こちらの『スカーレット』ですが、あの名作が、単なるハーレクインロマンスになっています。しかもアルコール中毒からの立ち直りだの、説教臭いハーレクインです。 レットも、意味も無く、作品中を出たり入ったりします。元々の『風と共に…』に入れ込んでる人は、読まないほうが良いでしょう。
彼が実在したと考えたほうが世界は面白い。
魅力的な脇役 メイスンと絶妙のコンビの美しい秘書、デラ・ストリート ステーキを食べているメイスンに「俺はいつもハンバーガーさ」と愚痴をいいながらも、メイスンの無茶な注文もガッツで引受ける、職人探偵、ドレイク。 スリル溢れる法廷シーン 決定的な証拠を提出して、ニヤリと笑う敵役検事、追い詰められたメイスンはどうなるのか。
そんな不安をよそに、わずかな手がかりから、最後には手品のように無罪を勝ち取る、その爽快感。 これはお約束とはいえ、気持ちいいですね。 本書もこうした魅力がいっぱいです。読んだ事のない人は是非ご一読を。 ワンアウト3塁で三振する四番打者と違って、最低でも外野フライでランナーを帰す、そんな読者を裏切らないのがメイスンシリーズです。
推理物としては大した事はない。トリックも犯人も、比較的容易に見当がつくだろう。だが、あっと驚かされる事はなくとも、謎がカッチリと組み立てられていて気持ちよい。また、読み物としても結構おもしろい。テンポが速く、ドラマチックな展開で、退屈しない。とにかく楽しく読める。
2人のコーニング女史をめぐる騒ぎが、とてもおもしろかった。片方は偽物なのだが、どちらも威風堂々とした豪傑おばさんで、どちらが本物でも全然おかしくない。偽物はアカデミー賞ものだと思った。殺人事件が起こるのは、物語の半分以上を過ぎてからだが、そんな事も全く気にならない。内容紹介に”シリーズ後期を代表する”とあるが、看板に偽りなしの傑作。お薦め。
また初期の作品では、真犯人を罠にかけたり、当局にお先棒を担がせる奇策が魅力だが、後期の作品では、ギリギリまで追いつめられた末の、ドラマチックな逆転劇が魅力。本書の逆転劇は特にドラマチック、と言うよりも天地がひっくり返るような、思いもかけない真相の暴露が圧巻。
本書で目立つ欠点は、「運のいい敗北者」というタイトルの意味が、最後まで読んでも全然わからない事。メイスン物は、いかに変なタイトルでも、読んでも意味がわからない事は普通ないのだが。
経験者だからこそわかるエステの裏側が描かれていて、読んでいてちょっと怖くなるぐらいです。
また、エステにハマっていった女心も丁寧に描かれているので同じ女性として共感できる部分が多かったです。
どちらもよく出来た本格ミステリで、探偵作家ステーマンの力量が十分にうかがえる一冊です。
ただ、内容に信憑性を持たせるためだと思うのですが、化学関係、また軍事関係の専門用語がたくさん出てくる所に少し抵抗を感じる人もいらっしゃるかもしれません。だから、万人受けするわけではないと思います。でも、ロマンスをふんだんに取り入れた、ミリタリーアクション(軍事ものースパイものを含む)がお好きな方がいらっしゃれば、この作品をぜひ、読んでいただきたい。
じゃあ、なぜ★4つですかって?それは、もちろん、続きが気になる終わり方をしていて、「少し読みたりなく感じたから」です。これは、次作品への期待ということでご容赦いただきたいですね。
おとぎ話のかたちとミスマッチな挿絵がとてもコミカルな絵本です。中でもキッチュな魔女は最高。
ファンタジーの大家エンデの作品ですが、身構えず、軽〜い気持ちで読めますよ。魔法をとくための方法は、やっぱりエンデらしいかも。
一家はイギリスに住むインド系。父親は工場労働者。兄たちも高校を卒業すると単純労働についています。
けれど、マニーはリヴァプールFCのトップ・ストライカーになって、イギリスで初めてのアジア人ポップ・スターになって、ベストセラー作家にもなって、スーパーモデルとデートして、アカデミー賞を取る夢があります。
パンジャブ方式を貫く一家と、自立したがっている少年マニーのジェネレーション・ギャップの戦いの小説です。
さらに父親たちはひどい人種差別者。民族の恋愛や結婚に、絡み合う人種の問題。トラディショナルな考えとドメスティック・バイオレンス。
一方、10代のマニーが直面する恋愛、セックス、ポップカルチャー。さらに友人の若くしての妊娠。
小説の中盤、一家でインドに里帰りするのですが、その情景が鮮やか。インドの喧騒、田舎ののどかさを描きながら、モノがなくても生きていけることをマニーに教えてくれます。そしてここの問題はカースト制。
さまざまな問題をアップテンポに盛り込み、マニーの気持ちを素直に表現した、とってもノリのいい小説。翻訳者の力量に感謝。
元来、理解し、確認しながら読むタイプなのだが、この物語は、しない方がいいと決めていた。
だからいつのまにか速記者が、主人公に対して丁寧語を使わなくなったとか、ホテルとなった古い洋館で食べたメニューとか、ジャスミンの間で寝たきりだった青年の描写とか、気になったけど、読み返さなかった。
ぼんやりとあやふやのまま、読むのがいいのだと感じた。
どうでもいいけど、小川洋子さんの描く男性というのは、いつも知的で繊細な感じだ。私の想像では細身で色も白い学者タイプ。 そしていつも、な〜んか奥歯にモノがはさまったような物言いをする。 私の周りにはいないタイプなので、逢ってみたい。 でも、実際逢ったら、私ばっかししゃべって、疲れそうだ。
自分の過去の誤認捜査を、無理やり再捜査させらせられているんだけど、捜査活動は大好きという困った中年の元刑事のおじさんのお話です。バースという町の描写も臨場感があり、映画化してもそこそこ面白い作品になりそうです。
ちょっと英国風のユーモアというか、主人公の無駄口がくどいかなぁー?という感じです。まぁこういう無駄口は英国的というより私立探偵ものの伝統かもしれません。
これは3作目だったのですが、別に1作目とかを読まずに読んでも楽しめました。あま?!?深く考えず読み始めたので・・・
問題はこの本と同時にギャビン・ライアルの「スパイの誇り」を読んでしまったことです。同じ英国に数年違いで生まれたライアルさんとラヴゼイさん。ジャンルもまぁ似たような感じ。でも、ストーリーテイリングの差は歴然でした。結果、「スパイの誇り」はシリーズ全巻を間を置かずに読むことになりました。
本書にも、1億円を3ヵ月で使いきる、というゲームをはじめたものの、使いあぐねている浪人生の主人公が登場します。1000万円でも高額ですが、1億円はその10倍。平均すると1日に100万円を「楽しんで使う」ために何に使ったらいいのか、という課題を通して、幸福とは何か、真の生きがいとは何かを考えさせられる主題です。 最初はワクワクした高価な買い物も、だんだん楽しくなくなってくることを理解した主人公が見つけたお金の使いかたは何か?……ネタばらしになるので、ここから先は読んでのお楽しみにしておきましょう。
この作品は『新基礎英語2』『新基礎英語3』に連載されたものです。 最初の対象読者が中学生ですが、青年にも私のような中年にも訴える内容です。ただ、一ヶ所だけ「中学生向け」を感じる内容がありました。それは、彼女と一緒に出かけた海外旅行先のできごと。ホテルで同じ部屋に泊まりながら、何も起こらないのです。おとな向けの小説だと、ここはふたりが自然に結びつく場面です。中学生には刺激が強いと自主規制したのでしょうか。 でも、ふたりの間にセックスがあってもなくても、この小説の主題に影響はありません。お金と幸福、という古くからの問いかけについて考える機会を与えてくれる小説でした。
だが、時間SFのベストをうたうなら、ハインラインの「時の門」やゼラズニーの「聖なる狂気」を入れて欲しかったである。入ってないのが残念である。どっちにしろ、この本はなかなか良い本である。