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新書・文庫
詳解 独ソ戦全史―「史上最大の地上戦」の実像 戦略・戦術分析
詳解 独ソ戦全史―「史上最大の地上戦」の実像 戦略・戦術分析
学習研究社
price : ¥1,365
release : 2005/06

革命による負の遺産を帳消しにした「史上最大の戦争」

 ソビエト共産主義はロシアに破壊と建設の両方をもたらした。勿論それが本質的に破壊的であったということは否めないが、この前者の精神的外傷を独ソ戦は慰撫し修復することになったというのが本書の主題である。
 歴史と人間関係の細部、特に軍組織にも及んだ革命による破壊は、ドイツという敵の時代的地政学的限界によって「大祖国戦争」(プラウダ)というナショナリズムが復興することにより贖われる。ナチス・ドイツ軍がモスクワを陥落できる可能性はあったしロシアを占領してしまう可能性だってあった。第一ロシア軍は粛清以降壊滅状態だったのだから。しかし、それはドイツ中央軍集団(特に第3、第4装甲師団)が1941年の冬にモスクワの手前20キロに迫ったところで限界に達する。まるで上げ潮と引き潮のままに、ドイツ軍はモスクワ市民の眼前に迫りロシア人を一掃した直後寒波襲来と伴に撤退に継ぐ撤退を繰り返し潰滅していく。これは確かに時代的地政学的限界ではあっても定量的法則や公理ではない。日本が古代以来島国として外海を防波堤にしながらも侵略を受けたことがあるように、仮に台風が蒙古軍を転覆しなければ本当に危うかったのと同様、ナポレオン戦争以来モスクワは陥落する危機におののいていたのである。「ヨーロッパの救世主たらん」(トルストイ)としたロシア、革命の国際主義に「世界の救世主たらん」(ゲルツェン)としたロシアが、戦後アメリカと対峙できたのはこの絶対悪と戦って勝ったという感覚が半ばは「帝国」=大ロシア主義を正当化できたからだ。
 今また、ロシアはナショナリズムで内向きになっているという。問題は祖国であると同時に、戦争と革命の巨大な負の記憶をもった上で、再び「救世」とは何かという問いであるに違いない。
社長になる人のための決算書の読み方
社長になる人のための決算書の読み方
日本経済新聞社
price : ¥630
release : 2002/12

軽く読めて面白い

対話方式で図も多い、わかりやすい会社経理の入門書です。
第1講「会社はドラマの舞台です」では、プロジェクトXのような会社のドラマを映し出す鏡が会計であると説明しています。
第2講「決算書を読んでみよう」では損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を説明します。私はキャッシュフロー計算書の意義の解説がためになりました。
第3講「経営分析を学ぼう」では総資産利益率、総資産回転率などの会社の財務指標を勉強します。私は当座比率、長期適合比率の意義の解説が有益でした。
第4講「企業価値を分析しよう」では企業価値の評価としてDCF,純資産価値、EVAの内容が解説されます。DCFの前にキャッシュの重要性を説明するためにインドの露天商の現金商売の話がありますが、これが面白かったです。
第5講「知的資産の時代です」では特許などの無形資産の評価を説明しています。


暁の歌
暁の歌
小学館
price : ¥560
release : 2006/05

面白くてサービス満点

収録作品全部に共通しているのは「希望」ではないかと。
もちろん物語を盛り上げるためまず絶望を用意されての希望なのだが
この「希望」の使い方が抜群に藤田和日郎はうまい。
読者を絶対に裏切らない漫画家なのでどの作品も安心して読める。
隠し剣孤影抄
隠し剣孤影抄
文藝春秋
price : ¥620
release : 2004/06

安心感と読後感

藤沢作品のよさはまず安心感。まず、はずれがない。
そして読後感のよさ。
うーんとうなったり、やられたと思ったり。
そして、短編での藤沢作品のよさは最後の一文にある。
一編一編余韻に浸れるすばらしい一文がそこにはある。
個人的には、女人剣さざ波を南海キャンディーズの静ちゃん主演で映画化もありかなと思う。
邪魔〈上〉
邪魔〈上〉
講談社
price : ¥660
release : 2004/03

ポイントアップ

放火を主とした地味でありながら、人間味あふれる
良作!!上下あわせたら約800ページですがスラスラ
と読めてしまい良作!!物語は刑事のおじさんと
パート暦1年のおばさんの2人称で結成されています。
こっれて物語と関係あるの?こいつタマにでてくるけど
誰だよ?みたいなのあるけど、じっくりページめくれば
次々と笑顔。奥田氏の作品はヤクザが出てくることが
多くて良作!!
執事の特権
執事の特権
大洋図書
price : ¥903
release : 2006/01/26

王道なお話

「私に触れたら殺す」
大手製薬会社の営業の面接のはずが、いつの間にか極度の潔癖症で性格最悪、顔だけはいい乙矢の特別秘書候補として執事の教育を受けることになってしまった仁。
あまりの乙矢のわがままぶりに嫌気が差し、正式採用された瞬間自分からやめてやる、と密かに決めていた仁だが、彼を知るにつれ気持ちが変わってきて……

わがままでトラウマ持ちの受と、それを世話したり暖かく受け止めたりする攻、という榎田さんお得意のパターンでかなり楽しむことができました。
乙矢が潔癖症なためボディタッチがほとんどありませんが、その分かたくなだった彼が少しずつ仁を信頼し始める様子が丁寧で、物足りなさは感じませんでした。
特に潔癖症を直すためのチェスを、実は乙矢が楽しみにしているといったあたり、彼のいじらしさが伝わってきてよかった。
無防備に仁を信頼していく乙矢の気持ちが裏切られてしまうのでは、と中盤はらはらしましたが、幸せなクライマックスでほっとしました。
春・飛行 6―四記 (6)
春・飛行 6―四記 (6)
講談社
price : ¥735
release : 2007/05

カフカ短篇集
カフカ短篇集
岩波書店
price : ¥630
release : 1987/01

村上春樹とカフカとの相似に気づく

ひとくくりにカフカと言うが、巷間知られるイメージは不条理作家としてのそれであり、私もまたそういう目で見ていた。しかしそれは誤りである。この短編集には不条理な作品のみならず、幻想潭、奇談、滑稽潭、そして社会矛盾の告発など、多様な形態の作品が収録されている。カフカは特殊領域のみの作家ではなく、さまざまな作品を書くことのできるプロの作家であった。

個々の作品を云々するのは、カフカ作品に馴染んでいない私の仕事ではない。私が言いたいことは二つである。

1)村上春樹が想像以上にカフカの影響を強く受けていることを知った。双子の姉妹など、「そのまま」である。ほかにも共通点がいくつも思い浮かぶ。
2)「田舎医者」で唄われる「裸にしよう・・・」の歌は、現代の「世間」が医師に向かって唄っている歌と同じであり、この作品が描く医師は正に現代の医師そのままである。馬丁と馬はマスコミ、患者家族は世間、と考えたらよいだろうか。より高踏的な読み方が正統なのだろうが、あまりに身につまされる作品であった。

日本人はなぜ無宗教なのか
日本人はなぜ無宗教なのか
筑摩書房
price : ¥714
release : 1996/10

「私たち」の価値を心から実感するために

あらためてこの「古典」を読み直してみた。いろいろとひっかっかる部分もあるが、やはり名作だろうと思う。「日本人」は「無宗教」かどうか、というのは、実はそれほど重要ではなく、むしろ、なんで私たちは「宗教」(狭い意味での・「創唱宗教」)を生理的に避けたがるのか、という謎を説くためのヒントを得るためにこそ、本書は読まれるべきだ。
著者は、古代から近世にわたる日本の「宗教」の歴史をおおまかに、しかし本質をスマートにつかんで説明し、ついで、近代の国家政治が整えた「宗教」に対する「日本人」の態度の、構造的なゆがみの成立過程を解読し、そして、この国の「日常」の強さが、どれだけ私たちの意識や感覚をソフトにしばりつけているのか、を解明していく。こうなってきたから、言葉の上でも実践の上でも、「宗教」は「私たち」とは「別」のもの、一般には必要だが、「自分」には「不必要」なもの、いや、それだけでなく、「あやし」かったり「恐」かったりするものとして、出来上がってきたのだ、と著者は、間違いなく「宗教」に好意的な論者として、ほとんど嘆いている。
でも、「日常」と、あとは軽い「年中行事」や「葬式仏教」があれば、それでいいではないか、と問われれば、それは全く正しい。なぜ「宗教」の「大切さ」みたいなのを、あえていうのか。「教養」を求める人や、すでに「宗教」に生きている誠実な人に対してでなければ、自明性はあまりない。だから、本書の最終章にあるような、こんな「宗教」への入り方も、日本にはあるんですよ、としみじみ語る文章は、それ自体としては優れているが、やはり「浮いて」いるように感じられる。「布教」かな、と失礼だが嫌な気分になるのである。そしてそう感じている「自分」の、「宗教」への忌避感に自覚的になって、ああ、やはりこの価値からは自由になれない、という結論に至る。
田辺聖子の小倉百人一首
田辺聖子の小倉百人一首
角川書店
price : ¥735
release : 1991/12

タイムスリップ

 田辺聖子は「感傷旅行」以来気になっていた作家だったが、この本を読んでから益々このおばはん(失礼!)が好きになった。
和歌が好きになった。読んでいるあいだは田辺聖子の案内で王朝の雅の世界にタイムスリップした・・。そしてその世界が典雅だけでなく
闘争、涙、恨みや哀しさも含んでいることも知った。この一冊(百首)の中にこんなに広い世界がくり広げられているんだ、と。
 女学生の頃の田辺聖子が時々顔を出すのも楽しい。若いとき百人一首を丸暗記させられるのもわるくないなあ。
いや丸暗記させるべきではないかなあ?子供はいやがるかもしれないけれど・・。
 自分がその経験ないだけに今思えば「ながらえばまたこのごろや?」と言えないのがさみしかったり・・。
ソクラテスよ、哲学は悪妻に訊け
ソクラテスよ、哲学は悪妻に訊け
新潮社
price : ¥460
release : 2002/08

”哲学” = ”?”

哲学なんて言葉は必要ない!
考えたければ、自分で考えろ!
でも、その手伝いはしてあげる。
と、本書のソクラテスさん。

地図をやるから、後は勝手にしろっていうのはどうか!
でも地図貰えたからいいかな。

オリエンタリズム〈上〉
オリエンタリズム〈上〉
平凡社
price : ¥1,631
release : 1993/06

【商品詳細】

「オリエンタリズム」とは西洋が専制的な意識によって生み出した東洋理解を意味する。本書(邦題『オリエンタリズム』)はその概念の誕生から伝達までの過程をあますところなく考察した1冊だ。サイードは、東洋(特にイスラム社会)を専門とする西洋の学者、作家、教育機関などの例を挙げ、彼らの考えが帝国主義時代における植民地支配の論理(「我々はオリエントを知っている。それは西洋とはまったく違った、なぞめいた不変の世界だ」)から脱却しきっていないと厳しく批判している。

『非オリエンタリズム』を実践した生き方

エドワード・サイード氏。彼は、パレスチナで生まれアメリカやヨーロッパで育ったが、サイード氏自身定まった土地に住むという習慣を持たなかった。 どこにも定住せず、欧米と中東を往来するのが、彼の潔しとした生き方であった。 また、その時に歯ブラシだけを携帯するのがいかにも、サイード氏らしい。彼の説いた『オリエンタリズム』は、西洋文明が東洋文明を発達途上で、劣化した文明だと捉える偏った見方であるとして、批判している。 彼の『オリエンタリズム』は、東洋文明と西洋文明の二面性を持つ境遇にあった彼だからこそ、マジョリティーの西洋優越主義に陥る事がなく、中立の立場で生まれたのだと思う。
イタリア人の働き方
イタリア人の働き方
光文社
price : ¥777
release : 2004/01/17

イタリア人の職人魂を感じます

この本は、イタリア人のバランス感覚や人生において何を大切に生きて
いるかがわかるとても貴重な本であると思います。

職業というものに対して常に誠実で人生を楽しむための方策を自分なり
に考えているこの本の中に登場する人物たちは、とても魅力的にそして
身近に感じることができました。

この作品の中ですごいなと思ったのは、いいお客さんを選ぶという行為
について語っている場面が複数出てきたことです。

大量生産、大量消費に流されず本当に尊厳ある仕事をするためには
自分自身がその仕事に対して誠実であると同時に、それを評価する
お客さんの存在ってとても大事なんだなと思いました。

その関係性が、今後の日本においてもとても必要なことになるのでは
ないかな?と考えたりしました。

ぷいぷい!
ぷいぷい!
メディアファクトリー
price : ¥609
release : 2006/05

ちちんぷいぷい!

『ぷいぷい!』です。
この作者の作品としては、内容も軽く、文章も読みやすいです。ライトノベルのストライクゾーンを真っ正直に狙ったものですね。ストライクを取れるか、ガツンと叩かれるか二つに一つ、という状況を覚悟した作品でしょう。

主人公とツンデレヒロインとの関係が、予定調和的という感じがしました。
伏線がかなり見え見えのものが多く、先の展開がほとんど読めてしまいました。かなり強引な展開でした。
登場人物が多すぎです。二巻以降で活躍するなら問題ないでしょうが、それならばサブキャラは二巻以降から登場させても良かったように思います。
文章も、ソロモン伝説に関することなど、説明的な部分が多かったです。
などなど、問題が多々ありました。ただ、二巻以降は評価が高いようなのでどう判断すべきかは微妙ですが……
とりあえず、本書だけの評価は☆3としておきます。

巨人たちの星
巨人たちの星
東京創元社
price : ¥987
release : 1983/01

前半と後半で少し内容が変わってくる。

前半は前2作の謎解きがほとんどのため、前2作を楽しく読めた方はかなりのめり込めると思います。
ただ、後半は前2作のミステリー要素がほとんど影を潜め戦争色が濃くなってきます。ネットワークを巧みに駆使した架空戦争的なものなのでパンク系が好きな方は良いかもしれませんが、ミステリーを読む感覚だと少々拍子抜けするかもしれません。

私個人的には面白かったですが、後半部分は人によるとおもうので星は4つにしました。
危ないお仕事!
危ないお仕事!
新潮社
price : ¥500
release : 2006/05

他の仕事はしていません。プロの汁男優です。

万引きバスター、私立探偵、超能力開発セミナー。前半はテレビの特番でみかける内容。それなりには楽しめるが、たいしたことはない。『怪しいお仕事』の方が面白かったゾ、と考えながら読み始めた「第三章エロスのお仕事」。爆笑!!ダッチワイフ製造業者の職人魂、汁男優の屈折、これはたまらん。おもしろい!!やっぱり、こういう突撃レポートはエロ関係にトドメをさすのか…。

こういう突撃ものは、レポートする人のキャラクターを知っていると面白さが増す(逆の場合もある)のだが、顔を知っているだけでもかなり違う。そういう意味で、本書が著者の顔写真が載っている新潮社から発売されたのはポイントが高い。

どう見てもカタギには見えない著者(人は良さそうだが)の取材光景を頭に浮かべながら読むと、かなり楽しめる本である。

親の「ぼけ」に気づいたら
親の「ぼけ」に気づいたら
文藝春秋
price : ¥788
release : 2005/01

もっと早く読みたかった…

私は痴呆症の老人介護経験者でしたが、この本が出る前に介護は終わってしまいました。まったくの手探りと周囲の理解もない、もちろん介護保険制度も始まる前から介護が始まったので、本当につらかったです。この本を読んで、最初から最後まで「その通り!」で、この本をもっと早く読みたかったと心から思いました。何科のお医者さんに連れて行けばいいのか、どういうふうに説得したらいいのか、という初期に始まり、終末期のようすもわかりやすくて、その時々の介護の仕方というか心構えなどが備えやすいと思うので、自分用以外に友人たちにプレゼント用に余分に購入を考えています。

変身
変身
新潮社
price : ¥340
release : 1985/06

変身する、される

 物語では、主人公自身が変身しているが、それは反抗期の少年の皮肉っぽいそれではないかと思える。
つまり、父親を含む家族の自分に対する不当な態度を取り出したとき、
「俺は悪くないのになぁ、どうしてかな
 ……俺が悪いんですよね、ええ、私が悪いんですよ」
 といった感じでその皮肉っぽい自己責任と、自虐によるある種の反抗がリアルに描かれているのではないか? 
 最後の一文、妹の美しい姿が希望の確証のように映った(確かそんなふうに書いてあったような気がする)というのも、
「ええ、僕が居ないほうが皆幸せになれるよね?」っていう皮肉ではないかと思う。
教えることの復権
教えることの復権
筑摩書房
price : ¥756
release : 2003/03

生徒主体の授業をより良くするための本

本書は、生徒の自主性を重視することに異を唱えているのではない。『教えることの復権』というタイトルからは、生徒の自主的な学習活動をさせるよりも教師が黒板の前に立ってしっかり説明することが大切、という主張が述べられているような印象を受けるが、そうではなかった。

私は、生徒が聞いていなくても、理解できずにいても、まったく構わずに教師が一人で喋りつづけるというスタイルの授業の効果に疑問を持っていた。そのため、自分が教師となってからは生徒に自分の意見を書かせる、発表させる、話し合わせる、といった自主的な活動を重視する授業をし、その効果も感じていた。だから本書のタイトルを見たときには反感を持った一方、もしかしたら自分は重要な過ちに気づかずにいるのかと不安も感じた。

読んでみると、本書は生徒一人一人の自主的な活動を否定するどころか、むしろ重視している。ただ、そういう授業で絶対に忘れてはいけないこと、そして今、現場の教師が忘れそうになっていることを指摘してくれているのだ。たとえば以下のような大村はまのことばである。
「自由にやってごらんと言って、先生はただ見ているだけ。これがいいのではないかとか、こんなことを考えてみたらどうかとか、はっと気づくようなことを言えるのが教師ではないの。」
「よく読みなさいと言う。そこまではやるけれども、読んでいるとき読む力がぐっと伸びることをなんにもしてやらない。書きなさいとも言いますね。でも、書いているときにその人がいい書き手になるコツを教えない。」
実に耳が痛かった。しかし、本書を読んでから、自分の授業は変わったと思う。そしてもっと良い授業に変えていけると思っている。

今、生徒主体の授業をしている教師の皆さんは、本書を読んで自分の教授法が否定されるのではなく、改善できる方法を見つけられるはずである。

動物のお医者さん (第6巻)
動物のお医者さん (第6巻)
白泉社
price : ¥570
release : 1996/03

ほのぼの

チョビって人相は悪いけど、何をされても怒らない「忍」タイプの良犬だなあと思います。
猫の泉という伝説の場所に迷い込んだ二階堂とハムテルはいかに?
コミュニケーション力
コミュニケーション力
岩波書店
price : ¥735
release : 2004/10

チョット私は・・

氏の授業等には賛同すべき事項も多いのですが、この方の著される本は内容が薄っぺらい気がします。年間の出版数も多いですし、煮詰めないで勢いで書かれているのではないでしょうか。通常本などで意見を世に出すということは、著者そのものの集大成を発表するということであると思います。しかし、この方の本は内容が薄いので、書いたものを読み直し加除訂正することなく本にして出版しているようなイメージです。コミュニケーション力がない=生きる力がない といったようなことは実感として賛成ですが、コミュニケーション力についての本なら、そこらにある他の著者の本が優れていると思います。

零崎双識の人間試験
零崎双識の人間試験
講談社
price : ¥1,365
release : 2004/02/06

戯言とはまた違った面白さ

戯言シリーズに登場した零崎人織くんの一族である、殺し名第三位の「零崎一賊」のお話。
タイトル通り、この本は零崎の長兄である零崎双織が主人公・・・と見せかけて、実は伊織ちゃんが主人公と思われます(笑)
戯言とはまた違った展開になっていて面白かったです。
伊織がだんだんと変わっていく感じがいいですね。零崎3人そろったところとか、かなりいいです。

零崎シリーズの1冊目だけあって、伊織の変化を追うことで零崎とは何だという分部をまとめている印象があります。
双織にはもっと活躍して欲しい気がするんだけど、伊織と交代って感じかな。
伊織も交えた潤との対決分部も読みたかったな。

妖精国の騎士 27 (27)
妖精国の騎士 27 (27)
秋田書店
price : ¥690
release : 2007/04

文庫最終巻 加筆

文庫版も26巻27巻同時発売でクライマックスを迎えました。
三剣の騎士たちの長い物語もある意味ハッピーエンド。
雑誌で、すこしもの足りなく感じた部分に加筆修正が加わり、満足感がでました。
ローラント戴冠式前後も追加されてます。
雑誌、コミック、文庫本と違いを楽しんではいかが?

天は赤い河のほとり〔文庫〕 1
天は赤い河のほとり〔文庫〕 1
小学館
price : ¥600
release : 2006/10/14

主人公が気持ち良い♪

長編なのに、全然飽きません!

主人公は人思いの行動力ある女子高校生。
どんなにピンチが迫ってても、
自分の事だけ考えず、
機転を利かせて周りの事を意識しながら乗り越える
魅力的な彼女は
読んでて気持ち良い!

恋愛の相手役もすーーーーんごいかっこいい
理想を持って生きる男なので
こっちまで惚れそうになります。
二人の間で揺れる絶妙な緊張感がたまりません! 笑

ちょっとだけ元気がない時に読むと
少し分けてもらえます。
自分も理想を持って生きたいな、と
前向きな気持ちになる作品。
異形の王権
異形の王権
平凡社
price : ¥999
release : 1993/06

絵画資料が多い

先日この本の著者がお亡くなりになられた。
優れた歴史学者であり、彼の研究には目を見張るものがあった。
それはこの本の内容のように絵画資料を多く取り入れたものなどである。
一読の価値はあります。
面白い歴史学の本です。
失楽園〈下〉
失楽園〈下〉
岩波書店
price : ¥798
release : 1981/01

ヒロイックファンタジー。

初めて読んだ時は難しいのかな?と構えていましたが、文体が簡潔かつ美しく、スイスイと読み進められました。こんな読みやすい邦訳の古典は余りないと思います。
小難しく考えずに、男前堕天使サタン様の活躍を応援しつつファンタジー感覚で読んでみては?
因みにストーリーの面白さ、という点に置いては上巻が断然勝っています。
今後ますます認知度が高まるかもしれません。

理由
理由
新潮社
price : ¥900
release : 2004/06/29

家族って何だ?を問いかける傑作ミステリー

もしも隣に住んでいる家族だと思っていた人が、実は全然別々の他人同士の集まりだったとしたら・・・。バブル崩壊からの現代社会の歪みを描いた傑作である。この作品は、珍しくドキュメンタリータッチで描かれ、一瞬戸惑うところもあったが、ラストに向かうにしたがってこの手法が最適だったと感心させられた。但し「火車」の様なスピード感はあまり感じられないうえに、かなりの長編であり、内容も濃いのでじっくり時間をかける覚悟はいる作品だと思う。
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き
光文社
price : ¥720
release : 2006/12/07

魅力いっぱいの水先案内文に導かれて・・・

 本書の水先案内人を務める宮部みゆきさんの文章が、その作品のツボを押さえた上質の紹介文になっていたところが、まず魅力的でしたね。宮部さんが編集した『松本清張傑作短篇コレクション』の上中下巻の三冊での案内文も読みごたえがあったけれど、本書での司会進行ぶりも実に素晴らしかった。その底に、「こんなに怖くて面白いんだよ。おすすめしないじゃいられません」という気持ちがこもっているからでしょう。その物語を読む前からわくわくさせてくれる、魔法の呪文みたいな案内文が素敵でした。
収録された英米のホラー小説は、ジャンジャジャーーーン♪ 次の作品たちです。

◎W・W・ジェイコブズ「猿の手」 ◎H・R・ウェイクフィールド「幽霊(ゴースト)ハント」 ◎デイヴィッド・マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」 ◎フレデリック・マリヤット「人狼」 ◎ピーター・フレミング「獲物」 ◎リチャード・ミドルトン「羊飼いの息子」 ◎J・D・ベリスフォード「のど斬り農場」 ◎ジョー・R・ランズデール「デトロイトにゆかりのない車」 ロバート・L・フィッシュ「橋は別にして」 ◎オーガスト・ダーレス「淋しい場所」 ◎W・デ・ラ・メア「なぞ」 ◎フィリップ・K・ディック「変種第二号」 ◎シャーリー・ジャクスン「くじ」 ◎ジョイス・キャロル・オーツ「パラダイス・モーテルにて」

 生き生きとして親しみやすい紹介文に導かれて舞台に登場する作品たちも、心なしか誇らしげで、「いっちょ、怖がらせてくれるどっ」と張り切っているようにも見えました(笑)
しじまの夜に浮かぶ月
しじまの夜に浮かぶ月
角川書店
price : ¥620
release : 2007/03

レビューを読んでから読み始めました。

この本を手に入れてから皆さんのレビューを読んで読み始めました。
ブルーサウンドシリーズ中かなり点数が辛そうだったのでちょっと引いてましたが、
私としては薙の性格は気になりませんでした。かなり後ろ向きでこんな子が同僚だったら
はっきり言ってやっかいだなと思うんですが、自分の中にもあったりするので同調してしまいました。
ブルーサウンドシリーズにこんな子いててもいいかな?って感じです。ハンサムな
外国人のケネスに関してはやっぱりちょっと現実感がなかったかな?もっと掘り下げると
面白い過去を持っていそうなんだけど、なんとなく消化不足です。シリーズの世界がもっと
広がることを期待しています。(でも、こんなにゲイカップル多いのかな?)
鉄道ひとつばなし
鉄道ひとつばなし
講談社
price : ¥777
release : 2003/09

鉄道から見る日本の近現代

著者は確実に鉄道好きではあるのだろうが、この本自体が目指しているのは著者が専門とする日本近代思想史からそれほど外れたものではない。「レールが築き上げた近代日本」という切り口は、これでしか見えてこないものを確かに有している。

学術的に意味を考察している(っぽい)くだりと、自らの来し方行く末を思って不安にさいなまれているくだりが混在しているのは、「不安定なステイタスのもとでのPR誌の連載」という、文章の来歴から滲み出すものであろう。それはそれで、著者の自分史として読めばいいことである(ここに書き付けられたことが身につまされる‘研究者の卵’は、それこそ星の数ほどいるはずだ)。

ともあれ、その記述の事実関係にカルトな間違いがあれば訂正すればいい。ただし、「にもかかわらずそこに残るもの」に目を向けられないようでは、この本の読み方として実につまらないし、生産的でもないだろう。
オロロ畑でつかまえて
オロロ畑でつかまえて
集英社
price : ¥480
release : 2001/10

軽快さが最高!

本を読む目的っていろいろあると思うけど、
私はこの本を「暇つぶし」のために読みました。
荻原節が、純粋に笑わせてくれて、読んで楽しい気分になれました。
そういう本って、貴重だと思います。

萩原ワールドにハマりそうな予感。
気になることが全部わかる!怖いくらい当たる「血液型」の本―あの人との相性、向いている仕事、人づきあいの方法まで!
気になることが全部わかる!怖いくらい当たる「血液型」の本―あの人との相性、向いている仕事、人づきあいの方法まで!
三笠書房
price : ¥530
release : 2005/08

侮れない部分はあるかな

血液型で人の性格が画一的に規定されるってわけじゃないけど
意外な共通点って結構あるなって感じました。

たとえば気になるあの人との相性とか・・・
たかが血液型されど血液型。
でも、侮れない部分はあるな?と思いました。

さくらの唄 (上)
さくらの唄 (上)
講談社
price : ¥683
release : 2001/04

名作!!!

「青春漫画」みたいな作品は数多くあれど、後半に進むにつれ、
描写の過激さ、暗さ、非現実さなどが災いし、埋もれてしまった名作です。
主人公はありがちな、思春期特有の悶々とした想いを持った男の子という設定ですが、
その台詞や場面のひとつひとつは、他の売れてる「青春漫画」とは一線を画するものがあります。
「青春」を題材にした作品が好きな方に、是非一度見てもらいたい作品です。
ただし、青春のさわやかさ、愛の素晴らしさ(笑)を見たいという方にはあまりおすすめできません。
人を選ぶ作品ではあると思いますが、私は文句無く☆5つです。
ビギナーズ・クラシックス 枕草子
ビギナーズ・クラシックス 枕草子
角川書店
price : ¥560
release : 2001/07

珠玉の随筆集

清少納言の生きた時代には、才気あふれる女性達が宮廷で活躍し、当時の様子を綴った日記や物語は現代まで伝えられていますが、私は「枕草子」の持つ明るい雰囲気がとても好きです。感じたことを感じたままに表現することは、実は難しいことだと思うのに、彼女はその鋭い感性で、普通なら見逃してしまうようなものまで、鮮やかに描いていて、読んでいると、その映像が浮かんでくるようです。古文の響きもとても美しいので、ぜひ原文を声に出して読んでほしいと思います。「香炉峰の雪」や「草の庵」のエピソードが、高い教養を備えた、かっこいい彼女らしさがよく出ていて私のお気に入りです。こんなにすごいのに、どうして当時の女性の名前(本名)はだれも知らないんだろうと、残念に思わずにはいられません。古典を読むなら、このビギナーズクラシックスのシリーズが読みやすさや解説の分かりやすさで一番だと思います。本書には、巻末に「枕草子の楽しみ方」や関連書の案内まで載っていますので、初めて読む人にとっても、気軽に入っていける感じでおすすめです。
五体不満足―完全版
五体不満足―完全版
講談社
price : ¥540
release : 2001/04

【商品詳細】

「満開の桜に、やわらかな陽射し。やさしい1日だった…」。先天性四肢切断という「超個性的な姿で誕生」した日を、著者はそんな言葉で描写している。そして「生まれてきただけでビックリされるなんて、桃太郎とボクくらいのものだろう」という感想を書きつけた後で、1ヵ月後に行われた母との対面の様子を紹介する。そのとき母は単純に「かわいい」と言ったのだと――。 一見客観的な文体でつづられたこの「まえがき」は、ある意味で「神話」である。生後1ヵ月の子に確実な記憶などあるはずはないし、周囲にも何らかの単純化の配慮があったことが、容易にわかるからだ。 しかし、周囲の事情は問題ではない。大事なのは、「神話」によって培われた著者の強い自己肯定感覚の力である。「靴の代わりに車椅子に乗る」と言い、障害を個性としてとらえてやまない著者の芯の強さは、この自己肯定感覚なしには考えられないからだ。 本書につづられた著者のアイデンティティー獲得を巡る格闘は、明るく感動的で説得力に満ちている。障害は個性だという主張にも、多くの読者に受け入れられる普遍性があると思う(若者は、誰でも障害者と自己認識しているという言い方だって可能なのだから)。 しかし、と考える。「かわいい」と言ってくれない両親がいなかったらどうなるのか。世の中には、むしろそんな人の方が多いのではないのかと。この問題の解決は、むろん著者の課題ではないにしても。(今野哲男)

恵みとは

五体不満足だからと言って必ずしも不幸だとは限らない。
そんなことを感じた。今まで障害者を見るときは知らず知らず哀れめの目で見ていた、多分それも差別なのかなと思った。
しかし乙武さんが家族に囲まれ日本という豊な国に生まれたのはとっても幸運なんだなと感じた。そんな考え方を与えてくれた作品です。
チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷
チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷
新潮社
price : ¥540
release : 1982/09

スイスの鳩時計とは正反対 ?

著者が文壇デビューしたのは本作か。少なくとも私は本書で著者を知った(この他には本は出ていなかったように思う)。ボルジアの名は映画「第三の男」中のO.ウェルズの次のセリフで有名である。「ボルジア家の圧政はルネサンスを産んだ。それに引き換え、スイスの500年間の平和は何を産んだ ? 鳩時計に過ぎん」。このセリフでボルジアってどういう男(家)なの、という興味を持って本書を手に取った。軽い気持ちである。本書の厚さで、ルネサンスや当時のフィレンツェの様子を詳しく知ろうとするのは無理であろう。触りが分かれば充分であり、本書は充分役割を果たしていると思う。

チェーザレ・ボルジアは兄妹近親相姦や毒殺魔として有名であるが、その辺はサラリと書いてある。むしろ、ボルジア家が代々支配者として君臨する姿を"好意的"に書いてあり、ここが作品に対する好悪を分けると思う。マキアヴェッリは君主論で次のように書いている。
「結果さえよければ、手段は常に正当化される」
私の見たところ、著者はローマ史上、カエサルとマキアヴェッリ(特にカエサル)に親近感を持っているようなので、上記のような見方をするのは、ある意味当然かもしれない。

ルネサンス時代のフィレンツェの盟主ボルジア家の当主の姿を垣間見せてくれる貴重な作品。
ワイルド・ソウル〈下〉
ワイルド・ソウル〈下〉
幻冬舎
price : ¥720
release : 2006/04

わいるど

たった今、読了した。面白かった。作者がブラジル移民政策に着眼した時点で半分は作品の成功が決まったのではないかな。もちろん作者の技量やセンスの力もある。ケイと云う主人公のオリジナリティ、緻密な取材に拠って生まれるリアリティ。FDの加速に伴って読者はラストまで突っ走る。ただ全面的には絶賛出来ない。はっきり言って文章あんまり巧くない。一部の移民達の辛酸もっと粘っこく描いて欲しかった。しかし日本人が忘れてはならない出来事をエンターテイメントにして幅広い世代に伝える事に成功している素晴らしい作品だと思う。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈上〉
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈上〉
角川書店
price : ¥580
release : 1989/02

今更だけど映像化したら、かなり面白くなるでしょ、コレは

この作品は戦争というか、あくまでテロなので、他の富野ガンダムとなんとなく空気観が違って感じます。もちろん常人には理解しがたい世界観は健在ですが。主人公のハサウェイは、ラスト以外はそんなに目立たず、むしろギギとケネスがこの物語を形成してるように思えました。搭乗機のクスイーは、正直初めは、これってガンダム?って感じだったけど、読み終わる頃には、なんか渋くて、カッコいい。ミノフスキークラフトを噴かす姿を是非動画で見てみたい。
半分の月がのぼる空〈7〉another side of the moon―first quarter
半分の月がのぼる空〈7〉another side of the moon―first quarter
メディアワークス
price : ¥536
release : 2006/06

サブキャラの見えなかった心理描写が心地いい

何気ない日常ショート集なのですが、6巻から見て未来の話と過去の話が混ざり合っていて、何となく得した気分に。
今までの隙間を埋めるように描かれる過去の短編は、本編では話の流れで見えなかったエピソードが面白いです。
書き下ろしの番外編は、進行形。こちらの感想は8まで読まないと。
生きがいのマネジメント―癒しあい、活かしあう生き方へ
生きがいのマネジメント―癒しあい、活かしあう生き方へ
PHP研究所
price : ¥580
release : 2000/08

現実主義の人向けの”生きがい論”ですね

私自身、唯物論、無神論、現実主義なので、飯田先生の『生きがい論』を最初読んだ時、強く励まされた反面、信じたいけれど半信半疑な気持ちがありました。以前、宗教会員に執拗に勧誘されうんざりしていたので、宗教的な表現に抵抗があったのです。
しかし飯田先生の”経営学者”(という、とても現実に即した学問のエキスパート)”大学助教授”という肩書きを見て、安心して信じることができるようになりました。
今回の著書はサラリーマン向けの良書だと思います。管理職についている父にも推薦しました。
薔薇のために (5)
薔薇のために (5)
小学館
price : ¥610
release : 2001/01

はじめてのラテン語
はじめてのラテン語
講談社
price : ¥987
release : 1997/04

学習のキッカケには充分

ラテン語を独学で勉強したくて昨年に購入しました。

ラテン語独自の、時制変化、格変化など的確にまとめられていたように思われます。
初めてラテン語を勉強したいと考えている方には、もってこいの一冊といえます。

同書の良い点
・ラテン語や歴史的なエピソードを踏まえて、何度読んでも飽きない。ヨーロッパの自動車会社の多くがラテン語に由来しているのは、かなり興味深かったです。
・初期投資が1000円ほどで済み、手軽に購入できる。ラテン語の文法書では、簡単に入手できる部類ではないでしょうか。
・発音から複文の作り方まで、丁寧に解説が加えられている。

同書の問題点および改善点
・作者の「語り」がやや冗長的で、癖がある。ゆえに、読者に好き嫌いが生じる。
・レイアウトが無視されている。語尾変化や時制の解説など、せっかく丁寧に解説されているのに、文字と変化の表が「詰め込まれている」印象を受ける。
・例文が若干少なめ。他の文法書に比べれば、例文が少ない。例文はもっと豊富に掲載して欲しかった。
自立日記
自立日記
文藝春秋
price : ¥550
release : 2007/05

薔薇のために (3)
薔薇のために (3)
小学館
price : ¥610
release : 2000/11

診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち
診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち
早川書房
price : ¥735
release : 2000/08

身近にいる良心のない人への対処法がわかる本

 サイコパスは一般人に想像も付かない精神構造をしていて悩みの種となるが、相手がわかればおのずと対策も生まれるというもの。「この人に良心を期待しても無駄」とわかるし、詐欺を見抜ける確率が高くなる。
 「会社の同僚や自宅近所におかしな人がいて、どう対処してよいかわからない」という相談を受け、事情を聴いてサイコパスと思われる場合は、本書を貸すことにしている。本書は、犯罪者にならないサイコパスについての解説はないが、「よくわかった」との感想をもらうことが多いから、理解に役立っているのだろう。

 以下、私見。
 西洋にも東洋にも、人々が人間の姿をした魔物の餌食になり、魔物は最後に正体を現し武人に退治される、という物語が多い。人間の姿をしているから被害が多くなるのであり、正体がわかってしまえばさほど恐れるものではない、ということだ。「人間の姿をした魔物」とは、まさしくサイコパスを暗示しているのではないかと思う。
文章読本
文章読本
中央公論社
price : ¥800
release : 1995/11

これを書けば一人前の文豪?

谷崎潤一郎は稀代の名文家だと思います。題材の日本人離れしたユニークさ、言葉の使い、これは才能だと納得します。丸谷才一氏もこの文章読本では良いこと言っておられる、が少し承服しかねる箇所があります。ただ、文章の読み方については丸谷氏、才能があるなと納得せざるを得ないですね。この両者の是非を論ずれば二人のスタンスの違いに起因しているとしか思えません。文章は、血の滲むような努力と言うよりも持って生まれた美学、音に対する才能に似たものがあるのではないでしょうか?どのような読者に対するメッセージか、と考えさせられました。良い文章を出来るだけ沢山読めば、必ずしも名文は書けませんが、文章は解って来ます。自分が書いた文書を上司が赤ペンで筆を入れる時、この人達に読んで欲しいと何度思った事でしょうか。
高慢と偏見〈上〉
高慢と偏見〈上〉
筑摩書房
price : ¥998
release : 2003/08

誰のために書くか?

私も下のレビュアーの方々と同じ感想をもちました。実に英語が素晴らしい!そしてその翻訳も難しい。最近のアメリカ映画になったものも見ました。そして、やはりブンガク作品とは詰まる所、文章を読むものなのであるという感慨に浸りました。イギリス版清少納言のようなキレの良さ。ユーモアのセンス。社会に対する鋭い洞察。そして女として生まれた運命。全てが無駄なくそして余裕を持って描かれています。

オーステインは「家族を楽しませようと思って書いた」という名言を残しています。だからこそ語り口が親しい。そして思いやりがある。気取らない。読者も彼女の家族になったような気がする。いろいろな結婚にまつわる世の中の矛盾、女性蔑視、階級、そして財産。そういった話題について頭のイイお姉さんからイギリス流を伝授されている気分になる。そしてここに登場する男達のユーモアのセンスが最高!お父さんやミスター・ダービーみんな面白くて大好きです。結婚するならイギリス人?もう日本人と結婚しちゃったなあ?・・トホホ。
美の構成学―バウハウスからフラクタルまで
美の構成学―バウハウスからフラクタルまで
中央公論社
price : ¥777
release : 1996/04

美を構成する要素とは?

近代から現代へ、モダニズムの先駆的活動をしてきたバウハウス。
ニュアンスとしてインテリチックなアーキテクチャー(建築)という言葉
ではなくバウ(建築)という庶民的な言葉をあえて使っているところに、
芸術は特権的階級に対してではなく、全ての人に感じてもらうものという
強い意志を感じずにはいられない。
プリミティブな感性を追求し、芸術を自由に解き放つところから発足。
余計な装飾を削り、機能美、構成美、に今後の芸術のあり方を見出し、
新しい芸術を生み出すことに成功したバウハウスの功績は大きい。
今となってはモダニズムは過去のものとなってしまったが、
当時の前衛的な思想は今でも受けつがなければならないと思う。
新しい芸術とは歴史の中から発見し、その思想を現代に受け継ぎ、
新しい解釈として提示するものであると思うからだ。

バウハウスを知らない人への補足を少ししてみました。
ちょっと熱くなってしまいましたが・・・。
この本には、美しさとは一体なんなのか?言葉では表現しづらい面を
きちんと説明されています。
今後、芸術活動をする人にとっては買って損はないと思います。

稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか
稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか
PHP研究所
price : ¥500
release : 2003/07

【商品詳細】

「人間は何のために生きるのか」。カリスマ的な経営者として知られる稲盛和夫は問いかける。「人間性を磨き、素晴らしい人格を身につけることこそが、人生の本当の目的なのです」。稲盛は、さまざまな試練や苦難、困難なども自分の向上心を試そうとする試練なのだと受け取り、感謝しつつ、人間性を高めていくことが大事なのだと説く。「幸運とか成功に恵まれたときに、どのような心構えで対処するかによって、その後の人生が天国にも地獄にもなるのです。成功して有頂天になり、鼻持ちならない人間に堕している一方、成功が自分だけの力でなしえたことではないことを悟って、さらに努力を重ね、自らの人間性を高めていく人もいる」という言葉には、ハッとするものがある。 稲盛は「そうしたことは、人生に対して志を立てる十二、十三歳ごろに教えるべきだが、現実の教育の現場では誰もそのようなことを教えていない」と警鐘を鳴らす。また、死後、「現世で何をしましたか?」と尋ねられたとして、「『京セラをつくって、おおきな会社にした』といってみたところで、意識体にとっては肉体も何もないので、何の価値もない」という言葉には、京セラの創業者である稲盛だからこその説得力がある。 本書は、混迷する現代にあって正しい生き方を懸命に模索する人たちに向けた本だ。一代にして京セラを大企業にまで急成長させてきた稲盛の哲学からは、生きていくうえで、学ぶべきことが多い。(玉木 剛)

サブタイトルに気をつけよう!

私にとっては稲盛和夫は好きな経営者ですが、この本は「経営哲学」のことではなく、稲盛和夫自身の「哲学」についてです。その意味で、読む前の期待感は拍子抜けをしたというのが正直な感想です。

ですが、世界や人生、人間の生きる意味などを一つの筋の通った考えで組み立てる「哲学」には、親近感を覚えます。

稲盛流経営を知りたいという人よりも、突出した経済人の人生観、哲学、世界観を知りたいと思う人にうってつけの本だと思います。

天帝妖狐
天帝妖狐
集英社
price : ¥460
release : 2001/07

短編と思わせない魅力

乙一の魅力は、個人的には短編を短編と思わせないほどの、濃縮感だと思う。
【A MASKED BALL】
着目点がまず面白いと思った。読んでいて、引き込まれるのはいつものことだが、
軽い気持ちで読める。
【天帝妖孤】
学生時代には、誰もが聞いたことがあるだろう「こっくりさん」をテーマにした
作品。読んでいくうちに、悲しみが溢れてくる。気づけば泣いてました。
悲しいけど、だけど、少し胸にじんわりと暖かいものが残る。
個人的には、天帝妖孤は是非、読んで欲しいです。
蒼穹のファフナー
蒼穹のファフナー
メディアワークス
price : ¥578
release : 2005/01

読みやすかったです

2007年5月現在GYAO無料アニメでファフナーを見始めて、それでファンになりました。そこでこの本も購入させていただいたのでしたが・・・とても個人的意見になるかもしれないのですが、翔子ちゃんが沢山出てきて素直に嬉しかったです。アニメの方ではやっと活躍!の初陣で亡くなってしまったので・・・しかも亡くなった後にも悲しいことがあったりして・・・もんもんとしていたので「幸せいっぱい恥らう翔子ちゃん!」のシーンがあるだけでもう。星5です!{すみません私は女なのですが翔子ちゃんファンなんです2番目に好きなのも女の子で真矢!}でもですね、文章も読みやすくアニメとの矛盾もなく{私にはほとんど無いように思えました}感情移入しやすく楽しく、でもシリアスもあって。お徳!って感じでしたよ。同化現象の体感の表現は圧巻!です。うわーそんな感覚だったんだー・・・と、思わず腕とかなでてみちゃいました。どうです?怖い!けど読みたい!って気分になったかな?!お勧めですよ!{でもファフナー知らない人はこの本だけ買っても楽しめません。ご注意を!}
ファウスト〈第二部〉
ファウスト〈第二部〉
岩波書店
price : ¥798
release : 1958/01

ザビビのファウストへ・・・・(;'Д`)ハァハァ

(;'Д`)ハァハァ さあてファウスト第2部だが・・・ファウストに言いたいことがある・・・。週刊少年漫画板でも聞いたが・・・
おまいの漫画は・・・漫画としての文法が成り立っていないそうだ。
本当にそうなのか・・・
おまいの漫画を一度 読んでみたいと思った。
話はそれだけだ。
間取りの手帖remix
間取りの手帖remix
筑摩書房
price : ¥525
release : 2007/03

見せ方ってことでは単行本のリトルモア版を強く推す

 単行本の99の間取りに、文庫本として9つを加え、シャッフルしたremix版。01?108のシリアルナンバーが振られた“なんとも頭を抱えてしまう”間取りが淡々と並べられている、その基本構成は変わっていないが、著者あとがき、南伸坊による解説が加わったことで、本来あった現代美術っぽさは多少失われてしまった。奇抜な間取りを単に陳列するって部分が新しかった気がしたんだけどね。
 既成概念で注目されないものにこだわるという点でこれはサブカルチャーなんだけど、その昔、路上観察学会が収集物にある種の意味を付与したり、おたくが収集物の分類、分析に精を出すのとは明らかにアプローチが異なっている。解説とか分類とか順位付け、つまり、作者の意見、主張を直接表出させないっていう。「これ面白いんじゃ?」っていう“思い”は伝えたいけど、“思い入れ”を表出させるのはかっこ悪い、クールじゃないっていう。ほら、同じサブカル扱っても、その昔の「POPEYE」と「relax」のスタイルの違いっていうか(その「relax」も休刊したんで、このクールなアプローチってのも、すでに「90年代」だったのかも)。←なんか時制の変な文章だけど、その事象が80年代的だった、90年代風だった、なんてみんな後付けだからね。そういう分析とっぱずして、この「間取りの手帖」は面白いよ、しみじみと。「ありえねぇ!」「よくこんなの探すよ!」ってことで。見せ方ってことでは単行本のリトルモア版を強く推すけどね。
火の鳥 (4)
火の鳥 (4)
角川書店
price : ¥620
release : 1992/12

すべての表現者に読んでもらいたい一冊

特に、もの作りに関わる人々に読んでもらいたい、又は思い出してもらいたい。作品に己を込める、ということ、そうして出来たものは、少なからず誰かの目に留まり、見たものの心を動かすということ。我王が痛みを被れば被るほど、彼の魂の宿った作品は、一層輝きを増し、一層多くの人々をひきつける――底知れぬ悲しみからも、人は這い上がり、生きる意味を見出してゆく。どこまでもポジティブな、希望に満ちたメッセージ、ありがとう――。
夏期限定トロピカルパフェ事件
夏期限定トロピカルパフェ事件
東京創元社
price : ¥600
release : 2006/04/11

仕組まれた苦さ

『春』に続くシリーズの2作目.

序盤こそ『春』と同じような『日常の謎』系のほのほのさですが,
中盤以降では,それをちょっと離れた大きな事件へと話は進みます.

この事件の中で,少女はまた陰湿ない一面を見せるのですが,
ちょっと今回のものは後味が悪いというか,いい気分にはなれません.
それでも悪びれる様子もなく淡々と語る姿にまた辟易….
ほかにも彼女のイヤなところが目立ち,少年の揺れが痛々しく思えます.

が,イヤな気分といっても心底そういう気分なのではなく,
創作の世界とわかっていても,うまく乗せられているといいますか.
おかしな表現ですがよい意味で苦みを味あわされるのですね.
そのぶん,その理由が,続きがとても気になります.

が,それについては最後に少しだけにおわせて,続きは次作となる『秋』へ.
どう転ぶかはわかりませんが,すっきりとさせてくれることを期待します.
いちばん大事なこと―養老教授の環境論
いちばん大事なこと―養老教授の環境論
集英社
price : ¥693
release : 2003/11

システムとしての自然

 虫好きで鳴らす養老孟司教授による環境論、というか、自然に対する教授の考え方を縦横に述べたおした本です。
 教授によれば、人体であれ生態系であれ、およそ自然というものは膨大な変数の集積たる複雑なシステムである。「ああすれば、こうなる」とばかり何れかの変数をいじれば、他の変数にも必ず何らかの影響が及ぶので、システム全体としては予想もしなかったような反応が生じることになる。したがって、最初に予期したとおりの効果を得ることは極めて難しい、ということです。
 うーん、そうだったのか。文科系ドロドロ人間の小生、現代科学の水準をもってすれば自然界の森羅万象全てが計算可能であり、動植物のことであれ生態系のことであれ、何でも分かった上で病気の治療なり治水・治山なりの取り組みがなされているものと思っていました。そうでないとすると、人間が自然に対して一方的かつ大規模に手を入れるなんてことは、文字通り「神をも恐れぬ仕業」、かなりヤバイのではないかという気がしてきました。人間たるもの、やはり神と自然の前では謙虚でなければならないということでしょうか。
 そんなこんなで、とても興味深く読めた一冊ですが、最後の、今後のあるべき自然との付き合い方の部分については、現実味という観点からちょっと如何かなと思いました。
 いずれにせよ、自然と人間との関係という問題は、古くて新しく、しかもとても大切な問題です。環境問題や自然の大切さに問題意識を持たれる向きであれば、一読しても損はなかろうかなと思います。
龍時02‐03
龍時02‐03
文藝春秋
price : ¥620
release : 2005/05

シリーズ第二作

シリーズ第2作

主人公は、前作のラストに衝撃のリーガデビューを果たし、本作では、スペイン2期目にして、リーガ上位を狙うチームへレンタル移籍。当然対戦相手は1作目のユースチームではなく、バリバリのリーガ一部の選手。試合場面の描写の迫力や臨場感は1巻を凌ぎます。
レアル戦のロベカルとのマッチアップなど、サッカー場面の読みどころ満載です。

サッカーに関してはこんなに順調でいいの?という感じです。少し成長の過程を省略しても、早くキャリアをステップアップさせることを著者は選択したのでしょうか。スペインでの新しい恋愛も始まりますが、相手は一筋縄ではいかない背景を抱えた女性。この著者による、サッカー以外の要素はどうしても複雑になりがちですね。ただ、登場人物の設定そのものをドラマチックにすることで、サッカー場面以外の書き込みの薄さを補ってバランスが良くなっていると思います。
教養小説的側面よりはサッカー小説の側面がより強くなった二作目でした。
ハンディーカーネギー・ベスト (〔1〕)
ハンディーカーネギー・ベスト (〔1〕)
創元社
price : ¥2,310
release : 1986/11

この大きさが素晴らしい。

オーディオCD版が販売されている「道は開ける」「人を動かす」の両方が入っているので、購入しました。
スーツのポケットに入るので、通勤電車の中で、CDを聞きながら、読んでいます。
私のギリシャ神話
私のギリシャ神話
集英社
price : ¥900
release : 2002/12

「ギリシャ神話」ツアー・コンダクター、阿刀田氏が選んだ十八の神々の物語の中へ・・・

 ギリシャ神話のどの部分に著者が面白味を感じているのかということと、著者がギリシャ神話をとても愛しているんだなということが伝わってきた一冊。「ギリシャ神話って面白いなあ、ちっとも古くさくないやんか」と、現代に通じる知恵のようなものを感じて、それがとても新鮮でしたね。
 また、絵画や彫刻のカラー図版が多数、掲載されています。なかなかゴージャスな雰囲気がありましたし、その華やかさはいい意味での変化になっていたように思います。
 「こうだったらもっとよかったのに」と注文をつけたくなったのは、次の二点。
 まず、10?11頁にかけて掲載されたギリシャ地図の、頁の見開き部分が見づらかったこと。地図を左側にずらすなどして、見やすい配慮をしていただきたかった。
 もう一点は、第二章「ゼウス」の中に掲載された「オリンポス十二神」の表と、巻末の「ギリシャ神話関連略系図」のふたつを、前述したギリシャ地図の頁近くにまとめて掲載して欲しかったなと。本文を読んでいて何度も眺めたのがその三つの図表だったので、最初のほうにまとめて掲載されていると有難かったです。
 本書でピックアップされたギリシャ神話の神々(もしくは、人間)は、次のとおり。
 「プロメテウス」「ゼウス」「アルクメネ」「ヘラクレス」「アプロディテ」「ヘレネ」「ハデス」「アポロン」「ペルセウス」「アリアドネ」「メディア」「イピゲネイア」「シシュポス」「ミダス」「ピュグマリオン」「ナルキッソス」「オリオン」
ウィトゲンシュタイン入門
ウィトゲンシュタイン入門
筑摩書房
price : ¥735
release : 1995/01

断念して品位を保つ

本書はウィトゲンシュタインの初期、中期、後期へと時代を追って、問いと考えの変遷を追う。哲学は答えではなく、新たな問いを投げる。著者は、この本を哲学の本であって、人物紹介でもなければ、解説書でもないと述べる。
言語ゲームに至るまでのウィトゲンシュタインの語りの過程が、その後の確実性の問題まで、新鮮で興味深かった。限界を突き詰めていくような考えの過程。問いの答えがないと覚るしかない限界。そうとしか言いようがない事態、あるがままに受け容れるしかない与件、そして語りえないとすら語りえないもの。

私とあなたは、どうしてこれほどわかりえないのか。
私はあなたがわからない。語りえぬものを語ろうとして私は失敗した。私の背後にありもしないものを読み取られて幻滅した。
私はあなたの注意を私に向けたい。それ以上のなんの意味があっただろうか。あなたは私をわからない。
私の興味のあるところでは、他者理解や私的言語について、もうしばらく反芻して吟味し、咀嚼していきたい。読者が「私の問い」を問うたら、おそらく本書の目標達成に一助をなすのではなかろうか。
プラハの春〈上〉
プラハの春〈上〉
集英社
price : ¥720
release : 2000/03

政治、社会、そして人々の生活と、平和、幸せを考えさえる良書

最高の書です!
もう先が読みたくて仕方がなく、本を持っていないとそわそわしてしまうぐらい、実にすばらしい作品。
文句なしの最高偏差値75の評価です。
物語のおもしろさあり、歴史としてのおもしろさあり、
そして今後のさまざまな政治、社会を考えさせられる書としてもおもしろく、
ぜひみなさんに「すぐ」読んでほしい本です。

ちなみに上巻のはじめのプロローグはたった12ページといえどつまらないので、
ここでくれぐれも短気をおこして挫折しないように。

1968年、チェコスロバキアで起きた自由を求める民衆運動「プラハの春」が、
ソ連軍を中心とした共産主義国家に押しつぶされるまでの状況を、
日本大使館勤務だった外交官の著者の体験をもとに書いた作品。
非常に政治的な話だが、そこにうまいこと恋愛を織り込むことにより、
実に奥が深く、そして読みやすく、劇的な政治&恋愛ドラマとなっている。

本を読んで驚いたのは、旧共産主義諸国の政治のひどさ。
ここまでひどいとは思わなかった。
権力の集中による権力者のどうしようもない腐敗と、民衆の自由を制限する圧政。
権力内部にあっても密告や監視を恐れて誰も信用できない社会。
まるでナチスの生まれ変わりであるかのような、ファシズムの双生児といっていいコミュニズム。
その実態が赤裸々に書かれて、ここまで「東」側の国がひどかったことにショックを受けた。

120%人に好かれる!ハッピー・ルール―即効!1分間で自分を磨く本
120%人に好かれる!ハッピー・ルール―即効!1分間で自分を磨く本
三笠書房
price : ¥560
release : 2007/03

野火
野火
新潮社
price : ¥340
release : 1954/04

食べる=生きる=犠牲にする

「戦争」という私たち戦後の世代には未知の世界を実体験した筆者だからこそ書けた作品。

私はこの作品を読んで、戦争という限界状態に於ける「食」の重要さというものをひしひしと感じ、そして、人間が人間で無くなってしまうような戦時下に於いて、かろうじで人間としての倫理観を保つことが出来る術は、やはり宗教に対する信仰心でしかないのだと思いました。例えそれが幻想でしかなくとも、限界状態に於いて自分の人間としての尊厳を保持する為には、やはり見えざる絶対者を信仰する事で、少なくとも罪悪感の補償をするより他はありません。それにしても自分が実際にこの様な状況下に置かれたら、信仰が在ろうが在るまいが、もしかしたら人肉を食べて生き延びる方を選んでしまうような気がして、恐ろしくなりました。

そして終盤に、「戦争を知らない人間は、半分は子供である。」という何とも深い一文がありますが、戦争体験者の方からすれば、体験でなく理屈でしか「戦争」という魔の世界を認識できない私たち戦後生まれ戦後育ちの人間など、幾ら頑張っても、幾つになっても子供にしか見えないのが事実なのでしょう。しかし、折角「理性」を備えた「人間」という生き物を、それ以前の最も野蛮な一個の「動物」としての姿に引き戻してしまうこの様な悲惨な「戦争」は、二度と繰り返されるべきではないと思います。そう思わせてくれるほど、リアルな読み物でした。

トランシルヴァニア・アップル
トランシルヴァニア・アップル
白泉社
price : ¥590
release : 2007/03

原稿用紙10枚を書く力
原稿用紙10枚を書く力
大和書房
price : ¥580
release : 2007/02/09

要は数をこなせと言うこと

原稿用紙10枚は約4000文字。
自分のBlogでカウントしてたところ、長いもので3000文字弱。確かに4000文字書こうとすると、もう一ひねり、というか、一つの話題を持ってこないと埋まらないのは実感だった。

この本では、書く力を鍛えることで、考える力や構築力をを鍛えられるが、そのためには4000文字程度の文章を書かなければならないという。
自分の経験でいうと、Blogの例からして一つのテーマをその場の思いつきで書く限界は3000文字程度になるかもしれない。1000文字というのは、別の話題を持ってこないとなかなか埋まらない。しかも推敲して内容の密度を上げようとすれば、勢いで3000文字で書いた文章なんてあっというまに半分くらいになると思う。
本書では、書こうと思うテーマに関連する3つのポイントについて書き、まとめることで4000文字位になるという。
感覚的にはポイント一つごとにざくっと2000文字ずつ位で書いて、そのまとめにまた2000文字位のペースだと思う。これを最後に推敲して半分になっても4000文字になるので妥当なところか。
そういう意味で、著者の主張と自分の感覚にあまり違いは無い。要は慣れの問題。ある程度の文章を一回書いてしまえば次に同じ量を書くのにそれほどストレスが掛からないというのも実感としてある。
後半部分は、いざ書こうとしたときのヒントになることが書かれている。書きながら悩んだら参考にしなさいってことなんだろう。

人に理解してもらおうという文章を書く過程では、自分がぱっと思いついたことに理由付けをしていくと、意識していなかった所に関連する理由があったり、類似の事象を見つけたりすることがある。
書いていくことで自分の考えの根幹に気付いたり、新たな考えが芽生えることもある。これも著者の考えに同意する部分である。

物書きになりたいとか、長い文章を書けるようになりたいという人だけでなく、悩んだときの解決法としても「書く」という行為は有効なのかなと思う。
そんな人は読んでいて損は無いと思う。
あっという間に読める本です。
ドラグネット・ミラージュ
ドラグネット・ミラージュ
竹書房
price : ¥600
release : 2006/01/20

新しい『古き良き時代の刑事ドラマ』

7ー80年代に好んで見ていた刑事ドラマを彷彿とさせるベッタベタなストーリー。渋い!この雰囲気にファンタジィを大胆に融合させておりますが、これがまた違和感無くはまっているのは、構成力とストーリーテリングの巧みさ故。お見事です。…まあ外国なんて私に取っちゃあ元々ファンタジィの世界みたいなもんなんですけどね(笑)
萌えを期待する方はつまんないかも知れませんが、昔の米国ドラマ好きなら楽しく読めそうです。今後がますます楽しみ。
わがままにしか愛せない
わがままにしか愛せない
白泉社
price : ¥610
release : 2007/04

聡史の執着ぶりにあっぱれ

一組のカップルを高校生?社会人まで、数年に渡って描いた珍しい作品です。
特筆すべきは、とにかく聡史(攻)の瑛(受)への執着っぷり。
もう犯罪といっていい位です。ふつうは若さに任せて若ければ若いほど独占欲は
暴走しそうなものですが、聡史の場合大人になればなるほど酷くなります(笑)
瑛のプライバシーは一体どこに…!?
結果相思相愛なら、そ、それでいいのかも…。
とにかく独占欲の強い攻が見たい!それに翻弄される可愛い受が見たい!という方は、ぜひ。
火の鳥 (2)
火の鳥 (2)
角川書店
price : ¥580
release : 1992/12

高校生の時初めて読んだ哲学書

 手塚は、自分のことを「荒唐無稽の漫画家」と言った。哲学・宗教的なテーマが多いからだろうか。未来編では永遠の命を手に入れてしまった、凡庸な主人公がライバルを蹴散らして地球の生命が発生するまで、待とうとする。文明の英知によって滅ぼしてしまった人類の愚かさ。試験管で生み出す生命が、神(永遠)からの裏切りによって死滅していく。
 主人公を始め、「ムーピーゲーム」という昨今で言うテレビゲームに興じていく。空想は人間の与えられた力だ。これによって、文明を手に入れることができた。動物よりも余計に考える力があるためだ。
 だが、空想だけでは幸せを手に入れることができない。現実を変えてしまわない限り、人類は居ても立っても進歩しないのだ。結局は甘えなのだ。
 そのムーピーによって堕落した主人公は、仮にも教条主義ではなく人間の心を手に入れることができた。うまくつかえば可能なのだ。テレビや新聞がそう言える。しかし、問題は、彼女にしてしまったのだ。
 楽園から追放されるように、人類の発生を待った主人公は、ナメクジが人類になってしまった「間違い?」にめげても、なお自分が納得する人類になるまで待った。生まれて初めて現実を自分の力で変えようとしたが、主人公には重荷だった。孤独、幸福、絶望、奇跡。その交錯が至る所に示された名著である。
探偵ガリレオ
探偵ガリレオ
文藝春秋
price : ¥540
release : 2002/02