ブックス ワールド !!
ブックス ワールドサイトへようこそ! 洋書から日本の書籍、雑誌、写真集、アルバム、文学書、実用書などごゆっくりご覧ください。
文学賞受賞作
新しい高齢者住宅と環境―スウェーデンの歴史と事例に学ぶ
新しい高齢者住宅と環境―スウェーデンの歴史と事例に学ぶ
鹿島出版会
price : ¥3,255
release : 2000/05

ロマン・ロラン全集 15 伝記 2 (15)
ロマン・ロラン全集 15 伝記 2 (15)
みすず書房
price : ¥3,150
release : 1980/02

Just 冠婚葬祭マナー事典
Just 冠婚葬祭マナー事典
旺文社
price : ¥1,260
release : 1986/06

開国
開国
文藝春秋
price : ¥541
release : 1996/08

言い寄る (1978年)
言い寄る (1978年)
文芸春秋
price : ¥315
release : 1978/08

瀧夜叉
瀧夜叉
文藝春秋
price : ¥600
release : 1998/04

皆川的陰陽師

これを文庫本一冊は勿体なさ過ぎる。歴史ものとしても面白い時代だし、登場人物も魅力あふれる人ばかり(阿部清明や蘆屋道摩も登場する豪華メンバー)なので上中下の3巻どころか、シリーズで10巻でも持つのではないだろうか。それだけに、足早に物語が進み、物足りなさがあったが、妖しさ漂う皆川ワールドが詰め込まれていて、どこを読んでも面白い。

夢枕獏の陰陽師シリーズは読んでないので蘆屋道摩がどう描かれているのか知らないが、この小説での彼は怖ろしく魅力的だ。

青春の門 筑豊篇〈上〉 (講談社文庫)
青春の門 筑豊篇〈上〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥580
release : 2004/09

世代を超えた青春

主人公信介の小学校から中学校時代の話。
けんかの仕方(精神的なもの)や初恋、男としての生き方など今でも私が考えているようなことを一つひとつぶつかり悩んでいく様が鮮明である。
時代が変わっていても少年の悩みや、考えは変わらないのであろう。
青の背信 (講談社文庫)
青の背信 (講談社文庫)
講談社
price : ¥600
release : 1988/09

薔薇いろのメランコリヤ (角川文庫)
薔薇いろのメランコリヤ (角川文庫)
角川書店
price : ¥500
release : 2003/11

「恋」のアナザーバージョン

圧倒的存在感の美貌の詩人エマ。そこに転がり込んだ女子高生・野乃。ふたりの不思議な共同生活は何年も続く。時には男を共有したりもする母子ほど年の離れた二人。そこに現れた名もない貧乏詩人の晋平のために、二人の女の均衡が崩れる。
美しく、財力も才能もあり、魔法のような魅力を持つエマに、野乃は恋する男と同じくらい、熱い思いを抱く。

単に一人の男をめぐる三角関係ではなく、エマと野乃という二人の女性間の尊敬や恋情、友情ともちょっと違った交わりが、この作品の最大の魅力。
生活感のない女たちの描写がちょっとリアリティに欠け、重みがないが、小池真理子がもうひとつの「恋」を書いたと言える作品である。

たった一人の反乱 (下)
たった一人の反乱 (下)
講談社
price : ¥420
release : 1982/12

日本的中国的 (徳間文庫)
日本的中国的 (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥448
release : 1983/03

必見!

「日本人」VS「中国人」。

外見はよく似ているけど、ここまで違う!
地理的条件のみならず、生活習慣や歴史上の関係・・・

でも、やっぱり同じ「お箸の国」。
中国に興味のある人、ビジネスで何かと中国とかかわってきてる人、
中国語学習者・・・すべての方にぜひ読んでいただきたい1冊です。

あぶり絵〈上〉
あぶり絵〈上〉
日本経済新聞社
price : ¥1,890
release : 2002/11

帰らざる夏 (1973年)
帰らざる夏 (1973年)
講談社
price : ¥998
release : 1973/00

小説の秘密をめぐる十二章
小説の秘密をめぐる十二章
文藝春秋
price : ¥1,800
release : 2002/03

<書きたいこと>は精神との関わりにおいてしか見つからない

1987年から芥川賞の選考委員を務める河野多恵子が小説を書こうとする新人に向けて贈る12の小説の秘密。2001年「文学界」に連載した「現代文学創作心得」の改題。「文学作品は生き物であり、書きはじめた作品は必ず完成しなくてはいけない。書きたいものと書きたいこととは丸でちがう。書きたいものとしてだけで書くのであれば、ただのお話にしかならない」 作家の基本条件としての才能の有無、創作ノート、名前・標題のつけ方、導入と終わり方、筋と技巧、人称、譬喩などについて多彩な例を挙げ、次々に秘密が手ほどきされる。私にとって特に興味深かったのは、p.220から221にかけての「詩は俳句・和歌と共に、本質的には自分自身のためのものである・・・小説は作家がそれを書く目的上読者に分られ、共感されるように創られるべきである、読者もまた分り、共感できることを期待するものである」という部分である。『羅生門』の最後の一行、『金閣寺』の自転車の前燈などの指摘には、溜息が漏れた。これほど説得力のある創作心得を読むのは初めてである。本書は同時に谷崎潤一郎の解説書としての側面も持ち合わせており、魅力は尽きない。
たった一人の反乱 (上)
たった一人の反乱 (上)
講談社
price : ¥420
release : 1982/12

若い読者のための短編小説案内
若い読者のための短編小説案内
文藝春秋
price : ¥1,300
release : 1997/10

村上春樹の直喩の巧さには舌を巻いてしまう

 この本に関しては、大塚英志と三浦雅士が、まったく違う文脈から、江藤淳の「アメリカと私」「成熟と喪失」と対比させて紹介していたので、興味を持って読んだ。時代は違うけど、日本を離れてアメリカで教鞭を取るという立場に立ったときに(あるいはその後に)、「第三の新人」に目が行った、という共通点である。そっちの話は長くなるので置いといて、この本、村上春樹の取り上げる作家、作品のチョイス、あるいは作家評、作品評の語り口が、村上春樹自身の作家性、小説観を照射するって仕組みになっていて、凡百の村上春樹論より、ずっと村上春樹を理解出来てしまう本なのだ。
 この本の中には、村上春樹自身の“原風景というのは、いわば比喩的に、他の風景を通してしか語り得ない”という言葉があるけれど、
それにしても、ここで取り上げられた作家たちの小説スタイル、文体を表現する際の、村上春樹の直喩の巧さには舌を巻いてしまう。
 この本は、「第三の新人」たちのそれぞれにユニークな作家的資質を知ると共に、村上春樹自身の作家としての才能にもあらためて気付かされてしまうのである。
約束された場所で―underground〈2〉
約束された場所で―underground〈2〉
文藝春秋
price : ¥1,600
release : 1998/11

信者の人間性

オウム真理教による地下鉄サリン事件の被害者側からの視点を捉えた『アンダーグラウンド』とは逆に、オウムの元信者からの視点を捉えたのが本書『約束された場所で』。

本書を読んで思ったことは、オウムの信者の人たちも、或る意味では深刻な「被害者」であるということだ。何の「被害者」かと言うと、この汚れた合理主義・唯物主義に支配された「現代社会」のである。
普通の人たちが見て見ぬ不利をして誤魔化すところを、多くが高学歴エリートである彼らは、真面目過ぎるがゆえに、突き詰めて考え、それで救いを求めて新興宗教に走ってしまったのだろう。
実際上、極めて「人間的」な苦悩を抱えた彼らの素顔が垣間見られた。「純粋」と「狂気」は、まさに紙一重であろう。
それでもあの事件を起こしてしまったということは、何がっても善い筈はなく、絶対に赦されざるべきことであるけれど。

最後の村上氏と河合氏との対談もすごく深くて興味深い。自らの「悪」を捨て去ろうとするのではなく(それを目指すとオウムなどの宗教に進んでしまう可能性がある)、その内面的「悪」を自覚したままで、形式的に「善」とされる常識に沿って生きていこうと思った。また、私自身、学問的に宗教には興味あるけれど、決してどの宗教にも染まらず、本書の村上氏のように、ニュートラルな視点から関わっていき、世界認識の手段としていこうとも思った。

いずれにせよ、現代の社会病理を再考察するためにも、『アンダーグラウンド』と合わせて読まれるべき書物であると思う。
ゴッホ殺人事件〈下〉
ゴッホ殺人事件〈下〉
講談社
price : ¥1,785
release : 2002/05

探偵登場。

 下巻になってやっと探偵役が登場する。また、上巻はフランス、オランダなどが舞台だったが、下巻では舞台は日本に。有能な助手(?)も登場し、一気にミステリーらしくなってくる。

 未発表作品の場合、本物かどうかの決め手は、その作品の流れ出た元の影響が大きいという。もちろん、絵の具やキャンバスの年代、赤外線鑑定などなど、最近の技術でわかる範囲もあるが、誰が持っていたかということが本物かどうかの見極めに影響するというのだ。(『開運!なんでも鑑定団』を見ている人には常識ですよね。)

 犯人当てよりも、ゴッホファンとして読了しました。作品中にもある、カーク・ダグラス主演の映画『ゴッホ』が見たくなりました。NHKの作品では、仲代達也さんがゴッホ役でしたが、西洋人である分、カーク・ダグラスのほうがゴッホに似ていました。もう一度見たいなあ。

F1走る魂
F1走る魂
文藝春秋
price : ¥1,050
release : 1988/02

中島悟の真実

 1991年秋、僕は、鈴鹿の130R手前の席にいた。
 Brownのスポンサードを受けた茶色と白のティレルを応援するために、中島のF?1ドライバーとしての日本で最後のレースを見るためにいた。
 スタートに失敗しながら、徐々に追い上げた中島は、ひょっとしたら、入賞か・・・という位置まで来て、S字コーナーでリタイヤした。
セナがベルガーに最終コーナーでトップを譲ってレースは終わった。

 この僕がこの目で見たレースに至るまでの中島の半生を、海老沢さんは丹念な取材で、淡々と描き揚げた。
 前作「地上の夢」がホンダに力点があったとすれば、このF?1シリーズ第2作は、レーサー中島に重点を置いた作品である。
 例によって身近なセンテンスをつなぎ合わせて、わずか一行に意義深い心理描写を描き出すのは、この作品でも同様であった。

 今、F?1は、この本に書かれているような時代とは全く別の運営になり、この本を読み返すと、レギュレーションがあまりにかわって別のレースカテゴリーかと思われそうである。しかし、根底にある人間の速く走りたい、走らせてやりたいという気持ちは変わっていないと思う。


  追記・・・この本は、例えばセナ死亡後にF?1に入ってきた世代の人にも是非読んでもらいたいが、上記のとおり、レギュレーションやルール変更があって、現在のルールからすると意味不明な戦略のあやが出てきたりするので、ご注意下さい。
独眼龍政宗〈上〉
独眼龍政宗〈上〉
文藝春秋
price : ¥500
release : 1999/04

淡々と史実を書き綴るスタイルが秀逸

世に沢山ある伊達政宗の伝記の中で、純粋に史実を書き連ねることに徹したという点でこの本は非常に異色である。方言を文中に織り込み、史実を忠実に描こうとする津本陽のスタイルが精彩をはなっている。事実の羅列は斜め読みでは面白く感じられないが、想像を膨らませながらゆっくり読むならとても味わい深い一冊(上下二冊だが)になるはず。

政宗って、月が好きだったのではないだろうか?本の中には政宗による詩歌が多く紹介されており、読みながらそんなことを考えた。
エリア随筆抄 (大人の本棚)
エリア随筆抄 (大人の本棚)
みすず書房
price : ¥2,520
release : 2002/03

ゴッホ殺人事件〈上〉
ゴッホ殺人事件〈上〉
講談社
price : ¥1,785
release : 2002/05

ゴッホ自殺の謎が明らかに?

 由梨子の母の貸し金庫に会った謎のメモは、ドイツ語で書かれたゴッホの未発表作の一覧らしいと判明する。現物が見つからなくても、その存在を証明するだけでも美術史上の快挙となる。しかも、それが一度に50作品となれば。オルセー美術館でゴッホを研究するマーゴは、以前からゴッホ他殺説を考えており、その未発表作品らしきものが写真に残っている雑誌のコピーを入手し、大胆にも弟のテオが犯人ではないかと推測する。しかし、そのマーゴは出版社のパーティーの夜、爆弾によって死亡、由梨子の家には盗聴器が仕掛けられていたり、ただならぬ事態に。ことによると、自殺する理由が見当たらなかった由梨子の母の死にも疑問が。。。

 美術史上作品にもっとも高値のつくゴッホを巡っておこる、内容の濃いミステリーである。

即身仏(ミイラ)の殺人
即身仏(ミイラ)の殺人
実業之日本社
price : ¥816
release : 1995/10

鬼骨の人 (角川文庫)
鬼骨の人 (角川文庫)
角川書店
price : ¥483
release : 1995/06

落葉―短編集
落葉―短編集
新潮社
price : ¥1,995
release : 1980/01

『百年の孤独』を先に読まれていたほうが、良いのでは?

 落葉―短編集となっていますが、この本のおよそ半分が『落葉』で、残り6編の短編はそれぞれ10ページほどの作品です。
 で、肝心の『落葉』ですが、この作品がガルシア=マルケスのデビュー作なのですが、正直言って短いながらも多視点で、しかも時系列に書かれていません。これはまずガルシア=マルケスの作品を初めて読む人にとって見れば、ちょっと混乱してしまうのではないでしょうか。そして登場人物が本当の親子同士なのか、継母と他人の子なのか、最初は見極めるのが難しく感じる人もいると思います。そこで私が言いたいのは先に『百年の孤独』を読まれたほうがいいのでは。ある意味あちらの方が、家系図のようなものがついていて、登場人物の関係がわかりやすいので…。それからこちらを読まれても十分満足のいくものです。
藤沢周平全集〈第3巻〉
藤沢周平全集〈第3巻〉
文藝春秋
price : ¥3,568
release : 1992/12

あ・だ・る・と (集英社文庫)
あ・だ・る・と (集英社文庫)
集英社
price : ¥580
release : 2002/01

これは

 とってもおもしろかったです。AV業界の実状に迫っているように思います。おそらく、綿密な取材もしたのでしょう。ここにでてくるのは、奇矯な人びとばかりです。電波さんだったり、おそろしくマゾの男、フリークス、スカトロ、ロリコン、そのすべてが一般的見解すれば異常に思えてしまいます。
 普通の人もいます。普通の主婦、普通の女子高生、それが普通のAVにでます。さて、それでは「普通」とはなんでしょう。どうも、私たちの考える普通とこの小説にでてくる「普通」とは意味が違うように思えてならないのです。高橋源一郎は、性と愛(あるいは、死)を利用して、私たちが思う普通という存在を揺るがそうとしたのではないでしょうか。普通は現実によりそったものであるから、このようなドキュメンタリー的手法を使った小説を書いたのではないでしょうか。
 この小説を読むと、私はいろんなことがよくわからなくなってくるのです。たとえば、あるAV女優の話で、スチュワーデス専門学校の話がでてきます。そして、軽く、本当に軽くそのスチュワーデス専門学校を卒業してもほとんどスチュワーデスになれない、という台詞がでてきます。スカトロを愛する人と、卒業してもスチュワーデスになれないスチュワーデス専門学校、私は、果たしてどっちが普通でどっちが異常なのか、あるいは両方とも普通なのか、両方とも異常なのか、わからなくなってくるのです……。
青鞜 (下)
青鞜 (下)
中央公論社
price : ¥1,029
release : 1984/10

雪風ハ沈マズ―強運駆逐艦 栄光の生涯
雪風ハ沈マズ―強運駆逐艦 栄光の生涯
光人社
price : ¥1,260
release : 1983/01

戦記だけでなく、物語としても楽しめます。

直木賞受賞の作家が書いているので、記録中心の戦記というよりは「雪風」という駆逐艦が主人公のノンフィクション小説。
「部下を死なせてたまるか」という艦長の言葉がじーんときました。
飾り火〈上〉
飾り火〈上〉
新潮社
price : ¥530
release : 1992/10

午後の恋人 (下) (文春文庫 (168‐25))
午後の恋人 (下) (文春文庫 (168‐25))
文芸春秋
price : ¥620
release : 1983/01

大人の女の美しさと強さ

 華やかな人生の午後、永久にその延長の時間が続くのかと思うのですが、
午後は、やがて夕暮れへと向かう。そこを悲観せずに現実的に強く生きようとするヒロインに大人の女の美しさと強さを感じます。
 ヒロインのように無垢でない自分には、エンディング近くで「そんなの男に言ったらダメだよぉ。」と言う部分がありました(^_^;)

ヒロインのその言葉は、私の予想したとおりの結果に、たどり着いてしまうのですが、その無垢なところがヒロインの魅力でもあるのでしょう。

春信殺人事件―美術探偵 仙堂耿介
春信殺人事件―美術探偵 仙堂耿介
光文社
price : ¥580
release : 1996/05

青鞜 (上)
青鞜 (上)
中央公論社
price : ¥1,029
release : 1984/10

近代絵画の世界
近代絵画の世界
日本放送出版協会
price : ¥3,570
release : 1989/03

撃つ薔薇―AD2023涼子 (カッパ・ノベルス)
撃つ薔薇―AD2023涼子 (カッパ・ノベルス)
光文社
price : ¥890
release : 2000/01

偽りの自分?

潜入操作をするためには、麻薬組織に信用されなければならない。全ての経歴を偽るのではなく、肩書きは、元刑事。名前もデータベースも書き換えて潜入する。
情報を得るためには、“恋人”になることさえためらわない。
ボスの正体を知るとき、頭の中で描いていた組織構図がガラリと崩れます。ボスって何だろう?何を崇めているのだろう?
ボスの正体、組織の真実。私はダマサレタ!
翔ぶが如く (2)
翔ぶが如く (2)
文芸春秋
price : ¥500
release : 1980/01

引越し大名の笑い (講談社文庫)
引越し大名の笑い (講談社文庫)
講談社
price : ¥560
release : 1991/09

この国の空
この国の空
新潮社
price : ¥1,365
release : 1983/01

人間の巻
人間の巻
岩波書店
price : ¥3,360
release : 2005/05/28

島崎藤村・北村透谷 (明治の文学)
島崎藤村・北村透谷 (明治の文学)
筑摩書房
price : ¥2,730
release : 2002/12

俳句殺人事件―巻頭句の女
俳句殺人事件―巻頭句の女
光文社
price : ¥700
release : 2001/04

日本の巻
日本の巻
岩波書店
price : ¥3,360
release : 2005/06/28

児童文学名作全集〈2〉
児童文学名作全集〈2〉
福武書店
price : ¥588
release : 1987/01

アンジェリーナ―佐野元春と10の短編 (角川文庫)
アンジェリーナ―佐野元春と10の短編 (角川文庫)
角川書店
price : ¥420
release : 1997/01

奇蹟
奇蹟
朝日新聞
price : ¥673
release : 1994/02

中上健次

中上健次の作品に出会い、それまで小説というものに対して抱いてきた印象や価値観を殴り倒されたような衝撃を受けた。中上健次という小説家のことを人に紹介しようと考えるとき、頭の中で相手に伝えたいことが横溢し、意識の洪水が起こり、脳がインポテンツになり、やがて何も言えなくなる。ある特定の作家への過剰で盲目的な賞賛は時として他人に嫌悪感を与えので、中上健次自体を神話化するといった行為は逆に中上のやってきたことを世に伝えにくくしてしまうのかもしれない。中上讃歌はこのあたりでやめておく。ただ、ひとこと言うなれば、小説家・中上健次は1字1句ほんきであったのだ、と思う。

彼の本から1冊を選ぶとすれば、「金色の小鳥が飛び交い夏芙蓉の花が咲き乱れる路地」における最後の貴種流離譚「奇蹟」を選ぶ。この小説はこの上なく優しく、暖かい。その優しさ、暖かさは、「奇蹟」という物語の内容から来るものではなく、1字1字ほんきで書き続けた小説家と、その読者とのあいだにだけ存在する優しさと暖かさなのである。(もちろんこれは読者=ぼくの勝手な思い込みであることは言うまでもない)ただ、このような体験は空前であり絶後であるとまでは言わないが滅多にあることではない。この本を読んでいたときに本を読むことの嬉しさと、幸せを最も強く感じた。

族長の秋 (集英社文庫)
族長の秋 (集英社文庫)
集英社
price : ¥730
release : 1994/05

完成度の高い物語

架空の独裁者の一生を描いた作品。
残酷な奇行の数々が繰り返されるものの
何故か独裁者が滑稽に描かれていて、少し愛らしい。
そして何よりも独裁者の疎外感みたいなものを
しみじみと感じる。
独裁者の一生を作者らしく見事に描き
そんな世界を垣間見させてくれる。
物語としては完成度の高い作品。
今までにないマルケスの描く独特の世界。
雪の夜のあと
雪の夜のあと
読売新聞社
price : ¥1,470
release : 1997/06

藤沢周平全集 (第17巻)
藤沢周平全集 (第17巻)
文芸春秋
price : ¥3,568
release : 1993/01

愛と美と文学―わが回想
愛と美と文学―わが回想
岩波書店
price : ¥530
release : 1989/09

中国畸人伝 (中公文庫)
中国畸人伝 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥680
release : 2005/10

峠 下    新潮文庫 し 9-16
峠 下  新潮文庫 し 9-16
新潮社
price : ¥820
release : 2000/00

「最後のサムライ」河井継之助を描く幕末維新の傑作です

維新の内乱中、最も激烈な戦争であった北越戦争において東軍(幕府軍)を率いた長岡藩家老河井継之助の生涯を描いた物語です。彼は、疲弊しきった江戸封建体制の崩壊を見通し、陽明学を背景にした合理的思考で藩政改革を行いました。しかし、幕末維新においては、勝てないであろうことを予期しながら、幕府側に立ち、西軍(官軍)と戦い、長岡藩を滅ぼすことになってしまいます。河井の行動の飛躍(矛盾)にあるものは何なのか。著者はそこに「サムライ」の典型を見出し、河井の若い時代から死に至るまでの生涯を様々な出来事と共に丁寧に描き切ります。

西郷や竜馬らに比べると、河井は決して有名というわけではありませんが、その芸術的ともいえる生き方から、著者の数多い幕末維新物の中でも最も考え?!??せられることの多い1冊です。

幼な子われらに生まれ
幼な子われらに生まれ
角川書店
price : ¥1,575
release : 1996/08

重松作品の頂点をなす傑作

とても感動しました。

また、父親として、一人の男として、作品中に自分自身を何度も投影しながら読み進み、いろいろと考えさせられた作品でもありました。重松清さんの書いた小説はいろいろ読みましたが、個人的には未だこの作品を超える重松作品には出会っていない、というのが率直な意見です。結婚生活、家庭、子育て、離婚等々、自分が実際に経験していること、また経験はしていないけれど今後経験する可能性が否定できないようなことについて、一人のごく一般的な男性の等身大の視点で書かれており、とても感情移入し易かったです。どのような経緯があって版が重ねられなくなったのかは知る由もありませんが、このような素晴らしい作品が世に出回らずにいる、というのは、社会、文化にとって大きな損失であると言っても過言ではないと考えます。入手は非常に困難ですが、古書店や図書館等で見かけたら、是非多くの人に読んで頂きたい作品です。

6月16日の花火
6月16日の花火
岩波書店
price : ¥1,575
release : 1986/06

忍者からす―柴錬立川文庫
忍者からす―柴錬立川文庫
集英社
price : ¥504
release : 1989/03

泡坂妻夫 マジックの世界
泡坂妻夫 マジックの世界
東京堂出版
price : ¥3,675
release : 2006/12

奇術の思い出、天海の教え、味わい深い

奇才、泡坂妻夫(厚川昌男)氏の作品集。
ミステリー作家、泡坂妻夫氏は
古くからアマチュアマジシャンとしてもよく知られている。
奇術を扱った著作も幾つかある。(特に「魔術館の一夜」は、絶品!)
本書はマジックのクリエーターとしても名高い、氏のオリジナル作品集だ。
カード、コイン、ロープ、(リンキング)リング、パズルの5章に分かれている。
カードの章では「天海のフライングクイーン」が、印象的だった。
挑戦的ではなく、演者自身が現象にとまどう、という演出に、
(石田)天海氏の影響を見るような気がする。
「整理好き」という作品は見事なまとまりをもった佳作。
コインの章は、本書の中ではもっとも最新の作品が含まれている。
著者考案の技法「MAパス」(マッスルパスに似ている)を基本においた作品が主だ。
ロープの章では長めのユニークな手順を紹介。
リングの章は本書の中でもっともページ数を割いているが、
私はこのマジックにもともとあまり関心が無いので、
どう評価してよいものか、わからない。
パズルの章には小品が2つ。

コインをのぞいて全体にかなり昔(1960年代とか)に考案・発表されたものが多く、
特にカードマジックなどは、発表当初は
さぞかし斬新なものであったろうとうかがわれるが、
今日の目で見るとさすがにちょっと物足りないかな、という気もする。
泡坂氏の奇想が生んだマジックの作品もさることながら、
断片的に書かれている、若き日の厚川氏の奇術に関する思い出話や、
伝説のマジシャン故・石田天海氏から受けた教えといった内容が
私にとっては非常に味わい深かった。
花ホテル
花ホテル
新潮社
price : ¥998
release : 1983/01

虚空王の秘宝〈下〉
虚空王の秘宝〈下〉
徳間書店
price : ¥580
release : 1999/02

尻尾のある星座
尻尾のある星座
朝日新聞社
price : ¥1,575
release : 2005/10/13

ラブがやってきた!

著者のもとにラブの子犬がやってきた。天使のように可愛かったユーリーィだが、成長と共に悪夢のような日々になっていく。噛みぐせ、飛びつき、破壊癖。そのさまは生きてる弾丸のよう。ほとほと困り果てた著者はなんとかユーリーィをしつけようと悪戦苦闘。

それと平行して語られる先代犬、ハスキーのルビィの思い出。死んでしまったいまも著者の心に強くその思いが残っているルビィ。ルビィの思い出や旅先で出会った犬たち、古今東西の犬好きの著名人の逸話など幅広く語られている。ペットロスに苦しむ人、子犬のしつけに四苦八苦している人両方にお勧めの一冊。

闇のカルテット (双葉文庫)
闇のカルテット (双葉文庫)
双葉社
price : ¥580
release : 1992/09

お嬢様、哀れ

 世間知らずのお嬢様のヒロインが、醜聞を隠すために替え玉作戦を練った!しかし、この計画が杜撰で、かえって何もしないでそらっとぼけていたほうが、作戦実行よりも安全なのでは?…と疑念が浮かぶことしばしば。ノイローゼですなぁ。
 物語はビックリのラストを迎えるが、ワケ知り顔のおっちゃんの行動があまりに短絡的で興ざめ。
ワイド版 街道をゆく〈13〉壱岐・対馬の道
ワイド版 街道をゆく〈13〉壱岐・対馬の道
朝日新聞社
price : ¥1,155
release : 2005/04

朝鮮半島をのぞむ

 初出は1978年の『週間朝日』。
 朝鮮半島と九州の間に浮かぶ、壱岐と対馬を訪れた旅行記。その位置から両島は日本と朝鮮をつなぐ役割を果たしてきた。時には友好使節の中継地であり、時には侵略の入口となる。ことに、今回の旅には朝鮮半島出身の金達寿氏、李進煕氏という二人の友人が同行している。そのため、話のほとんどが朝鮮半島との関係に費やされている。
 そのためか、話がとても大きい。日本と朝鮮という国家レベルの歴史が語られるばかりで、目の前の、いま対馬・壱岐に住む人たちの姿が浮かび上がってこない。そこが少し不満であった。
翔んでる警視正〈平成篇 1〉警視正天山南路(シルクロード)を行く
翔んでる警視正〈平成篇 1〉警視正天山南路(シルクロード)を行く
文藝春秋
price : ¥428
release : 1992/05

武将列伝 (4)
武将列伝 (4)
文芸春秋
price : ¥500
release : 1975/01

三河人にはたまらない一冊

 徳川家康伝を、三河一向一揆の平定までで終わらせたのは良い判断だと思う。長ずるに連れて狸オヤジっぷりが前面に出てくる家康だけど、領国が三河しか無かった松平元康時代の家康は颯爽としたカッコイイ武将で、三河武士団を率いるにふさわしいプリンスだから。この伝だけ読めば一般の方の家康のイメージは覆ると思う。岡崎を中心とした三河地方の地名がバンバン出てきて、読んでるだけで理由もなく楽しかったのです。はい。勝頼伝では鳥居強右衛門も紹介しており、三河人にはたまらない一冊ですよ。

 この巻は他に武田勝頼、前田利家、黒田如水、蒲生氏郷の計5人が取り上げられているけど、家康以外の4人は海音寺氏の思い入れがたっぷり詰まっている人選だと思う。如水・氏郷を激賞し、勝頼を哀れみ、利家を羨み。このいずれも篤実で正直な性格を持っているが、他の武将列伝・悪人列伝で取り上げてきた人物とは描き方が違う。氏郷伝なんか、ひとつ章が終わる毎に褒めてるからね。

 先にも書いたとおり家康伝は楽しい楽しいで終わったが、全体的にも充分楽しめた。「ちょっとなー」という人物がいなかったのは、ボクも海音寺氏と好みが似ているという事なのだろうか?

夢の宴―私の蕗谷虹児伝
夢の宴―私の蕗谷虹児伝
中央公論社
price : ¥693
release : 1993/01

芥川龍之介小説集 (3)
芥川龍之介小説集 (3)
岩波書店
price : ¥1,575
release : 1987/08

浅田彰×松浦寿輝「ゴダールの肖像」
浅田彰×松浦寿輝「ゴダールの肖像」
とっても便利出版部
price : ¥1,050
release : 2000/12

実はおまけが面白い

浅田彰と松浦寿輝の対談。最近やっと公開された当時のゴダールの最新作から、ゴダールの全体像を語っているコンパクトな良書。個人的には、ラストのおまけ、大野裕之が浅田彰にインタビューするところが面白い。浅田彰もざっくばらんに喋っていて、普段のコンピューターのような正しすぎるおしゃべりのときには感じられない逸脱ぶりも垣間見えてお茶目。
幻の百花双瞳
幻の百花双瞳
徳間書店
price : ¥378
release : 1987/10

存在感、を感じる奥深い作品

 個人的に一押しの作品です。
幻の点心、百花双瞳以上のモノを作り出そうとする気性の激しい師匠・・・あまりにもそれにのめり込む姿に不安を抱く弟子である私。
 しかし、幻の点心に辿り着けず死んだ師匠の思いは、私の中に存在していた。
 私はついに、百花双瞳を作りあげた・・・
しかし、それが悲劇へ繋がり、もう二度と百花双瞳は作るまいと思うのだった。
 
 この作品で面白いのは、百花双瞳への辿り着き方で、○○○を普通の百花餡の点心にのせただけ・・という所のようです。解説にも、これを加えただけで、あらゆる点心を凌駕するものになるのかどうか・・・?と書いてありました。
 その辺は、百花双瞳が幻の点心という事で・・・作品の面白さは保障します。
 師匠、朝楊堅のキャラクターが際立つ奥深いストーリー・・・だと、私は勝手に評価しています・・・!
走って、負けて、愛されて。―ハルウララ物語
走って、負けて、愛されて。―ハルウララ物語
平凡社
price : ¥1,470
release : 2004/01

最低のハルウララ商法

著名な作者がブームに乗っただけの、競馬をまったく理解していない
著書です。

一生懸命走って死んでいった馬たちにも失礼なこの負け馬ハルウララブーム。
負け犬どもが傷の舐めあいとまでは言いませんが、かなり競馬関係者には
しかめっ面で迎えられてることを覚えてください。

零からの栄光
零からの栄光
角川書店
price : ¥357
release : 1981/05

川西航空物語

 戦前の日本の軍用機である二式飛行艇や紫電改を開発した川西航空の創業から
戦後になって新明和へ社名変更しPS飛行艇の開発するまでを小説風に描いた一冊です。
 やや褒めすぎな感じもありますが、小説風なので読みやすく社長の川西龍三氏や
設計者の菊原静男氏の人柄、川西航空の雰囲気などが分かりやすい一冊では
ないかと思います。
 なお航空機開発の突っ込んだ話は無いので、技術や資料的価値を求める人には
お勧めしません。私のように川西ってどんな会社だったのかと興味のある人
にお勧めします。
ええ加減にしなはれ!アメリカはん
ええ加減にしなはれ!アメリカはん
岩波書店
price : ¥1,680
release : 2006/11

アメリカ現政権のグロテスクさを書く

前作、「なにもかもわやですわアメリカはん」に続き、怒れる著者がブッシュ政権のグロテスクぶりを簡潔にエッセイにまとめている。日本でもニュースを通じてその片鱗は伝わってくるものの、アメリカ国内の情報をこうして読むとあまりの深刻さに寒気がする。

米谷氏は在米40年を越え、大変な子育てのことも著書に残されている。ご主人が知識階層のアメリカ人。
情報化社会といってのべつまくなしに英語放送が見られても、英語力不足のみならず、アメリカ政治の仕組みもわからない。  ワシントンの不気味さを、こうして日本語で伝えてくれる気概に敬服するとともに感謝している。

舌禍事件を何度おこしても開き直る政治家。
どさくさに紛れて昇格してしまう省庁。
我が国もなんだか雲行きが怪しい。
自分にできることは何か?
せめてこのような本を手にとり、我が子にも読ませ、民主主義の権利と責任を考えていきたい。

米谷さん、まだまだ元気でご活躍ください!
あなたが名探偵 (創元クライム・クラブ)
あなたが名探偵 (創元クライム・クラブ)
東京創元社
price : ¥1,680
release : 2005/08

装丁がこわいっす

 本格ミステリは全てすべからく犯人当てミステリではないが、逆は真なり――と、本格の中にはアリバイ崩しや倒叙ものもあるんだから当然でしょ、というなかれ、犯人当てというか「読者への挑戦」付きミステリにはその枠組みの中で洗練されたアノ手コノ手のワザがあり、何なら鮎川哲也の創元推理文庫から出ている短編集を読んでくださいませ、いやーホントにン十年も前にこんなことを考えたひとがいるなんて、ちょっとした感動を覚えますですよ。近年、この種の感動を覚えたのは愛川晶『カレーライスは知っていた』(光文社文庫)。文句ナシの怪作集。
 さて本書はこれらとくらべると、まーずいぶんスマートな出来(笑)。解答を公募したのだから仕方ないといえばそうなんですが。でも「カレー――」も懸賞小説だったんだけれど(しかも賞品自腹)。スマートなまま綺麗に解答編を纏めた法月綸太郎のが私のベスト。この「ゼウスの息子たち」は正解率50%を狙った上で、物語を仕立てたと思う。
なんもかもわやですわ、アメリカはん
なんもかもわやですわ、アメリカはん
岩波書店
price : ¥1,785
release : 2004/10

忍者丹波大介 (新潮文庫)
忍者丹波大介 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥820
release : 1978/04

ハリガネムシ
ハリガネムシ
文藝春秋
price : ¥1,200
release : 2003/08

【商品詳細】

吉村萬壱はデビュー作『クチュクチュバーン』において、個体としての人間が他の生命や物質と同化・変態し、巨大な集合体の中に溶け込んでいくプロセスを通して、人類進化の壮大なビジョンを初期筒井康隆の作品世界を彷彿(ほうふつ)とさせるグロテスクかつドタバタふう筆致によって描き上げた。芥川賞受賞作『ハリガネムシ』において、吉村は物語の舞台を近未来から現代(1980年代後半)へ移すとともに、前作において顕著だった暴力と破壊のテーマをさらに発展させ、それらをひとりの人間の内に発する過剰な欲望のありようとしてリアルに表現することに成功している。 物語の主人公は、高校で倫理を教える25歳の平凡な教師中岡慎一。アパートで独り暮らしをする慎一の前に、半年前に知り合った23歳のソープ嬢サチコが現れる。サチコは慎一のアパートに入り浸り、昼間は遊び歩き、夜は情交と酒盛りの日々を送る。サチコの夫は刑務所に服役中で、ふたりの子どもは施設に預けたままだが、詳しい事情は明らかでない。慎一はサチコを伴い車で四国に旅立つが、幼稚な言葉を使い、見境なくはしゃぎまわり体を売るサチコへの欲情と嫌悪が入り交じった複雑な感情は、慎一の中で次第に暴力・殺人願望へと変容していく。慎一は、自身の中に潜在する破壊への思いを、カマキリに寄生するハリガネムシの姿に重ね合わせる。 カマキリの尻から悶(もだ)え出る真っ黒いハリガネムシ、風呂屋の洗い場でロゼワイン色の血尿を放つ男、奇っ怪な叫び声をあげる登場人物など、グロテスクな人物や不穏なイメージに彩られた本作は、すべての読者に平等に支持されるものではないかもしれない。しかし、人間の内に発する欲望や衝動をありのままに記述していこうとする吉村の作家としての姿勢は実直なものであり、倫理的であるとさえいえる。 人間の本性として備わる「欲望」の本質に鋭く迫った問題作である。(榎本正樹)

著者には悪いが酷い

人間のゆがみを描いたつもりなのだろう。
そこにセックスや暴力の描写を交え、新感覚で奇才という賞賛を得たかったのかもしれない。
しかし、そこには吐き気をもよおすような内容しか感じられなかった。
人間の陰の部分は、そんなに単純ではない。

夜の歯車
夜の歯車
徳間書店
price : ¥462
release : 1988/01

崑崙の河
崑崙の河
徳間書店
price : ¥399
release : 1986/09

望洋の碑(いしぶみ)
望洋の碑(いしぶみ)
徳間書店
price : ¥399
release : 1987/05

まだ終らない
まだ終らない
徳間書店
price : ¥399
release : 1988/10

天の上の天
天の上の天
徳間書店
price : ¥530
release : 1989/04

白い泥
白い泥
徳間書店
price : ¥520
release : 1999/05

凍った波紋
凍った波紋
徳間書店
price : ¥567
release : 1983/01

割れる―陶展文の推理
割れる―陶展文の推理
徳間書店
price : ¥399
release : 1987/03

華僑の頭脳の独特の明瞭さ

著者は台湾系の関西華僑である。
なおかつ(それゆえ)凡百の日本人の物書きをはるかに超えた日本語構成力をもつ。
この作品は推理小説という、軽いゆえの難しさがあるかもしれない分野だが、著者御本人も元々好きなジャンルであるそうで、十分に、こなしている。

著者の作品の非凡なところは、当り前に日本人以外の人物達が沢山登場し、当り前に舞台が直接的・間接的に地球上全体に広がっているところだ。この作品でも、その地理的な広がりは、アメリカ・マレイスィア(ボルネオ)・香港・中国内地にまで到っている。実はそれは華僑文明圏とそのまま重なっているのだが。

華僑文明の大きさと直接に豊かにつながった、まさに希少な人類文明的日本語作家之一的存在でありましょう。
見知らぬ島への扉
見知らぬ島への扉
アーティストハウス
price : ¥880
release : 2001/07

【商品詳細】

「ある男が王様のところへ出かけていき、扉をたたいて言った。『舟を1そうください』」 「むかしむかし、あるところに…」の文字がなくとも、ジョゼ・サラマーゴの遊び心と知恵にあふれるこの物語(邦題『見知らぬ島への扉』)の最初の1文を見ただけですぐ、読者はちょっと変わったおとぎ話の世界に入り込んだことに気づく。もちろん、サラマーゴの作品は、形こそさまざまだが、どれもおとぎ話だといえる。奇抜で修正社会主義的な『History of the Siege of Lisbon』もそうだし、暗黒郷を描く陰鬱(いんうつ)な『Blindness』(邦題『白の闇』)も例外ではない。 サラマーゴといえば、ドライなウィット、一見シンプルでありながら何重にも効果を発揮するプロット、特異な句読点の打ち方などが有名だが、初めはポルトガルで短編小説として出版されたこの作品も、そうした特徴すべてを持ち合わせている。この作品は、官僚主義のばかばかしさに対する風刺物語として始まる。人々は王様の「願いの扉」を訪れるが、王様自身は「好意の扉」の近くで待っているのだ。 王様はいつもいつも、「好意の扉」のそばに座っていた(おわかりだろうか、「好意」とは、人々が王様に表明する「好意」のことだ)ので、誰かが「願いの扉」をたたいても聞こえないふりをしてばかりで、それでも青銅のノッカーの音が絶え間なく続き、ただ単にやかましいだけでなく、明らかに悪い噂のもととなるほど周りの住人の平和をかき乱して(ノックに応じないなんて、なんてひどい王様なんだ、と人々が文句を言い出しそうになって)初めて、嘆願者が何を求めているのか聞いてくるようにと第一臣下に命じるのだが、それは、そうするよりほかに、嘆願者を鎮めるすべはなさそうだからだった。 そんなあるとき、扉の前の男が、見知らぬ島を探しにいくための舟がほしいと言う。王様は、島という島はすべて発見済みだと言いきるが、男は断固として信じない。男が、見知らぬ島は「絶対にある」と言うのは、「見知らぬ島がただのひとつもないなんてあり得ない」という単純な理由からだった。この会話を立ち聞きしていた宮殿の掃除女は、王様がようやく男に舟を与えると、「決心の扉」から王宮を抜け出して、探検家をめざすこの男の後を追う。このあと、夢を追う2人が発見の航海に出る準備を整える段になって、サラマーゴは風刺物語を寓意物語に一転させる(そして、夢追い人たちは、木を見て森を見失いそうになる)。 『The Tale of the Unknown Island』は、わずか50ページの中に、たいていの小説が5倍のページ数を使ってもかなわないほどたくさんの魅力と意味を詰め込んでいる。ノーベル賞受賞作家、サラマーゴをすでによく知っている読者は、以前に読んだ、この作家のもっと長い作品の魅力のすべてが、ここにも短縮された形ですべて含まれていることに気づくに違いない。サラマーゴの驚くべき想像力に触れる喜びが初体験の読者にとっては、魅力あふれる最初の1冊となることだろう。(Alix Wilber, Amazon.com)

扉をあけて

 この本を読むのには、一時間とかかりません。しかし、余韻はもっと長く続くでしょう。
 この本を読んで、あなたが、感じるものは、もしかすると、政治や社会に関わるものかもしれないし、男女の機微かもしれません。
 しかし、この本には、答えはありません。あなた自身が心の扉をあけて、感じてください。
崩れた直線
崩れた直線
廣済堂出版
price : ¥441
release : 1986/11

女龍王神功皇后〈上巻〉
女龍王神功皇后〈上巻〉
新潮社
price : ¥1,785
release : 1999/09

北風の軍師たち〈上〉
北風の軍師たち〈上〉
中央公論新社
price : ¥1,785
release : 2006/07

題材は面白い

東北、特に庄内地方を舞台にした歴史小説が最近続けて出ましたが
趣向は全く異なります。
日本史にあまり詳しくない私はよく知らないだけで、歴史的にはもしかしたら
有名な話なのかもしれませんが、どうしても入れ込めませんでした。
主人公が誰なのかが良く分らなかったし、〈題名の北風の軍師だったらもう少し楽しめたのかもしれませんが)何となく、すっきりしない気持ちで終わってしまいました。
題材が面白いだけに少し残念だったと思います。
私は、登場人物に入れ込めないと小説は面白くないです。
失われた背景;月をのせた海
失われた背景;月をのせた海
講談社
price : ¥3,045
release : 1987/12

鬼平犯科帳 (30) (SPコミックス―時代劇シリーズ)
鬼平犯科帳 (30) (SPコミックス―時代劇シリーズ)
リイド社
price : ¥650
release : 2005/03/23

神戸ミステリー傑作選
神戸ミステリー傑作選
河出書房新社
price : ¥504
release : 1986/04

青春の烙印―神田希望館史話
青春の烙印―神田希望館史話
徳間書店
price : ¥600
release : 2001/03

神獣の爪
神獣の爪
中央公論社
price : ¥754
release : 1996/08