藤誠をめぐる彼女らの心理を描写して書ききる巧みさは、現代の「源氏物語」といってもさしつかえないのではないでしょうか。「School Days/Summer Days」は、人間の情念がむき出しになってぶつかりうあうという点で凄いストーリーなのですが、そのストーリーの中で女性たちの心情が活き活きと描かれています。
 できればこの作者が加藤乙女などの他の女性の心理をどう描くのか読んでみたい気もします。また、この作者が「源氏物語」をリライトしたら、すばらしい物語になりそうな気もします。
俳句歳時記 夏 第4版 (3) (角川文庫 か 3-2)
俳句歳時記 夏 第4版 (3) (角川文庫 か 3-2)
角川学芸出版
price : ¥540
release : 2007-04

夏が来れば、この一冊を手元に

 五月になると、夏が来たような気がする。
それに、夏の歳時記を開いてみると、ひとしお夏の文化的匂いがしてくる。
季節別に分冊になっている恩沢だろうか。
夏は陰陽五行説で赤に当てられる「朱夏」これを季語とした例句は
  わが朱夏の詩は水のごと光るべし  酒井弘司
風物の色合いからすれば「青」が夏の色を象徴して、季語として目白押しである。
「青葉」「青田」「青梅」「青柿」「青桐」「青柳」「青柚」「青薄」「青芝」「青麦」等
【青葉】の解説を紹介しておきたい。
 若葉同様、木々の美しいさまをいうが、緑の深まりを感じさせる。青葉雨は青葉の時に降る雨だが、青時雨・青葉時雨は、青葉の頃、雨が上がった後の木下を通ると、葉にたまっていた雫がはらはらと落ちてくること。
 このように簡潔で、分かりやすい説明文も明記されている。 
    

狩りのとき〈上〉 (扶桑社ミステリー)
狩りのとき〈上〉 (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥820
release : 1999-09

文句なし、5つ星

書(上・下)は近年、読んだ冒険小説(ミステリ?要素もちょっぴりある)のなかでは、最高の読み物ののひとつ。
少々、緊迫感に欠けるところもあるが、F・フォ?サイス(緊迫感)、J・ル・カレ(文学的要素)の名作に準ずる評価をしたい。
名前探しの放課後(下)
名前探しの放課後(下)
講談社
price : ¥1,470
release : 2007-12-21

辻村さんの作品はなぜか懐かしさを感じさせる

 ミステリーというよりは青春もの。ミステリー的謎解き部分は『冷たい校舎の時は止まる』ほどの驚きはなかったですが、ぎゅっと切なくなるような描写がいくつもありました。読後感も非常にさわやかで良いです。

 まず、主人公・いつかくんがいい。イマドキの高校生って感じで、刹那的でちょっとバカっぽいところがあるんだけど、夢に対する迷いとか、あすなに対する想いとか、とても素直で子どもらしくてよかったと思います。
 あすなには個人的に結構感情入ってしまいました。「そうそう!」「わかるわかる!」という部分がすごく多い。そういえば私もこんなこと考えていたなぁ……と懐かしくなりました。高校時代のことって意外と忘れていますね。思いだすきっかけになるかもしれません。

 他のキャラも相変わらず魅力的。
 特にいじめられキャラの彼が気に入りました。変なしゃべり方が面白くてちょっと笑ってしまった。

(今だって広いとは言えないけど)高校生の時ってこんなに狭い世界で生きていたんだなと、改めて思いました。
 
 またこういう高校生ものを読んでみたいなぁ。
 辻村さんの作品には必ずといっていいほど恋愛描写が入っているので、ミステリーも味わってラブも味わってと、すごくお得な気分です。
シフト〈2〉世界はクリアを待っている
シフト〈2〉世界はクリアを待っている
メディアワークス
price : ¥1,680
release : 2006-06

サイコー

二巻でるのか心配していましたが、やっとでました。 しかも、三巻へと確実に繋がる終わり方だったので 小説好きの人なら読んで後悔なし!
ただ一つ心配してるのは、次巻がでるのにどのくらいかかるのか、ということ!
陸奥爆沈 (新潮文庫)
陸奥爆沈 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥460
release : 1979-11

軍艦爆発の真相

太平洋戦争中、当時の日の代表的戦艦が、爆沈する。火薬の自然発火が原因とされたが、内部放火説が有力となる。陸奥爆沈の真相を追ったドキュメンタリー小説です。軍艦の爆発は、陸奥以外にもたくさんあり、その多くは、乗組員の自殺目的や怨恨が殆どであったという。背軍艦という兵器が、人間一人の業で、戦わずして、沈没してしまう。それに伴い軍の上層部は、困惑してしまう様に人間の質を描き出している。綿密な取材に基づいた素晴らしい記録文学だと思いました。爆沈した陸奥の状況もイラストで書かれていて、わかりやすいです。太平洋戦争の裏側を知るのにも良いだと思いました。
泣き虫弱虫諸葛孔明
泣き虫弱虫諸葛孔明
文藝春秋
price : ¥2,000
release : 2004-11-25

著者の視点に喝采!

自他共に認める孔明フリークの私ですが、史実や記録を素直に見ると
実はこうなる、というのを納得してしまいました。

軍師は変態だし
英雄は大殺戮者だし
為政者は全悪親父だし

でも、著者のまなざしが、面白がりながらも優しくて当にバランスの取れた見方で書いてくださっていて、こういう人が国会議員になればいいのに。とおバカな感想を持ってしまいました(笑)

斬新、新鮮、痛快、それでいて「ああ、やっぱり人間が活躍してたんだなあ」としみじみ感動しました。

電車で読んでいて思わず爆笑した箇所が20箇所以上あります。
これは面白い。

ちなみに曹操フリークの友人にプレゼントしたら「こんなにうちの子(曹操)のことをわかってくれてありがとう」と感激してました。
斎藤一人の成功の魔法のランプ
斎藤一人の成功の魔法のランプ
学習研究社
price : ¥1,680
release : 2005-03

こころがラクになる

 かたくならず、気構えず、でも前向きに…なんだか心がラクになるさわやかな内容でした。

 CDもよいのですが、セクハラも絶対やってはいけないことです。一人さんもそれはわかって言っているのだと思いますがセクハラ被害にあった人が聞けば悲しい気持ちになるはずです。もCDも全体的にすばらしいのですがCD中のこの発言があるためにマイナス1点です。
祖国とは国語 (新潮文庫)
祖国とは国語 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥420
release : 2005-12

早期英語教育への反対と「祖国とは国語」という点では,私は藤原派です。

著者は、満州国生まれ(1943-)。作家の新田次郎・藤原ていの次男。東大数学科卒業(66年)。同大学院修士課程修了と同時に東京都立大学理学部助手(68年)。博士号(東大,73年)取得と同時にコロラド大学助教授。76年からお茶の水女子大学理学部数学科勤務。専攻は不定方程式論。『若き数学者のアメリカ』(77年,日エッセイストクラブ賞),日数学会『岩波数学辞典 第3版』(85年),『国家の品格』(05年)。以上,Wikipediaより。


Wikipediaの著作一覧を眺めると, 80年代までに3冊しかなかった著作が,90年代に4冊,00年代には8冊と,エッセイスト賞に有頂天にはならなかったことがわかる。下種の勘ぐりだが,数学者の着想力は40歳までと言われるが,彼もちょうどその頃から“雑文”(および対談集,関係者失礼)を書き始めている。


 書はその雑文の寄集め,失礼,エッセイ集。彼の雑念,いや思想は『国家の品格』と『若き数学者のアメリカ』に尽きている。経済学部卒業生として言わせてもらうと,もちっと統計やら論理やらで主張の裏付けが欲しい。これじゃあ感想文だよ。『心は孤独な数学者』(97年)を加えれば,専門分の以外の基的著作姿勢は判明する。特筆すべきは,初出が文芸春秋や産経新聞など右翼系メディアから左翼の極北=朝日新聞までにまたがっているということ。


 扱き下ろしているようだけれど,エッセイ自体は面白い。新ネタがないというだけ。早期英語教育への反対と「祖国とは国語」(シオラン)という点では,私は藤原派です。(885字)
プラネテス公式ガイドブック (KCデラックス)
プラネテス公式ガイドブック (KCデラックス)
講談社
price : ¥1,260
release : 2004-02-23

名残りですね。

 面白そうで買いましたが、アニメと漫画が(心の)宇宙に達したなら、
 打ち上げに使ったロケットがもう、関心を持たれないのと同様に、意味の無い出版です。
 これくらいの内容なら、日々の報道で自然に耳に入ってくるもの。

 ロケットの発射が終わって、発射台に立つようなものです。

写楽・考 (新潮文庫 き 24-3 蓮丈那智フィールドファイル 3)
写楽・考 (新潮文庫 き 24-3 蓮丈那智フィールドファイル 3)
新潮社
price : ¥500
release : 2008-01-29

写楽という虚像

決して表舞台に出ることなく推論を重ねる表題作。写楽という人物を描き出すための壮大な装置が仕掛けられている。
頭の中で整理されていく歴史は、物かどうかよりも説得力を持つかどうかという視点で語られていく。
物事はある面から語られているに過ぎないのだ。そしてこの作品は十分に説得力を持っている。
続 戦国自衛隊(5) 大坂城炎上編 (ノベルス)
続 戦国自衛隊(5) 大坂城炎上編 (ノベルス)
世界文化社
price : ¥900
release : 2008-05-10

まだまだ続く・・・

待望の第5巻、刊行です。
大阪夏の陣、豊臣方・自衛隊連合軍対徳川方・米軍連合軍の図式に加え、核兵器まで登場します。
自衛隊の隊員、近代兵器は次から次へ消耗してゆくのに対し、米軍はとうとう強襲揚陸艦・海兵隊遠征部隊まで現れ、この先一体・・・・・

ってな場面で、自作を乞うご期待。

展開としては、自作がクライマックスではないかと思わせる内容で、テンポよく物語を進めており、一気に最後まで読みきれました。

歴史を変えるって、当に一筋縄では行かないものですね^^;

ほしのはじまり―決定版星新一ショートショート
ほしのはじまり―決定版星新一ショートショート
角川書店
price : ¥2,625
release : 2007-12

星新一を新しいものとして読めてしまう現在って実は不幸なのかもしれない

 中学生のころ愛読した星新一を今回30年ぶりに再読した。あのころの自分にすぅーっと戻ったような不思議な感覚。30年も前の文学作品を読めば、普通は、その時代背景、悪く言えば古臭さをどうしても客観的に捉えてしまうものだけど(それが面白くて読む場合が多いわけだけど)、星新一の場合、読後感が当時のまま、のような気がするのだ。これは作者の「時事風俗は書かない、固有名詞は書かない、性や殺人は描写しない、などの自己規制」によるものだとは思うけど、普遍性ってのとはちょっと違う気がする。時代を超えて生き続ける「古典」っていうのとは違って、冷凍人間とかタイムトラベルといったSF的なメタファーがしっくりくる、つまり、過去のものが過去と認識することなしに現在に再現される、といったような奇妙な読後感。
 それと関係するのかもしれないけど、SFがいま流行らないのって、もう未来に希望が持てない、現在の延長線上以外の未来ってものを想像出来ないからだよね。星新一のころって、シニカルではあっても、未来(SF)が寓話に成りえた時代であってさ。今は生臭い現実の延長線上にしか未来は想定出来なくって。星新一を新しいものとして読めてしまう現在って実は不幸なのかもしれない。あの1970年代でSF(未来)が実は終わってしまったのかもしれないと思えてしまう現在を生きる僕たちを、星新一が今生きていたらどう描くだろうか。
 しかし、星新一の作品は、レトリックはゼロで(ゼロというレトリックという言い方も出来るけど)、徹底してプロットってのがすごくて、それが反文学としてのSFだったわけだけど、未来も文学もあの時代で一旦終わっちゃったのかなぁって気がする。個々には「証人」のように、その後ビデオが普及した今では成立しないプロットもあるけど、「流行の鞄」なんて、恩田陸の「ドミノ」を思わせる。クールな作風は今の時代と親和性があるのかもな。
絵本 ライオンと魔女 (ナルニア国ものがたり)
絵本 ライオンと魔女 (ナルニア国ものがたり)
岩波書店
price : ¥1,470
release : 2005-09-22

本 ライオンと魔女 (ナルニア国ものがたり)" src="http://www.1e-income.com/cart.gif">
コンキチ&ナターシャの絵ナビ

C・S・ルイス原作で映画化された物語を小学生向けにわかりやすく
編集されている絵です、これが当によく出来ているのです。
映画はDVDでさっと見ましたが残念ながら説明的な要素が多すぎて
楽しくありませんでしたがこの絵は原作のイメージを見事に映像化
しています。もう何度も読んでいますがある意味芸術の域まで絵
昇華させているといえるでしょう。
犯人のいない殺人の夜 (光文社文庫)
犯人のいない殺人の夜 (光文社文庫)
光文社
price : ¥580
release : 1994-01

傑作揃いの短編集

意図的なのかどうかわかりませんが、この短編集には東野圭吾が初期に得意としていた青春ミステリ的な作品が数多く収められています。彼はその後、その手法を封印したので、彼の初期作品の味わいを求める向きにはこの短編集はぴったりです。特に冒頭の『小さな故意の物語』はタイトルも含めて、青春の儚さを感じさせる傑作だと思います。『踊り子』もかなり切ないです。青春ミステリとは呼べませんが、『エンドレス・ナイト』も悲しくて美しい物語です。

タイトル作の『犯人のいない殺人の夜』は、タイトルがカッコいい割にはいまひとつ内容との関連が薄いのが気になりましたが、内容的には見事な作品です。事件の概要をあからさまに読者に見せておきながら、見事などんでん返しを見せてくれます。詳しくは書けませんが、こういう人を語り手に設定するという技には度肝を抜かれました。
病院で死ぬということ (文春文庫)
病院で死ぬということ (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥530
release : 1996-05

命はひとつ、救える成功率は100%しかない

・その当時、母の死に直面したばかりだった。医師も病院も無条件に信頼すべき存在のはずだった。医師の「9月末には退院できる」の言葉と裏腹に、術後9日で母と永別せねばならなかった。医師は「医学の予想を超えた悪化だ」と言った。私はその医師を憎んだ。母の命と彼を交換さえしたかった。人工心肺までして命を空しうした母に、涙が乾く日はなかった。心臓手術をして2日目、一般病棟に戻したことが誤診だとしか思えなかった。(その後意識が混濁悪化した。)誤診を疑われ、死の直前にカルテを見せて恥をかかせた担当医のことを、今尚人格者と思っていない。そんな折、私のケースそのままのタイトルを付した書を読みふけった。母のような悲しい事例も書かれていた。命がけなのは患者だけではない。そこには家族もいるのだ。書を読むと、病人の生死をめぐる治療が家族にもたらす功罪がよくわかる。
いのちのいろえんぴつ
いのちのいろえんぴつ
教育画劇
price : ¥1,575
release : 2006-04

評価などできるだろうか

心して買いました。そして読みました。

ただ、重たい岩を抱きかかえたような気がします。
私も二人の子供の親として、そして一人の人間として、何を想って
生きなければいけないか?大変な問いを、そして一番大切な問いを
もらいました。

二冊買いました。二人の子供にそれぞれ与えるためです。
人間の「いのち」は、皆どこかでつながっている、という恩師の言葉が
思い出されました。

のいろえんぴつの線。必死で書いたひとつひとつの文字。
全てが読むものに迫ってくる想いがします。

星をつけるのが非常につらい一冊でした。星などつけられない。
人の命を、加純さんの命を星などであらわせたくない。そんな想いです。
いい年をしてと思いつつも、いい年になったからこそ、生きることのつらさ、苦しさが
分り、そしてそれだからこそ、生きていることが何よりも大事だということを、
分らせてくれたです。

加純さん きっと「あなたのいのち」が誰かの「いのち」とつながっていると思います。
だから・・・あなたはまだ生きているんだよ・・・そう思いたい、そう願いたい「命(ほん)」です。

あれから、何度か読み返しました。そしてそのたびに・・・。
ごめんね。あなたの「おとん」と「おかん」は、一生懸命がんばっているのにね。
それなのに、全く関係のない「おじん」が泣き言を言っています。
加純さん、あなたの数万分の一でも強い心を持ちたいと思っています。
本気で生きよう!なにかが変わる
本気で生きよう!なにかが変わる
大和書房
price : ¥1,575
release : 1999-10

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実話の凄み

 感動を売る男:
手話をプロとしての地位に、
確立した人と思っております。
 1年の内:半分は、講演活動に飛び回る日々を、
15年続けている方です。

 このは3回位は、読んでいるのですが、
何度読んでも、心に染み込みます。

 すべて実例を元に、構成されています。
実例の迫力に、勝るものはありませんね!

 どのエピソードも、感動しますが、
私は、P52「空気が動くと感動が生まれる」

 特急バスが発車して間もなく
前方席のおじいさんが
「峠の手前のホロ町で降ろしてもらえんかのう」

 ガイド嬢は困った表情で
「お客様、特急バスは決められた場所にしか、
 お止め出来ないことになっています……」

 おじいちゃん
「このバスが、特急バスと知らんで乗ってしもうた。
 時間にわしが行かんと、皆が困るんで……」

 ガイド嬢
「安全な場所にお停めすると、他のお客様から
 ”じゃ、あそこに停めて”
 ”私は、ここで降ろして”言われた時、
 お断り出来ません」。

 他の乗客達が、なんとか出来ないものかと、思った時

 運転手さんと話していたガイド嬢が……
「お客様に申しあげます。当バスはこれより
峠に差しかかりますので、
念のためブレーキテストを行います」。

       ”ドアの開閉チェック”

 ガイド嬢は、おじいさんに向かって目で合図し、
右手を小さく差し出したのです。

 おじいちゃんは、”ハ”と、気づいて、
急いで荷物を持って乗車口に進み、
ステップの前でクルリと 振り向き、
運転手さんと、ガイド嬢に手を合わせて、
何度も、何度も、頭を下げました。

……ゆっくりとバスのドアが閉まり、ガイド嬢の明るい声
「ドアの開閉チェック完了、ブレーキテスト終了、
 発車オーライ!」
 期せずして車内には、大きな拍手が沸き上がりました。

 ”体を動かすと流れてくるのは、汗”
 ”心が動くと込み上げてくるのは、涙 ”
 ”空気が動くと生まれてくるのは、出会い”

感銘:
 人に気づかれないようにする、優しさを学びました。

 こういう話を聴くと、心地良い気分になれます。
他のエピソードも、丸山さん独自の語り口で
書かれており、心の奥に、染み込むものばかりです。
9S 8 (8) (電撃文庫 は 5-9)
9S 8 (8) (電撃文庫 は 5-9)
メディアワークス
price : ¥641
release : 2007-07

良い意味で裏切られました

 9Sもとうとう最終巻か……と読み進んでいましたが、アレ?当に終わるの……ええっ続いてくれるんだ――と、良い意味で裏切られた事をしりました。

 作者の葉山さんも、あとがきで書かれていましたが、9Sは行き着くところまで行く様ですね。読者としてはこれ以上嬉しいことはありません。

 毎回、由宇や闘真が死にそうになったりと、少々心臓に悪い展開もありますが、まだまだ真目家と峰島家の謎や、マモンと八代がこれからどう転ぶのかなど、決着を付けなければならない問題が山積み。

 多くの作品が、ページ数の関係で曖昧にしてしまったり、結果のみを書いて終わり――という状況が多いなか、細に入り微に入り決着を最後まで読者に届ける物語は、やっぱり9Sですね。

 今巻も、ハラハラどきどきの展開で、早く次巻が待ち遠しいです。
ごんぎつね
ごんぎつね
偕成社
price : ¥1,470
release : 1986-09

大人になって

子供の頃、一度は文庫で買ってもらったものの
(生意気盛りには絵なんて子供っぽくて嫌だったのです)、
この絵の絵がとても素敵で、どうしても欲しくて、無理をいって買ってもらった
思い出のあるです。(手袋を買いに、も同様)。

今見ても素敵な絵だなあと思います。
友人達の子供も皆を読む歳になったので、プレゼントにしたりもしています。
(すでに持っていたので候補で終わった事も2度あったけど。)

粗筋は改めて説明するまでもないでしょう。あのごんぎつねですから。

でも子供の頃は「手袋を買いに」は素直によい話だと思っていたのに対し、
ごんぎつねの方は、
「なんて理不尽な話なんだ。ごんぎつねが可哀相」と泣きながら怒っていた気がします。
怒りつつも繰り返し読み、ごんが死なずに和解する話に作り替えたりもしました。
良いことをすれば、必ず報われる。人は分かり合える。
物語はそうでなきゃ、と信じていた、多分に傲慢な時代のお話です。

さて、改めて大人になって、の整理をして読み返して…やっぱり泣きました。
ごんぎつねの孤独の深さ(でなければ、人間の兵十の痛みには気付かなかったろう)と、
分かり合えていたはずの理解者を自らの手で永遠に失ってしまった兵十という男に。
(「泣いた赤鬼」も似たような話だったけれど、それでも青鬼は生きているし、
 彼自身納得ずく。それに比べると、こちらの結末は当に痛烈。)

沢山の物語を読んできた今読んで、改めてこの話の凄さを感じました。
とてもよい文章だという事にも、今更気付かされてびっくりもしました。
そしてそんな痛みを伴う話を、子供に向けて書いた
新美南吉という人に改めて興味が出てきました。

「教科書で読まさせられたなあ」で終わらせずに、
もう一度手にとってみる価値のある作品だと思います。
魏志痴人伝 (ダ・ヴィンチブックス)
魏志痴人伝 (ダ・ヴィンチブックス)
メディアファクトリー
price : ¥1,000
release : 2008-01

魏志痴人伝

すっごくおもしろいです
古田ワールド満載です

火頭 新装版―密命・紅蓮剣巻之5 (祥伝社文庫 さ 6-35)
火頭 新装版―密命・紅蓮剣巻之5 (祥伝社文庫 さ 6-35)
祥伝社
price : ¥700
release : 2007-10

十五少年漂流記 (新潮文庫)
十五少年漂流記 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥420
release : 1951-11

全く飽きさせない

★4.5個

序章からいきなり読者の興味をそそり、そのまま最後まで全く飽きさせることのない素晴らしいエンターテインメントぶり。

現代の一般知識からしてみればおかしな内容もあるのだが、百年以上も昔に書かれたのだからそこは仕方ない。

むしろ文章の組み立てはしっかりと論理だっていて納得感が高い。

夢と勇気を与えてくれるである。

中学生ぐらいに読むのが最も良いのではないだろうか。
欲望の聖女令嬢テレジア 4 (4) (フラワーコミックス)
欲望の聖女令嬢テレジア 4 (4) (フラワーコミックス)
小学館
price : ¥550
release : 2007-12

女性誌のせい?

実在した人物だということに興味を持ち読み始めましたがどうも同じ女として共感できる部分が少ないです。
いい育ちなのに、男性に対してやっていることは直ぐに服を脱ぐわ誘惑するわで娼婦まがいなことばかり。
タイトルどおり欲望のままといえばそうですがその行動や心理にはとてもついていけません。

そして画風も、私個人的には全く色気を感じられません。
うっとおしいほどの下まつげの描写に、いつも驚いているのかというようなびっくりまなこ。
特に裸体の線は全体的に固く、Hシーンなのに全然萌えません。
掲載されている雑誌の読者層を考慮しての人選だったのかもしれませんが
同じ話でも別の作家さんが書いてくれていたら
もっとエロチックに萌え、惹きつけられるものになっていたような気がして勿体無く感じました。

警視庁神南署 (ハルキ文庫 こ 3-20)
警視庁神南署 (ハルキ文庫 こ 3-20)
角川春樹事務所
price : ¥714
release : 2007-02

オフシーズン (扶桑社ミステリー)
オフシーズン (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥660
release : 2000-09

じゃないと出来ないエグさ

多少おかしな趣味を持つ彼女が「これは凄いで」と貸してくれただったのですが、読み始めてビックリ!止まらない。日の作家じゃありえない完全にボーダーラインを超えた恐怖の演出と狂気の沙汰のリアルな描写。これは差し止めされるのも納得してしまう。
ケッチャムのファンは意外と多いと聞いていたがレビュー数が多いのを見て納得。
星4つにしたのは続編の「襲撃者の夜」が更に凄いから。書を読んだら続けざまに読むべし。
五重塔 (岩波文庫)
五重塔 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥420
release : 1994-12

迫力のある心理描写

この作品は、ラストの暴風雨のシーンの描写が有名なのですが、上人の仏説後の十兵衛と源太の二人、特に源太の心の動きの描写が迫力があって素晴らしいと思います。
「寄生木」としての生き方をあくまで拒否した十兵衛に対し、男気に拘った源太の強い意志と意志のぶつかり合いは、読んでいて寒気がするようでした。共に、「男」としての生き方を貫こうとしたのだと思います。
それと対照的なのが、二人の妻の描き方です。その心をなかなか理解できない女性たち。特に、お吉には全く理解することが出来なかったのでしょう。
こうした心理描写の凄みが、この作品の最高の読みどころでしょう。
北里マドンナ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)
北里マドンナ (集英社文庫―コバルト・シリーズ)
集英社
price : ¥500
release : 1991-02