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ミステリー・サスペンス
六とん〈2〉 (講談社ノベルス)
六とん〈2〉 (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥840
release : 2005/10

「きみがくれたメロディ」に救われた

前作「六枚のとんかつ」は「何じゃこりゃ!」と呆れながらも笑えて楽しめた。
しかし、さすがに2作続けてでは飽きる。
本作も前作と同じくくだらないネタばっかりで、正直つまらなかった。

しかし、最終作のSF小説「きみがくれたメロディ」はよかった。
盲目の少女と売れないピアニストの時空を超えた交流。ギャグは一切抜きの真剣勝負の作品。
心に沁みる秀作。
この作品がなければ、星1個だったが、この作品に救われた。

なんだちゃんとした作品も書けるんじゃないか。
赤い闇 (ハルキ・ノベルス)
赤い闇 (ハルキ・ノベルス)
角川春樹事務所
price : ¥780
release : 1998/02

宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション
宵待草夜情―連城三紀彦傑作推理コレクション
角川春樹事務所
price : ¥700
release : 1998/07

血って、悲しくて鮮やかで・・・

 貢への《能》の稽古中、過度の罰を与えた篠。
 身を焦がすほどの愛情を持った心は、我が身の最期に文字通り、その身を焦がした。
 『能師の妻』は、なんと熱く、そして篤い。
 出棺の時に泣いていた多加を想うと、なんとも辛い気持ちになります。

 又、この『能師の妻』は、花村えい子さんの『白蓮の寺』でマンガに描かれています。
 文で読んで、絵で感じて、とても深く深く、心に沁みいる作品へ。


 『宵待草夜情』を読んだとき、ふと三島由紀夫氏の《金閣寺》が頭に浮かんできました。
 ・・・・生きよう、生きよう・・・・
 なんて、、、胸に刺さる言葉でしょうか。


 表紙の女性の絵は、
     とても切なげな表情で、
           その眼は何を見てるのか?
プロメテウスの乙女 改版
プロメテウスの乙女 改版
角川書店
price : ¥540
release : 2007/06

善人たちの夜―天藤真推理小説全集〈10〉 (創元推理文庫)
善人たちの夜―天藤真推理小説全集〈10〉 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥1,050
release : 1996/10

嫁を演じることになった、清純な乙女はどうなるか?

 人間って怖い。善人なんていないのかも?現状を打破するには、暴力的な手段が必要ということか?この作家の作品は、重苦しくシリアスな状況に見えて、ほんの少しの希望を鮮やかにライトアップして魅せたり、ユーモアと軽みのオブラートに包んで痛い真実に直面したり、どちらにしろただではすまない仕掛けがある。さて、本作である。シチュエーションが楽しいかと思いきや、どんどんのっぴきならないことになっていくサスペンス。ヒロインの選択は正しいとは思うが、後の憂いを絶つためとはいえ、そこまでやる必要があったのだろうか…私だったらあんなことは出来ない…。
シャドウ・ゲーム
シャドウ・ゲーム
新潮社
price : ¥700
release : 2006/01

ラヴ・アタック! (Next)
ラヴ・アタック! (Next)
角川書店
price : ¥998
release : 2002/12

いいんじゃないですか?

読み始めは、なんかどろどろした話やなーって感じだったが、
レツゴー亭のシーン(萌え!の大合唱)のあたりから、
じわじわとはまっていった。
ポンポンと視点が切り換わっていくところが面白く、
ついつい先を読んでいってしまい、気が付くと読み終わっていた。
メールって、とくに見ず知らずの相手に送る時なんかは、

送り手の意図したとおりに受け手が読んでくれなかったり、
とか、そういう類のズレ(勘違い)がよくあると思うんですが、
その辺が、絶妙に描かれていて、ニヤリとする場面が何度もあった。
ブンロク師匠の、ネットハンサム講座は妙に説得力があり、
読みながら、ついつい「出会いサイトもありかなー…」
と引き込まれてしまった。

世の若者の、切なる「彼女・彼氏欲しい!」願望・およびその哀愁が、
うまく描かれているように思う。
あと、舞台が地元なので、なじみの風景がいろいろと登場したり、
もろ関西弁のキャラクターがいたりで、物語世界に入っていきやすかった
というのもあるかなー。

海上タクシー<ガル3号>備忘録 (創元推理文庫)
海上タクシー<ガル3号>備忘録 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥720
release : 2006/10/25

海の物語
海の物語
角川書店
price : ¥1,050
release : 2001/07

4にんの作家の海に対する短編集

すべて、すごく考えさしてくれる物語の短編集です。
自然の中での出来事を中心に、
それぞれの小説で取り扱っているテーマは違いますが
それらすべてが私たちが忘れている何かを思い出させてくれる。
そんな感じがする小説です。
読みやすい小説ですので、リラックスしてどうぞ。読んでください。
トーキョー・プリズン
トーキョー・プリズン
角川書店
price : ¥1,680
release : 2006/03

人間の心も描いたミステリー

時は、戦後まもなく。
舞台は、東京裁判にかけられる日本人戦犯が収容されているスガモプリズン。
行方不明者を探しに来たニュージーランド人将校が、
BC級戦犯のキジマと、プリズン内での兵士の死の謎を解く、とともに、
キジマが行ったとされる捕虜虐待の真相に迫ります。

まず、ミステリーとして抜群に面白い!
キジマの哲学的とも思える冴えわたる観察眼。ミスター・フェアフィールドの忌憚のない人柄。
一気に読み進めてしまいます。
そして、ラスト。
人間の獣性と狡猾さが滲み出る、
しかし、そこで自分を見つめる誠実さは痛いほど。
「戦争は人を狂わす」などと、第三者ぶって距離を置くことを許さない結末は、圧巻です。
あした天気にしておくれ (講談社文庫)
あした天気にしておくれ (講談社文庫)
講談社
price : ¥620
release : 1986/08

御得意の

御得意の誘拐?ものです。あるサラブレットの怪我を隠そうと、サラブレットが誘拐されたと計画しますが・・・
偽装誘拐は成功するのか?二転三転するストーリーに引込まれてぐいぐい読めます。


非合法捜査 (祥伝社文庫)
非合法捜査 (祥伝社文庫)
祥伝社
price : ¥620
release : 2000/05

エイリアン魔神国〈中〉
エイリアン魔神国〈中〉
朝日ソノラマ
price : ¥489
release : 1989/09

エイリアン魔神国〈上〉 (ソノラマ文庫)
エイリアン魔神国〈上〉 (ソノラマ文庫)
朝日ソノラマ
price : ¥489
release : 1989/07

白い月黄色い月
白い月黄色い月
講談社
price : ¥1,365
release : 2006/01

フェニモア先生、人形を診る (ハヤカワ・ミステリ文庫)
フェニモア先生、人形を診る (ハヤカワ・ミステリ文庫)
早川書房
price : ¥777
release : 2002/05

ドールハウスって素敵!

フェニモア先生シリーズの第二弾。今回はドールハウスを趣味とする高齢の姉妹のお屋敷で人形になぞられて殺人が起こり、主治医でもあるフェニモア先生が事件を解決にのりだします。ドールハウスというと、我々、日本人は子供が遊ぶようなものを想像してしまいますが、これはかなり精工にできていて、それも全部手作り。自分のお人形もあったりして、これはもはや子供のお遊びではなく、かなり洗練された大人の趣味です。このシリーズも、もう第三弾もでているようなので、次にフェニモア先生がどんな事件に遭遇するのか、とても楽しみです。堅苦しくないミステリーがお好みの方におすすめのシリーズです。
亡命者 ザ・ジョーカー
亡命者 ザ・ジョーカー
講談社
price : ¥1,785
release : 2005/10/25

ノスタルジックな感じ

 「思い出話」みたいな感じが多いかなと想った。
 前作よりも危険度は薄くなっている気がする。
 最後の「ジョーカーの節介」は全くもってドキドキしない。
 「人情系」のような感じがした。
ビッグゲーム
ビッグゲーム
講談社
price : ¥714
release : 1985/12

図書館長の休暇
図書館長の休暇
The Mysterious Press
price : ¥987
release : 1999/12

自分勝手

作者はこのシリーズを終わりにしたかった、そんな滅茶苦茶な終わり方である。読者に失礼である、ともいえる。むしろ何故こんなひどいラストにして、終わりにしなければならなかったのか、という方に興味が行きますね。このシリーズ4作品のうちでは2作目の図書館の美女が余韻があって、良かったです。
ハード・ラック・ウーマン
ハード・ラック・ウーマン
講談社
price : ¥407
release : 1990/05

それでもロックはやっぱりこうでなくては

70年代ロックならば、かくありなんというところでしょう。そんな雰囲気をぷんぷん漂わせた話です。でも、今やロックも堂々たる音楽の1ジャンルになってしまったので、こんな連中はいないというところでしょうか。
真夜中に唄う島―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)
真夜中に唄う島―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)
扶桑社
price : ¥860
release : 2001/08

衝撃の幻想短編集

 本書は約40年前の絶版作品の復刻版で、幻想的な短編集です。中でも印象的なのは、最初に収録されている表題作の「真夜中に唄う島」。愚連隊の5人が新宿でホステスを輪姦するが、そのホステスは何者かに殺害され、死体は店のカウンターの上に投げ捨てられ、容疑をかけられた5人と、別の店に勤めるホステスの計6人は、銀座で富士一郎と名乗る男から太陽島と呼ばれる島へ渡ることを勧められ、その島に身を隠すことに。その島は一切の自由が認められる島で、食生活、性、媚薬なと全てが保証され、実際に訪れた太陽島は想像を超えた異質な文明社会だった。そこは島での着衣は認められず、全裸で生活することを強いられ、男女が性交を求めれば拒むことはできず、誰もが愛欲の世界へと耽っていった。しかし!!島で起きる殺人事件、そして破滅へと至る惨劇のラストと、とにかく衝撃的な作品でもありました。
あいにくの雨で
あいにくの雨で
講談社
price : ¥819
release : 1996/05

異色麻耶?

と、友人たちは挙って云いました。
たしかに、それまでの麻耶ミステリを期待すると違う・・・だけど、私はこの本が一番好き。ラストも切なくて、麻耶小説でこんな気持ちになれるとは思いませんでした。
偽りの街
偽りの街
新潮社
price : ¥620
release : 1992/06

唐突(注、ネタバレあり)

ナチス政権下のドイツを舞台にしたハードボイルド。
土壇場にきてそれはないだろう、という展開で問題が解決しないままエンド・ロールに突入し、頭の中には「?」が点灯。
三部作ということで、これ一冊だけ読んでも無意味と言うことか。
凶運
凶運
徳間書店
price : ¥580
release : 2002/06

おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫)
おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 (講談社文庫)
講談社
price : ¥940
release : 1996/12

恋愛小説のような「二人」の物語

岡嶋二人・・・「おかしな二人」をもじってできた、井上夢人と徳山諄一のコンビ名(ペンネーム)。誕生から消滅まで、13年間の岡嶋二人物語。ノンフィクション的エッセイ。

文学青年でもなんでもない二人が、ただ一攫千金を夢見て、江戸川乱歩賞を狙う。
ずぶの素人が、全くのゼロから「読める小説」「おもしろい小説」をモノにしていくまでの過程は、小説作法としても読め、すごく興味深い。

また、二人が互いを補完しあい、刺激しあい、助けあうさまは、作品だけでなく二人の絆のようなものも、同時に作り上げていくように思えて、愛らしく微笑ましい。読みながらにこにこしてしまう。

だからよけいに、消滅にいたる「衰」の部は、悲しくやるせない。解説に大沢在昌氏も書いてあるが、本当に恋愛小説のようだと思った。

二人の人間が出会い、結びつき、別れる。そこに恋愛感情はなくても、深いところで関わり合いつながった関係は、恋愛に似た(もしかしたらそれ以上の)強い感情を生むものになるんだろう。

ラストの別れのシーンは、ちょっと放心してしまうくらい、せつない感動があった。
新・里見八犬伝 (上) (角川文庫 (5887))
新・里見八犬伝 (上) (角川文庫 (5887))
角川書店
price : ¥509
release : 1984/10

【古典に取材した官能小説?】

エロいです.とにかく.
そしてグロくもあります.
そして,オリジナルの『南総里見八犬伝』とは,部分的に
登場人物の名前が同じなのことを除くと,あまり関係ありません.
私は,滝沢馬琴のリメイク版と認識して読み始めたので,
少々驚きましたが,そういうエログロ官能物が好きな人には
たまらない一冊かも知れません.

いや,でも,本格的な官能小説に慣れていると,大したエロさ
ではないのかも…馬琴の作品に取材したハードでない官能小説
と言ったところでしょうか.

黄金色の祈り
黄金色の祈り
文藝春秋
price : ¥1,901
release : 1999/03

夢幻戦記〈11〉総司乱菊抄(上) (ハルキ・ノベルス)
夢幻戦記〈11〉総司乱菊抄(上) (ハルキ・ノベルス)
角川春樹事務所
price : ¥720
release : 2002/03

魔界公爵アスタロト登場

初登場は、魔界公爵アスタロト。
復活してきたサキ・ローランドと総司の壮絶な戦いの中で、追い詰められた総司に魔剣エマティーユを与え、戦いに関与する。彼の目的は何か?今後重要な役割を果たしそうな予感がする。それと同時に、精力を吸い尽くす魔剣エマティーユと、その後登場する神剣菊一文字の関係は?この二つの剣が総司に与える影響は?
新たな謎が一杯登場するが、その謎はそう簡単には明かしてもらえそうも無い。
一方、近藤、芹沢、両者鼎立の枠組みは、ようやく崩れそうな兆しが見えてくる。壬生浪士組がいつ新撰組に組み替えられるのか?楽しみになってきた。
マーダー・プラン(上) 臨床心理医アレックス (講談社文庫)
マーダー・プラン(上) 臨床心理医アレックス (講談社文庫)
講談社
price : ¥620
release : 2006/03/15

とても読みにくい作品です。

もともと原作で回りくどい言い方をしているのかもしれませんが、
日本語訳に違和感を感じました。
(原作を読んだわけではないため、あくまでも主観です)
評決のとき〈下〉
評決のとき〈下〉
新潮社
price : ¥780
release : 1993/07

公平とは?多くのヒントが詰まってる

差別とか正義とか良くわかんないんだけどさ。これだけは明言できる。

「人間が運用する限り、完全な法律は存在しない」

つまり現実の法律を運用するのは、正義の味方だけじゃない。脅迫だったり
裏金や出世欲だったり、そういう汚い部分もこの作品は、しっかり描いてる。
さすが現役弁護士時代のデビュー作だ、リアルだな。法律は万能じゃないし。
法律には利害調整的なところもあると、この作品は気づかせてくれた。

結局、一つの正論の裏には、多くの例外やスキマがある。だから弁護士は
膨大な判例資料を必要とする。だって人間の行動は、ロボットみたいに
パターン化できないでしょ。正論を高い所から一方的に、弱者に押付けて
いいのか?それだけで、テロや矛盾は収まるだろうか?公平とは?考える上で
多くのヒントがこの作品に詰まってる。

僕は、例外を排除した理想社会なんて、息苦しいだろうなと想う。例外は、
事故も生むが、そこから新発見もありうる。それで良いじゃん。例外がある、
だから面白い!だからファンタジスタ!!弱者にスキマや例外というチャンス
くらい、あっても良いんじゃない?
PS●男の使命か妻の安心か、里見の葛藤→『白い巨塔』
●レイスキラーとサミュエル刑事→『シャフト』タイディマン
●保釈金融屋と密売人サミュエル→『ジャッキーブラウン』(ラムパンチ角川
宮之原警部の愛と追跡
宮之原警部の愛と追跡
角川春樹事務所
price : ¥620
release : 2000/02

セーラー服と機関銃・その後――卒業――
セーラー服と機関銃・その後――卒業――
角川書店
price : ¥580
release : 2006/09/15

まあまあ

【セーラー服と機関銃】の続編だと聞き、読んでみたのですが…やはりおもしろかったです!今回もハラハラさせてもらいました。しかし前作には劣るので★-1です。
劫尽童女 (光文社文庫)
劫尽童女 (光文社文庫)
光文社
price : ¥620
release : 2005/04/12

派手さはあるのだが…

父である天才・伊勢崎博士から特殊な能力を与えられた少女・遥。秘密組織「ZOO」から逃亡し、追っ手たちとの激しい戦いを続けながら、遥の数奇な運命が始まる…。
うーん…なんだろうな…。戦闘シーンの描写であるとか、そういうところの描写力は流石ではある。しかし…。
全体的に、人物描写とかがかなり薄い気がする。やたらと物語の舞台がどんどん大きくなって、派手さばかりが表に出てしまっているというか…。結局、伊勢崎博士が何をしたかったのかは不明だし、何故逃げたのかも不明。アレキサンダーの活躍もあまり見られず。最後に出てくる人物にしても「ただの変な人」としか言えない状態だ…。
話の結末そのものは、凄く綺麗にまとまっている。ただ、それが逆に恩田陸作品らしくない、という感じもする。どっちかと言うと、さあこれから、というところで終了して、あとは読者の想像にお任せ、という形で不思議な余韻を残すのが恩田陸作品に多いパターンなだけに…。
他の恩田陸作品と比べるとちょっと劣るように感じる。
山村美紗の株の推理教室―女は金儲けが得意
山村美紗の株の推理教室―女は金儲けが得意
光文社
price : ¥725
release : 1987/07

新書判 顔〈下〉
新書判 顔〈下〉
アカデミー出版
price : ¥700
release : 2001/01

それなりに

 大どんでん返しも、急上昇も、急転直下もありません。ハッピーエンドといえばそうなのでしょうが、読み手にハッピーな気持ちを抱かせるわけでもない。でれっ〜と進行しストンと終わります。初期の作品だということで割り切って読むべきか・・・

 シドニィ・シェルダンといえども最初から偉大ではないということでしょう。でも、中盤までは緊迫感があって、それなりにおもしろかったと思います。

DZ(ディーズィー)
DZ(ディーズィー)
角川書店
price : ¥1,575
release : 2000/05

終始関心が途絶えることの無い、淡々とした推理小説。

 推理が淡々と進む。展開される。だからあまり気持ちが乱されるようなところはあまりない。最後のクライマックスの場面でさえ、そう。
 ただ、そこかしこに含みのある表現があり、関心は決して途絶えることが無い。
 最後の落ちも思わず、「ほお?」と言ってしまいそうな感じ。
私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション)
私が見たと蝿は言う (クラシック・セレクション)
早川書房
price : ¥756
release : 2004/04/23

家庭小説ですね

CWA受賞作で作者の代表作。題名は勿論マザー・グースから取ったもの。この当時「夜明け前の時」が同賞を受賞する等、あまりミステリ的風味が濃くない物が選ばれたようだ。

本作も一応犯罪が描かれているとは言え、アパートを一つの家と考えた際のヒロインを中心とした家庭小説と考えた方が良い。ミステリ的趣向はさほど強くなく、事件は自然に解決される。それより作者の力量は人物造型とヒロイン達が織り成す人間模様に表れている。この成熟性が受賞の理由か。

普通の女性に訪れる突然のサスペンスを、女性作家らしい精緻な描写で描いた家庭味タップリの佳作。
悪戯―87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
悪戯―87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
早川書房
price : ¥1,029
release : 2002/05

火のみち (上)
火のみち (上)
講談社
price : ¥1,785
release : 2004/08/04

是とするか、非とするか

犯した罪を乗り越え、後悔を封じ、周囲から否定の中で、自己実現しようとする主人公が、陥った世界を、是とするか、非とするか、迷う。
鉄道員(ぽっぽや) (KCDX (1232))
鉄道員(ぽっぽや) (KCDX (1232))
講談社
price : ¥670
release : 1999/10

泣けます

原作 浅田 次朗と マンガ家 ながやす功のタッグの最高作品です。

人情物を良く描いているながやす功ですが、鉄道員での描写は見事!の一言につきます。
自分の子供が死んだ時の回想シーンや、最後のキハの描写には泣けました。

ラブレターも短編作品ですが、偽装結婚ながら白蘭からのラブレターの一途さと吾郎の受け止め方にも一見の価値があります。
十二国記―アニメ版 (5)
十二国記―アニメ版 (5)
講談社
price : ¥735
release : 2002/12/25

さいこう!!

アニメをみ忘れたということはありませんか?そういうときはこの本を読んでみてください。カラーでアニメのストーリーが描かれています。
みてまずそんはしない内容となっています。すこしずつ強くなっていく
陽子たちのことについてかかれている一品です。
ダーク・ムーン〈上〉 (集英社文庫)
ダーク・ムーン〈上〉 (集英社文庫)
集英社
price : ¥720
release : 2004/10

半期に一度の、、、、

 いいですね、馳さんの作品。
人間の業とか、ずるさとか、それでも自分だけ生き延びたい、という気持ちを逃げずにこれだけの長編に仕立てる力量はすごいです。個人的にも半年に一度は、こういった人間のキタナい部分を正面から見据えるために読みます。彼の作品は結構読んでいるほうかな。

 しかし、正直、もうあきました。登場人物の名前を変えたりすれば、まあ、プロットもたいしたことはないと感じましたし、正直、本作の下巻を最後まで読み通すのはツラカッタ。

 バブルの日本を描いた「生誕祭」は違ったアプローチらしいので読んでみようと思いますが、、、。

 まだ馳ワールド初心者の方には楽しめるのかな?

警鐘(下)
警鐘(下)
講談社
price : ¥800
release : 2006/02/16

忘れていたリーチャー

『キリング・フロアー』、『反撃』を立て続けに読んで、次を心待ちにしていたのだ。
3年も待ったぜ。
待っている間にジャック・リーチャーをすっかり忘れていた。
女に惚れられてやに下がっているようなこの野郎だったっけ。
その女を守ってやらなければならないというのに、彼女を一人で喫茶店に置き去りにするような間抜けだったっけ。
軍の機密情報を手に入れるのに、かつての上官の情にすがるような男だったっけ。
がっかりするぜ。
お話は面白いのに、登場人物のキャラクタの描写に「揺らぎ」が多くて戸惑う。
訳者をして「文章がうまいわけではない」とまで言わせている。
その訳者も文章がうまいわけではないときている。
やれやれ、だぜ。
七回死んだ男
七回死んだ男
講談社
price : ¥795
release : 1995/10

ありえないのに面白い!

自分が主人公だったらどんなことしよう、なんて思いながら読んだ本。
軽い文調で読みやすいのに、内容はとっても本格的。
面白くてたまらず、夜更かしして読んでしまいました。
終わり方も秀逸で、読後感がすっきりしました。
鴉

幻冬舎
price : ¥1,680
release : 1997/09

本格ミステリベスト10で1位をとったそうです。

兄弟とはこうも悲しくも切なくもあるのか、と感じさせる作品。
弟は兄を恨み、兄は弟を妬む。

しかし、小説としては駄作。重力ピエロのような重厚さは感じられない。悲しい性。それを利用するのも好ましくは感じられない。

ただ騙される。

騙されたい奴はかかって来い、といってみる。

見知らぬ乗客
見知らぬ乗客
角川書店
price : ¥798
release : 1998/09

原作と映画で3度楽しめる

この原作を映画的に面白くするには、こうゆう変更の仕方があったのか。さすがヒッチコック(と脚本家のお二人)。ハイスミスにとっては面白くない改作でしょうが、私としては映画の方が好きです。アメリカ向け版と欧州向け版がDVDには収録されていますので、原作と合わせて3回楽しめます。映画はあまりに有名ですので、原作はまた別物として新鮮に感じられました。

警鐘(上)
警鐘(上)
講談社
price : ¥770
release : 2006/02/16

なぜか暴力に魅せられる現代の西部劇

S・セガールの初期の作品群に見られる武術の美学に魅せられた一人としてはリーチャー・シリーズの翻訳があまりに遅い、というよりも売れない為なのか未だに3作目がやっとと言うありさまに(本国では10作目まで出ております)全く納得が行きませんが、それはさておき、今回のお話も色々と複線が引かれている中、一本筋の通った今時珍しい男の生き様に感心しつつも一気に読んでしまいました。何も持たないのが信条のリーチャーがなんと遺産を相続してしまう。普通の男なら棚ぼたのおいしいお話に一も二もなくオッケイしてしまうでしょうに、しかも美人の恋人までおまけに付いてくる、まさに言うことなしの状況をどんな風に受け止めるか。まさに男性向けの現代のおとぎ話ですね。ジェームズ・ボンドの様な勤め人でもなく、何の束縛もない代わりに何の保証もない風来坊には贅沢過ぎる成り行きだとは思いますが、西部劇の流れ者を現代に置き換えた、今時珍しい展開の物語。あっという間に読み終えてしまいました。さて、毎度お馴染みの極悪極まりない悪党、今回はベトナムの傷病帰還兵上がりの高利貸、右手が鉤爪の半身焼けただれた恐ろしげな容貌の男ホビーです。タイトルが警鐘(原題はTripwire=仕掛け線)なのは何故なのか、おいおい明らかになって行きますが、脇役の破産寸前の富豪夫妻、MIAの息子を捜す年金だけが頼りの老夫婦等も印象深く、なんで一本も映画にならないのか(例えB級でも)不思議な位にエンタティンメントの王道を行く作品群を今後も期待しつつ次の翻訳を首を長くして待つ次第です。
痾

講談社
price : ¥819
release : 1995/05

夏と冬の奏鳴曲に引き続き

 夏と冬の奏鳴曲から続けて読んだが、やっぱりわからない。
 というか、前作と考え合わせると、大事なことを忘れたまま、それで良しとして人生が続いていっていて、それで許されるのだろうかと思ってしまう。
 前作と同じく割り切れる話ではないが、前作よりはわかりやすい。それでも、一般的にはわかりにくいのレベルだが。
 しかし、人の精神に与える影響(ダメージとも言う)の大きさは素晴らしい。
 不条理な気持ちを味わいたい時は是非、夏と冬の奏鳴曲と続けてお読み下さい。想像以上に混乱すること請け合いである。
 一応、ほめているのだが。
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件
講談社
price : ¥1,631
release : 1991/05

本格ミステリへの限りない礼賛

作者のデビュー作。副題にもある通り、メルカトル鮎はデビュー作の本作で殺されてしまうのだ。これも無駄に殺される訳ではなく、本作の趣向の一部として必然性があるのだが、この趣向はほとんど作品のトリックと言っても良いもので、これ以上内容は説明できない。

犯人がこの趣向を実行する必然性は殆どないのだが、作者がこの趣向を用いた背景には、作者の本格ミステリに対する限りない賛美と憧憬の想いが感じられて、同好の士として非常に嬉しかった。

作者はこの後、話題作を次々と発表していくが、本作はその出発点として本格ミステリへの限りなき愛着を示した感動作。
われら殺人者―天藤真推理小説全集〈14〉 (創元推理文庫)
われら殺人者―天藤真推理小説全集〈14〉 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥861
release : 2001/03

何度も読める推理小説

トリックはまあそんなものか、という程度のものが多い。また、時として細部にややリアリティーを欠くきらいもあるが、どんでん返しは見事だし、文体も温かく品があり、全体としては小粒かもしれないが楽しめる一冊となっている。
トラブル・バスター
トラブル・バスター
徳間書店
price : ¥520
release : 1995/02

秘められた感情
秘められた感情
早川書房
price : ¥693
release : 1996/04

パスコー部長刑事が警部に昇進

ダルジール&パスコーシリーズの、「社交好きの女」「殺人のすすめ」に続く第3作目になる。原題「Ruling Passion」やむにやまれぬ力強い感情で人の行動の最大動機となるもの=支配的感情は、アレグサンダー・ポープの『道徳論』の一節が冒頭に引用されている。

パスコー部長刑事が休暇を過ごすために訪ねた、旧友コリン・ホプキンズ宅で3人の死体を自ら発見し、主人のコリン・ホプキンズは行方不明。

地元警察はコリン・ホプキンズを容疑者として捜査に乗り出し、パスコー部長刑事は警察捜査官と、私人としての客観的立場で警察と異なる見解との葛藤が描かれる。さらに、前作「殺人のすすめ」で再会した大学時代の恋人、エリーとの仲が強まり婚約へと進むさま、警部への昇進の決定など多彩に発展していく。レジナルド・ヒルの前2作も同様ではあるが、謎解きとか設定とかのミステリーの範疇をはるかに超えて、個人一人一人の描写や執筆された時代の描写は「社会派小説」とも云える。

パスコー警部が自ら殺人犯人を特定して解決に導き、最後にダルジール警視と「こういう仕事をしていると、客観的で非個人的になるのが簡単でしょう。いつもそうであろうと努力している。・・・・・・・・・・・・」エリーが口をはさんだ「昇進すると哲学のコースまでついてくるの?ソクラテスの時間に割り込んでごめんなさい。」これは、五つ星以上の傑作。

バタフライ〈下〉
バタフライ〈下〉
角川書店
price : ¥612
release : 1991/08

復讐物としても面白い

ブスで貧乏な主人公が持ち前の「やる気」だけをたよりに自分を捨てた男に復讐するためだけに出世していく、ストーリー。
貧乏でも美人で頭が良い女性が復讐劇をやりとげる話はよくあるが、これは
ブスな女性が主人公。その辺をいささか、都合がいいかなぁと思いつつも
克服して「やる気」だけを武器に出世していく様子はなかなか。
最後に復讐を遂げるやり方も女の執念がこもっていておもしろい。
なぞのホストクラブ(?)も実際にあってお金さえあれば、是非行ってみたい!!!
スターズ〈上〉
スターズ〈上〉
角川書店
price : ¥775
release : 1994/05

痛快!復讐劇

前作「バタフライ」の続編、 息もつかさぬ面白痛快復讐劇!

“刑務所で死んだはずのダニーが生きていた”!!

主人公以外に登場人物が多く、 それぞれの人生が複雑にからまりあうんだけど、 全編とおしてテンポがよく、まさにジェットコースターのように、読み出したら最後、ラストまでいっちゃいます。

英文版 火車 - All She Was Worth
英文版 火車 - All She Was Worth
講談社インターナショナル
price : ¥1,523
release : 2000/01

御手洗パロディ・サイト事件〈下〉
御手洗パロディ・サイト事件〈下〉
南雲堂
price : ¥924
release : 2001/08

クソカスです

これは、昔、出版された直後にネット通販で買いましたが、

見事にだまされました。

島田執筆の御手洗の新刊だと思ってたら、

島田愛好家による、素人さんの御手洗パロディ集でした・・・。

なんで、金払ってまで訳の分からん素人の書いた物など読まなくてはならないのか・・?

怒りで本を投げ飛ばしたという、苦い苦い思い出の作品です・

そういうてんで、コレは忘れられない作品となりました。

ゲロクソです^^
志摩半島殺人事件
志摩半島殺人事件
中央公論新社
price : ¥580
release : 2006/07

空に浮かぶ子供 (創元推理文庫)
空に浮かぶ子供 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥693
release : 1991/03

現実とホラーの世界の共存

うぉ?。こうきたか。こうきましたか!!
「炎の眠り」で、何かこう、現実離れした悪夢の世界をふんだんに見せつけてくれた次の作品で、いきなり現実的なホラー!
現実の世界にこれだけホラーをスライドできる人もなかなかいないと、思います。
前作にも出てきた「フィル」が自殺し、フィルの残したホラー映画の続編をウェーバーは撮り始める。
そして、次々におこる不思議なこと。
死んだはずのフィルが、映画館の映像の向こうから語りかけてくるシーンは、すごかった!


悪刑事
悪刑事
徳間書店
price : ¥1,890
release : 2004/10/21

18禁?

ちょっとHでアングラな話題満載。
警察関係の話題は新鮮に感じる。
なるほどね〜。
次回作にも期待!
赤い死神(マフィア)を撃て
赤い死神(マフィア)を撃て
祥伝社
price : ¥830
release : 2004/12

逆説で斬る!義経
逆説で斬る!義経
宝島社
price : ¥650
release : 2005/06/15

入門書としていいが 普段の逆説のような内容ではない

 義経初級編といったところでしょうか。そんなに深くは掘り下げてはいませんし、内容も濃くはありません。

 著者は義経はなかなかのいい男と述べていますが、逆に司馬遼太郎は出っ歯であって見てくれが悪かったと語っています。その当り、もう少し自身の論を展開するなら、大御所に対して突込みが欲しかった。
華やかな野獣―他2編
華やかな野獣―他2編
春陽堂書店
price : ¥610
release : 1998/01

短編ならではのまとまり

海の見える洋館では、真夜中に怪しげなパーティーが開かれていた。
ご存じ、金田一耕助が今回は(なぜか)ボーイ姿で登場。

館の主は若く美しい女主人。
ホテルのような豪奢な洋館で繰り広げられる怪しげなパーティー、
仮面をつけた男女の客達、白いセーターの男。
と、まぁ魅力的な要素がてんこもり!

短編なので、結末がすこしあっさりしすぎてるような感じもしましたが、そこはさすがに横溝先生。
金田一耕助の謎解きもなるほど!(洋装なのが不思議だけど…(笑))

ほかに短編が2作品「鏡が浦の殺人」と「車井戸はなぜ軋る」
が入ってます。

デジタルの秘法
デジタルの秘法
文藝春秋
price : ¥643
release : 1995/04

コンゲーム

 作者自身がモデルかなという感じの主人公とその仲間達によるコンゲームである。出てくる人物もかなり個性的だし、話もそれなりに面白くて、あきずに読める。でも、どうしても前作のエイトと比較してしまい、力が抜けた感じがしますね。
棟居刑事のラブアフェア
棟居刑事のラブアフェア
角川書店
price : ¥1,470
release : 1995/10

ミステリ・オペラ (下) (ハヤカワ文庫 JA (812))
ミステリ・オペラ (下) (ハヤカワ文庫 JA (812))
早川書房
price : ¥945
release : 2005/08/25

ヴァイオリニストの息子
ヴァイオリニストの息子
双葉社
price : ¥1,150
release : 2004/11

ゴッドファーザー リターンズ〈上〉
ゴッドファーザー リターンズ〈上〉
ソニーマガジンズ
price : ¥2,100
release : 2006/02

ホントに大好評??

ゴッドファーザーの映画・原作共に観て・読んでますし、マイケル・コルレオーネが主要人物として出てくる『ザ・シシリアンbyマリオ・プーヅォ』も読んでいますから、ずっと本作には期待していたのですが・・・。
これってホントにゴッドファーザーの続編?・・・疑問ですね。
マリオ・プーヅォは映画『ゴッドファーザーPART3』(&オメルタ・ラストドンの両作品)でも明瞭なように、晩年は往時の輝きを失っていたと思います。
だから、マーク・ワインガードナーさんが正式な後継者としてご本人から認定されていたとしても、あまり意味無いと思うのです。
本作で一番不満なのは、マイケル・コルレオーネが意に沿わぬ人物を極力殺す事です。
決して直接手を下す事は無いですが・・・。
でも・・・、私の愛する‘マイケル・コルレオーネ’という人物は、そんな極端に物事を捉える性格ではなくて、殺人に関しても必要だから最終決定を下す・・・決して感情で物事を決めない・・・そんな極めて客観冷静な人物である筈なんです。
だからこそ、映画PART3で娘が殺された際の慟哭シーン・・・初めて感情的な姿を皆の前で晒した・・・において、マイケルを知る皆が‘娘の死’より‘マイケルの抑制が外れた点’に衝撃を受ける名シーン(PART3は他に見るべき場面無い程の駄作ですが)につながると思ふのですが・・・。

『リターンズ』に引き続き、『リベンジ』が出るそうですが、不満だけども読みますよ。
買って読みます。

最後に、マフィアと米国政治家の関係に関しては‘ジェームズ・エルロイ’の方が描写の点でもストーリー性の点でも登場人物キャラクターの点でも、圧倒的に魅力・迫力があると思います。深くて暗い闇を体感したいなら、『アメリカン・タブロイドbyエルロイ』をどうぞ!
でも、あっちを読んだら、こっちに満足しなくなると思いますけど・・・。

浅見光彦のミステリー紀行〈第3集〉殺人よりもアブナイ話 (光文社文庫)
浅見光彦のミステリー紀行〈第3集〉殺人よりもアブナイ話 (光文社文庫)
光文社
price : ¥520
release : 1993/09

晴子情歌 上
晴子情歌 上
新潮社
price : ¥1,890
release : 2002/05/30

リア王に至る大いなる序章か

青森という片田舎で晴子の目を通した半生を描きながら、その周辺を轟音を上げて動いている政治と世界。それの息吹を語らせることはあっても、それはまだ「晴子情歌」のテーマにはならない。市井の人間や生活と、時代を動かした政治の対比。関係と無関係。人間模様。時代は動いても、野辺地の土間の空気がしんとして動かないように変わらない世界がある。それが昭和という時代か。

筒木坂、土場、野辺地や魚場の船上での圧倒的リアリズムに反し、主人公たちの所在のなさ。高村小説に共通の「ここでないどこか」を茫とあるいは無意識に希求し、自分さえも客観視し突き放しながら放浪する半身に委ねるという有り様。あるいは爆発する水。晴子の天性の呑気さと、彰之の自分が何者であるのか分からないとでも言うような、皮膚がチリチリするような焦燥。
大久保町の決闘
大久保町の決闘
メディアワークス
price : ¥571
release : 1993/12

思い出の本

 
 阪神大震災のあった年の春、中学に上がる頃に読んだ。
大久保町は特急で40分くらいのところにある。だから
「ああ、あの明石のへんか」と自然に情景を想像したり
して、この物語をとても身近に感じられた。

 主人公の変すぎる性格が絶妙にストーリーと
合っていて楽しい。とても好きな話だ。

 脇役もアル中の元保安官助手、黒人のガンマンのキヨミチャン、
酒場を経営する神父さんなどがそろっていて物語に深みを
与えてくれる。

 何回も読み返している作品。何とか手に入れて読んでもらいたい
もんだ。特に大久保町と聞いてピンとくる人にはおすすめ。 

 

アサシン
アサシン
角川書店
price : ¥840
release : 2006/12

どこかで聞いた話

殺人マシーンの殺し屋が、無垢な少女と出会って人間らしさを取り戻して行く、という話です。
レオンは言うまでもなく、全体的にどこかで聞いた話です。
使い古されたネタであってもそれを上回る構成力やリアリティがあれば良かったのですが、殺人現場で少女を連れ去るシーンや、少女と過ごすうちに取り戻すという人間性もどこか不自然で、物語に没入することができませんでした。
他にも殺人者として警察、ヤクザなどに追われているにもかかわらず少女のわがままに付き合って顔をさらしたりと、不自然に感じられるシーンが多数ありました。
文章はすごくうまく、まるで映画をみているようにあっという間に読めてしまうのですが、上記の点が残念でした。
アンジェリク〈6〉金髪の女奴隷 上
アンジェリク〈6〉金髪の女奴隷 上
講談社
price : ¥754
release : 1994/03

妖怪博士 (少年探偵・江戸川乱歩)
妖怪博士 (少年探偵・江戸川乱歩)
ポプラ社
price : ¥1,029
release : 1998/10

日原鍾乳洞

東京奥多摩にある日原鍾乳洞が出てきます。
昔からこの鍾乳洞が出てくる貴重なお話です。
孤拳伝〈烈風篇 上〉
孤拳伝〈烈風篇 上〉
中央公論社
price : ¥764
release : 1993/03

D坂の殺人事件 (創元推理文庫)
D坂の殺人事件 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥546
release : 1987/06

団子坂のおもひで

地下鉄千代田線の千駄木駅から団子坂を左カーブに登っていくと、根津神社方面へと通じる路地が鴎外記念図書館の手前に入り口を開いている。永井荷風や樋口一葉や夏目漱石でも有名なその道は「藪下の道」と呼ばれ、右側は屋敷が連なり、左側は崖のようになっていて、崖下に学校がある。そして、小さな公園もあったことを小生ははっきりと記憶している。あの公園の木に刻んだ名前は今も残っているだろうか?

2006年9月13日 BGM:ブラームス交響曲第1番ハ短調第4楽章
愛人刑事(デカ)
愛人刑事(デカ)
角川書店
price : ¥530
release : 1991/09

「広島で原爆を落とす日」の続編?

本書のみでも充分独立した作品として読めるが、「広島で原爆を落とす日」(角川文庫)のエピソードなどがそこかしこに出てくるので、「広島−」を読了された後に読んだ方がより楽しめるかも知れない。昼間は清楚な教師、夜は愛に飢えた、淫乱と紙一重の破天荒刑事がヒロインの、どどーんと荒れ狂う勢いのまま最終章を迎える支離滅裂荒唐無稽だけれど、とにかく熱くて激しい物語である。「そんなバカな!」という展開が続くがその奥に隠されたマグマのように蠢くものを感じ取られたい。
革服の男―英米短編ミステリー名人選集〈5〉
革服の男―英米短編ミステリー名人選集〈5〉
光文社
price : ¥660
release : 1999/11

虐げられているマイノリティを擁護するテーマ性が匂う作品が多い

日本で独自に編んだ短編集である。
サム・ホーソーンものが二作入っているのは価値があるが、
文芸誌に発表された普通の小説も混じっているので、
ミステリー短編集としては評価は低くなる。
シリーズキャラクターをいっぱい持っているホックなので、
共演作品も二つ入っているが、単独なら主人公のキャラなのに、
共演させると何故か、片方だけが目立つのは、ちょっとまずくないか?
医師探偵サム・ホーソーン対西部探偵ペン・スノウはホーソーンの勝ち!
(主演作品では探偵を張るスノウが、依頼人としてホーソーンの前に現れる)
怪盗ニック・ヴェルベット対レオポルド警部はニックの勝ち!
(レオポルドはYYZ123の謎を解くだけ)
虐げられているマイノリティを擁護するテーマ性が匂う作品が多いが
やはり、サム・ホーソーンものが光っていますね。
壮大な魅力的な謎を提示すれば、
解決編は小技の継ぎ合わせでもなんとかなるというホックは素晴らしい。
ややアンフェアにも思えるがw
人間努力です。小さな理屈も重ねれば、どんな不可能な事も説明出来るのだ!
革服の男の手法を使えば、貴方も必ず推理小説が書けます。
幽霊などの超常現象は、自分が目撃しても存在しないと証明出来るのだ。

謀略熱河戦線―覇者の戦塵1933
謀略熱河戦線―覇者の戦塵1933
角川書店
price : ¥775
release : 1994/07

北満州油田占領―覇者の戦塵
北満州油田占領―覇者の戦塵
角川書店
price : ¥734
release : 1991/02

生存者〈上巻〉
生存者〈上巻〉
アカデミー出版
price : ¥1,155
release : 1998/10

生存者〈下〉
生存者〈下〉
アカデミー出版
price : ¥1,155
release : 1998/10

龍神町龍神十三番地 (徳間文庫)
龍神町龍神十三番地 (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥880
release : 2002/11

一級のエンタテインメント

文句なく面白い。凶悪な誘拐、強姦、殺人犯を射殺して5年半の刑期を終えた元刑事が、同級生だった長崎県の町長の依頼で町を訪れる。そこで見たものは、ドロドロとした人間関係。込み入った過去。各人それぞれの思惑。次から次へと人が死ぬ。事故?他殺?自殺?犯人は?動機は?誰が後ろで糸を引いているのか?

悪徳派出所長パンジー、県警一の嫌われ者の郡家徳雄などユニークな人物が多数登場し、読者をぐいぐいと物語の中に引き込んでいく。船戸フアンもそうでない人も、614頁の頁数を忘れて、最後まであっという間に読みきってしまうだろう。素晴らしいエンタテインメントである。

ただ、かつて船戸が中南米、アジア、中東などを舞台に縦横に筆を振るい、その背後に相当な量のその地の歴史の研究?緻密な取材を感じさせていたことと比較すると、物語の設定が現代の日本で、必ずしもその地の歴史と物語がしっくりマッチしているとはいえず、昔のように十分な取材とそれを熟成して物語にする時間がなかったのだろうか、とも思ってしまう。今年で船戸も58歳。以前の船戸ワールドをもう一度読みたいというのは読者のわがままだろうか。

影に潜む (ハヤカワ・ノヴェルズ)
影に潜む (ハヤカワ・ノヴェルズ)
早川書房
price : ¥1,995
release : 2004/03/24

ジェッシー署長

3人称で書かれているこのシリーズは、スペンサーシリーズと赴きが違い、スピード感と出演者の各々の観点が非常に理解しやすい為、読み始めるとあっという間に終わってしまう。事件の解決は勿論の事、ジェンとの関係も、今回終盤に新たな展開になるのも面白いです。
東日流妖異変―竜の黙示録 (ノン・ノベル)
東日流妖異変―竜の黙示録 (ノン・ノベル)
祥伝社
price : ¥920
release : 2002/02

シリーズ前作を読んだ人ならば

『龍の黙示録』にはじまる、龍緋比古(りゅう・あきひこ)と柚ノ木透子(ゆのき・とうこ)の活躍する伝奇シリーズの2作目。
1作目で思いきり失望を味わったため、あんまり期待しないで読み始めたのですが、これが正解。
歴史家の間では偽書とされている『東日流外三郡誌 (つがるそとさんぐんし)』を使ったり、舞台を青森県の津軽にしたりはしていますが、いかんせん、主役の二人のあまりにありきたりな性格づけとその言動のためにどうしても好きになれず、あんまり楽しめませんでした。二人の間も、何ら特別なこともなく、予想どおりの展開になってきているし・・・。
せっかく『東日流外三郡誌 』というおもしろい題材を扱っているのに、それについての言及も少ないし、もったいない限りです。
シリーズ前作を読んだ人なら、まぁ読んでみてもいいのでは、という程度の内容でした。
恋の花咲く三姉妹―三姉妹探偵団〈18〉 (講談社文庫)
恋の花咲く三姉妹―三姉妹探偵団〈18〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥600
release : 2005/06

綾子が役者デビュー

前作がシリーズの中でも傑作だったので、今作はまあまあ面白いという感じがしました。
と言っても赤川さんの作品は、良い意味で裏切るものばかりなのでご安心を。
今作は、綾子が俳優に、珠美が幼馴染に恋心を抱く(夕里子は嫉妬を抱く)お話でした。
しかし、やっぱり事件に巻き込まれる三姉妹。
事件の内容は現実味があり考えさせられました。
ところで、今作の目玉(?)は、綾子が役者デビューすることです。
綾子を心配し、専属マネージャーになる夕里子。
三姉妹の恋と綾子の舞台、それに事件と、読み応えのある一冊になっています。
聖母マリア再臨の日〈上〉 (扶桑社ミステリー)