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 | 『絵合せ』 講談社 price : ¥1,155 release : 1989/06

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楽しく切ない思い
外国の昔話の引用があって構成が素晴らしいなと思いつつ、いつも著者の御本には癒しを求めているのでぼんやりとうっとりと読みました。 まだ幼い息子さんたちから話しをきく優しげなお父様、長女と出掛ける次男、受験生なのに愉快な長男。ねずみ対お父様のやりとりも含まれ、最後の『絵合せ』で切なくしんみりさせてくれる。 子供との接し方がわからないという現代の父親に読んでもらいたい書です。 愛情をどう注げば、他人の気持ちを思いやれる人間になるかわかる御本です。 それにしても、お子様達のユーモアセンスは多分庄野さん譲り!!
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ドストエフスキー入門
入門書としては最適。「善と悪の両面を同じ人間が持っている」というドストエフスキーの持論を研究するにはもってこい。多くの小説家が真似ようと読めば読むほど味がある小説を書こうとしたが、彼のような人物描写中心のミステリーを書く作家は居なかったという。日本では強いて言えばやはり、宮部みゆきだろう。文庫本であるし、手頃な値段である。
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 | 『狼の領分』 新潮社 price : ¥580 release : 2006/01

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楽しんだ!!
前作、「なで肩の狐」以来ずっと「狼の領分」を書店で探していた。
・・・・・ない。
で、ふと気がついた。 アマゾンさんで頼めばいいじゃん。 早速、頼んだ。
期待していた以上の痛快さ。 蒼ちゃん、良い味出してるな。 頭を空っぽにしたい時にはおすすめの一冊。
お世辞じゃないが、アマゾンさんは便利である。 支払いが妻に見つかるまでは・・・・・。
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 | 『舞姫タイス』 白水社 price : ¥998 release : 2003/07

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 | 『すべて辛抱〈下〉』 集英社 price : ¥660 release : 2003/08

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知的好奇心を刺激するエンタテインメント
ファンにはおなじみ、フリーの広告PRマン・岡坂神策が主人公の短編集。 表題作は、殺人容疑で逮捕された日本人の大学教授が、自分はかつてのロシアのスパイ・クリヴィツキー将軍の生まれ変わりであると不可解な供述をする。精神鑑定を助けるため、歴史通の岡坂に声がかかったという話。
どれもスペイン史を中心とした歴史の謎に迫るレベルの高い知的エンタテインメントに仕上がってます。
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![忍びの旗]() | 『忍びの旗』 新潮社 price : ¥780 release : 1983/01

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![怖い食卓]() | 『怖い食卓』 北宋社 price : ¥1,470 release : 1990/07

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時代小説、短編の傑作
白石一郎さんは海狼伝、海王伝の海洋小説で知られる時代小説の名手ですがこの十時半睡シリーズは短編の傑作集です。私が初めて手にした白石作品でもありますが、文章のうまさは抜群、情景描写、心理描写も秀逸です。十時半睡の捌きも思わず読者をうならせるものですが、温かみを感じさせてくれます。現在のサラリーマンの哀歓を黒田藩に置き換えて巧みに表現しています。表題の犬を飼う武士も優しい心を持った若い侍と犬との交流を暖かく描いています。白石一郎さんは既に亡くなられ、新しいシリーズに読むことが出来ないのは本当に残念です。
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 | 『ベター・ハーフ』 集英社 price : ¥1,785 release : 2000/01

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う〜ん
結婚のあり方いろいろあるけれど、あまり心に残らない小説だった。
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 | 『孤独で優しい夜』 集英社 price : ¥1,250 release : 1993/06

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いつもの展開・・・な気も。
自分が好きだった人と親友が結婚した。 その現実を受け入れようと、主人公の粧子は何事もなかったように振る舞うよう頑張りますが、ひょんなことから彼も自分が好きだったことが発覚。 そこから押さえていた感情が走り始め、その親友にも嫉妬が膨らみ…。と、ゴタゴタしている割には、最後はさっぱりとした感じで終わっています。ただ、ハッキリしない男性に恋をしてそれで焦れて、そこで自分を好きな男性から優しくされて(守られて)という点では「彼の隣の席」「恋人はいつも不在」「彼方への日々」と同じような流れだなぁと感じてしまいました。 もちろん、人によって見方は違うでしょうが…。ワンパターンかなぁと思ってしまいます。 唯川さんの作品は、「めまい」「刹那に似てせつなく」「病む月」あたりでガラリと変わった、今の作風の方が好きですね。
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視点を変えて戦国時代を楽しむ
永井路子さんの書くものは、 常識をひっくり返そうという意志がかなり強烈で 好き嫌いが分かれると思うのだが、 これもかなり視点が偏っているというか、 思い込みが激しいストーリーである。しかし、戦国時代の女性は決して人身御供ではないのだという主張は 読んでいてなかなか爽快な気分になる。 姉の犬姫、義姉の濃姫、姪の徳姫など、 一種の外交官でもある女性達の様々な生き方が描き出されて興味深かった。 お市から見た場合の柴田勝家の描写が、容赦が無くて笑うしかない。 武将としての高い能力とは別に、 「自分が満足なら相手も満足だろう」という鈍さを持つ男を 嫌悪しながらも、利用する信長とお市。そのあたりの描写がうまい。 お市の視点から描くことをテーマとしているため、 最後の最後にならないと秀吉が登場しない。 お市にとってはホントに秀吉なんか目に入ってなかったんだろうなぁ、 と思わせてくれる。
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別の視点から戦国時代を読みたい人のために
永井路子さんの書くものは、 常識をひっくり返そうという意志がかなり強烈で 好き嫌いが分かれると思うのだが、 これもかなり視点が偏っているというか、 思い込みが激しいストーリーである。しかし、戦国時代の女性は決して人身御供ではないのだという主張は 読んでいてなかなか爽快な気分になる。 姉の犬姫、義姉の濃姫、姪の徳姫など、 一種の外交官でもある女性達の様々な生き方が描き出されて興味深かった。 お市から見た場合の柴田勝家の描写が、容赦が無くて笑うしかない。 武将としての高い能力とは別に、 「自分が満足なら相手も満足だろう」という鈍さを持つ男を 嫌悪しながらも、利用する信長とお市。 そのあたりの描写がうまい。 結果としての信長は歴史に燦然と輝く巨星だが、 お市たち内側の人間から見れば 薄氷の上を歩む人生だったのではないかという構想も面白い。
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一気に読めるノベル
この文庫はイーサン・ホーク&ジュリー・デルピーの映画『恋人までの距離』のノベライズ。 映画をうつしたというよりも、作者唯川氏が書き起こしたものといったほうがいいのかもしれない。 映画を観ていないので正確には判断できないが。ヨーロッパの列車でふと出会ったアメリカ人記者ジェシーと、フランスの大学生セリーヌ。 車内で意気投合し、ジェシーが誘って二人はウィーンで下車。 翌朝ジェシーがアメリカに戻る飛行機に乗るまでの14時間を、共に過ごすことに。 恋愛から、家族の問題、社会について、などさまざまなことを語り合う二人の会話が物語の中心となる。 本当にいろんなネタで会話をしながら、互いに理解し、惹かれあってゆく様子が描かれる。 私は、この物語の9年後を描いた『ビフォア・サンセット』を先に読んだのだが、 9年前からふたりは当意即妙のやり取りを交わしていたんだなあと思った。 多少文体に特徴があるけれど、字も大きめで、厚さもそんなにないので一回で読める文庫。
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 | 『天命』 東京書籍 price : ¥1,365 release : 2005/08

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生きていく力をもらいました
家族の突然の自死により、非常に辛く混乱した毎日を送っていました。そんな時、書店で平積みされたこの本の帯が目に飛び込んできました。 世の中の理不尽さに絶望し、悲しみ、怒りでもがいていた私に、この本は優しく教えてくれました。 「生きていれば自分ではどうにもできないこともある。それに気づいて認めた時、少しは生き易くなるかもしれない」と。あらゆる人に読んで欲しい本です。
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恋は甘いものではない。人生も!
ショートストーリーということもあって、無駄なディテールや回り道はなく、スパッ、と始まりスパッと終わるために、若い読者には「きついなぁ」と思うのかもしれません。でも、ここにあるさまざまな試練や不幸は、決して架空のものではなく、現実に起こっていることばかりのような気がします。「恋」に夢ばかりを追い求めるのは所詮無理な話。若い女性が「本当の女の幸せとは?」を考えるには格好の書といえましょう。 中年以降の「恋」から離れそうな女性には、よい刺激となるでしょう。
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 | 『二十歳のあとさき』 講談社 price : ¥620 release : 2005/01

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ハマります
戦国自衛隊、戦国自衛隊1549と読んできてこの「続」シリーズを読むともう完全にハマります。米軍まで出てきちゃうあたりが最初は「そんなのアリ?」と思いましたが、読んでいくうちに「それもアリだろう」と思わせる妙な説得力のある語り口です。登場人物ひとりひとりの性格や葛藤が丁寧に書かれているのも魅力です。自分の生活している現実世界の小さな悩みなどは小さい小さい、と感じちゃうダイナミックな展開にもう目が話せません。早く続きを出して?!!
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 | 『マンボウ遺言状』 新潮社 price : ¥420 release : 2004/03

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正直言って読まなければ良かった。
北杜夫さん。ドクトルマンボウ。 私の人生において、この人くらい心の安らぎを与えてくれた作家はいなかったかもしれない。 「木霊」「幽霊」などのとても論評するのははばかられるような、彼の尊敬する「トーマス=マン」の作品に匹敵する作品、「航海記」に始まるマンボウ物。「怪盗ジバゴ」の破天荒な面白さ。 そして息抜きのように書かれた「マブゼ」物。 私は、彼の作品を愛読したし、彼の「率直な」姿勢を示すエッセイを好んだ。 で、77歳にして、お書きになったこの作品は、純文学作家としても、名エッセイストとしても、ユーモア作家としても、残念ながら、まとまりのないものであった。 2006年5月、北杜夫さんの心身の状況は分からないが、もし、まだお元気であるならば、このような題名の本を出版した出版社の責任を問いたいと思う。 非常に残念である。
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 | 『白鳥』 幻冬舎 price : ¥520 release : 2000/04

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独特の世界に引き込まれる
ベストセラー作家や賞作家はあえて読むのを避けていたせいか、この著者も作品名は色々なところで目にしていながら今まで読んだことがなかった。 メディアへの露出も多く、トレンド作家のようで骨太な社会派作品もあるらしい、ということでとりあえず読んでみようと深く考えずに選んだのがこの「白鳥」。 危うい性と破滅に向かう中で、ほんの一握りの希望にすがるものの姿を描く短編集。 一種独特な世界だが、文章は確かに巧い、と感じさせる。 ほんの一幕を描いた短編にも、その向こうに広がる背景世界を想像させられる。 それぞれの短編が一冊の本になり、読者が読み終えた時にあるテーマ、流れる曲調のようなものを感じさせることができる、というのはやはり作家というものの凄さだろうか。
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![海岸列車〈上〉]() | 『海岸列車〈上〉』 文藝春秋 price : ¥620 release : 1992/10

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生と死をテーマにした良書
絡み合う人間関係と様々な展開に引き込まれた。 節々に見られる作者の思想が、登場人物を使って語られていく。 「海岸列車」という一つの象徴的なからくりを使って、 「生と死」を感じた人々が、懸命になって、それぞれの舞台で活躍していく。 人間は常に死と隣り合わせに生きている。 それに気づくからこそ、精一杯生きられる。 会社の盛衰、死によるそれぞれの人生の急展開。 実におもしろかった。
ただ結末が納得いかない。宮本輝は書きすぎるのだ。 ああここでこの物語も終わったなというところでやめておけばいいのに、 終わり時を逸して書きすぎてしまうから不満が残る。
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![海岸列車〈下〉]() | 『海岸列車〈下〉』 文藝春秋 price : ¥620 release : 1992/10

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あとがきに注目
宮本輝はほとんど読んでいますが、「海岸列車」が特に心に残っています。 タイトルだけ聞くとあまり惹かれるものはないかもしれませんが、読む価値大です。 「男と女では人生への傷のつき方が違う」このことを深く考えさせられました。 また、あとがきが強烈に胸にのこり、何度も読んでしまいました。 男にも女にも読んでほしい一冊です。
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 | 『ぼくの大好きな青髭』 中央公論新社 price : ¥780 release : 2002/10

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薫ちゃんシリーズ完結編
青年の夢やロマンというものが、アポロの月面着陸の成功に象徴されるように破られている様を描いたもの。同シリーズ「さよなら快傑黒頭巾」と内容が共通するところがある。
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 | 『痛快!寂聴仏教塾』 集英社インターナショナル price : ¥1,785 release : 2000/04

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星5つの仏教入門書
仏教の入門書はいくつか読みましたが、この本が私にとって一番です。 お葬式でお寺やお坊さんに接する機会はありますが、 仏教の教えに親しむ機会はそれ以外にあまりなかった気がします。 しかし、これを読むと、仏教の教えが自然に頭に入ってきます。 葬式仏教ではない仏教にふれることができます。 宗教の入門書というと、説教くさいとか、堅苦しいとかいうイメージがありますが、そうではなく、わかりやすくそれでいて深く、おもしろい本です。 これを読んで、仏教が日本の古典や小説のバックボーンになっているんだなあと実感できました。
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 | 『力道山がいた』 朝日新聞社 price : ¥903 release : 2002/09

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力道山が風化していく前に……
数多い力道山本が出版される中、ご存知(かな?)「プロレスの味方」の著者が、2000年に出版した「評伝」の文庫版(2002年)である。誰がなんと言おうと力道山は戦後最大のヒーローだった。そのヒーローの影はあまりに深く、また「日本人には見たくない歴史」も抱えていたことは今では広く知られている。また、これまで何回かの「故力道山ブーム」を経て「暴露されてきた事実」は力道山を「ヒーロー」から「異人・周辺化」してきたとも言えよう。著者は、自身のリアルタイムに経験してきた「力道山体験」をベースに、もう一度「日本人にとっての力道山を問い直す」試みを本書でしている。それが「成功」しているか、どうかは、読者それぞれの判断であろうが、著者の試みは「問い」としては、十分に「意味」を持っているのではないか。「力道山」と聞いて、ピンとくる人には一読の価値はあるだろう。
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 | 『象徴の設計』 文藝春秋 price : ¥650 release : 2003/08

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明治政治の裏を知る
現代で明治を舞台に小説を書く作家と言えば、この松本清張の他に司馬遼太郎、山田風太郎、三好徹などなど数え上げる事が出来るが、何と言っても清張の重厚さにはかなわないのではないか。しかも、これを書くと同時に現代物も多作している姿勢を生涯変えなかった態度には、とても理解不可能な特殊な才能があったとしか言えない。山県有朋の全く面白みのない性格、生活を書いた作品としても読む価値はある。
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 | 『ミスキャスト』 講談社 price : ¥620 release : 2003/11

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男の人って・・・
作者は女性なのに、どうしてこんなに男性の心理をうまく活字にできるのでしょう・・? 男の人は、結婚しても妻以外の女性を求め続けているものなのでしょうか? すべてがうまくいっていると思っている主人公が、最後はどんでん返し! 女性の私は、ちょっといい気分になりました。
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 | 『かずら野』 新潮社 price : ¥540 release : 2006/09

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 | 『大河の一滴』 幻冬舎 price : ¥1,500 release : 1998/04

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心の救済
本書は、バブル崩壊後の中高年層を中心とした自殺の増加を憂いた著者が、何とか自分にできる事はないかと考え、普段の著者のスタイルを捨て、肉声で人生のあり方・見方を語ったもの。それだけ、あの時代の人々の心が荒廃していたと言える。実は、その頃私も精神を病み、普段なら読まない説教じみているであろう(それは覆された)本書のような本に手を出した。
本書の基本的な考え方は、我々は大河を流れるちっぽけな水滴のようなものであるということである。そのような軽微なものだから、自殺しても良いという訳ではない。水滴はやがて海に流れ、蒸発して雲となり、そして雨になって大地に戻るであろう、という事である。輪廻転生の仏教的思想である。この例以外でも本書全体は、かなりの比重で仏教思想に覆われている。人生はそのようなものだから、敢えて自殺しなくとも、死ぬ時がくれば自然と死ぬであろう、つまり死に急ぐなという事である。
こうした考えを押し付けるのではなく、淡々と綴っている所に本書の特徴がある。上の例でも、もし死にたかったら死んでも良いとまで述べている。また、苦境にいる他人に対し、「励ます」のではなく、「慈愛」の心で接する大切さを説いている。私が患った鬱病患者に接するときの心構えと同一である。
最後に著者が本書を書くキッカケとなった中国の屈原という人の故事を紹介して終わりにしよう。屈原は志も高く、能力も優れていたが、あまりに清廉潔白な人柄のため、中央から追い出され、失意のまま辺境を歩いていた。ある川のほとりで嘆きの言葉を吐いた所、漁師が次のような詩を歌ったと言う。 川の水が清らかに済んだ時は 自分の冠のひもを洗えば良い もし川の水が濁った時は 自分の足でも洗えば良い 簡単に言ってしまえば、臨機応変の事なのだが、人はその時に置かれた状況が全てだと思い込みがちである。そうではなく、物の見方を少し変えるだけで別の道も開けるという考えだと思う。
あの時代、本書によって救われた思いになった人は多かったのではないか。決して押し付けがましく無く、それでいて世の人を思う真摯な著者の姿勢が伝わってくる良書。
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 | 『発熱〈上〉』 文藝春秋 price : ¥680 release : 2005/03

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実力作家の傍流作品?
日本経済新聞の掲載された実力派作家の現代小説。日経の読者を意識した金融業界の裏事情や、政界、官僚との絡みなどは図式的・表面的で決してこの作家の本領が発揮されたとは思えない。物語の面白さと現代小説の「語り」のスタイルを両立させる作家の手腕は、後退している。 主人公の人物設定は、いかにもで出自とその後の「育ち」に絡んでくる年上の女性とのエピソードはあまりに通俗的だ。作家みずからエンターテインメントを謳って恥じないのならば、「左様ですか」というほかないが、『ジャスミン』などの力作をものしてきた大家だけに残念でならない。やはり経済新聞での連載という制約が大きいのか。 <文学の最先端で物語を語る>ことのできる数少ない作家であるだけに、以上は決して無いものねだりではないと思うが如何であろう。 とはいえ、件の年上女性の造形や、濡れ場の詩情は同じ新聞連載の渡辺淳一何某とはレヴェルが違う。『ジャスミン』の完成度には及ばないが。浅はかな経済新聞の範疇に収まらない作品を期待したい。
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 | 『神々の乱心〈下〉』 文藝春秋 price : ¥660 release : 2000/01

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鮮烈な群像劇
強烈な信念をもって生きる登場人物。特高のやり手にしては生身の人間らしい吉屋謙介、行動的で、好奇心旺盛な華族の萩園泰之、そして謎の人物横倉健児・・・それぞれの男達に感情移入ができる。女性陣も強くてスゴイ!萩園の妻、まさ子は先斗町出の粋な京女、萩園の姉、彰子は毅然とした宮中の女官。広島の旅館の女将、川崎春子は随所に“名演技”を見せる。在満州では、頭がいい吉林省の旅館の女中、坂下キク、九臺に住む江森静子は不思議な霊力をもつ・・・加えて実在した、大本教の出口王仁三郎、張作霖、溥儀らが要所要所に登場し(もちろんセリフはないが)深みを与えている。まさに1933年から35年の日本にタイムスリップした気分になる。前半は、連続して死体が発見されるという展開。世情や風景が、目の前にあるような記述なので、臨場感に浸り読むことができる。そして、吉屋と萩園が、奈良、埼玉、広島、栃木をロードムービー風に、二人別々に謎を追うという因縁もおもしろい。中盤の「満州編」は異国情緒たっぷり。浪漫を感じさせる。この章のエピソードがあればこそスケールの大きい感動作になったと思う。終盤は、国際連盟脱退後、不穏さが漂う日本、事件の真相、意外な人間関係、一部の顛末が明らかになってくる。宮中の内情やしきたり、女官の同性愛、新興宗教の弾圧、阿片を介した満州支配、関東軍のテロ、実在した歌人・華族の醜聞、禁忌のオンパレードなので、まさに“今”だから著述できたのであろう。華族礼遇も特高警察も、古墳盗掘者も、そして「不敬罪」も今はない・・・過去を反省するのではなく、大戦前夜、激動の予兆を感じながらも逞しく生きた、有名無名の人生、(良くも悪くも)彼らの力強さにあやかりたい。未完の本作は、いくつかの疑問が明かされないまま終わる。しかし、彼らがその後どうなったか想像する楽しみは大いに残る。読後の感動や余韻はしばらく消えないだろう
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 | 『神々の乱心〈上〉』 文藝春秋 price : ¥660 release : 2000/01

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清張未完の大作
一人の若い女性、幸子を死に追いやったのではと自責の念からつい捜査に走ってしまう特高の吉屋第一係長。不思議な破軍星紋の付いた通行証と半分に割れた鏡の追求が始まるのだが、女官の深町掌侍を姉にもつ華族の萩原泰之の存在が気にかかる。女官に仕えていた幸子の真の自殺の原因は何か。女官のしきたり、屈折した人間関係か、我々には、想像もつかない世界がそこには、詳しく描写されています。さらに、新たな第一、第二の遺体が発見され幸子との繋がりはあるのか。吉屋の行く先々に泰之がいた。自分には、複雑過ぎて難しかったです。関東軍、麻薬密売人、新興宗教、これらは、どう繋がるのだろうか。
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 | 『珍妃の井戸』 講談社 price : ¥1,680 release : 1997/12

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「蒼穹の昴」の続編の一部
「蒼穹の昴」のレビューでも書いたが、この作品は、多くの謎を残したまま終わっている。その謎の一つ、若き皇帝と珍妃の最後について「蒼穹の昴」の出場人物の多くが登場して、様々な証言を行なう。 これらの証言は、一致するものもあれば、全く正反対の主張もある。 結局事実は藪の中になるわけであるが、このように、犯人を明示しない推理小説は、ストレスがたまる。 こういう結末のつけ方も、新しい方向かもしれないが、「蒼穹の昴」の残された謎を期待した人間にとってはやや不満の残る結末であった。
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判がもっと大きければもっといい=もっと高価になる!
当然だが文庫本なので、廉価。
カラー写真、セピア色、モノクロ、頁半分以下のサイズから見開き まで、写真の取り込み方が作者及びphotographerの想いの重さに関係あるみたいだ。 米国の軽い風を感じるイーストハンプトン、空気の密度やらにおいやらまざった、高地ながら 重さを感じるモンゴル。メキシコ。それぞれがそれぞれの色と大きさで文中に取り込まれている。 textも余白タップリで、活字も大きく文章篇とは異なった印象をあたえてくれます。
ちなみにシンバルクサキ(ノモンハンにでてくる国境の町)を手元の地図で調べたが 欧文表記がないので、これかなという地名はあったがはっきりせず。のせてくれていたら嬉しかったのに…
松村氏(photographer)のカメラを下げた巻末の写真、もうすこしあかるいとよかった。 てれくさいのでしょうか?!
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 | 『発熱〈下〉』 文藝春秋 price : ¥680 release : 2005/03

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単純な分、深い。二回読んで欲しい作品です。
上下巻とも私が一生所有する本のひとつとなるでしょう。 辻原氏の他の恋愛小説と比較すると、平易かつ通俗的な面もありますが、 発表が毎日少しずつ読まれる新聞小説であったということを考えると、ひとつの表現手段ではないかと思います。 容姿端麗、頭脳明晰、したたかで冷たく自己中心的な面も持つ主人公、龍。 そんな彼の純粋で古典的ともいえる「長き恋」と彼が生きる非情な世界。 このロマンとリアルの不思議な融合がとても美しい日本語によって書かれています。 本当の恋は何にも汚れず、朽ちない。 読後にそんな気持ちになる作品です。
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 | 『夢の工房』 講談社 price : ¥660 release : 2004/11

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真保ファンにはたまらない一冊。
前職から小説家になるまでの経緯をはじめ、作品執筆の流れや取材方法、思い入れなどが語られ、作品だけでは伺いしれない著者の一面を垣間見ることができる。そういう意味でも、好きな作品の舞台裏を覗かせてもらったような気分になる、まさに『夢の工房』。 個人的には、おまけ的に入っている中編小説がちょっとさっぱりしすぎていて残念なものの、それを差し引いても「必読の完全バイブル」という帯に偽りナシ!
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 | 『写楽殺人事件』 講談社 price : ¥620 release : 1986/07

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かなり強引な小説ですが
「矛盾しない」ことを論理的証左に持ち込んでしまう。 津田君の悪いくせです。
写楽が誰のペンネームであったか?何故1年間しか活躍 出来なかったか?版元ツタヤとのかんけいは? 推理の本体は殺人事件とは別のところにありますが、 知的興奮においては、猿丸幻視行と並んで、乱歩賞作品 のツートップだと思われます。
高橋克彦の浮世絵3部作の中でも最もテンポがよく、その たたみかけるような強引な展開が歴史小説としても推理 小説としても読者を飽きさせません。
役者絵、大首というのでしょうか。ま、美術作品としては そんなに値打ちがあるように思えません。津田君が何故そこまで 口角泡を飛ばして熱く推理したくなるのか?が、一番腑に落ちない 点であります。
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楽しむこと★
おじいさんやおじさん、お兄ちゃん、いろんな世代の人が同じ夢に向かって力を合わせて頑張ってる。それを家族が支え、イキイキとしたお父さんやおじいちゃんの姿を見る。 私は高校野球関係者ではなかったので、こんな素敵な大会に参加出来る人たちがうらやましくてたまらない気持ちになりました。 野球に限らず、何かに、夢中になれるっていいですね。 日々の忙しさで忘れてしまいがちな、‘好きなことを楽しむ’ということを思い出したような気がします。
また、ボランティアで参加し、支えている学生さんがたくさんいるというのも、素敵ですね。 異世代の人たちがメッセージを伝えあったり、支えあったり、そんな大会がこれからも発展し、もっともっとたくさんの人たちにメッセージが伝わることを楽しみにしています。
頑張ってください!!!
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![時代の風音]() | 『時代の風音』 朝日新聞社 price : ¥525 release : 1997/02

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それぞれ他の代表作を読んでください
堀田善衛氏のエッセイで、現在も出版されているものはほとんど読んだだけに、この本には深く失望しています。司馬遼太郎氏の小説は二十年前に数冊読んだきりですが、同じように、この小説家らしさというものが生かされていないままだという気がします。 宮崎駿氏のアニメーションも好きでよく見ています。しかし、堀田と司馬という、全くタイプの違う著者をまとめての座談会の司会者としては、適役でしょうか。 それぞれの教養の形成や思い、というものに興味のある方は、他の代表作を読んで下さい。お手軽にまとまるようなスケールの作家ではありません。加藤周一氏が、ヨーロッパの知識人は、ありもしない本についてさえ読んだふりの会話を続けることができると言っていましたが、この本は、買うより、そうやって読んだふりをした方がいいと思います。
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蒼氓の終わりなき旅となって・・・
井出さんは長野県出身。長野県からは「満洲開拓」にどの県よりも多くの人々が送り出されました。大日向村、泰阜村等々、長野県下の村から人々はどのようにして送り出され、暮らし、終戦を迎え、多くの人が野に倒れ、またどのように生きて留まることになったか。井出さんは幾組かの家族を描きます。開拓団長さんの苦悩をもたどります。日本に戻ってからの厳しい現実を追います。それらはまさに蒼氓の終わりなき旅となって・・・。なお、単行本に比べ現代文庫版では「あとがきに代えて」、その後の賠償請求訴訟にまつわる現状が執筆の経緯とともに加えられています。 これらが歴史に刻まれることとなったメカニズムが、ドキュメンタリに織り込まれつつ解明されますが、具体的で分かりやすいです。 この記憶を語り継ぎ、日本に戻った人々が幸せをつかむべきことは、現代と未来を生きる日本人にとって大切なことと思われます。それらを考えるためのスタンダードで高質な文献の一つです。
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今でも読む価値はある
人間は、移動する。移動するには必ず何かの理由がある。 そんな人間たちの足代わりとなるタクシーの車内には、当然様々な「理由」が交錯し、 多種多様な人間ドラマが展開される。
サラリーマン、水商売の女たち、泥酔する学生、 車内で痴態にふける男女や、タクシー強盗というとんでもない理由もある。 筆者自身の10年のタクシー運転手体験を通し、車内で展開される社会の縮図を描き出す。 そして勿論、それに触れるタクシー運転手の希望、不安、悲哀、憤怒、懊悩、そして不徳や堕落や悲劇も。
最早20年前の作品となり、タクシーを取り巻く現実は大分変わってきているだろうと思う。 とはいえ今でも十分読む価値はある。
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![満ちたりぬ月]() | 『満ちたりぬ月』 文藝春秋 price : ¥490 release : 1992/04

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女について考える
女の幸せってなんだろう。結婚して子供を産むこと?それとも仕事をして認められること? この話はいずれの視点からも語られている。学生時代の恋人と結婚をしたかわいらしい女絵美子は、好きだと思っていた男が結婚後徐々に変わっていく辛さ、子供を抱えて自分の時間が持てなくなる辛さを抱えていた。一方、仕事を続けた認められた女圭は、若い男と割り切った付き合いをしていた。気楽だけれど心はどこか満たされない。 今という時代は、死に物狂いで頑張れば女でも仕事を認めてもらえる時代ではある。しかしそれはたやすいことではない。女という事を捨ててしまう位の勢いが必要だ。妻としての仕事、母としての仕事、そうしてビジネスという全てをこなしていくのはまさに超人だ。そんなわけで女はどれかを犠牲にすることになる。 この絵美子と圭、二人の行き着く先々には、それぞれの方向にはない幸せが沢山あると思う。生き方に悩んでいる女性に、是非読んで頂きたい本です。 また「女の考えている事がわからない」男性もどうでしょうか?
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宗教戦争の中からヒューマニズムが生まれる
ミシェルの時代はシャルル9世とカトリーヌ・ド・メデイシス、ギュイエンヌ公、ナバール公、マーゴなどの時代。自身の宗教感については言及しないで、沈黙するカトリック教徒。ラテン語でギリシャ、ローマの教養を身につけたモンテーニュ。フランス革命の論理を彼がこの16世紀の時代にすでに発していると。王室伺候侍従武官に任命され、パリの宮殿で君主や貴族達の生活を観察して、何も庶民と変わらない、むしろ、トイレまで観察されて大変だ、とか、妻と母から疎外されたり、性について自分を観察したり、ブラジル現地人に質問して同じ人間だと感じたり、深い思索というより日記的随想といえる。堀田善衛の解説は大変面白い。サン・バルテルミーの大虐殺への経緯など息もつかせず読ませる。この時代の人間の残虐さ、カトリーヌの人間性、何故モンテーニュができたのかなどの考察がフランス時代史/ヨーロッパ史と共に語られる。堀田の追求して止まない人間主義・自由と平和への系譜が分かる。
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 | 『すべて辛抱〈上〉』 集英社 price : ¥700 release : 2003/08

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愉快痛快人情劇です
「どぶどろ」も名作だが、本書もすこぶる読後感の良い作品。市井に生きる人々を描いた時代小説は数多いが、この作品は、幼くして貧しい寒村から江戸へ出てきた2人の少年、市造と辰ノ介の人生物語りである。徳川幕府も左前になってきた混乱期、自分達の才覚だけで町年寄りにまで大きくなっていく過程が、丁寧な筆致で綴られ、読者を離さないものがある。帯評にも『最後の長篇』とあるが、個人的には半村作品の中でもベスト3に入れたい。一方の大作、SF巨編『妖星伝』を20年ぶりに読み直そうかという気になりました。安心して読める作家の、楽しいに違い無い作品を読むのって、ホント楽しい。
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 | 『窓をあければ』 幻冬舎 price : ¥440 release : 2002/10

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![時代の風音]() | 『時代の風音』 朝日新聞社 price : ¥525 release : 1997/02

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それぞれ他の代表作を読んでください
堀田善衛氏のエッセイで、現在も出版されているものはほとんど読んだだけに、この本には深く失望しています。司馬遼太郎氏の小説は二十年前に数冊読んだきりですが、同じように、この小説家らしさというものが生かされていないままだという気がします。 宮崎駿氏のアニメーションも好きでよく見ています。しかし、堀田と司馬という、全くタイプの違う著者をまとめての座談会の司会者としては、適役でしょうか。 それぞれの教養の形成や思い、というものに興味のある方は、他の代表作を読んで下さい。お手軽にまとまるようなスケールの作家ではありません。加藤周一氏が、ヨーロッパの知識人は、ありもしない本についてさえ読んだふりの会話を続けることができると言っていましたが、この本は、買うより、そうやって読んだふりをした方がいいと思います。
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蒼氓の終わりなき旅となって・・・
井出さんは長野県出身。長野県からは「満洲開拓」にどの県よりも多くの人々が送り出されました。大日向村、泰阜村等々、長野県下の村から人々はどのようにして送り出され、暮らし、終戦を迎え、多くの人が野に倒れ、またどのように生きて留まることになったか。井出さんは幾組かの家族を描きます。開拓団長さんの苦悩をもたどります。日本に戻ってからの厳しい現実を追います。それらはまさに蒼氓の終わりなき旅となって・・・。なお、単行本に比べ現代文庫版では「あとがきに代えて」、その後の賠償請求訴訟にまつわる現状が執筆の経緯とともに加えられています。 これらが歴史に刻まれることとなったメカニズムが、ドキュメンタリに織り込まれつつ解明されますが、具体的で分かりやすいです。 この記憶を語り継ぎ、日本に戻った人々が幸せをつかむべきことは、現代と未来を生きる日本人にとって大切なことと思われます。それらを考えるためのスタンダードで高質な文献の一つです。
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今でも読む価値はある
人間は、移動する。移動するには必ず何かの理由がある。 そんな人間たちの足代わりとなるタクシーの車内には、当然様々な「理由」が交錯し、 多種多様な人間ドラマが展開される。
サラリーマン、水商売の女たち、泥酔する学生、 車内で痴態にふける男女や、タクシー強盗というとんでもない理由もある。 筆者自身の10年のタクシー運転手体験を通し、車内で展開される社会の縮図を描き出す。 そして勿論、それに触れるタクシー運転手の希望、不安、悲哀、憤怒、懊悩、そして不徳や堕落や悲劇も。
最早20年前の作品となり、タクシーを取り巻く現実は大分変わってきているだろうと思う。 とはいえ今でも十分読む価値はある。
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![満ちたりぬ月]() | 『満ちたりぬ月』 文藝春秋 price : ¥490 release : 1992/04

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女について考える
女の幸せってなんだろう。結婚して子供を産むこと?それとも仕事をして認められること? この話はいずれの視点からも語られている。学生時代の恋人と結婚をしたかわいらしい女絵美子は、好きだと思っていた男が結婚後徐々に変わっていく辛さ、子供を抱えて自分の時間が持てなくなる辛さを抱えていた。一方、仕事を続けた認められた女圭は、若い男と割り切った付き合いをしていた。気楽だけれど心はどこか満たされない。 今という時代は、死に物狂いで頑張れば女でも仕事を認めてもらえる時代ではある。しかしそれはたやすいことではない。女という事を捨ててしまう位の勢いが必要だ。妻としての仕事、母としての仕事、そうしてビジネスという全てをこなしていくのはまさに超人だ。そんなわけで女はどれかを犠牲にすることになる。 この絵美子と圭、二人の行き着く先々には、それぞれの方向にはない幸せが沢山あると思う。生き方に悩んでいる女性に、是非読んで頂きたい本です。 また「女の考えている事がわからない」男性もどうでしょうか?
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宗教戦争の中からヒューマニズムが生まれる
ミシェルの時代はシャルル9世とカトリーヌ・ド・メデイシス、ギュイエンヌ公、ナバール公、マーゴなどの時代。自身の宗教感については言及しないで、沈黙するカトリック教徒。ラテン語でギリシャ、ローマの教養を身につけたモンテーニュ。フランス革命の論理を彼がこの16世紀の時代にすでに発していると。王室伺候侍従武官に任命され、パリの宮殿で君主や貴族達の生活を観察して、何も庶民と変わらない、むしろ、トイレまで観察されて大変だ、とか、妻と母から疎外されたり、性について自分を観察したり、ブラジル現地人に質問して同じ人間だと感じたり、深い思索というより日記的随想といえる。堀田善衛の解説は大変面白い。サン・バルテルミーの大虐殺への経緯など息もつかせず読ませる。この時代の人間の残虐さ、カトリーヌの人間性、何故モンテーニュができたのかなどの考察がフランス時代史/ヨーロッパ史と共に語られる。堀田の追求して止まない人間主義・自由と平和への系譜が分かる。
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 | 『すべて辛抱〈上〉』 集英社 price : ¥700 release : 2003/08

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愉快痛快人情劇です
「どぶどろ」も名作だが、本書もすこぶる読後感の良い作品。市井に生きる人々を描いた時代小説は数多いが、この作品は、幼くして貧しい寒村から江戸へ出てきた2人の少年、市造と辰ノ介の人生物語りである。徳川幕府も左前になってきた混乱期、自分達の才覚だけで町年寄りにまで大きくなっていく過程が、丁寧な筆致で綴られ、読者を離さないものがある。帯評にも『最後の長篇』とあるが、個人的には半村作品の中でもベスト3に入れたい。一方の大作、SF巨編『妖星伝』を20年ぶりに読み直そうかという気になりました。安心して読める作家の、楽しいに違い無い作品を読むのって、ホント楽しい。
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 | 『窓をあければ』 幻冬舎 price : ¥440 release : 2002/10

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自伝的な作品
一生を通じて師あるいは先生と呼べる人に出会える人は少ないと思う。城山氏はそんな人に、しかも若い時期に出会えた幸せな人なのだろう。「師」を通じて描かれているのは城山氏の生きかたそのものである。進むべき道を見失ったとき、道標となるのが師であった。城山氏のまっすぐな生き方はここに原点があるのかも知れない。 自伝的色合いの強い作品である。
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 | 『大奥婦女記』 講談社 price : ¥770 release : 1999/12

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大奥の有名な事件が分る
吉屋信子さんの徳川の夫人達を読んで大奥についてもっと知りたいと思い、本書を手にしました。 内容的には春日局から、絵島事件等に至るまで大奥で有名な事件(多くは映画化されたり大河ドラマの題材となっている)を列挙しています。ある程度知識のある人にとってはもう少し掘り下げて小説化してもらいたいという意見があるかもしれませんが、広く浅く大奥を知る上では非常に興味深い本でした。しかし、問題点としては活字離れした現代人用にと多少字が大きく、ページに余白が多いこと。私は活字の大きさまで確認しませんでしたが、ちょっと電車の中で読むことに抵抗を感じてしまいました。そのため星も4つにしておきました。
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 | 『冷たい誘惑』 文藝春秋 price : ¥500 release : 2001/04

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拳銃を題材に、日常の狂気を描いた傑作!
物語は5つの作品の連作短編集で、いずれも中心には小さな拳銃が物語を作っています。最初に収録されている「母の秘密」では、32歳の主婦・織江は同窓会で飲みすぎて、新宿歌舞伎町で寝ているところを家出中の少女に起こされ、気付いた時には拳銃を渡される。警察に届けようかとも考えるが、取り合えず自分の手元に置き、日常の中を狂気を描いています。続く「野良猫」では、その拳銃を手渡した家出少女がどのように拳銃を手にしたかが描かれ、この他にも偶然に手に入れてしまった拳銃を題材とした物語が続きます。日常の中での非日常の狂気を描くことは乃南アサの魅力であるともいえますが、その魅力が満載されているのが本書です。
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 | 『シングル・ブルー』 集英社 price : ¥400 release : 2001/07

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買っちゃいました
唯川作品で一番私の心に残っている作品です。私ってこれから何が出来るんだろう?何もしないで生きていくのだろうか??と感じる部分があったのでとても共感できました。キューティブロンドみたいに成功物語も含まれているのでとても読み終わりがすっきりですよ☆
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観察記録
ただの観察記録にしか受け取れませんでした。
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![フーコン戦記]() | 『フーコン戦記』 文藝春秋 price : ¥710 release : 2003/04

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![風葬の教室]() | 『風葬の教室』 河出書房新社 price : ¥399 release : 1991/07

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小学生がここまで達観してしまうのか・・・。
『風葬の教室』の主人公は小学5年の女子転校生の‘私’。父親の仕事の都合で転校を繰り返す‘私’は、いつも“退屈な平和”を転校先の学校に対して望んでいた。しかし今度の学校では、いろんな要素が重なってイジメにあう。自殺まで考えた‘私’が立ち直るためにとった解決方法は、イジメの相手を“軽蔑”という二文字で(想像上)殺して野ざらしにしておく(風葬)ことだった。
小学生がここまで達観してしまうのか・・・。たとえ小学校とはいえ、「学校」とはこれほど息苦しいものだったのか・・・。などと、つい引き込まれるように読んでしまった。
併録の『こぎつねこん』は、若い母親の子守唄に恐怖と孤独を覚える5才の時の自分を、男の胸の中で目覚めた20年後の今の‘私’が回想するお話。こちらも味読に値する作品だった。
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![人間の壁 (上)]() | 『人間の壁 (上)』 岩波書店 price : ¥1,155 release : 2001/08

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![不合理ゆえに吾信ず]() | 『不合理ゆえに吾信ず』 現代思潮社 price : ¥2,310 release : 2000/00
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