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著者別
エミリーに薔薇を
エミリーに薔薇を
福武書店
price : ¥578
release : 1988/05

Read it. Everyone else has.

This is one of those books that are force on you at school. The basic story is of a Southern belle driven mad by isolation and her ties to the past. If this is your first reading of something representative of Faulkner this is the best example, as it is short and the story is intriguing. You can enjoy reading it for what it is and not have to analyze the thing to death. Even if you do not particularly cotton to Faulkner's style or subject matter, this book will transcend both. In 1982 they made this story into a movie with John Houseman and Anjelica Huston.
水滸伝 3 (3)
水滸伝 3 (3)
集英社
price : ¥530
release : 2006/06/19

打ち切りというにはあまりにも酷い!

水滸伝のファンの痒いところに手を届かして大興奮した1巻、ちょっと違う気もするけれど
これもありかなと思った2巻に続き待望の3巻が発売されました!

・・・内容は最低でした。とても水滸伝のファンには受け入れられるものではありません。

ある有名キャラとある有名キャラの出会いが唐突な為、そこで出会う筈の重要キャラたち
の出番がなく、最後まで出てこなかったのが納得いきません。
ある重要キャラが108星集合前に死んでしまったり、ある重要キャラが再起不能に近い
大怪我をしてしまったりして納得がいきません。
好漢たちが山を追われて水塞に集まるのではなく、その勢力を広げるために他の山に陣を
構えるというのも、全員が集合前なため納得がいきません。
そのくせ、オリジナルキャラクターの出番や展開は多く、あまつさえそいつらの長い長い
セックスシーンで幕を閉じてしまうなど打ち切りにしても酷すぎますし、こんな状態で
完結編の単行本として発売した出版社のモラルを疑います!せめて最後に文字だけでも
その後のダイジェストを載せるとか、いわゆる決戦前の「さあ、行くぞ」状態でおわる
ならまだしも、前代未聞であっけにとられました。ファンには評判が良く無いので北方
氏の小説は文庫が出てから、と思っていたのですが(元々氏の小説は個人的に嫌いでした
し)この漫画の原作の展開もこんな風だと思うと水滸伝のファンとしては敢えて読まない
方が幸せなのでしょうか?これから購入を考えている方、間違いなく地雷ですので気を
引き締めて置いて下さい。
かぜのてのひら
かぜのてのひら
河出書房新社
price : ¥389
release : 1994/05

優しい気持ちになれる歌集

俵さんのやさしい気持ちが伝わってきて、すごく優しい気持ちになれる短歌ばかり載っていた。あんなに短い短歌に、日々感じたことを書かれており、一つ一つの歌が生き生きとしていた。日々をあんな風に感じて歌にできることをすごくうらやましく思った。
永遠の都〈4〉涙の谷 (新潮文庫)
永遠の都〈4〉涙の谷 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1997/05

小林秀雄全作品〈18〉表現について
小林秀雄全作品〈18〉表現について
新潮社
price : ¥1,680
release : 2004/03

対談が愉快だ

 ストレートで切れの良い、そして正直さを感じる小林秀雄の文が好きで高校時代からのファンだ。とうの昔の人のものであるが、今でも時々著作を読み返しては、元気をもらっている。
 読みやすい全集が出たことを喜んでいる一人だ。この本の中での青山二郎との対談はなかなか興味深い。なるほど、文章とは違った人間臭さが魅力である。土門拳による肖像写真での有様とは一風違った雰囲気が味わえた。対談も面白いものだ。気軽に読める。
 出来れば、文庫本で全集が出ると嬉しいのだが。
麦酒主義の構造とその応用胃学 (集英社文庫)
麦酒主義の構造とその応用胃学 (集英社文庫)
集英社
price : ¥440
release : 2000/10

小林秀雄全作品〈17〉私の人生観
小林秀雄全作品〈17〉私の人生観
新潮社
price : ¥1,785
release : 2004/02

「観」をめぐるディスクール

 小林の「私の人生観」は「観」という言葉をめぐっての、仏教をはじめとする、さまざまなエピソードと思索に満ちている。その核心は見ることとと考えることが一つであるような生き方が、すぐれた芸術家や思想家には見られるということだろう。
 明恵、釈迦、武蔵、ベルクソンなどの思想や生き方が、小林の言表によって、無類の説得力をおびている。そこに一貫するのは、現代文明への根本的な反省の必要性である。「生」に対する有機的な感覚を喪失した我々のあり方への批評である。講演体ということもあって、他の代表作からは低く見られがちであるが、この作品は小林の残した文章の中でも、非常に重要なものである。何よりも、自分の人生観の試金石になってくれるのだ。


キプリング短篇集 (岩波文庫)
キプリング短篇集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥840
release : 1995/11

キプリング再評価の指南書

 英国の小説家キプリングは、一時その政治思想ゆえにほとんど黙殺されていたが、近年作品そのものの持つ魅力が見直されつつある。本書はキプリングの初期から最晩年までの作品をバランスよく網羅していて、この作家のエッセンスを知るのには格好の入門書となっている。

「領分を越えて」はキプリングの最初の短編集 Plain Tales from the Hills に収録された中の一編。白人男性とインド人の寡婦との許されない恋、と書けばいかにもロマンチックだが、物語は扇情を拒むような筆致で淡々と進み、戦慄の結末に至る。

「橋を造る者たち」は自然の脅威に抗いながらガンジス川に橋を架けるイギリス人技師たちが見た幻影。インド統治は「白人の責務」だとみなしていたキプリングだが、この短編を読むと、白人の行為が現地人にとっていかに野蛮な行為であるか、彼自身自覚していたかのように思える。

「損なわれた青春」はキプリング晩年の韜晦に満ちた作風をよく伝える逸品である。いったいそこで何が語られているのかさえ、最後まで読まなければわからない。しかしひとたび読み終えると、そこに書かれた事柄の痛ましさを反芻せずにはいられない。

 訳者の!解説も、キプリング理解の手がかりとして非常に役立つ。いままで注目されることが少なかったキプリングだが、その後の文学史に重要な影響を与えたことは、今後再評価されていくに違いない。

むこうだんばら亭
むこうだんばら亭
新潮社
price : ¥1,575
release : 2005/03/23

最高の到達点

銚子に流れ着いてここから先はない人々を描いた短編集。今までの乙川作品の中で最高の出来ではないか。文章にも台詞にも全く無駄がない。すべて必要で不要な言葉は何一つない。今これほどの内容の作品を書ける作家は極めて少ない。よく作品が暗いと言われるが、人間の苦悩を描き、そこからの再生というか、なにがしの希望を持って前に踏み出そうとする人々への温かい眼差しがどの作品にも流れている。本当に苦しいとき私は本当に癒されました。たんに明るくて楽しい時代小説を好む人にはこの作家は向きません。結末がわかっていて何度読んでもいつも何かを心に響かせてくれます。この作家は本物のプロです。
十津川警部 愛と死の伝説〈下〉 (講談社文庫)
十津川警部 愛と死の伝説〈下〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥620
release : 2003/10

地図が楽しい。

 上巻に引き続き、全国に点在する、伝説ゆかりの地、『聖地』で、事件が起こる。
 動機は? 方法は? クライマックスには、サスペンスが待っている。
 この本(もちろん上巻も)には、事件の起きた場所の、周辺地図が載っている。
 お金とヒマがあれば、竹内文献を読みながら、地図の場所を尋ねてみたくなった。

 ま、十津川警部が、代わりに行ってくれているんだけどね。

宮沢賢治全集〈3〉 (ちくま文庫)
宮沢賢治全集〈3〉 (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥1,050
release : 1986/06

続戦国自衛隊(1)関ヶ原死闘編
続戦国自衛隊(1)関ヶ原死闘編
世界文化社
price : ¥900
release : 2003/06

一気に読み終えます!!

タイトルから想像されるとおりの内容ですが、それでも理屈抜きで楽しめます。
本書は、半村良さんの原作を引き継ぐカタチの体裁で、内容そのものもうまく原作とつながっていて、今後の展開が楽しみです。

まさに「続」と銘打つだけあって、原作を読んでからのほうがより楽しめるように思います。もちろん本書から始めても一向に構いませんが、きっと原作も読みたくなるでしょう。
内容についてはタイトルが示すとおりですので、一切触れることができません。読んでみてのお楽しみです。

空白の世紀 (講談社文庫―清張通史)
空白の世紀 (講談社文庫―清張通史)
講談社
price : ¥600
release : 1986/12

落差
落差
角川書店
price : ¥819
release : 1966/01

公務員に群がる人々の悲哀

教科書出版や採択に向けての工作は、究極の秘密主義で進められるため、その全貌を暴くのは至難の業だと思う。この工作を松本清張は膨大な取材をこなした上で書き上げたのだろう、非常にわかりやすく、かつ劇的に表現していた。

密室政治で決定される教科書にまつわる諸々の出来事をここまで書いているのは清張意外には見当たらない。
 
読了後の感想は、大学教授とは言え所詮人の子なのだということの再認識と、利用される人間に欠けている日常の緊張感の持続が大切だと言うことであった。
 
ミステリーを抜きにしても、一読する価値はある。特に、学校関係、ならびに教科書出版社に勤める人には必読だと思う。



風女(ふうじょ)
風女(ふうじょ)
バウハウス
price : ¥3,675
release : 2001/04

幕末遊撃隊 (集英社文庫 い 8-2)
幕末遊撃隊 (集英社文庫 い 8-2)
集英社
price : ¥510
release : 1977/11

これぞ正統派イバハチ!

隻腕の美剣士というフレーズに惹かれて読みましたが、
その苛烈な生き様に見え隠れする人間的な温かみが
その悲劇性を際立たせているように思えます。
伊庭八郎がひたすらかっこよく描かれていて、
かっこいいだけでは物足りないという女性も多いのではないでしょうか。

やり過ごした殺人 (光文社文庫)
やり過ごした殺人 (光文社文庫)
光文社
price : ¥620
release : 1990/04

家族愛

シリーズ第2段です。
大泥棒の母親・殺し屋の長男・弁護士の次男・詐欺師の長女・刑事の三男という設定が奇抜でおもしろそうなので買いました。

今回は誘拐事件が起こるんですが、早川家がまた大活躍です。
話の中で、それぞれ5人に均等にスポットライトが当てられているというところも素晴しいところですが、第3弾のほうから読み始めた私とすると家族愛というものは十分にあるけど、第3弾に比べると弱いような気が・・・。

次男の早川家に対する心の内、三男の熱くなって暴走するさまが出てき
ます。
まぁ、そうやって絆を深めながら進んでいって欲しいので第3段は、もっと楽しんで読めると思います。


風の歌を聴け
風の歌を聴け
講談社
price : ¥370
release : 1982/07

重くも軽くも

登場人物たちは重いものを感じさせるが、文章は軽いものを感じさせるものだった。きっとそのギャップが、この作品から漂う曖昧な空気に満ちた空間をつくっているのだろうと思った。湿っているような、でも乾燥した流れに乗っているような。友達に一読すべきと言われて読んで良かったと思う。その雰囲気にふっと引き込まれてしまった。捉えどころがないけれど、著者はしっかりと物事の本質を見極めていると感じた作品だった。
対談・人間と文学 (講談社文芸文庫)
対談・人間と文学 (講談社文芸文庫)
講談社
price : ¥1,155
release : 2003/07

白蛇教異端審問
白蛇教異端審問
文藝春秋
price : ¥1,450
release : 2005/01

にょろ

デビュー12年目にして初めてのエッセイ集ということで、
いろいろな文章が収められていました。
これを“バラエティに富んでいる”と受け取るか、
“まとまりがない”と受け取るかは人それぞれ。
個人的には後者の方に受け取りました。
さすが12年分のボリューム!
ごった煮状態で胸焼けしそうです。

エッセイというものは、
著者の普段の生活などを軽く読める調子で書いている印象が強いのですが、
この本は社会派の堅い内容も多い。

最終章は、著者の作品を酷評した人々に対する
桐野さん側からの反論をまとめたもの。
もし、ここで私がこの本のレビューを厳しく書いたのを
桐野さんに知られてしまったら
やっぱり桐野さんは、憤慨するでしょうか?
ファンだからそれが心配。
この本が合わなかっただけで、私は桐野さんの大ファンですから!

勘違いされないように
それだけは言っておこうと思います。
露伴随筆集〈上 考証篇〉
露伴随筆集〈上 考証篇〉
岩波書店
price : ¥945
release : 1993/06

気をつけて

なんか変だ。確かに露伴の随筆は味わいがある。しかし、この本の注はあきらかな間違いが多い。訓読文がでたらめなのをはじめ、年号をはじめとした時代背景などの説明がずさん。露伴の顔に泥を塗るのか。
ニーチェ全集〈3〉哲学者の書 (ちくま学芸文庫)
ニーチェ全集〈3〉哲学者の書 (ちくま学芸文庫)
筑摩書房
price : ¥1,628
release : 1994/04

ニーチェも人の子

ダン・ブラウン著『ダ・ヴィンチ・コード』に感化されて再読。
「キリスト教・・・二千年間通用して来た権威を、つまり、あらゆる時代の最も精神豊かな人々が保証して来たものを、
年若い頭であれこれ考えあぐんで得た帰結で以って、絶滅し尽くすなどということが、如何にしてでき得るであろうか?
世界史の中に深く喰い込んでいる、あの宗教発展の産みの苦しみと祝福のすべてを、若干の思いつきと未熟な観念で以って、
簡単に片づけてしまうなどということが、如何にしてでき得るであろうか?」
「測り知れぬ観念の大海のまっただなかで、そのとき、ひとは、しばしば、確固たる陸地に憧れる。全く、実りのない思弁の折に、
歴史や自然科学への憧憬が、何としばしば、私を襲って来たことであったか!」
あえて不安を選ぶ・・・固定観念を再検討するだけの暇(いとま)をもつことは、どれくらいの人に可能だろうか?
「教養とは何か? 教養の目的は? 彼の最も高貴な同時代人たちを理解し助成すること。生成しつつある、やがて来たらんとする人々を準備すること。
・・・ 最高の精神を永遠化すること。教養は最も高貴な精神の不滅性である。」
幻滅―メディア戦記〈下〉
幻滅―メディア戦記〈下〉
藤原書店
price : ¥3,360
release : 2000/10

「失敗は成功のもと」は本当か?

わたしはリュシアンが大嫌いだ 幼稚で 隙だらけで 無思慮 解説に彼は受身だから成功しないとあるが わたしは彼の敗因は人や状況を見抜く勘が鈍すぎること 丸めこむ話術が身についていないこと
軽蔑されるか反感を買うかの喋り方 手紙の書き方をするからだと思う 学校で成績上位でなかった
自身の体験から書くバルザックだが白石一文が陥ったエリートを凡人にしかとらえられない 視野の狭い 可能性のたかが知れた人生論という失敗作ではない 劇的で(悪)知恵にあふれ興味深く学べる 利害関係と行動原則は的確に何通りも論じている 法学部の講義は途中で出なくなったバルザックだが人間や社会を悟るのに論理や知識や技術は あまり必要ないのだろうか 
三島由紀夫ほど緻密でないが多くの日本人(ノンフィクション)作家に例を見ない 動機をさらりと知らせ 手口が台詞となり 原動力が重厚な文体で赤裸々にあばかれる
裏切られた後はリュシアンもエーヴも最も衝撃的に深刻に傷つけてやろうと言葉を選び抜くダルテス 
金持ちなのに息子を救わない老セシャール  エーヴの一家を踏みにじる商売仇たち バルザックが書く心は極寒だ それでも成功者と失敗者の双方向から書き 人間性と社会性がつくりだす絆と破局 情勢でなく個人に起因する勝因 敗因を包括的に挙げた名作である
野坂昭如コレクション〈2〉骨餓身峠死人葛
野坂昭如コレクション〈2〉骨餓身峠死人葛
国書刊行会
price : ¥3,150
release : 2000/11

「骨餓身峠死人葛」は「崇高」である

「入海からながめれば、沈降海岸特有の、複雑に入り組んだ海岸線で、針葉樹におおわれた岸辺、思いがけぬところに溺れ谷の、陸地深く食いこみ、その先きは段々畠となって反りかえる。南に面した地方のそれとことなり、玄海の潮風まともに受けるこのあたりでは、耕して天空にいたるといった旅人の感傷をすら許さぬ気配、人間の孜々たる営みを自然のあざわらうようで、それは、いずれも尖端にちいさいながら激しい瀬をもつ岬の、屋根となって谷あいをかこみつつ、背後の、せいぜい標高四百メートルに満たぬ丘陵にのびる、その高さに似合わぬ険しい山容のせいでもあろう」。…この冒頭を読んでしまったら、やはり続きを読まねばなるまい。三島由紀夫、澁澤龍彦らを震撼せしめた若き日の野坂がものした「骨餓身峠死人葛」こそ、「戦後文学」最高傑作の一つといっていいはずだ。さる思想家は「崇高」には「戦慄」という感情性が伴うといった。彼にしたがえば、この一編は間違いなく「崇高」である。
まりえの客 (講談社文庫)
まりえの客 (講談社文庫)
講談社
price : ¥580
release : 1996/10

小粋でシャレた読後感良好作

この作品に収録されている6篇の中でも異色を放つ2作、「死せるソレア」と「最後のマドゥルガーダ」がお勧めだ。
男女の交情を情熱的かつ旅情感たっぷりに表現している。それは、スペインを舞台にしているのが功をそうしているともいえるし、文章力の勝利ともいえる。
すべての作品に落語で言うところの「落ち」があり、そこに到達するまでの物語の構成がうまいので落ちが綺麗に決まる。
それだから、読後はすっきりとした感慨を残す良作となっている。
ギリシア神話 (ワイド版岩波文庫 (132))
ギリシア神話 (ワイド版岩波文庫 (132))
岩波書店
price : ¥1,260
release : 1994/04

神とは何? 物語の中でかれらは生きる、生き続ける、いまも

めまいを覚える本だ。原題は『ビブリオテーケー』。その名を聞くと、何か「図書館」みたいなものかとつい思うが、これで「物語の集成」を意味するようだ。記されているのはラテン的偏見を経るまえの、峻厳なギリシアの荒々しいほど素朴な神話の原型。訳者は「まえがき」でこう言っている。「日本に紹介されたギリシア神話は」「なんということなしに甘ったるい肉感的なものに堕してしまっている。これは要するにオヴィディウスによって代表せられる、あの現世的な、感傷的な、甘美な、ややペシミスティクな神話以上のなにものでもない。」それに対してアポロドーロスが伝える(集成した)」神話は「あまりにも酷な、野蕃なもの」が多いのだと。こんな一節を見ておこう。「アウトノエーとアリスタイオスに一子アクタイオーンが生まれた。彼はケイローンの所で育てられて、狩猟を教えられ、後キタイローン山中で自分の犬どもに食われた。アクーシラーオスの言によれば、このような死にざまをしたのは、彼がセメレーの愛を求めたのをゼウスが憤ったためであるというが、大部分の人々は、アルテミスが水浴しているのを見たためであると。そして女神は忽ちにして彼の姿を鹿に変じ、彼に従っていた五十頭の犬を狂気させ、犬は知らずして彼を啖ったという。アクタイオーンの死後犬は主人を求めて咆え、探し求めつつケイローンの洞穴に来た。ケイローンはアクタイオーンの像を造り、これが犬の悲しみを鎮めた。」なんという単純さ、簡潔さ。だがおもしろさがきわだつ。通読するのは苦しいが、拾い読みで「ああ、こういう話だったのか」と納得すること多々あり。持っていて損はない本だ。
飛龍伝―神林美智子の生涯 (集英社文庫)
飛龍伝―神林美智子の生涯 (集英社文庫)
集英社
price : ¥880
release : 2001/07

大いなるやさしさ

なんと重苦しいテーマなのだろう、と思った。
単に美智子と山崎の愛を描いただけではない、とてつもなく重い、日本社会の抱える矛盾、人間のあさましさ、ツライ面もたくさん書かれた物語。
橋本治の有名な、次のコピーの時代の話だ。

とめてくれるな
  おっかさん
背中のいちょうが
  泣いている
    男東大どこへ行く

革命という名のゲーム。そこには男女の平等は無く、弾圧者といわれた機動隊側にもむしろ貧しさや辛さがあったことが知られている。

私が持っていた そうした断片的な知識も吹っ飛ぶような、重くるしい描写の数々。人間の罪深さ、欲深さ。

しかしここでは逃げる者無く、最後は双方が正面からぶつかって散っていく。この小説の背景に流れるのは、人間への信頼であり、やさしさであろう。たとえ命は失っても、美智子は居場所を得ることができたのだから。

弱き者が怯えることなく、貧しき者が苦しむことなく、病む者が憂うことの無い世界。その理想は得てして怠け者を取り繕う体裁にすぎぬものとなり、自壊していった。それはきっと、人が「私」を乗り越えられるか、自らを直視できるのか、にかかっているのだろう。大いなるやさしさの元に花開く世界。
(少し昔の言葉で言うところの)階級闘争を延々と繰り返すのをやめ、ひとりひとりの事情、理想、信条を汲み取って、よい日本、否、世界をつくることはできるのだろうか。

堅苦しいことを書いてきましたが、泣ける本です。ぜひ読んでみてください。

夜を走る トラブル短篇集
夜を走る トラブル短篇集
角川書店
price : ¥620
release : 2006/09/22

天命
天命
東京書籍
price : ¥1,365
release : 2005/08

生きていく力をもらいました

家族の突然の自死により、非常に辛く混乱した毎日を送っていました。そんな時、書店で平積みされたこの本の帯が目に飛び込んできました。
世の中の理不尽さに絶望し、悲しみ、怒りでもがいていた私に、この本は優しく教えてくれました。
「生きていれば自分ではどうにもできないこともある。それに気づいて認めた時、少しは生き易くなるかもしれない」と。あらゆる人に読んで欲しい本です。
風裂―神尾シリーズ〈5〉 (集英社文庫)
風裂―神尾シリーズ〈5〉 (集英社文庫)
集英社
price : ¥680
release : 2002/09

龍神町龍神十三番地 (徳間文庫)
龍神町龍神十三番地 (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥880
release : 2002/11

一級のエンタテインメント

文句なく面白い。凶悪な誘拐、強姦、殺人犯を射殺して5年半の刑期を終えた元刑事が、同級生だった長崎県の町長の依頼で町を訪れる。そこで見たものは、ドロドロとした人間関係。込み入った過去。各人それぞれの思惑。次から次へと人が死ぬ。事故?他殺?自殺?犯人は?動機は?誰が後ろで糸を引いているのか?

悪徳派出所長パンジー、県警一の嫌われ者の郡家徳雄などユニークな人物が多数登場し、読者をぐいぐいと物語の中に引き込んでいく。船戸フアンもそうでない人も、614頁の頁数を忘れて、最後まであっという間に読みきってしまうだろう。素晴らしいエンタテインメントである。

ただ、かつて船戸が中南米、アジア、中東などを舞台に縦横に筆を振るい、その背後に相当な量のその地の歴史の研究?緻密な取材を感じさせていたことと比較すると、物語の設定が現代の日本で、必ずしもその地の歴史と物語がしっくりマッチしているとはいえず、昔のように十分な取材とそれを熟成して物語にする時間がなかったのだろうか、とも思ってしまう。今年で船戸も58歳。以前の船戸ワールドをもう一度読みたいというのは読者のわがままだろうか。

フロイト全集 (22)
フロイト全集 (22)
岩波書店
price : ¥4,410
release : 2007/05

おもにモーセと一神教について

 1939年に発表されたフロイトの宗教論・文化論についての論文である。精
神分析は神経症の治療技法として創出されたが、人間理解の方法として宗教
や文化の解釈と再構成にも利用されることがある。本論文はその一つである。

 本書は精神分析的な視点からユダヤ教の成立史やモーセの出エジプトにつ
いて論じている。着想は独特であるが、現代的な歴史学や宗教学からは「事
実に即していない」ということであまり取り上げられることは少ないようで
ある。僕も詳しくないが、多分フロイトの言っていることは「歴史的事実」
としては間違っているのだろうとは思う。

 しかし、本書を単なる歴史書や宗教書として見ると、その価値はあまりな
いように思うが、視点を変えて臨床のモチーフやメタファーとしてみるとま
た違った色合いが見えてくるように思う。

 例えば、「モーセ、ひとりのエジプト人」や「もしもモーセがひとりのエ
ジプト人であったとするならば・・・」などの章では、モーセの名の由来や
出生についての探索が行われている。これは臨床の中で言えば、治療者が患
者の生育歴や早期外傷体験の探索・想起などを行っているところが目に浮か
んでくる。患者の語られる材料をもとに、自由連想を駆使し、一つ一つ確か
めていく。これはきわめて臨床的なことである。

 また、モーセという人物を実在のものとせず、心的内容物のある象徴とし
て見て、ユダヤ教をスクリーンとして、そこに一人の人間の無意識や乳幼児
体験を写しだすことができているように思える。宗教における戒律や取り決
めは個人の超自我に当たるだろ。

 すなわち、フロイトはモーセやユダヤ教の分析を行っているように見えて
、それはメタファーとしてフロイトの臨床や分析技法を書き記していると理
解することができる。本書を歴史書として見るか、臨床を記述している書と
して見るかで、かなり大きく異なってくるだろうと思われる。
笑わない数学者 (講談社ノベルス)
笑わない数学者 (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥945
release : 1996/09

第3弾

 これは、シリーズの中でも好きな作品。
 数字のパズルが面白く、オリオン像の謎が全体の謎に全部突っかかってるという構成も素晴らしい。
四千万歩の男〈5〉 (講談社文庫)
四千万歩の男〈5〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥980
release : 1993/03

暗闇の中で子供―The Childish Darkness (講談社ノベルス)
暗闇の中で子供―The Childish Darkness (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥1,334
release : 2001/09

これは君に下手な嘘つきの誇張を感じさせないか?

これは私的に、今年読んだなかで一番良いです。
整合性とか論理とか、そこを重きとしない読み方だからですが、
この圧倒的感情の揺さぶり、ぶちかまされました。
煙か土か食い物では出番の少なかった三郎ですが、
どうも自分に重なってしまいます。
楓の相手が好きで好きででもどうしようもない、
けれど行き場を失って矛盾する熱の表現も良く分かる。
いままで誰もが描写し切れなかったことが
生の言葉で熱く熱く語られています。
依存とかもやもやしたものすべてがテーマのように感じる。

ラストは納得がいかないけれど、
納得させられてしまう力技でした。完敗です。
空とぶライオン (佐野洋子の絵本)
空とぶライオン (佐野洋子の絵本)
講談社
price : ¥1,470
release : 1993/11

空とぶライオン

どんなことにも一生懸命な彼女にプレゼントしました。がんばる大人の人にぜひ、読んでもらいたいです。
お気に召すまま (岩波文庫 赤 204-7)
お気に召すまま (岩波文庫 赤 204-7)
岩波書店
price : ¥525
release : 1974/05/16

ペルシャの幻術師 (文春文庫)
ペルシャの幻術師 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥570
release : 2001/02

司馬デビュー作を含む最初期の妖しく官能的な短編集

司馬32歳から37歳ごろの最初期の短編小説を編んだものである。

幻術は司馬作品に繰り返し表れるモチーフのひとつで特に初期の作品に多い。本書も8作中6作は幻術や呪術をテーマにしたものだ。幻術に惑乱される主人公たちの精神内面の描写のためか、この頃の作品には純文学に近い香りがある。

筆者は「兜率天の巡礼」が気に入っている。古代ユダヤ人の日本渡来説を下敷きにしたもので、新聞記者時代の司馬が実際に遺跡を踏査して記事にした。その小説版である。ちなみに司馬の長編第3作となる「風の武士」にも同じプロットが使われた。

以下、発表年順に収録作品を紹介する。

【ペルシャの幻術師】昭和30年
 13世紀、蒙古軍のペルシャ遠征を背景に、ペルシャ人の幻術師と蒙古軍の若き王の戦いを描く。色彩や光、匂いの描写が実に官能的。

【戈壁の匈奴】昭和32年
 ジンギスカン最晩年にしてやっと西夏を征服する。その動機はひたすら「西夏の美女を抱きたい」というものであった。男の夢、執念のすさまじさを描いて印象的。

【兜率天の巡礼】昭和32年
 亡くなった妻は紀元前に日本に渡来したユダヤの末裔であった。何世紀もかけてギリシャ、中国をへて日本に渡った一族の歴史を追いつつ妻の面影を重ねていく。

【下請忍者】昭和34年
 もがいても抜け出せない貧しく虐げられた下忍の人生。

【外法仏】昭和35年
 呪術とあやかしの世界に迷い込んでしまった高僧の破滅。

【牛黄加持】昭和35年
 帝の后となった憧れの女性に安産の密教秘法を施す青年僧。息が止まるほど官能的。

【飛び加藤】昭和36年
 伝説の「超」忍者、加藤段蔵の伝。あまりにも凄まじい術ゆえに上杉謙信に疎まれ、武田信玄に暗殺される。

【果心居士の幻術】昭和36年
 こちらも伝説の「超」忍者、果心居士の伝。漂着したインド人の子で、幻術で秀吉の秘事を暴いたため殺されたという。
永遠の都〈1〉夏の海辺 (新潮文庫)
永遠の都〈1〉夏の海辺 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1997/04

昭和初期の人々の生活の描写が秀逸

以前、芹沢光次郎さんの「人間の運命」を読みましたが、同じ長編ながら
こちらの方が、読みやすい。主人公(前半だと思われるが)時田利平の
生活態度(かなり、男尊女卑的)を通して、この時期の人々の生活、親戚
づきあい(昔は親戚づきあいが実に密だった)、東京の環境が実にあざやかに
イメージできます。

実は、全7巻中3巻を読破し、現在4巻目に挑戦中。

帽子 (中公文庫)
帽子 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥620
release : 2003/09

日常の中の非日常

 筆者の吉村昭氏は「料理屋などで『刑事さんですか』と
聞かれることがある」との旨を別の本で書かれていたこと
がある。文庫本カバーなどを拝見すると、いかにも温和な
ご老人なのだが、小説の題材を探していたり取材中なら目
つきも変わるのだろう。

 鋭い洞察力、と言えば味気ないが、人の営みに繊細な視

線を注ぎながら小説を書いてこられたのだと思う。

 死期が迫る中、帽子に関心を抱く妻のために、専門店で
サイズを確かめながら帽子を買い求める夫の姿を描いた表
題作「帽子」。「自分の妻なら帽子を欲しがるだろうか」
と思いながら読んだが、「美味しいみかんが食べたい」と
は言いそうだな、と考えたりもする。恐らく小生の方が先

に死ぬのだろうが、やはり食べ物に執着すれば妻は懸命に
応えようとしてくれるだろう。

 生と死のギリギリの部分が取り上げられ、短編であって
も迫力と余韻を与える小説ばかりだ。本著の帯に「日常の
非日常を鋭く抉る珠玉の九篇」と記されていた。見事なコ
ピーだと思った。

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)
地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥1,050
release : 2006/03/23

メイキング部分だけでも価値のある本

SF映画の原作(とされてる)短編数編を日本で
編集したアンソロジー本。
ファンにはたまらない作品が目白押し。
特に、巻末数十ページに収録されている、
映画「Destination:Moon」(邦題:月世界征服)の
メイキングが非常に興味をそそる。

これ、ハインラインが書いてる!

50年に制作され、ハリウッドが本気で科学の
うらづけをとりながら制作した最初の作品といって
よい映画。ハインラインは、SF部分のみならず、
総合的にも相当関与していて、監督や、天才宇宙
画家のチェスリー・ボーンステル氏との調整も。
当時の特撮の苦労話が笑えて・・・。
メイキングものの「はしり」といってもよく、
これ読むだけでも価値のある本!

いやあ、楽しい内容でした。
翻訳がもっとこなれていれば、楽しさが倍加したかも・・・

おすすめ!
蒼ざめた馬を見よ
蒼ざめた馬を見よ
文藝春秋
price : ¥590
release : 2006/12

プーシキン

1967年の出版。直木賞受賞作の表題とその他の短編集。当時の冷戦に状況下、ロシアと言う国の状況が現在と随分違っている。当時は、ゴメスの名はゴメスを書いた結城昌二などがこのようなタッチだったが、もっと鮮烈な印象を持った。北朝鮮引き上げ、ロシヤ語中退、2.5畳の下宿に、時々、売血したりしていた五木寛之が時代の寵児になるのは一瞬だった。面白かった。因みに日本盛のCMの作詞はこの方ですね。
サリンジャー選集 (別巻1) ハプワース16、一九二四
サリンジャー選集 (別巻1) ハプワース16、一九二四
荒地出版社
price : ¥1,260
release : 1978/01

時代を感じさせない良書

 評論という意味においては、教科書的な部分もありつつも
著者や読み手にどのようなガイドをすればよいかというものを
適切な形で書き込んである良書。

 問題となるのは、例示されている内容がいまの作品ではない
こともあってそれらを知らないと本来言わんとしている意味
が読み解けない可能性が高いことだ。

 サリンジャーについていえば後継者がたくさん遺志をついだ
書籍や評論を行っているので、そのあたりに目を通すほうが
良いかもしれない。

鍋の中
鍋の中
文藝春秋
price : ¥1,029
release : 1987/08

大鍋の中を覗いてみてください

第97回芥川賞受賞作「鍋の中」を含む4篇。

「鍋の中」は、十代の男女4人のいとこが田舎の祖母の家で過ごす夏休みを描いている。主人公は17歳の少女。祖母は80歳。いとこたちが集ったのは、60年前ハワイに渡った祖母の弟の息子から手紙が届いたのが発端。パイナップル農園で大金持ちになったらしい弟の家から連絡があったことで祖母の子どもたち(いとこたちの親だ)は勇んでハワイへ向かい、残された4人の孫が祖母の家に預けられることとなった次第。

祖母には13人のきょうだいがいた。孫たちは祖母の記憶をひもとこうとあれこれ尋ねる。命の連鎖を思うときに抱く茫漠たる気持ち、自分はいったいどこからきた誰なのかと考えたときに覚える足場がぐらつくような頼りない感覚。それらが繊細なタッチというよりむしろ骨太な感じに描かれていておもしろい。

生と死、悲しみ、憂い、あわい性、少女特有の自己愛―そこから派生する矜持や引け目、自己憐憫―、ナイーブさと図太さ、それら諸々をすべて包括する大鍋・・・・・そこには大勢の血縁者たちが浮き沈みしている・・・・・何度読んでも好きだなあと思う作品だ。

「少女のひと夏」を書こうとする人がいたらこの作品は必ず読まなければならないと思う(これを手本にということではなく、こういうアプローチがあるのだと)。それ以前に文筆業を志すすべての人に読んでいただきたい。「何と何と炊いた」と書いているだけで味がある文章を生み出せる作家はそうはいない。もちろん何を志すかに関係なく、広くたくさんの人におすすめする。決して埋もれさせてはいけない名作だ。

人妻エロス〈6/X〉
人妻エロス〈6/X〉
双葉社
price : ¥3,360
release : 2001/07

新装版 雪明かり (講談社文庫)
新装版 雪明かり (講談社文庫)
講談社
price : ¥750
release : 2006/11/16

珠玉の短編集

藤沢作品が今日の私たちの心を打つのは、パソコンや携帯電話やテレビ、電気・ガス・水道などモノにあふれた生活を享受する一方で、心がさみしいからではないだろうか?この作品に登場する人物はみな、貧しいながらも懸命に生きたり、博打打ながらもなんとかそこからの脱出を図ったりと、一日を一生懸命生きている人物が描かれている。
現在の日々の生活にちょっとした疑問を感じている方には、まさに読むべき一冊だと思う。
激しく倒れよ
激しく倒れよ
文藝春秋
price : ¥2,000
release : 2002/09

光より、影。

〜 《栄光を手にすることは難しい。しかし、失った栄光を忘れ去ることはもっと難しいものなのだ》

 スポーツ選手の栄光より、その影に光を当てた傑作。

〜〜
 プロ野球をあきらめて、ゴルフの道を選んだ尾崎将司。長嶋と一緒に巨人に入団した名三塁手2人のその後。求道的に打撃を追い求め、やがて忘れ去られた天才バッター榎本喜八。長距離ランナー円谷幸吉の孤独。鬼才、輪島功一の本音。そのどれもが、輝かしい時代を持つだけに、本書で書かれた事実は、悲しい。しかしスポーツ選手の光は、その悲しさがあるから〜〜こそ輝くのではなかったか…。

 正直言って、沢木耕太郎の文体は、名文とは言い難い。しかも本書に収められたものは全て初期の作品であるため、未完成なのはなおのこと。
 しかしそれでも読めてしまうのは、そこに書かれている事実の力。そしてその事実を描けているのは、「見たものしか書かない」という彼の基本姿勢のなせる技だろう。〜

不運は面白い 幸福は退屈だ―人間についての断章326 (集英社文庫)
不運は面白い 幸福は退屈だ―人間についての断章326 (集英社文庫)
集英社
price : ¥560
release : 2002/10

がっかり・・・

娘さんとの事を書いたエッセイが昔好きで、良く読んでいて、期待して買いましたが、この本は・・・。
今まで作者の書いた文章の一部を次々に引用するだけの本でした。
三丁目が戦争です (講談社 青い鳥文庫fシリーズ)
三丁目が戦争です (講談社 青い鳥文庫fシリーズ)
講談社
price : ¥609
release : 2003/08

挿絵が秀逸です。

全編筒井節たっぷりです。挿絵の熊倉 隆敏が秀逸!作品とのギャップがたまりません。
一冊ぐらいはこういうのを子供に与えてみてはどうでしょうか?ちょっとぐらいトラウマがあったほうが子供のタメです。
雪の花 (新潮文庫)
雪の花 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥380
release : 1988/04

医者としての本来あるべき姿を見た!

子供からほかの子供へ種痘を繰り返し、痘苗をきらすことなく
運ぶという今では考えられない方法で、良策は福井へ痘苗を
運ぶことに成功する。だが、それで終わりではなかった。
種痘の重要性を多くの人たちに理解してもらうという大仕事が
待っていた。古くからの考え方を取り除き、新しい医学の方法を
実践しようとするとき、そこには多くの障害がある。良策が
その障害を乗り越えたとき、人々も天然痘の死の恐怖から開放
された。それはとても感動的だった。私財を投げ打ってでも人の
命を救おうとした良策に、医師としての本来あるべき姿を見た。
実在した人物を描いた作品だったので、とても興味深かった。
喉切り隊長 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-12)
喉切り隊長 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-12)
早川書房
price : ¥945
release : 1982/08

歴史物の最高傑作

犯人が意外すぎて誰も思いつかないだろうとか
言ってはいけません

これはカーの若い頃から書きたかった
デュマを髣髴とさせる冒険活劇物の中に
ミステリの要素を絡ませたものなのです
波乱万丈の物語
男女のロマンその手の活劇をご堪能ください

カミュ全集〈3〉カリギュラ・誤解・ドイツ人の友への手紙 (1972年)
カミュ全集〈3〉カリギュラ・誤解・ドイツ人の友への手紙 (1972年)
新潮社
price : ¥893
release : 1972/00

ニッポン樫鳥の謎
ニッポン樫鳥の謎
東京創元社
price : ¥609
release : 1961/06

題名と対象国が一番マッチした作品

国名シリーズの最終作で、我が日本を題名にしている、ファンにとっては嬉しい作品。しかも他の国名シリーズに付けられた国の名前がたいした意味を持たないのに比べ、本作の内容は日本との関連性が深く、その意味でも興味が持てる。

本作でクィーンはありったけの日本の知識を披露するが、その様子は微笑ましい。だが、問題は解決の部分である。あの女性は何のために、どうしてああいう方法で自殺したのか ? クィーンは一生懸命説明してくれるが、日本人である我々には理解できても、欧米人にはちょっと無理ではないのかなぁ。日本(人)を対象にした作品としては、ふさわしい解決で喜ばしいのだが、恐らく欧米人には受けなかったであろうことを考えると複雑な気持ちになるのである。
十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。―狐狸庵先生の心に届く手紙
十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。―狐狸庵先生の心に届く手紙
海竜社
price : ¥1,575
release : 2006/08

遠藤周作の未発表作

時の雑誌編集者が労働闘争のドタバタ期に原稿を受け取り、行方知れずとなっていた
未発表原稿。今から46年前遠藤文学としても初期に書かれたものとして、注目に値
すると思います。
内容ですが、著者のユーモア溢れる口調で手紙を書くことの大切さがはじめに説かれ
筆不精の直し方、手紙を書くときのエッセンスのあとに状況に応じた手紙を書く時に
大切なこと(主に男性⇒女性へ向けたもの)が軽い感じで展開されています。
半世紀近くも前に書かれたものであるので、無論古い状況設定があることは承知の上ですが、
それにしても、手紙を受け取った人のスタンスを十分に考察した上での手紙文の
構築の仕方については旨いの一言だと言えるでしょう。
現代では私を含め手紙を書く人が少なくなりつつあると思いますが、それにしても
ビジネスメール、e?メールをはじめ、様々な場面で相手のスタンスを読み取り、
文書を作成する技術は素晴らしく、すぐに読みきれる程度の平易な文章で書かれている
こともあり、是非一読をお奨めいたします。
二条院ノ讃岐 (中公文庫)
二条院ノ讃岐 (中公文庫)
中央公論社
price : ¥680
release : 1985/11

おとぎの国の科学
おとぎの国の科学
晶文社
price : ¥1,890
release : 2006/09

センス・オブ・ワンダーの世界

そもそも理系・文系論議はどこから出てきたのだろう?

著者は、科学も小説も、「驚き」や「面白さ」が出発点にあるべきとして、両者の境界を
越えて様々の活動を実践している人である。

ダビンチも平賀源内も、科学と文化・アートにまたがる仕事をしてきた。
彼らのように天才ではなくても、同じようなことが、科学やアートの最先端でおころうと
している。

一見軽いエッセイスタイルだが、中身は結構、重い。
近著「境界知のダイナミクス」では、もうすこしつっこんだ話が展開されている。

さまざまの「境界領域」に関心がある人にとっては、目が離せない人のひとりである。
フランクフルトへの乗客 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
フランクフルトへの乗客 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
早川書房
price : ¥798
release : 2004/10

なかなか・・

おもしろかったです。僕は旅行系が好きなので楽しめたのだと思います。
旅行系が好きな人は、読んでみてください
会津士魂〈8〉風雲北へ (集英社文庫)
会津士魂〈8〉風雲北へ (集英社文庫)
集英社
price : ¥700
release : 1999/02

私は美人
私は美人
朝日新聞社
price : ¥1,260
release : 2005/11

美人を客観的に論じた本

美人に対してあれだけクールに論じられるのは、彼女が常に極めてニュートラルな視点を持っているからに他ならない。
ちなみに、彼女自身の位置づけというと、美人にも不美人にも分類されていない。だから、美人を見る時、美人なるが故の気負いも焦りもなく、また不美人であるが故美人への歪んだ僻み
や嫉妬、恨みもない。そこにあるのは、ただクールな視線だけだ。そこがとてもいい感じを出している。
最後の「日本海側美人一県おき説」の実施検証もとても面白かった。でも、ちょっと嫌味なとこもあって星5つは上げられない。

封印 (文春文庫)
封印 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥540
release : 1996/08

スピーディーで濃い展開に満足

 テンポがよくても軽い、ということが世の中にはままあるが、この作者に限っては、それはない。テンポのよい作品であり、とにかく次々とトラブルが起こる。主人公は、ボクサーだったこともあって、非常に素早いフットワークである。しかし、けっして軽くはない。ほどよい重みがある。社会派だぞ、というほど何トンもの重みはつけないが、ただの読み物では終わらせない、と感じさせてくれるだけの現実社会に対する冷ややかな視線がある。それでも根底には、温かい心が息づいている。のんびりしてたらやられてしまう世の中であるが、欲得づくであっても、いいやつはいる。その貴重な心と心の偶然の結びつきを描いてみせる。満足である。
隼別王子のはん乱 (中公文庫)
隼別王子のはん乱 (中公文庫)
中央公論社
price : ¥800
release : 1994/09

多様なるものの詩学序説
多様なるものの詩学序説
以文社
price : ¥2,520
release : 2007/06

はじまりのレーニン
はじまりのレーニン
岩波書店
price : ¥1,155
release : 1998/02

電子の星 池袋ウエストゲートパーク〈4〉
電子の星 池袋ウエストゲートパーク〈4〉
文藝春秋
price : ¥1,600
release : 2003/11/25

スピード感が最高!

1、3、4話が好き(*>ω<*)
表紙の女の子が可愛いです(*'艸`)

物語の立ち上がりは静かで、読者に語りかけたり問いかけたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
そして、加速。
この疾走感、ハマりますv

人助けをする時に、しっかり相手の意思を確認するところが好きですね。
これが闇雲に、「可哀想」と思って手当たり次第に助けてたら、嫌味というか、胡散臭くて辟易するでしょう。
マコトが守るのは、自分の仲間の誇り、安全。

実際に起こりそうなことばかりなので、すんなり作品の中に入っていけます。

今回は一話目に出てくるラーメンの出前がツボでしたw
情報屋のゼロワンにも、ラーメンの副作用は有効なんですねw
かく言う私も、一話目を読んでる最中、ラーメンの副作用に苦しみましたw

めちゃめちゃ面白かったです。
おすすめ(o'∀`)っ
空白の天気図 (新潮文庫 や 8-1)
空白の天気図 (新潮文庫 や 8-1)
新潮社
price : ¥660
release : 1981/07

柳田邦男作品の珠玉

ノンフィクションの価値は切り口で左右されるといえるが,本書が持つ切り口ほど鮮やかなものはなかなか見当たらない.通常,広島-原爆とくれば情緒的に悲惨を語り,反戦平和を煽るものになりがちだが,本書では「理系の職場」である天文台を通して,あくまでも理知的な語り口で(科学的技術的観点を中心にして)原爆投下当時の広島の状況を叙述するという,敢えて言えば奇想天外な方法を採っている.それでいてそこには明示的ではなくとも確固とした人間の物語も描かれている.これは自分のようなテクノロジー系の人間に平和の尊さを語るには非常に説得力がある方法ではないだろうか.それにしても,「ガン回廊の朝」でもそうだが,実際に聞いたことがあるはずも無い会話を創作・再構成する柳田邦男の技量はたいしたものだと思う.
幸福の王子・わがままな大男
幸福の王子・わがままな大男
小学館
price : ¥1,680
release : 1998/07

真の幸福・・・

子供時代、絵本で読んだ時は「なんて理不尽な話だ!!」と思った。
さんざん貧しい人のためにつくした王子とツバメが救われなさ過ぎる。
何が「幸福な王子」だ!!

大人になった。「幸福」の意味がわかった・・・。

ジャージの二人
ジャージの二人
集英社
price : ¥1,575
release : 2003/12

どこがいいというのは難しいけれど

庶民が別荘を持つとこんなものだろう、と本筋とは関係のないところで感心してしまいました。
つまらない(主人公の精神的に)日常を綴った作品ですが、じんわりと染み入るものがあります。
つまらなそうに見える人にも、その人の哲学があって、はっきりしない悲しみがあって、時間がゆっくり流れていく、そんな感じを綴った作品と思いました。
上野千鶴子が文学を社会学する
上野千鶴子が文学を社会学する
朝日新聞社
price : ¥1,680
release : 2000/11

【商品詳細】

1992年に刊行された、著者と小倉千加子、富岡多惠子との鼎談(ていだん)『男流文学論』は、男性作家の作品が内包する性差別を暴きだし、文壇に賛否両論の渦を巻き起こした。本書は、明治期からの文体の変遷をジェンダーという視点からたどる「ことば」の章、有吉佐和子『恍惚の人』と佐江衆一『黄落』の2の老人介護をテーマとした作品から「介護をめぐるジェンダー規範」をあぶり出す「おい」の章、そして、『男流文学論』での発言を深化させ、江藤淳の『成熟と喪失』を軸に整理した「おんな」の章など、フェミニズムの旗手といわれる著者が再び文学に目を向けた評論集である。 印象深いところは、尾崎放哉の俳句に「表現に見離され、失語に陥りかけていた」ところを救われたと吐露し、また、歌人岡井隆の「男歌」に魅了されたと語る「うた」の章において、社会学者やフェミニストという立場を越えた、「文学」あるいは「言葉」と対峙する個人としての著者が立ちあらわれている点である。作家作品主義に阻まれた既存の文学評論や、男性中心社会を敵視する旧来のフェミニズム批評からも飛翔した本書は、『成熟と喪失』が著者の言うように「同時代の文学を論じて時代と社会の深みにとどく文明批評」であるのと同じ意味で、優れた文芸時評として成立している。 『男流文学論』は、著者が語るように「フェミニズム批評が『文壇』という池に投げた石」であった。本書はひとりの人間として上野千鶴子が文壇に投じた一石である。(中島正敏)

永遠の都〈3〉小暗い森 (新潮文庫)
永遠の都〈3〉小暗い森 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1997/05

油断! (日経ビジネス人文庫)
油断! (日経ビジネス人文庫)
日本経済新聞社
price : ¥750
release : 2005/12

世界初の予測小説

本書が書かれたのは1975年で30年後に加筆されたものが今回出版されているのだけれど、本書にも書かれているようにこの本は世界初の予測小説です。予測小説とは仮想でもなくノンフィクションでもなく、あるデータや研究に基づいた上で小説化されたものです。ご存知のように堺屋さんは官僚出身で、この本の基データは実際に堺屋さんたちの研究結果でもあります。日本に石油が無くなったら、たった1年足らずで何百万人もの命と何百年もかけて近代化してきた文明が音を発てて崩れ落ちていく恐怖心に襲われました。本書を読んでいて、ふと顔を上げると、いつも通りの石油エネルギーのある現実にホッとしたということが何度もありました。それくらいリアリティのある本です。
牌の魔術師 (角川文庫)
牌の魔術師 (角川文庫)
角川書店
price : ¥540
release : 2002/02

漫画「哲也」で出て来るあのキャラ達も。

この本も私の好きな一冊。
面白さでは黄金の腕と同位。
私が読んだ阿佐田氏の小説ランクでいうと(あくまで私個人の好みで)
1.麻雀放浪記シリーズ1〜4。
2.黄金の腕、牌の魔術師。
3.雀鬼くずれ、麻雀狂時代、新・麻雀放浪記。
4.東一局五十二本場。
5.次郎長放浪記、雀鬼五十番勝負、ああ勝負師、ギャンブル人生論。
まぁこんな感じである。

買って読んで後悔しません!面白い。
星4つです。

蜜蜂の生活
蜜蜂の生活
工作舎
price : ¥2,310
release : 2000/11

「拉致」事件と日本人―なぜ、長期間黙殺されたのか
「拉致」事件と日本人―なぜ、長期間黙殺されたのか
祥伝社
price : ¥1,365
release : 2003/02

まあ、反論する人は居ないでしょう

もしいたら、相当の恥知らずですね。
かつてサヨクに踊らされた日本人は、自国民の尊厳すら守れなかったわけです。
基本的人権抑圧の最先端を走る国家を「地上の楽園」と礼賛していたわけです。
それで、世界平和だの、地球市民だの、戦争放棄だの、よく言ったもんです。
彼らは表向きは拉致事件の存在を認めたようないい子ぶりっ子をしているだけで、本質は何も変わっていません。
彼らが二度と復活しないように止めを刺さなければ、また我々日本人の尊厳は地に堕ちるでしょう。
鏡の国のアリス
鏡の国のアリス
筑摩書房
price : ¥438
release : 1988/01

短調で書かれた童話

 アリスには 「不思議の国のアリス」と本作「鏡の国のアリス」と二作ある。「不思議の国のアリス」の方が ディズニーで映画化されたこともあり有名だが 内容的には「鏡の国のアリス」の方が数段深みがあると僕は思っている。

 チェスを下敷きにしたことで 非常に知性的な雰囲気が漂っている点が心地良い。アリスが歩兵から女王に成り上がるという基本線をまず キャロルは一本立ち上げているわけだ。

 それに加えて マザーグースから引っ張り出してきた登場人物が楽しい。ハンプティダンプティなどは この作品で初めて知ったお方である。

 さらに 独特の「寂しさ」が 通常低音のように流れている。本作は童話であるが いわば短調で書かれているかの趣がある。楽しいだけの話ではなく むしろ どこか哀しげな雰囲気がある。

 こう考えると 本当は子供にはちょっと難しい童話なのかもしれない。ルイスキャロルが 自分の許から去っていくアリスを描いた作品だとも評されているのは そんなムードがあるからかもしれない。
どくとるマンボウ昆虫記
どくとるマンボウ昆虫記
新潮社
price : ¥420
release : 1966/05

私は昆虫好きではないが・・・

 私は、昆虫が好きだというわけではない。しかし、「ファーブル昆虫記」を面白く読んだし、小学校の間、毎年、昆虫の標本を夏休みの宿題として提出していた。
 この本は、「ファーブル昆虫記」を意識しながら、更にユーモアを交えて、昆虫の生態を描いている。
 正直言うとここまでのめりこむ心理はわからない。「青春期」に書かれているように東京大空襲で今では絶滅した種類の標本を失った悲しみも、完全には理解できない。
 しかし、例えば、私がBeatlesだとかシャーロック=ホームズと名がつけばなんでもとにかく手を出すというのも、似たようなものかもしれない。
 そういう点では、種類は違うが同好の士の本といえよう。
身辺怪記 (角川文庫)
身辺怪記 (角川文庫)
角川書店
price : ¥520
release : 1999/04

天翔る白日―小説 大津皇子
天翔る白日―小説 大津皇子
中央公論社
price : ¥1,418
release : 1983/11

泣かない子供 (角川文庫)
泣かない子供 (角川文庫)
角川書店
price : ¥480
release : 2000/06