ブックス ワールド !!
ブックス ワールドサイトへようこそ!
洋書から日本の書籍、雑誌、写真集、アルバム、文学書、実用書などごゆっくりご覧ください。
これが一番好き!
私は東野さんの作品をたくさん読みましたが、この作品は読んだもののなかで一番ドキッとしました。東野さんの作品はどれも最後にはえっと驚かされることが多いのですが静かに静かに進んでいく場面展開とそれにしたがって増していく恐怖感がたまらず一気に読めてしまいます。東野さんの悪意、秘密、分身、変身のような作品がお好きな方には是非!
|
|
疑問をもつこと、問題を見つけること
日本でも指折りの作家であり、工学部の大学教師でもある森博嗣による「大学」についてのインタビューをまとめた本著は、小説のファンのみならず、教育者やすべての学生に読んでもらいたい一冊になっている。 著書『冷たい密室と博士たち』の冒頭で、主人公の大学教師が、「会議はほとんどが無駄」「人間の能力とは、問題に答えることではなく、問題を見つけることだ」と語るシーンがあったと思うのだが、それらはほぼすべて筆者の映し鏡として書かれていたことがわかる。小説のファンは、小説世界とのリンクや、登場人物の心理の裏付けを感じることができるだろう。 また、話は大学というシステムから教育論にまで膨らみ、例えば、研究費や書類について如何に非効率的なシステムがなされているか、といった教授側から見た大学の内情、大学とは問題に答えるためではなく、問題を見つけるところなのです、という学生への言葉などを、まさに「大学の話をしましょうか」といった軽やかな語り口で語っている。 ニートの問題に触れて「なぜ働かなければならないのか」 人口減少に対して「人口が減ってはいけないのでしょうか」 など、当然のように思われている現状に対して疑問を持って生きている点が筆者の人間性を浮き上がらせ、非常に魅力的な本になっている。 なぜ、物事を当たり前のこととして受け入れてしまうのか。そこには、理不尽なことがたくさんあるのだ、と気付かされることも多い。 学力低下によって、教育改革が叫ばれている昨今、「大学とはどのようなところか」「勉強とはなにか」をもう一度見つめなおすべきなのかもしれない。
|
|
派手ではないけどおもしろい
派手な殺人トリックや驚天動地の結末、などというものは出てこないのだけれど、なぜかぐんぐん引き込まれてしまい、一気に読んでしまいました。登場人物のそれぞれの「嘘」がよく描かれていると思います。自分のプライドを守るための嘘、愛する誰かを守るための嘘。。。犯人にせまるときの加賀刑事の”哀れむような”表情というのは、もうこれ以上嘘を重ねないでほしい、という彼の気持ちのあらわれなんでしょうか。静かだけれど、人間の感情が様々に交錯する、奥の深い短編集です。
|
|
 | 『今夜は眠れない』 角川書店 price : ¥540 release : 2002/05

|
少年探偵団みたいな楽しい小説
ある日、突然大金が手元に舞い込んできたら・・・・ そんなことがあったら家族は、どうなるか。 決して幸運だけでは終わらないだろう、そんな大金をめぐるどたばたを描いた小説です。物語は、サッカーの試合を模して前後半、それでも決着が着かないので延長・PK戦にもつれるといった構成にしてあります。 もちろんこれには、理由があるのですが・・・ 主人公の緒方と知能指数高そうな島崎とのかけあいも、ホームズとワトソンとまではいかないけど物語を楽しくさせてくれます。 果たして、試合では勝利することができるかどうか。 物語りもそれほど複雑でなくページ数も少ないのですんなり読める本だと思います。 この作品は、同著者の「夢にも思わない」にもつながる作品なので、そちらもどうぞ。
|
|
 | 『星の王子さま』 集英社 price : ¥400 release : 2005/08

|
子供の心をいつまでも
小さなころは色々なものに興味があった。それが年を重ねるにつれ、ほとんど無くなってしまった。本当に多くのものが理解できたのか、と考えて見れば確かにそういうものもある、だが多くのものは知ることがめんどくさくなってあきらめてしまっている。「常識的になった」といえばそうなのだろうけど、これが「大人になった」ということなのだろうけど・・・この本を読み哀しくなってしまった。 作中王子さまが語ったことを鵜呑みにするほど私は子供ではない。大人になるということは多くのことが出来るようになるけど、それに伴い責任も生じる。物事には優先順位があり、いつも王子さまのように夢想的に生きることは出来ない。だからといって王子さまの言っていることがひとつの真理であることに間違いは無い。大切なものは目に見えない、これはとても大事なことだろう。
|
|
 | 『新編 日本の面影』 角川書店 price : ¥760 release : 2000/09

|
失ったもの
すっかり近代化してしまった平成の世の日本人の視点は欧米化してしまい、小泉八雲の視点と重なる面が多い。 西洋文明を野蛮と指摘する彼の言葉は、単なる日本贔屓とは言い切れず、きわめて現代的問題を提起している。彼の見聞した事物は、当時の日本人なら不思議でも何でもない事であるが、現代人は八雲と同じように、日本の神秘に触れることができる。 日本人が当時の日本にオリエンタリズムを感じてしまうのである。 それは、日本は近代化によって得たものより喪失したものの方が大きいのではという問を突きつている。 八雲自身、近代化に突き進む日本に危惧を示している。因みに、漱石も欧米の近代合理主義の過大評価に疑問を呈していたのを思い出す。また、山本夏彦氏が、戦前に近代化は完了してしまった、また明治時代、いとも簡単に文語文の伝統を捨て口語に移行し多くを失ったことを指摘していたことも想起されてきた。 本書は、本来の日本人を知り、考える上で、現代人にこそふさわしいものだと思う。なお、翻訳も丁寧で違和感がなく、翻訳と感じさせない出来映えとなっている。
|
|
吉本隆明に霊感を与えた名著
あの「共同幻想論」のヒントとなった名著である。 内容は、遠野出身の人物からの聞き書きである。著者による直接取材でないところに民俗学の開拓者としての柳田の限界があるとは言えるが、方法論に対する批判は批判として、ここに収録された伝承群は遠野という「陸の孤島」に封入された特異なものとしての資料的価値以外にも、文学としての独立した価値を十分持っている。 吉本のように、ここから何を引き出せるかを考えるのもよし、古きよき日本の民俗に思いを馳せるのもあり、いろいろな読み方があるだろう。
|
|
 | 『十角館の殺人』 講談社 price : ¥620 release : 1991/09

|
綾辻行人のデビュー作
半年前に殺人事件の起こった孤島に大学ミステリ研究会の7人が訪れる。そこで彼らは連続殺人事件に巻き込まれる。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を現代に蘇らせた綾辻氏のデビュー作。7人が互いのことをエラリイやカー、ポオなど、著名なミステリ作家の名前で呼び合うという一風変わった設定、孤島と本土との話が交互に語られていくという手法、それら全てに綾辻氏の読者へのトリックが隠されている。 半年前に起こった殺人事件の真相、外部と遮断された閉鎖空間、犯人からの殺人予告など、非現実的な設定に彩られているが、だからこそ読者はどっぷりとその世界に入り込めるのではないか。綾辻氏の描写はいたって淡々としたものであり、陰惨な連続殺人と言う暗い筋立てが重くなり過ぎず、それが返って、読者の自由な想像力を掻き立てるのだと思う。
|
|
 | 『深い河』 講談社 price : ¥620 release : 1996/06

|
いくつかの人生がつづれ織りのように
若い人,年取った人。幾人かの男と女の人生が,つづれ織りのように静かに語られていきます。何年か経って,ふと本棚に見つけ,夕暮れの中でまた読み返す。そんな本です。「死海のほとり」もそうです。
|
|
 | 『生きがいについて』 みすず書房 price : ¥1,575 release : 2004/10/06

|
スケールが違う
現在出版されている「生きがい」に関して書かれた著書のほとんどが、この本を参考文献としてあげていることからもわかるように、著者は「生きがい」の研究に真っ向から取り組んだ草分け的存在であると思われます。 日本語における「生きがい」という言葉のニュアンスを包括する他言語が存在しないという点に着目し、「生きがい」という言葉の意味を深く掘り下げることからスタートし、特殊な限界状況におかれた人たち(ハンセン病患者、死刑囚、戦没学生など)の精神世界を、豊富な知識、深い思索、慈愛に満ちた眼差しで描き出していきます。私たちが日常生活を送る上では、むしろ邪魔になるような、極度に精神化した世界がそこに開されていきます。 彼女自身は外交官の娘で、クリスチャンであったと記憶しておりますが、青年期に結核を患い、療養のためひきこもって読書にふけり、苦労して精神科医となった後も、重病を患いながら病気の子どもを育て、仕事と家庭を両立した、まさにスーパーウーマンです。したがって、彼女の紡ぎ出す言葉には言い知れぬ説得力と重みが感じられます。
|
|
 | 『魔性の子』 新潮社 price : ¥620 release : 1991/09

|
高里要=泰麒
おもしろいですよ!!!^^私はある程度「十二国記シリーズ」を読んでからこの本を読んだのですが、きっと初めに読んでいなかったら話についていけなかったかもしれません(汗)ホラーがお好みの方は一番初めに読むのが良いですね。 すごく考えさせられる本です。 高里(たかさと)と広瀬(ひろせ)の最終的な違った点、それを考えるとさらにおもしろくなると思います。高里がどんどん記憶を思いだしていくのが私的にすごく良かったです。あー、早く思い出せ泰麒!!と言う感じで.... 高里はつくづく可哀想な感じですが、「黄昏の岸 暁の空」を先に読むか後に読むかが意見の分かれるところですね。因みに私は「魔性の子」を先に読んだ方が良いと思います。
|
|
私の部屋にひかりのあめがふる
いろいろな作家の屋久島に対する想いの本を読んだが、田口さんのこの本ほど私の頭の中に憧れの屋久島の想いが、美しい絵となり、部屋にいながらただで旅行した気分になっちゃたのは、作家の感性がみずみずしく寄り道ばかりしている小学生のときの私とシンクロ?
|
|
 | 『風味絶佳』 文藝春秋 price : ¥1,290 release : 2005/05/15

|
ゆっくりと濾過していくような感じ
山田詠美は、高校生の時にはまったことがあります。 「ひりひりするような、読んでいて痛くなるような感情を こんな風に表現できるんだ〜。」と思った覚えがあります。それに比べるとこれは、緩やかな感じ。ひりひりするような 彼女の持ち味は確かにあるのですが、前ほどではありません。 なんというか、ゆっくりと濾過していくような感じ。 6編の短編から構成されています。 読む前は、『風味絶佳』というくらいだから、 「食欲」をテーマにした短編集なのかな? と思っていました。ところが、 「間食」…鳶職 「夕餉」…ゴミ収集の仕事 「風味絶佳」…ガソリンスタンドの仕事 「海の庭」…引越し屋さん 「アトリエ」…汚水槽の作業員 「春眠」…火葬場の仕事 と、全て肉体労働に携わる人々が出てきます。 作者曰く、「…世に風味豊かなものは数多くあれど、その中でも、 とりわけ私が心魅かれるのは、人間のかもし出すそれである。 ある人のすっくりと立った時のたたずまい。 その姿が微妙に歪む瞬間、なんとも言えぬ香ばしさが、 私の許に流れつく。」 そうだから、彼女にとって風味とは、人間のかもし出す雰囲気とか 佇まいなのでしょう。 そういう雰囲気が濃くなるのは肉体を使って働く人なのかもしれません。 私が好きなのは、「夕餉」です。 「自分の作った料理によって相手の肉体が作られている。」 という発想が新たな発見でした。
|
|
 | 『復活の日』 角川春樹事務所 price : ¥861 release : 1998/01

|
テロの時代に再び省みられるべき傑作.
テロリズムの最大の卑劣さはそれが民間人を標的としている点にある。 装備と訓錬を経た少数の兵隊達に対しての攻撃ならばいくらでも防御策はあるが、 無防備な一般市民がターゲットとあれば、そうはいかない。
テロに対抗するためには国家的な軍事力が不可欠だが、 兵器を開発し、軍を統治し、政治を動かすのは民主的或いは非民主的方法によって選ばれた少数の政治家である。 だが、彼らが自ら武器を取って戦地に赴き敵軍と戦うことがあるか?あるわけがない。 実際に戦うのは常に軍に所属する一般兵達であり犠牲になるのは常に無辜の市民である。
もちろん、現代民主主義の原理を根本から否定するような放言を吐きたいわけではない。 しかし、それら民衆の意向を汲み現代社会の頂点に立つべき者達が人類の未来に対して、 本作の極右大統領や左翼科学者たちのような 愚劣で狭窄な視野しか持たない人物であったらどうだろう。 たちまちテロリストの卑劣漢どもは民主主義社会を侵略し崩壊させてしまうだろう。
元来戦争の準備状態に過ぎないとも言われる「国家」というシステムが 様々なところで軋みながら悲鳴を上げ、大量殺戮を愉しむ悪鬼どもが世界に蔓延する現代。 その成立から40年を経た今もなお、小松左京の歴史的傑作は時代の頂点で輝き続けている。
|
|
キリスト教の呪縛から
ローマ史の専門家でもなんでもないのですが、キリスト教の呪縛にとらわれていない東洋人が書いた”物語”として評価できると思います。 単行本の巻末には参考にした書籍が書かれているので、疑問に思われることがあるのなら直接あたってみれば良いでしょう。 このシリーズを読んでローマ史に興味をもたれたら、より専門的な書籍あたれば良いだけです。それが本当の勉強です。
|
|
 | 『GO』 講談社 price : ¥470 release : 2003/03

|
【商品詳細】
「これはオヤジでもなくオフクロでもなく、僕の物語だ」。都内の私立高校に通う在日コリアンである主人公「僕」は、ダンスパーティーでコケティッシュな魅力をもつ「在日ジャパニーズ」の女の子に出会い恋に落ち、そして…。 在日コリアンたちを取り巻く複雑な状況が織り交ぜられているものの、「僕の物語」すなわち本作の根幹は、たわいもない恋愛物語だと判断することもできる。しかし、この物語が、根強く残る差別に対する抵抗の物語でもイデオロギーによって引き裂かれた民族の悲劇の物語でもないところに、著者と著者が代表する「在日」の新たな世代の志向を伺うことができよう。国籍を「在日朝鮮人」から「在日韓国人」に変え、やがて「在日」あるいは「国籍」という枠の外にある広い世界を志向する主人公の思いは、父親がスペイン語でつぶやくこの言葉に象徴されている。「僕は、韓国人でもない、日本人でもない、ただの根無し草だ」。 恋のてんまつはいささか安易すぎる感もあるが、主人公をはじめ、元プロボクサーである父親、主人公と同じくアイデンティティーの揺らぎに悩む朝鮮民族学校時代の同級生たちなど、どの登場人物も、人物造形が確かで生き生きと描き出されている。本作で直木賞受賞作家となった著者は、自らを「在日韓国人」ではなく「コリアン・ジャパニーズ」と称しているが、呼称はどうあれ、「日本の内の他者」として培われたその鋭い視点が彼の創作活動にとって大きな武器となっていることは間違いなさそうだ。(梅村千恵)
生まれ変わった...
在日朝鮮人問題というかなり重たいテーマで描かれているにもかかわらず面白かった。作品のノリとしては村上龍の「69」を彷彿とさせるものがあった。 69の主人公は「知恵」を絞って様々な事を行ったがこちらの主人公は「腕力」で切り開いていく。立場、環境も違う両者だが根底に流れているものは同じなのかもしれない。 また両作品ともに共通していたのが強大な父親の存在だ。その点が非常に興味深かった 呼んでて笑える小説、これからもそんな作品に出会いたいものだ。
|
|
 | 『手ぶくろを買いに』 偕成社 price : ¥1,470 release : 1988/03

|
とても懐かしい気分になります
ごんぎつねや私のイーハトヴなどととともに黒井健さんの味わいのある絵が好きです。やはりこの絵でなくては・・・・・ 昭和初期の風景と思われるノスタルジックな雪景色と町並みが登場します。この風景は日本国内を想定しているようにも見えますが、見方次第で遠い異国の地のような雰囲気も漂わせています。帽子屋さんはキツネが買いに来たことを理解しましたが、本物のお金を払ってくれたのできちんとお客さんとして扱ってくれました。戸の隙間から差し出された子狐の手が愛らしいです。読んでいくうちに人の心の優しさに触れることができ、ほっとします。無事に帰ってこれたことを子供達と一緒に喜ぶとき、読んだあなたはきっと暖かい気持ちになれるでしょう。
|
|
 | 『危機の宰相』 魁星出版 price : ¥1,680 release : 2006/04

|
|
とても大切な本になりました。
本当に小さなきっかけから聖書を読み始めようと思ったとき 私にとって聖書はあまりに難解で 読み進めていくことができませんでした。 そんなときにふと 目に留まった本です。三浦綾子さんのわかりやすい解説で キリスト その周りの人々の表情 驚き しぐさ 感情が まったく聖書がわからない私でも 目に浮かぶようでした。 聖書をあきらめてしまう前にぜひ 目を通してください。そして聖書を読んでみたいと思う気持ちにこの本はさせてくれると思います。 それから アートバイブルとあわせて読むとさらにイメージが鮮明になると思います。
|
|
青春
配電盤の葬式、208,209の双子、耳鼻科の病院など難解な箇所が多々あります。 主人公がピンボール台の3フリッパー「スペースシップ」との再会を果たす22章の10ページ半の文章は、僕の頭の中ではっきりと絵が浮かんだ。
|
|
素敵な話です
ショーリ、かれんの成長が当然お話の主眼ですが、本編では私は脇役の個性に目がいきました。マスター、その恋人由里子さんの大人の関係、丈とその恋人京子ちゃんの生き生きとした関係、かれんを想う中沢さん、ショーリに夢中な星野さん、ショーリのお父さんとその恋人。それぞれが自分に精一杯生きていて、素敵です。歳を重ねるごとに恋愛の形は少しずつ変わっていくけれども、そのどれもが純粋なものなのだなと改めて思える一冊です。
|
|
語りすぎた夢。
ちょっと、頭の足りない大男、レニー。頭のいい小男、ジョージ。二人はいつか自分たちの農場を持とうと夢を語り合う。信じ、喜び、夢をみる。この作品をどうしても忘れられないのは、夢がかなうことも、また、無残に敗れることにも、理由なんてないからだ。それほどまでに人生は大きなうねりを見せる。物語の2人の賢者、ジョージとスリム。どうして二人に待ち構えている人生がこれほどまでに違うのか? ジョン・マルコヴィッチ、ゲイリー・シニーズ主演の映画版も是非見てください。
|
|
 | 『びっくり館の殺人』 講談社 price : ¥2,100 release : 2006/03

|
|
 | 『合葬』 筑摩書房 price : ¥588 release : 1987/12

|
衝撃
読み終わったとき、衝撃を受けた。 幕末に生きた少年たちが凄く身近に感じられていて、それ故にラストは打ちのめされたような衝撃を受けて、しばし放心してしまった。 この人の作品は自分の生きている時代ではないのになんて実体験のように感じられるのだろう。
|
|
ただ面白いだけじゃ、ね〜
はじめは、奇抜な設定やストーリに少しとまどいを覚えたが、よみ進むに連れてそれはそれで一つの味になり、あっという間に全4巻を読破してしまった。最後(の少し前)まで、好きになれなかった主人公(仁義の黄昏という極道シリーズの作者)と、プリズンホテルの従業員(組員)、お客等のそれぞれ特徴のある生き方、人生の物語である。その物語一つ一つに深みがあり、毎回考えさせられてしまった。特に任侠道の中に見る、日本男児の生き方には忘れてきたよき日本の”道”を感じた。プリズンホテル、是非泊まってみたいホテルである。
|
|
そうそう、うちもうちも。。
内田さんといえば、けっこう大胆系のあの漫画(又は小説)の人? といまだ思っている人もいる、かもしれませんが、 この私繁シリーズは別の人格かい、と思うぐらいひたすら実用?系 でもう5冊目。今までの4冊は時々どろどろ場面も混じっていたのですが、今回のは今の夫ゆーやさんとの仲がラブラブなせいでまさに1冊どこを切ってもらぶらぶほんわか(?)まあ、 出産シーンはけっこう大胆に書いてるのですが、、、 確かにうーむ、もう一人も二人も子どもいてもいいかも、、と幻想に入ってしまう危険な本です(そんなに美化したりしてないのもわかるのでよけい危険ね、、、)というか、もしかして危険でもなんでもなくて ほんとにこんなふうにいけるのかな? 子供を持ってない人でも楽しめるシリーズですが、子どもがいる人は(うちもそうですが)自分のとこも同じである、というだけで なぜこんなにうれしい!とじぶんでつっこみいれながらも、 「そうそう、うちもうちも」ばっかりで一気読みでした。 春菊さん自身も最初の子どもさん(私繁イエロー)のときは、 赤ちゃんってこういうもん、と思って書いていたのが実は、赤ちゃんみんなそうではなくてたまたま長男がそうだったのだ、というのが長女以降の出産、子育てのたびにわかって訂正されていってたりもするので ご自分のはじめてのお子さんがマニュアル本通りでないのに悩んでいるお母さんにはこの最新版はとてもいい(例が多いから)と思います!
|
|
 | 『探偵倶楽部』 角川書店 price : ¥540 release : 2005/10/25

|
私の初の短編集
東野氏の短編集を初めて読みました。 感想は読み足りなかった・・・です。 1ストーリーが簡単に終わってしまうので、短編に慣れていないと満足が難しいです。 しかし、展開としてはやはり読めませんでしたし、面白いストーリーばかりでした。 助手らしい女が出てくるのですが、私の中では実は男の探偵より女の方が立場が上なのでは・・・と予想していました。 が、全くその謎は解明されず。
|
|
超お勧めです
かつての人文専門から「金持ち父さん」シリーズなどでビジネス専門へと華麗なる変身を遂げた出版社によって企画された、また直木賞作家という一面を持ちながら投資(つまりお金もうけ)にも造詣が深い著者による、子供向けのお金もうけのための本です。この本を読むことであなたの子供はお金持ちへの道を歩み始めること間違いないでしょう。
|
|
日本仏教入門
「鎌倉以前の仏教」から「後醍醐天皇の新政」まで。仏教については同じ著者の『世界の[宗教と戦争]講座』でも触れていましたが、さらに突っ込んで(もちろん釈迦から始まって)日本独自の仏教史について結構詳しく書いています。 ボリューム的にも新書1冊ぶんくらいはあり、日本仏教史の基礎は確実に押さえられると言っていいでしょう。 日蓮宗が太平洋戦争への軍国主義にまで影響を与えているというあたりは特に面白かったです。 時系列順に書かれていながらも、後の歴史への布石に関してはよく前後するのが本シリーズの特徴で、それによって歴史の流れ(というか関係というのでしょうか)がよく分かるようになっています。 鎌倉幕府の滅亡に関しては、高校時代はよく分からなかったので、スッキリしました。 日本人と、独裁制に絡めた建武の新政の特殊性についても必読です。
|
|
【商品詳細】
『かもめのジョナサン』原作。「ほとんどのカモメが、飛ぶことに関して学ぶのは、いちばん単純な事実だけだ。海岸から食べ物のあるところまで到達し、また戻ってくること」。ジョナサン・リビングストン・シーガルという名の風変わりな鳥を描いたこの寓話の中で、著者リチャード・バックは語る。「たいていのカモメにとって、大切なのは飛ぶことではなく、食べることだ。しかし、このカモメにとっては、食べることではなく、飛ぶこと自体が重要だった」。飛行は、まさにこの物語の意義を高める、象徴的行為である。この寓話に込められた究極の意味は、たとえ、群れや仲間あるいは隣人から自分の野心は危険だと思われても、より高尚な人生の目的を探求することは大切だ、ということだ(われらが愛するジョナサンもある時点で、自分の群れから追放される)。妥協せず自分の気高い理想を守ることで、ジョナサンは、超越という究極の報酬を得た。そして最後に愛と思いやりの真の意味を知るのである。ラッセル・マンソンによる幻想的なカモメの写真が、この物語にふさわしいイラストとなっている。ただし全体的なデザインは、多少時代遅れの感があるのは否めない(この作品の初版年度は1970年だった)。しかしながらこの作品に流れる精神は不朽であり、とりわけ、若者の心を惹きつけてやまない。
原作だけでなく翻訳も
翻訳がずば抜けていい。 海外の小説を読むと、原文に忠実にしようとしているためか、非常にわかりにくい表現が使われることが多い。日本語を読み、原文を創造するため、苦痛に感じることすらある。五木寛之の表現は柔らかく、読む人にわかりやすく書かれているため、苦痛を感じないどころか、翻訳本を読んでいるということを忘れてしまうほどだった。もちろん原作がいいから翻訳が輝くのだろうが、どんなにすばらしい作品でも翻訳がひどければどうすることも出来ない。 翻訳のよさが光る作品だった。
|
|
 | 『片想い』 文藝春秋 price : ¥800 release : 2004/08/04

|
メビウスの輪
性同一性障害を焦点とした作品であるが、難しい複雑なテーマ故、人物の描き方が浅いような気がした。確かに、このテーマについて、よく調べているし、そのような悩みを抱えた人の心理はある程度はとらえている。結局、性別はコインの表裏ではなく、メビウスの輪のようにつながっているという事を言いたかったのかもしらないが、どうもそのあたりも、曖昧におわってしまっていた。 私の周りにもこのような人が何人かいたが、結局彼ら(彼女ら)と付き合えば付き合うほど、理解する事の難しさを実感した。 この作品を読みまず感じたことは、友人なら受け入れられてももし自分の子供がこのような悩みを抱えていたときどのような対応をとってしまうだろうか?という事だった。 東野さんの作品は好きで、良く読み、色々な事を考えさせられる事が多い。特に人物に描き方が好きなので、この作品は少々物足りなかった。 好きな作家故、採点を少し辛くしました。
|
|
 | 『枕草子』 ホーム社 price : ¥680 release : 2006/02

|
|
弓
この本の中で最も胸に響く言葉は 「男の生活、男の肉体は危機に向かって絶えず振りしぼられた 弓のように緊張していなければならない」でした。 これは仏教で言うところの24時間乾坤一擲っていう 御飯食べるときも仕事するときも遊ぶときも寝るときも 全力投球っていう、あの哲学です。個人的にこれを実行するのは相当困難で、そもそも全力投球ってものがどういうものなのか というところから考えなければならないと思います。 全力投球のつもりが変なところに力が入ってるだけだったり ブレーキとアクセルを同時に踏んでるだけだったり、 なかなかその辺の調整が難しいところです。
|
|
 | 『天人五衰』 新潮社 price : ¥540 release : 1977/11

|
三島氏最後の作品
心のなかをひた走りに走ってきた末に行き着いたところは。。。作者の人生の集大成ともいえる作品です。弁護士本間が目にした寺の庭。描写が哀しいほど美しいです。一面になりひびいていたものは。。。禅の世界??卓抜した視点、観察眼と美しい文章は天才以外の何者でもありません。高い美意識と日本語という言語への愛、こだわりを感じます。英語版と読み比べるのも楽しいです。
|
|
 | 『おぞましい二人』 河出書房新社 price : ¥1,050 release : 2004/12/21

|
絵が怖い
久々に衝撃を受けた。なんの救いもない結末に・・・柘植義春の「無能の人」のような線描の絵、登場人物の頬のこけ方・・薄ら笑い・それが絵本で表現されるなんて・・・かつてない衝撃、頭の中混乱しちゃいました。この本の味わいどころはそこだ。柘植義春が挿絵を書いた フランツ・カフカ・文の絵本・・・・ありえない、ありえないそんなの。そのタッグは斬新すぎる。ああーでもいいなあ、久々にはまっちゃいそうだなあ。まだまだいっぱいあるから、これからしばらく浸ろう。
|
|
 | 『魍魎の匣―文庫版』 講談社 price : ¥1,090 release : 1999/09

|
三重苦を乗り越えて、傑作!
京極夏彦の作品と言えば、「重い、暗い、長い」の三重苦。 文庫のくせに携帯に適していないこの厚さ・・どうなってるの?しかし、ご安心ください。この作品は一気に読めてしまうから。 とにかくストーリーに勢いがあります。 途中にお勉強になることがはさまれていません。(あんまり) だから、宗教?戦後?妖怪??と??続きで、キーってなりそうな人および、京極作品は初めてなのって方にお勧め! レギュラー陣もほぼ出てくるし、ばっちりです。 どうぞ、夜を徹してはまってくだされ。
|
|
 | 『サイレント・ラブ』 角川書店 price : ¥1,050 release : 2002/12

|
ポリネシアンセックスが現代の性愛を変える!?
今や世界的に有名?になった日本人の奇妙な性だが、私は現代日本にはファシズム的な射精の文化というものが存在すると思う。方や精神を無視した無味乾燥な性教育があり、その一方に歪んだ性の幻想がある。それは恥の文化や、性の商品化、科学万能主義などがもたらしたものであろう。性が精神にとって非常に重要なものであるという意識が欠けているように思われるのだ。恋人同士は愛を求めながら、実は無意識的に傷つけ合っているのかもしれない。「サイレントラブ」はそこに疑問を投げかけている。この本はポリネシアンセックスを恋人同士の会話と幻想的な写真によって表現した大人の為の美しい絵本だ。女性向きな感じだが、男性にこそ読んでもらいたいと思う。イカなければ損と考える経済至上主義的な日本男児の性と、イッたふりが義務である日本女性の性。それは悲劇である。ポリネシアンセックスが現代日本の性愛を少しずつ変えていると私は信じたい。 ポリネシアンセックスは単なる性のマニュアルではない。また非現実的、神秘主義的であるかもしれない。しかし性と愛をつなぐ方法に科学的根拠などいらない。現代は神秘を科学によって情け容赦なく切り捨ててきた。それは恐ろしい空虚感をもたらしてしまったはずだ。恋人同士の体と心が溶け合うような性。なんと美しいのだろう! また、ポリネシアンセックスについてさらに理解するために、種本である「エロスと精気」をおすすめしたい。筆者のジェームズ・パウエル氏はポリネシアンセックスをおこなうには瞑想により心身のバランスを整えることが非常に重要だと書いている。多分「ドク」のモデルは彼だろう。
|
|
 | 『罪と罰 (下巻)』 新潮社 price : ¥700 release : 1987/06

|
救済
恵まれない生活環境、鋭敏な頭脳から生まれた独自の哲学、どちらが理由であったにせよ老婆を殺害した主人公ラスコーリニコフ。すべてがうまく運ぶが、どうにも心は晴れない。そんな彼の魂を救済した自己犠牲に徹した生き方をしている幸薄の女性ソーニャ。彼が殺人を彼女に告白したシーンは、読んでいて震えがとまらなかった。 警察に向かう彼が躊躇し後ろを振り返ったとき、ソーニャが悲しそうな顔をしてたっているのを見て結局自首する場面で、彼の思想のベクトルは彼女の愛によって救われ方向を変えた様に感じた。 ドストエフスキーの作品としては「たった七年」の言葉からもわかるように珍しくハッピーエンドとなるこの作品。読み終えた後味も非常によかった。個人的にはソーニャのような女性に会ってみたい。現実にいるのかはともかくとして・・・・ 一番好きなシーンはラスコーリニコフがソーニャに対して跪くシーン。 「僕は君に跪いたんじゃない。世界中の全ての不幸に対して跪いたんだ」こんな台詞回し、今後お目にすることはできないだろう。
|
|
役者が揃い、一段と面白くなりました。
「三人の悪党」の続編。一段と面白くなってます。娯楽性に加えて、著者独特のヒューマニズムが発揮され、味わいの深さが増しているように感じました。何といっても出色なのは表題の「血まみれのマリア」で、救急センターの看護婦長と彼女に惚れてしまったピスケンの物語です。救急センターという職場の激務と人の命を預かる職業の尊さが背景に込められており、敬虔な気持ちにさえなりました。ピスケンはいわばそういう人たちに対する多くの読者の代弁をしてくれているような感じです。「鉄道員」や「天国までの100マイル」といった名作に通じるようにも思えました。「三人の悪党」から繋がってますので、このシリーズをお読みになる方は最初から読まれるほうが良いと思います。素晴らしい作品だと思います。
|
|
 | 『悪魔の詩 下』 新泉社 price : ¥2,100 release : 1990/09

|
文化的価値
上巻とはうって変わって、色んな意味で新鮮なメッセージを感じた。 一読の価値はあります。 宗教倫理は逸脱していますが、 意味のある命題がみられます。
|
|
 | 『少年H〈上巻〉』 講談社 price : ¥660 release : 1999/06

|
まあ読みやすいよね。
同氏の他の著書(河童が覗いた〜シリーズ)より読みやすい感じの文章。 ほぼ総ルビですがそこまで読みにくい感覚はなし。淡々と読めてしまうのでいまひとつ引き込みどころに欠ける気がするけれど、 長さの割に飽きさせない。 小学校高学年〜中学生あたりには読み応えもあって★5つ?
|
|
 | 『落下する夕方』 角川書店 price : ¥560 release : 1999/06

|
華子に恋をする
どこか、どうしても魅力的。惹きつけられてやまない。 ずっと一緒にいたい。 そんな、恋をするということをじっくりと描き出した物語だと思います。不可解な部分の多い華子。奔放な華子。 平和だった人々が華子に恋をしていってしまいます。 華子が望んでいたものは? 逃げるのってすごく苦痛。 物語全般に述べられるエピソードや発話、身体描写やすごし方、 そんなもので頭の中に人物像が鮮やかに浮かんできます。 落下する夕方の華子みたい…そんな形容が今後時々使えそうな予感がします。 疲れていたり迷いがあるとき読むと癒される作品です。
|
|
弾けなくても持っていたい!
本人によるオリジナルスコアであり、アルバムとは別ヴァージョンのピアノ演奏CDが付いていたため、即購入。 坂本龍一のコメントやディスコグラフィーが載っているのもポイントが高い。実際に弾いてみたところ…難しい! 何回もピアノを弾いて、やっと音が取れる。 彼の複雑な和音に恋して20年。でも、聞くのと弾くのは別。 それでも、ファンだから持っていたい。持っているだけで嬉しいのだ。
|
|
 | 『影の現象学』 講談社 price : ¥1,050 release : 1987/12

|
3年ほど前か
夜一人で読んでいて、怖くなって身動きが取れなくなってしまったことがある。「心当たり」がある人間には、生易しい本ではない。 同著者の作品はしばしば読んでいたが、これを読んでからは殆ど読まなくなってしまった。知りたかった事を見つけたからか、これ以上知るのが怖いからか、理由はよく解らぬ。王宙とセンジョウのはなしは、柳瀬直樹訳『ボルヘス怪奇短集』で読むことが出来る。
|
|
 | 『草枕』 岩波書店 price : ¥420 release : 1990/04

|
文学はアートだと思う
「草枕」は、シェイクスピアの「ハムレット」をモデルに画家のミレイが描いた傑作「オフィーリア」から、漱石が影響を受けて書かれたとされ、そのためか、文学を読んでいるのに、絵画を見ているような気持ちになれる作品です。 流れるような文章は非常に整っていて、本当に美しいので、何度も音読し、日本語の素晴らしさを十分味わうことができます。 漱石が、イギリス留学の際、日本の俳句集を持って行ったように、私も数年前、海外へ長期留学をした時に、日本語で書かれた本書を一緒に持って行きました。 日本人としてのアイデンティティを異文化の中でも失わず、日本文化に誇りを持てたのは、漱石作品のおかげだなと思います。 英文学が専門ですけれど、日本文学ってやっぱりすごい。 国籍を問わず、すべての方におすすめしたいです。
|
|
カエサルへの片思い
この本は本当に色々な読み方が出来る。ローマ歴史の入門書として読む歴史好きの人もいるだろうし リーダーのあり方を読む経営者もいるだろうし、ローマを舞台にした叙事文学を読み取る文学好きもいるかもしれない。但し 小生が一番感じるのは これは確信に満ちた独断だが 著者塩野七生のカエサルに対する熱烈なラブレターである。当代随一のクールで洒落た文章家の彼女にしても 熱情が時として溢れ出すことを止められない部分が散見される。そんな意味で これは 著者が主人公を愛しているという 時代を超えた片思いを描く 純愛文学です。 これほど 色々な読み方が出来る本は知らない。万人受けする一方、これは自分の為に書かれた本ではないかと思わせる。一読を勧めます。
|
|
 | 『暁の寺』 新潮社 price : ¥620 release : 1977/10

|
ちょっと難しいけれど…
「春の雪」「奔馬」と続いてきた「豊饒の海」。 まだ「天人五衰」を読んでいないのですが、かなり異色を放つ1冊です。 まず女性への生まれ変わり、そしてそれまでの清顕と勲の記憶を持つという点で前2作と大きく異なります。 そしてここにきてようやく本多の人間らしさというか、生々しさを感じます。 蓼科の登場とその描写がまがまがしさを漂わせていて、 決して幸せな結末には終わらないのだと感じられました。 前2作はどちらも不器用なまでに純粋で、その純粋さゆえに 儚く散ってしまった若者を描いたのとは、かなり対照的なこの作品。 輪廻転生に関する宗教学の専門書かと思うほどの多くのページには理解が進まず、ちょっと手こずりました。 でも「豊饒の海」3巻にして一番三島らしいものを読んだ気がします。
|
|
親から娘へ贈りたくなる絵本
自分ひとりでは動けない一個の欠片は、孤独な日々を送っている。 そして待っていた。誰かが来て拾い上げ、何処かへ連れて行ってくれるのを・・・。 欠けた部分を持つ、さまざまなカタマリが通り過ぎるが、誰も完璧に欠片を拾い上げ進むことが出来ず去って行く。欠片なりの努力も空しく時は過ぎ、ある日、出会ったのは、なぜかどこにも欠けた部分のない完璧な"BIG O"。欠片は、なぜか話しかける。「きっとキミにはワタシが必要」と・・・。 私は、このお話から、少しの戒めと、少しの知恵と、少しのなぐさめと、少しの勇気と、少しの希望をもらいました。 親から娘へ、また、その娘へとプレゼントしたくなるような絵本だと思います。
|
|
 | 『巷説百物語』 角川書店 price : ¥660 release : 2003/06

|
【商品詳細】
泉鏡花賞受賞作『嗤う伊右衛門』にも登場する小股潜りの又市が、江戸の世を舞台に悪党を退治する時代小説の第1弾。デビュー作『姑獲鳥の夏』に始まる「憑き物落とし」中禅寺秋彦が活躍する作品群とは、また味わいの異なる妖怪シリーズだ。 寺への帰路で豪雨に見まわれ、やむなく途中のあばら屋に逃げ込んだ1人の僧。小屋には白装束の御行、人形遣いの女、そして初老の商人と若い男が居合せていた。雨宿りの余興に始まる「百物語」。一見無関係な怪談話は、意外な符号を伴って僧の心の内で形を成す。小屋の外では「しょり、しょり」と何者かが小豆を磨く音が。やがて僧は、恐るべき怪異と出会う…。 立ち現れるのは、江戸時代の絵師竹原春泉の『絵本百物語』に描かれる小豆洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻(かたびらがつじ)の7妖怪。又市をはじめとする小悪党一味、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らは巧妙な罠を十重二重(とえはたえ)に張り巡らせ、どうにも立ちゆかない事態を「妖怪」のしわざとして収める。著者自身の言葉を借りれば、本作は、難事件を「妖怪」と名づけて払い落とす中禅寺のシリーズの「裏返し」なのだそうだ。 又市は「悪党だから死んでもいいなンていううざってェ小理屈も俺達にゃァ関係ねェ」とうそぶく。そして「悲しいねぇ」と言葉を継ぐ。登場する妖怪たちは、人間の心の闇や業(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」だ。そもそも春泉の『絵本百物語』は人間の醜い心を風刺したものでもある。その業を見据える又市の姿が、たんなる勧善懲悪の時代劇ではない深みを物語に与えている。(中島正敏)
置いてけぼり
京極堂シリーズと同様に主人公は活躍しない、 というより 何時の間にかずるずると巻き込まれてしまう。 はて、物語の中心になったかと錯覚するが 終わってみれば 結局自分は凡人でございましたと痛烈に再確認させられる。 事件が終わった後の喪失感。それは主人公だけではなく読む側にも訪れる感情である。 読んでいるうちにあれよあれよと引き込まれ 事件の中核にいるような錯覚に陥れられるが 終わってみれば、主人公同様、 「あんたはこの世界の人間じゃねえよ」と ぽん、と突き放されている自分に気付く。 それでも、置いてけぼりにされてしまった寂しさより もう一度、その世界に入り込みたい。 と不思議に魅きつけられてしまう 京極作品の「イジワルな魅力」に 嵌れる一冊です。 結局また、置いてけぼりにされちゃうのは分かってるんだけど、 やめられないんだよな。
|
|
おもしろかった。
東野圭吾さんの作品は友人に薦められていてこの本が初東野圭吾でした。ミステリーとかあまり読まないので「タイトル」に「ラブストーリー」がついてたので読みやすいかな?って思いこれを選びました。 やぱり読みやすく、最終結末が知りたくてすぐ読んでしまいました。 友情をとるか、愛をとるか、の選択はありきたりのストーリーだが、主人公は友人の恋人を好きになり、心の中で葛藤し続ける。「恋は盲目」というように、好きな気持ちが強くなると理性を失ってしまうことがある。そんな心境が、リアルに描かれています。 三角関係は最終的には誰かが傷つく結果になる。だれも傷つかないで終わる方法はないのだろうか?その方法がこのストーリーの最終結末であります。途中読んでいるうちに、二つの違った展開が交互に描かれていて混同してしまいますが、最終的には二つに分かれていた展開が一つにつながって、そういうことだったのか!と、すっきりしました。こんな不思議な展開なのにすらすら読めて、すっきりした作品は初めてです。面白かった!
|
|
流行りの,軽いファンタジーではない
軽くない。 軽い文体でサラサラと読めて,次はどうなるのと興味と面白さを追求しただけのような,そんな本ではありませんでした。 一冊だけ試しに読んでみて,そこが大変好きになりました。 人の葛藤する感情って,やはり泥臭いし重たい。 しかし,その泥臭さや重さを,逃げることなくきちんと奥まで描き切っているところが,本書シリーズのどの本にも共通する,非常に貴重なところだと思います。 他書では,なかなかこれだけのものに巡り会えません。 弱く悩む主人公が,答えを見つけ出していくまでの過程は非常に長いですが,そこがやはり大切なんだと思います。 もし,これが読みやすく短かったら,これだけの余韻は残るはずがありません。 このシリーズはどれも,物語としても世界観は緻密で,ストーリーは秀逸です。 本好きの人が,これを読み逃していたとしたら,それは損だとさえ思えます。
|
|
あいた時間に気軽に読める
名言とその解説というよりも、色々な言葉をテーマにした短文集。 著者のエッセイの楽しみは、映画・漫画・文学・演劇など幅広くジャンルを横断した作品への言及であり、本書でも一つの言葉をたよりに、多くの作品や人物について語られている。 とはいっても一つの文章は短く、著者の本の中でももっとも気軽に読める本の一つ。
|
|
 | 『落日燃ゆ』 新潮社 price : ¥580 release : 1986/11

|
見事に生きた広田弘毅
見事に人生を生きた広田弘毅。戦争を必死で回避するように奔走しながらも、戦後A級戦犯になり、併し乍ら一切の弁解をせず絞首刑になった唯一の文官、広田弘毅の生き様。彼が残した私利私欲による政治でなく、ただ当時の日本国のために尽力を尽くした潔い生き方は、今の我々現代人に、再度自らの人生を考え直させる光となるのはないだろうか。
|
|
 | 『伊豆の踊子』 新潮社 price : ¥380 release : 1950/08

|
この世との和解
踊り子との出会いと別れを清々しく描いた作品である。純真無垢な踊り子に思いを寄せた主人公の心の動きを清らかに描いている。自分の力を超越するものに真摯に向き合う若者だけが経験する、人生初期の「この世との和解」が、この物語の要となっている。青年は「この世との和解」を通じて大人へと成長する。「この世との和解」とは、諦めであり、別れであり、虚しさである。若者はふとした折にこの「和解」を感じる。人によって契機は様々だが、主人公の青年は踊り子との別れを通じて、この「和解」を感じたに違いない。踊り子との出会いを束の間の恋、別れを単なる感傷と考えないのは、主人公が帰りの船室で言うこのセリフからである。 「ただ清々しい満足の中に静かに眠っているようだった」 「どんなに親切にされても、それを大変自然に受け入れられるような美しい空虚な気持ちだった」 「何もかもが一つに溶け合って感じられた」 この言葉こそまさに、主人公の青年が「この世との和解」をした証であり、何でもでき、すべての物をこの手に、といった盲目的な青年から、ひとりの大人へと成長した証であろう。
|
|
緻密なイラストと大きなインド
河童さんならではの視点で見た楽しいインド。「スケッチブックと巻尺を武器」にして眺めたインドがとても緻密に丁寧に描かれています。ここまで細かく、暑くて大きくておおざっぱなインドを描ける人はいないでしょう。インドへ行かずとも、これを読め。これは本当にそう思います。タージマハールの大きさを、細かく体感してみたい。
|
|
 | 『パプリカ』 新潮社 price : ¥700 release : 2002/10

|
筒井康隆の長編の中でも白眉の出来。
エッセイ集で書いていましたが、この「パプリカ」書いている途中に筒井康隆は白髪になってしまったそうです。それもそのはず…作品中の夢に関する描写のリアリティを出すために、実際の分裂病患者の夢まで探ったとか。ユングの指摘している通り、あまりに夢を探りすぎると、次第に恐怖に満ちたものになっていくようです。前置きが長くなりましたが、そこまでして筒井康隆が描いたこの長編小説「パプリカ」は素晴らしい出来です。今回文庫化されましたが、私はハードカバーで読んだとき、身震いがし、時にはおびえながらも、一気呵成に読み終えてしまいました。それほどまでに惹きつけられる作品です。 パプリカと言う名の夢探偵…それを取り巻く人々の心理描写、そして夢と言う名のもう一つの現実世界。その二つが入り乱れるときの恐怖感、そして疾走感…どこをとっても文句のつけようがありません。 未読の方はぜひ手に取ってみてください。 フロイトの「夢判断」やユングの入門書あたりに軽く目を通しておくと面白さが倍増すると思います。 表紙がポール・デルヴォ−で、装丁まで気が利いているなあと思いました。
|
|
本当の恐さとは?
最近聞く事の少なくなった「方言」その方言で昔話を語るかのように恐い話を続ける遊女。淡々と話を続ける遊女。その遊女の口を借りて「何者」かが話をしている・・・そんな不思議な雰囲気のなかで繰り広げられる話。読んでいて「恐い」というよりも「悲しい」話が続きますが一転して恐い話に変わります。最後の遊女の一言に思わず鳥肌が立ちました。
|
|
 | 『沙高樓綺譚』 徳間書店 price : ¥660 release : 2005/11

|
ここで聞いたことは巌のように口を閉ざしてもらさず
六本木辺りのビル最上階の豪勢で厳粛なサロンで聞く不思議な話の数々。最初の話は、浅田次郎ファンなら、アノ話にふと想いをはせるはずです。 続く話の中には、現実なのか夢うつつなのかわからない話もあり、またタネを明かせば不思議から離れてしまうような話も...。この辺りの料理の仕方が、さすが浅田次郎です。 多分1冊ではまだ堪能が足らない気がします。続編もはやく文庫本化してくれないでしょうか(笑)
|
|
2通りの体験
一千年もの間、東ローマ帝国の首都であり続けたコンスタンティノープルが滅び行く様を緊迫感のある筆致で描いた作品。当時の政治状況、宗教対立、地理的要素、戦術等の非常に豊富な資料をもとに刻々と情勢が変化して行く様が詳細に描かれているため、俯瞰的な視点から歴史を見ることができる一方、さまざまな立場にある現場証人としての登場人物とともに自らも歴史に参加しているかのような体験もできる。
|
|
称徳天皇を再評価しました
この巻で1番好きなのは、称徳天皇と道鏡の考察。なるほど、これを読むとこの時代の反逆者は、実は藤原仲麻呂(恵美押勝)であることが、よく分かるし、また充分に説得力のある史実や証言が詰まっている。また、続く光仁天皇桓武天皇以降、天皇家の黄金時代が短くはあるが続くのだが、藤原氏がいかに巧妙に取り入って、後の摂関時代の礎を作っていったか、などがよく分かる。作者も書いているとおり、平安時代は、ドラマとしての人気がない(そういわれれば確かにそうだ)が、どっこい、日本史としては、飛鳥奈良〜平安時代がもっとも面白い、と思わせてくれた。やはり、怨霊と言霊の国なんだなあ。でも、称徳って、可哀想だなあ、合掌。
|
|
 | 『未来のイヴ』 東京創元社 price : ¥1,575 release : 1996/05

|
日本語って変わるものですね
「浅薄な美女アリシヤ、外見と中身のギャップに苦悩し、自殺まで考える青年のため、エディソンは人造人間ハダリーを造る。」という内容。とても興味が湧き購入したのですが‥。 完成した人造人間と青年の葛藤・憎しみ・愛などのドラマの展開を予想していましたが、実際に完成された人造人間が登場するのは、最後の最後でした。 それまでの間、何が語られているかというと、「恋人アリシヤの俗物性」「まじめな男を食い殺す女性」「人造人間の造り方」「人造人間を造る事の是非」「魂って愛ってこういうもの」等など。エディソンと青年二人がずーーーっと話すだけで、大部分のページが埋められてます。 人造人間と青年の話が主ではありませんでした。期待していたものとは違う話でした。 ただ、久々に丁寧な日本語を読めてよかったと思います。正漢字って、書く分にはややこしくて嫌だけど、目で見て読むにはきれいですね。
|
|
 | 『少年H〈下巻〉』 講談社 price : ¥660 release : 1999/06

|
情報統制に疑問を感じたわりに
戦中戦後の理不尽な世の中、自分だけは疑問を感じていました。真っ直ぐに 生きてましたとアピールする著者。しかし全てが嘘っぽく説得力はない。 創作をさも本当にあったことのように書くのは、著者が作中で疑問を感じた 情報統制と同じことだ。 このように都合よく(それも自らを格好良く描きたいという程度の理由で) 創作された歴史を読んで、これが真実だと思い込んでしまう単純な読者が いないことを願う。
|
|
 | 『青春漂流』 講談社 price : ¥540 release : 1988/06

|
人生は一度しかない
この本に名を連ねた人々は、自らの可能性を信じて、挫折を味わいながらひたむきに努力してきた人々である。 特に田崎真也の話が印象的だ。 今でこそ世界的ソムリエだが、若い頃、さしたる金もなく、フランスのワイン畑を一人くまなく歩き続け、ワインの味を体で覚えていく様は胸を打つ。この本は、夢を追い続ける若者に是非読んで欲しいと思う。 そしてまた、後の人生を自分はどう生きるか、私自身にも問いかけている。 人生は一度しかない。 この本を読むと、納得のいく人生を送りたいと、改めて思う。
|
|
【商品詳細】
1951年に『ライ麦畑でつかまえて』で登場してからというもの、ホールデン・コールフィールドは「反抗的な若者」の代名詞となってきた。ホールデン少年の物語は、彼が16歳のときにプレップ・スクールを放校された直後の生活を描き出したものだが、そのスラングに満ちた語り口は今日でも鋭い切れ味をもっており、ゆえにこの小説が今なお禁書リストに名を連ねることにもつながっている。物語は次の一節で語りだされる。 ――もし君が本当に僕の話を聞きたいんだったら、おそらく君が最初に知りたいのは、僕がどこで生まれただとか、しみったれた幼年時代がどんなものだったかとか、僕が生まれる前に両親はどんな仕事をしていたかなんていう「デビッド・カッパーフィルド」調のやつなんだろうけど、僕はそんなこと話 |
|