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 | 『臆病な医者』 朝日新聞社 price : ¥525 release : 2005/02

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南木さんの心象表現を味わう
1999年の同名の著作の文庫化。 エッセイや書評を集めている。芥川賞を取られた後にうつ病の辛い時期を経験されその時の心象や周りの季節の移り変わりの中での想いを綴っている。 火について、という短い文章の中で、患者さんに入浴をしてもよいか聞かれた時、医者は経験により入浴許可のタイミングを会得すると書かれている。そして自分が肺炎になった経験を元に、体が十分に回復すれば自然と入浴を欲してくることを悟る。 そして次の文章で締めくくる。 悩んだら脳ではなくて身体に聞け。幼い日に感じた薪の火のぬくもり、私はいま、身体全部であの穏やかな熱をあびたい。脳ではなく、身体でやすらぎたいのである。
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![暖簾]() | 『暖簾』 新潮社 price : ¥420 release : 1960/07

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まさに関西商法!経営者候補はぜひ読んでみてください。
とてもテンポよく読むことが出来て、すがすがしい気持ちになれました。 昆布商というところに目をつけたのがさすがですね。 とろろ昆布にも2種類あることとか、お酢につけて柔らかくして加工するとか雑学的な知識も 楽しめます。 度重なるピンチもナニワ商人のど根性で切り抜けるその逞しさはぜひ見習いたい。
借金をして建てたばかり、大量に買い付けたばかりの昆布が、台風で水浸しになり ダメになってしまったところから這い上がる所は必見です。
大阪の地理に詳しい方が読むと、実感として、とても楽しく読めると思います。 立売堀、丼池筋、千日前、船場、今も昔も関西商法の薄利多売、回転を効かせて 実利を取ると言うやり方は、とても参考になります。
鞘取り勉強・実践会 竹本淳一
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 | 『ダンディな食卓』 角川春樹事務所 price : ¥714 release : 2006/01

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飾らない食の風景
昭和40年代後半の新聞連載を中心に編まれた文庫オリジナル。流行作家によるグルメ話かと思いきや、お題になっている食べ物の話題はほんの味付け程度(でも上手いこと食べ物の話題にからめていますが)で、日々の暮らしぶりや交友録が中心のエッセイ集。よくある「旨いもの」だらけのエッセイではなく、日々の暮らしにとけ込んだ、飾らない「食の風景」が描かれています。(そういう意味では、グルメ志向の方にはちょっと物足りないかも。) 魚介類、ドリンク、といったジャンル毎に分けてしまっているので元の順番がバラバラになってしまっていて、そんなこと(編集)をする必要があったのかなぁ、と感じなくもないです。連載作品だけでなく、「食」に絡んだ作品をいくつか混ぜているのでそのような構成にしたのだと思いますが。 文学作品には縁遠くありました。こういう本を読むと「読まず嫌いはいけないなぁ」と思うのですが。エッセイ集や短編集は、ブンガクへの入門編としてもよさそうです。(そんなことを言うと怒られるのかもしれませんが。)
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江戸の食卓の再現
彼の時代小説に登場する料理を、彼と親しくしていた料理人(近藤氏)が再現し、それを池波氏の小説からの引用と池波氏自身による説明、料理人によるレシピと作るに当たっての説明の構成です。池波氏の説明も近藤氏の説明もとてもおもしろく、料理というものを楽しめました。家庭でも応用して近いものがききそうなので、機会があればぜひ再現してみたいです。
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娘に語れる歴史はあるのか
私と同世代の重松さんが、娘に語るお父さんの歴史とは? 戦争の悲惨さ、戦後の貧しさを語る年齢でも無く、白黒テレビ?カラーテレビへ、アポロの月面着陸、オリンピック、大阪万博、高度経済成長、それに伴う公害、交通事故の増加等々、日本が、世界が加速度的に移り変わっていった時代。 科学という未来を信じ、突っ走ってきた結果、経済大国となった日本。その一方で無くしてしまった物も多いのも事実です。
同世代の人には懐かし事柄が散りばめられていて面白いのですが、自分の娘が、この小説の中の娘のように素直に興味を持って聞いてくれるか疑問が残るのですが(家だけでしょうか?)
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日記の良さ悪さ
よしもとばななの公式ホームページでの日記を単行本化した第一弾。 大体毎日(たまーに一気に日にちがとぶ)更新されていて、 彼女の仕事からプライベートまでの彼女の感じたままに 綴ってある。ので、親しみやすい部分もある。訳の分からない (登場人物が多い。説明も無く。)部分もある。 一般人っぽく無い部分もある。(特に食事面。それは彼女も認めている)
日記形式で、1日1日がそんなに長くないので(たまに長い のもあり)さらっと読める。 他人の生活を垣間見えるというのは案外面白いもの。 でも、登場人物も分からなく、説明も無いので(彼女自身、 読者視点で書いてないんだろう。当たり前だ、日記だもの) 星3つにした。
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古典が苦手な高校生諸君 是非読んでみて!
古典が苦手な人って世の中にたくさんいると思う。 そんな人には 絶対おすすめです。 古典っておもしろいって 思える本です。 特に高校生の人達に読んでほしい一冊です。自分も高校生の時にこの作品に出会い、古典が大好きになりました。
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 | 『マークスの山』 早川書房 price : ¥1,890 release : 1993/03

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この著者の頭の中って
この著者の頭の中ってどうなっているのだろう、と思う位、緻密で重厚な作品。文章力もすごいと思った。改訂後の文庫本も読んだがそちらの方がいいと思った。岩田の殺人事件や一家心中事件、白骨死体、スコップや水筒など、とにかく伏線が色々あって、それらが16年後の事件に結び付いていく辺り、すごく面白い。ラストの戸部刑事の台詞(改訂版の方)や、真知子が書き加えたメモ(これも改訂版の方)などが泣ける。ただ残念なのは真知子が警察に「水沢を許して欲しい」と電話をかける場面は削除しないで欲しかったなー。日本の小説はめったに読まないけど、これは一番好きな本。
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スピード感が最高!
1、3、4話が好き(*>ω<*) 表紙の女の子が可愛いです(*'艸`)
物語の立ち上がりは静かで、読者に語りかけたり問いかけたりしながら、ゆっくり進んでいきます。 そして、加速。 この疾走感、ハマりますv
人助けをする時に、しっかり相手の意思を確認するところが好きですね。 これが闇雲に、「可哀想」と思って手当たり次第に助けてたら、嫌味というか、胡散臭くて辟易するでしょう。 マコトが守るのは、自分の仲間の誇り、安全。
実際に起こりそうなことばかりなので、すんなり作品の中に入っていけます。
今回は一話目に出てくるラーメンの出前がツボでしたw 情報屋のゼロワンにも、ラーメンの副作用は有効なんですねw かく言う私も、一話目を読んでる最中、ラーメンの副作用に苦しみましたw
めちゃめちゃ面白かったです。 おすすめ(o'∀`)っ
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あまりに面白すぎてついていけない・・・・
正直、読むのに凄く疲れました。 すごく面白いショートショートなんですが、とにかく支離滅裂で脳内映像が飛びまくり。まるで○人の書。面白い文章なんですが、私には意味がよく理解できなかった気がします。もっとも理解というより、感覚を味わう本のような気もしますが。 町田 康さんの生粋のファン向け小説といった感じですね。傑作だとは思います。
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 | 『京都の仏像』 淡交社 price : ¥2,415 release : 2007/03

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見応えのある「京都仏像」への招待
地域を「京都」と限定しているから「奈良」との違いは仏像のどこにあるのだろうか、という点に注目される。当然のことながら、時代的に直前の奈良時代の仏像を手本としている。 平安時代前期には、天平時代後期の力強い反古典的様式を引き継いだ作品が見られる。一方、空海らによる密教の招来もあって、難解な教義を基とする複雑な像容をもつ密教像が造られた。後期は、主に藤原氏を中心とする貴族によって繊細華麗な仏像になった。仏師定朝の完成した穏やかで優しい容貌の阿弥陀如来像が流行した。鎌倉時代には天平時代を手本とし、それ以上の人間的な「鎌倉ルネサンス」とも称される傾向が現れた。時代的にもこのような変遷がある。 本書の構成は、地域別に名刹の代表的仏像をカラーで紹介しながら、かなり専門的に丁寧な解説をしている。著者はこの道に造形の深い専門家であるので当然のことである。 表紙には「みかえりの阿弥陀」として有名な阿弥陀如来立像を出している。頭を左に向けて立つ珍しい形式の像である。永観堂禅林寺の永観律師が念仏行道中、奇瑞を感じたという縁起によって造られたという。慈悲深く人間的な眼差しの仏像である。仏の方から人々の救済の働きかけを示した動的な来迎仏である。その他30体ほどの座像立像の仏像が丁寧に紹介されていて、見応えがある。
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 | 『総統の子ら〈中〉』 集英社 price : ¥630 release : 2006/12

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![魚雷艇学生]() | 『魚雷艇学生』 新潮社 price : ¥380 release : 1989/07

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作家が好む作品
島尾敏雄が亡くなった時、文芸雑誌各誌は、こぞって島尾敏雄追悼の特集をした。生前の島尾を知る作家や批評家の追悼エッセイを集めたわけである。そのかなりの数(10は軽く超えていた)の追悼文がそれぞれ、「私が一番好きな(評価する)島尾作品は」というような文脈で、作品名を挙げていた。私の記憶では、「死の棘」6票、「魚雷艇学生」7票、「夢の中での日常」2票、他1票の作品多数、といった感じだった。「死の棘」を選んでいたのは批評家たちで、「魚雷艇学生」を選んでいたのは作家たちだった。きっぱりと分かれたことが強く印象に残っている。「魚雷艇学生」の最後の短篇(章)を書き始めたところで島尾は亡くなったので、生前の構想が完結している作品ではないのだが、島尾は構想して書く作家ではないので、現状の形でも十二分に島尾文学の「文体」の切実さは味わえる。
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 | 『総統の子ら〈下〉』 集英社 price : ¥650 release : 2006/12

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壮大な歴史絵巻
読後、しばらく絶句・・・。 ここに描かれているのはなんとも壮大な歴史絵巻です。 しかし、なんと酸鼻を極めた絵巻でしょう。 前半の煌めくような青春は、ヘルマンの落馬と同時に、 否応なく陰惨な歴史の中に巻き込まれて行きます。 戦争に正義はない。 ナチスも、ボリシェビキも、パルチザンも、 ドイツも、ソ連も、フランスも、米英も、 結局、同じ穴の狢。 でも、どの国にもやはり、青春の煌めきはあったはず。 なんともやりきれない想いです。 自分の周りが平和で良かったと心の底から思います。 と、同時にその平和は、過去の人々、現在の遠い国人々の犠牲で購われている その事実から目を背けてはならないのだと、強く思います。
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 | 『文春新書』 文藝春秋 price : ¥714 release : 2002/11

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 | 『王の挽歌〈下巻〉』 新潮社 price : ¥500 release : 1995/12

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 | 『カルチェ・ラタン』 集英社 price : ¥860 release : 2003/08

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皆知り合いだったのね
宗教とは?信仰とは?という堅苦しい問題を、やわらかく考えさせくれました。司馬遼太郎氏の『竜馬が行く』を初めて読んだ時、「へぇ?みんな知り合いだったんだぁ」と感心した高校生の頃の思い出が蘇りました。歴史小説というのは、どこまで史実なのか、ということが問題ではないし、「同時代人なんだから、こんなことがあっても」という想像力の方がすばらしい。生き生きと青春を謳歌する宗教改革者たち(ロヨラ、ザヴィエル、カルヴァン等)に親しみを持ちました。佐藤氏の作品を読み続けていると、「あ、この人ってあの人の子孫なんだ」とかいう人物が出てきてそれも楽しいです。
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証
アンネの日記が実際に書かれたものだと知っていても、どこかで本の中の出来事としか思っていなかった。それが今回この本を読んで、アンネを実際に知る人や彼女が住んでいた場所などを小川さんが巡って行くのを読み、徐々にアンネは実在していたんだという当たり前の事を実感した。アンネが生きていれば今年(2003年)の6月に74歳になる。
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 | 『櫂』 新潮社 price : ¥820 release : 1996/10

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宮尾登美子ワールドを見ました。
女性作家が好きでたまたま選んで読んだこの「櫂」。 最初の数行読んだだけで、その文体から宮尾さんの世界へ引きずり込まれたような気がします。 土佐という土地を舞台に主人公「喜和」と、夫「岩伍」そして娘「綾子」を軸に繰り広げられる、 こんなにも激しく、だけどどこか美しく優しい物語を久しぶりに読んだ気がします。女である主人公が時に弱く哀しい人でありながら、時に強く正しい人であり、読み進めるうちに、 自分の母を想い、祖母を想い、自分を想い、この作家の宮尾さんという人を想ったりしました。 四部作の「春燈」「朱夏」「岩伍覚え書」も是非読もうと思います!
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 | 『王の挽歌〈上巻〉』 新潮社 price : ¥500 release : 1995/12

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「武将」でも「英雄」でもなく「人間」
「信長の野望」では戦国大名は「天下統一」という目標が最初から設定されている。当たり前だが実際の人間の人生に目的はそもそも明示などされていない。「出世」という、現代人にもわかりやすい人生の目的を設定し、ただ戦国時代だからそれは他者の殺戮が必然的に伴うので、言い訳に「民のため、世のため」と主人公に唱えさせ、同時に頑張るおとっつあんを支え、癒す、現代でも以外と(この時代ならなおさら)ありそうもない家庭の絆を絡め、茶の間で安心してみれる大河ドラマ的歴史絵巻もそれはそれで悪くはない。しかし本書の帯にあるとおり大名といえど戦と領国経営だけが人生なのか?先ず己を救うというエゴを無視して人間は他を救おうとするのか?戦国乱世に「武将」で「大名」で、しかし「人間」である大友宗麟。生まれながらに「王」族として生まれた彼は、なるほど秀吉から見れば彼が血反吐を吐きながら掴み取った位置に与えられて座ることができた御曹司に過ぎない。しかし己の意志と無関係に王族の嫡子として、生まれた彼は、秀吉と異なり幼少から宿命的に「暖かさ」のある(殊に家族との)人間関係を悉く奪われ、長じて後は王として生きる為に自らもそれを手放した。それが故に突き落とされる地獄、積み重ねる業と欲、有るべき生き様を求める苦悩、見出した救いとそれに情け容赦もなく突き付けられる運命。描ききった本作は単なる「英雄」伝でも「武将」伝でもなく屈指の「人間」小説。求む大河ドラマ化。但し原作そのままで。
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 | 『白秋』 講談社 price : ¥620 release : 1995/08

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美しい。
この本を読んで7・8年になるが、「白秋」ほど日本語が美しい小説に出会った事がない。 あとがきで阿木耀子さんが「名園のような小説」と書いた事がわかる気がする。 今まで何冊か伊集院 静氏の本を読んだが「白秋」が一番である。何度読んでも、何年経っても作品のすばらしさ、日本語の美しさは、色褪せることはない、それだけこの「白秋」は、すばらしく、魅力的な作品である。
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 | 『霧の橋』 講談社 price : ¥620 release : 2000/03

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奥さんを大切にしよう、と思う本
時代小説大賞受賞は伊達ではない。短編の連作ながら、一つ一つ張り詰めた緊張感もあり、感動的なラストへなだれ込む。何故、題が「霧の橋」なのか。わかった時には目が赤くなっています。 新幹線の車内でラスト読んでいて、隣に知らない人が座っていても泣いてしまいました。 夫婦の情愛が溢れる作品。読み終わったあと、過去一度も買った事のなかった出張土産を、女房に買って帰って不審がられたのは内緒です。
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著作者人格権の侵害
確かにチャーチルの第二次世界大戦回顧録を全部読むのはしんどい。何回か挫折しながら、決意を決めて読まないと完全読破は困難である。 しかし、だからこそ、チャーチルのその時その予期の苦悩とか、中長期の戦略などがわかって、一級の歴史資料となるであろう。 このようにダイジェストにすることは、決して、全て否定されるべきものではないと思う。名著であるが長いものを若い世代に知らしめるとか、ダイジェスト版であらすじを示して、それを機会に原作に親しんでみようとか、前向きな意図があればいい。 しかし、第二次世界大戦の戦況については、大筋において、歴史の授業で知ってるのだから、その意味ではダイジェストにする意味はない。又、ここまで分断されてしまうと、これを機会に全巻読もうと思う人間が表れるとも思われない。 してみると、この本は、チャーチルの対策に対する冒涜であり、彼の著作者としての人格を侵害しているのではないか?
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![序の舞]() | 『序の舞』 中央公論社 price : ¥1,200 release : 1985/01

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宮尾登美子さん好きです
日本画、美人画家の上村松園の一生をつづった物語。宮尾登美子さんの文体は、とても淡々と話が進んでいきますが、しかしその文の奥にひそむ「女」の芯の強さにいつも感銘を受けます。宮尾登美子さんの本のなかでも、この「序の舞」はとくに女の強さを感じさせる作品だと思います。
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 | 『水の舳先』 新潮社 price : ¥340 release : 2005/03

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死と罪と宗教と
病、死、宗教。題材は重く壮大なテーマだと思うけど、意図してかどうなのか、軽めに、深く掘り下げるでもなく書かれている感があって、今ひとつ物語りに入り込んでゆけなかった。久美子の孤独や苦悩は、まったくといっていいほど表に出ないし、ミネオや、サトウの役割も今いち判然としない。もう少し、書き込んでくれたら良かったのにと、ちょっとだけ不満が残ります。ただ、主人公のバランスの取れた宗教観は、共感がもてました。
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 | 『神戸ものがたり』 平凡社 price : ¥798 release : 1998/01

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もっと、神戸を知りたい人に !!
海と山に囲まれた、港町ーー神戸の魅力を十分に教えてくれた1冊。神戸の歴史、地理、地名の由来・・・神戸っ子の私にとっては中身が 濃く、ボリューム万点の、大満足な1冊でした。 神戸っ子でない方にも、ぜひ、お読みください!!
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![寺泊・わが風車]() | 『寺泊・わが風車』 新潮社 price : ¥500 release : 1984/01

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 | 『舞姫通信』 新潮社 price : ¥580 release : 1999/03

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テーマは自殺
自殺がテーマだけあってこの作品は、重いです。 すっきりせず、もやもやしたまま読み終えました。 自殺志願のタレント「城真吾」が、若者たちの脚光を浴びる場面がありますが、やっぱり自殺はいけないと思います。 私事ですが、昨年会社の先輩が自殺して亡くなってしまいました。 あまりにも突然で、連絡を受けたときには腰が抜けてしまいました。 自殺してしまった本人も悩んだ末に死んでしまったかもしれないけど、残された人間は相当考えさせられます。 重松さんの親友も、過去に自殺して亡くなってしまったそうです。 そういう経験があるからこそ、自殺をテーマに作品が書きたかったのだと思います。 人はいつか必ず死ぬのです。 自殺なんかせず、一度しかない人生を精一杯いきてほしいとおもいます。
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 | 『憂い顔の童子』 講談社 price : ¥860 release : 2005/11

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深い森を探索するように
取り替え子に続く、魂の物語。 主人公の長江と、長男のアカリ、作家である長江の文学研究者のローズさんが、長江の故郷の森に帰るところから始まる物語は、読者を精神の深い森へと誘ってゆく。 登場人物達に誘われるまま読み進んでいくと、現実とドン・キホーテの世界とを行きつ戻りつする不思議な時空が立ち現れる。 空想と現世の境が次第にぼやけてゆくような感覚。 幾重にも入れ子になったような複雑で深い物語世界に、いつのまにか引きずり込まれてしまった。 まるで懐の深い森を探索したあとのような、読後の痺れるほどの満足感は、この著者ならではのもので、ほかではなかなか得られないと思う。
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 | 『疑惑―半次捕物控』 講談社 price : ¥660 release : 2006/01

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アンチ茶道派に
茶道ってつまんなそ? 茶道って何のためにやってるの? 茶道してる人って、お高くとまってそ?
って思っている方に是非読んでいただきたい。 明日から、あなたの趣味が一つ増えることでしょう。
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今、一番読んで欲しい作品
1983年の1月から3月。岩下志麻、河原崎長一郎、 鶴見辰吾、二階堂千寿、樋口可南子、そして、山崎努という配役でこの『早春スケッチブック』はTVドラマとして放映されました。ある意味、そのメッセージは余りにも強烈過ぎ、全ての人に対して、決して観心地の良い作品では無かったとは思います。その代わり、作品を観た人にとって、これほどの印象を刻み込まれてしまった作品が他にあったでしょうか。今、このシナリオを読み返してみても、その印象は少しも変わっていないように感じました。TVドラマで事実上の主役を務めていた山崎努が、「今まで関わりあった作品の中で今一番観て欲しい作品」と、今回の再版によって加わったあとがきの中で語っています。この言葉、鵜呑みにしてもらってもまるで構わないと思います。
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 | 『夢の痂』 集英社 price : ¥1,365 release : 2007/01/06

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モンケ没(一二五九年)をもって大モンゴルは実質崩壊
第四代皇帝モンケの指揮下、中国・雲南討伐に向かうフビライ(後第五代皇帝に)とペルシャ遠征に向かうフラグの二人の弟を描きながら、陳氏が焦点を当てるのはフビライの漢人参謀・姚枢や子聡。中原統治の秘訣として「大義」「徳」による“政治”を説きます。「モンケはモンゴル武将の統領」、「フビライは漢人も含めた世界のリーダー」を指向。この相違がモンケ側近の策謀をしてフビライを一時失脚に追い込んだ局面では、チンギスにも拝謁した高僧・海雲(愛弟子子聡をフビライ側近に送り、孔孟の道と仏法の融和を企図)による講筵(こうえん)を主催し、広範な漢人仏教信徒を掴むことで危機救済。フビライが後にチベットのパスパを「国師」に迎え、チベット仏教(ラマ教)を繁栄させた因果を想起させます。またチンギス家指導者たちの宗教政策は依然焦点に。チンギス以来の諸宗教融和策は統一モンゴル体制の中に生き続け、当時のフランシス修道会のモンゴル訪問記は、モンケによるキリスト教、仏教、イスラム教すべての儀式参加を記録しこれを印象付けています。ところがモンケ没に続く一二六〇年のフビライ・アリクブカ(末弟)の同時ハーン即位宣言以降は、一二六六年予定の統一クリルタイの機会を、フラグ(イル・ハーン国、キリスト教保護)、ベルケ(ジュチ家、キプチャク・ハーン国、イスラム教傾倒)、アルグ(チャガタイ家、チャガタイ・ハーン国、イスラムが主流)の各代表の相次ぐ死亡で逸し、独立諸国家が特定の宗教を重んじ対峙しあう構造が確定。イスラム過激暗殺教団の台頭も始まります。このような経過から、モンケ没をもって大モンゴルは実質崩壊と見做しているのです。そしてチンギス以来の部族統一の夢に一つの区切りを見取るようにマリアも九十歳の生涯を閉じます。アリクブカとの五年に亘る争いを制したフビライが次に日本に目を向けたのは、クリルタイで権威を打ち立てられぬ挫折を克服するためと予測。
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懐かしさでほんわかしました
告白の内容はさまざま。恋愛・友情・感謝・・・
大人になるほど告白することは少なくなります。告白するって気恥ずかしさを伴うものだからでしょうか。
だから、どの告白も、その緊張感が新鮮でもあり懐かしくもあり、面白かったです。
あっという間に読み進んでしまう1冊です。何かを告白しようか迷っているあなた、必読ですヨ
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 | 『そして、海老蔵』 世界文化社 price : ¥2,500 release : 2005/02

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襲名記念写真集よりこちらを買うべし
昨年6月に『十一代目襲名記念写真集 市川海老蔵』が発売されたが、この時はまだ5月の歌舞伎座から始まった襲名興行の途中だった。この後続いた大阪松竹座、名古屋御園座、パリシャイヨー宮、京都南座公演の様子を知るためには『そして、海老蔵』がうってつけである。装丁が美しく、写真が豊富であるのがうれしい。 昨年一年間の海老蔵の軌跡を伺い知るだけでなく、床山、衣裳、大道具など裏方の仕事にもスポットが当てられているので、歌舞伎という舞台芸術の奥深さを感じることができる。また、随所随所で歌舞伎の歴史にも触れられている。歌舞伎の専門家が書いた本に比べて文章もわかりやすいので入門書としてもおすすめ。
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消化不良
昔、一度、読んだ本。 が、筋はうろ覚えで結末はすっかり忘れていたので、もう一度、飛ばし読みより丁寧に読んでみた。 読み返しでも、それなりに面白いのは、さすが大沢。 が、最後、製造部の詳細と龍の結末を、ちゃんと知らせて欲しかったな。 わし的には、やや消化不良。
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 | 『酔って候<新装版>』 文藝春秋 price : ¥540 release : 2003/10/11

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幕末の賢候たち
幕末の短編集で、以下の小説で構成されています。 ◆「酔って候」(土佐藩 山内容堂) ◆「きつね馬」(薩摩藩 島津久光) ◆「伊達の黒船」(伊予宇和島藩 伊達宗城) ◆「肥前の妖怪」(肥前藩 鍋島閑臾)
「この時代、藩主たちも大変だったのね。」というのが正直な感想です。 越前候 松平春嶽が含まれていないことが、不思議に思いました。
色々な事情を抱えていても、やはり「藩」というものを守らなければならないのが、藩主の仕事。 たしかに、この賢候たちにはある意味で「アッパレ」です。 この時代の「藩主」を描いた小説として、すっごくおもしろかったです。
個人的な好みの順番でいえば、 1. 伊達宗城→2. 鍋島閑臾→3. 山内容堂→4. 島津久光 の順でしょうか。
実はこの本、かなり気に入ってます・・・・・
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3冊全部読みました
本当に一気に読みました。電車の中で、バスの中で、ベッドの上で。ばななさんは、小説を読んで想像していたよりも、ずっと男らしくてビックリしました。また、登場するヒロチンコさん・なっつ君・友達の陽子ちゃん・秘書の慶子さんの話も、それぞれの性格が表れている行動を逃さずに日記に書いているのは、さすが作家の書く文だと思いました。この3冊は小説以上に、書いている「場」の描写が漫画的な目線で面白かったです。
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![新版 ノーム]() | 『新版 ノーム』 サンリオ price : ¥5,913 release : 1992/11

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ノームは実在する!?
この本を読んだのはもういい歳になってからですが、私はノームの実在を確信しました。 それにとにかく綺麗な本です。一週間は間違いなくうっとり眺めつづけられます。
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 | 『総統の子ら〈上〉』 集英社 price : ¥630 release : 2006/12

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もはや石川淳の作品。
名訳である。本書が凡百の現代語訳と一線を画するのは、その訳文にちりばめられた夷斎石川淳先生のエッセンスに由来する。先生一流の名文は物語を飲み込み、「現代語訳」であるといった違和を感じさせず、あたかも雨月物語を己の作品としたかのような風情である。しかし、そうは言っても、かなりアクの強い訳であることは事実であり、先生が不要と感じた表現は一切これを切り捨てて惜しまない。よって、原典の細部まで忠実に訳したものを所望する読者には、本書をお薦めすることは出来ない。
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![日常生活の冒険]() | 『日常生活の冒険』 新潮社 price : ¥580 release : 1971/08

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パセティクな青春小説
このおよそ冒険の可能性なき現代を、冒険的に生きる主人公の伝説を描く。百科事典の知恵を借りずに自分の頭だけで生みだした、反社会的で過激なモラルを恐れるところなく実行にうつす彼は、ナセル義勇軍に志願し、果ては原爆に責任のあるアメリカ人をつかまえて一室で独自に裁判をする『原爆裁判』を企て、最後は不意の自殺を遂げる。冗長だが、稀有な読後感を呼ぶ雄編。
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戦前に起きたある豪華客船の海難事故の物語
2兆円(という金額のスケールに驚く)の金塊と共に沈んだ豪華客船を引き上げろ。謎の中国人に100億円の融資の依頼を受ける、闇金融会社社長。なんだかとてつもない規模の海洋アドベンチャーが幕を開けるのかと思っていたら、全くもってそういう類の話ではなかった。横浜?サンフランシスコ間を航行するために造られた弥勒丸は、戦時下のもと陸軍に徴用されてしまう。戦争末期にある極秘任務を帯びて東南アジアの各地を巡ることになる。船長を始め関係者一同は何も知らされないままであった。そこにはどんな謎が隠されていたのか。なぜ沈没してしまったのか。「昔」を知る老人たちの重い口が今開かれる。映画「タイタニック」よりもグッと来るモノがあった壮大な悲話。
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 | 『結婚詐欺師〈下〉』 新潮社 price : ¥500 release : 2004/01

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ダマす側、ダマされる側の双方から描いた作品
結婚詐欺師徹夜度 ★★★★☆ 話題性 ★★★☆☆ 着想 ★★★★☆ 作品の重さ ★☆☆☆☆ テンポ ★★★★★ 読みやすさ ★★★★★ 謎解き ★☆☆☆☆ 感動 ★☆☆☆☆ 読後感 なるほど! おすすめ度 ★★★★★ 結婚詐欺師という、古今東西、小説の題材として取り上げられてきた職業を、ダマす側、ダマされる側の双方から描いた作品。 作品の前半の軸となるのは、「橋口雄一郎」という結婚詐欺師のだましっぷりである。女性の心に巧みに入り込むプロのテクニックもさることながら、詐欺師なりに努力・苦労しているところがおもしろい。 作品の中盤からは、捜査に関わる刑事・阿久津の昔の恋人美和子が橋口雄一郎にダマされることとなり、追うもの・追われるもののサスペンスが展開される。
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 | 『ジゴロ』 集英社 price : ¥460 release : 2006/05

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痛々しいが素晴らしい
中山可穂さんらしい作品のひとつだと思います。同性愛とか関係なく、本物の恋愛小説が好きな方は読んでみる価値あり。きっと中山可穂作品全部読みたくなる筈。
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松陰について、
レポート提出のために手に取ったこの本は、子供向けであるためか内容的にとても簡単で、理解するに容易いなものであった。故に、専門書にはなり得ないが、子供が松陰について学ぶには大変良い教材になると思う。
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 | 『中国任侠伝』 徳間書店 price : ¥620 release : 2005/04

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 | 『セラフィムの夜』 小学館 price : ¥650 release : 1998/12

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多元論の罠
やはり花村萬月はすごい作家である。
この物語の主体は、男女や善悪といった二元論を脱することを意識するあまり、常識や共通観念の崩壊した多元論の混沌に陥っている。
この様相は、某書巻末の氏のエッセイの言葉を借りれば「自分の馬鹿さ加減に気付いていない厳格な校長先生が、朝礼で偉そうな訓示をたれる」姿そのものであり、神の下における文明の原理原則の矮小さと、それから逃れようと躍起になるあまり視野狭窄に陥ってしまう人間の浅はかさを描き出すことに成功している。
譬えれば己の幻想を神だと信じて疑わないような、人間精神の危うさの描写が面白いのだ。
二元論的な規範が廃れ、価値観の多様化が進んでいる昨今、多元論の混沌に呑まれることなく、人と人とが健全(安全)な社会(関係)を守っていく上で何が必要か……この物語は警鐘を鳴らしている。
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昔懐かしい短編集
本短編集を読んだのは30年以上前。ポーの時代から、昔は短編が主流だったんですね。本作では、バークの「オッターモール氏の手」が抜けていると思います。今で言うとサイコ物に相当するのでしょうが、当時はそんな概念がなかったので、結末の迫力には圧倒されました。作者の感覚は数十年先を行っていたのですね。後はクィーンの「キ印ぞろいのお茶の会」ですか。この作品は本来「クィーンの冒険」か「クィーンの新冒険」に入っていた筈なのですが、こちらの「傑作集」に入っているということで創元社が抜いていたのですよね。で、なかなかお目にかかれなかったのですが、本作で出合えました。作風はいつも通りなのですが、犯人に振り回されていたクィーンが逆に仕掛けを見せるあたりが面白いですね。書かれた時代が時代なので、総じて古臭く感じられるのはやむを得ないですが、ミステリの原点をたどるという意味で(他の傑作集も含め)価値がある一作と思います。
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作家「司馬遼太郎」誕生のいきさつ
1960年代末の時代にコミットした数篇もさることながら(時代をみている視点の斬新さ・鮮烈さはさすが)、 一司馬ファンとして感動的なのが、「海音寺潮五郎氏のこと」の一篇。私事をあまり語りたがらない司馬さんが、海音寺潮五郎全集月報によせて、作家「司馬遼太郎」誕生のいきさつを語っておられる。 当時の文壇でたったひとりで猛烈に司馬さんをプッシュし、かつ司馬さんを激励した海音寺氏がいなければ、 われわれに膨大な司馬作品を堪能できる幸せはなかった。 海音寺氏の人間としての凄さを感じるとともに、司馬さんの感謝の気持ちに満ちたこの篇には、ただ感動するばかり。
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 | 『生きるなんて』 朝日新聞社 price : ¥1,365 release : 2005/10/13

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食べてゆくのは大変
結局、霞を食って生きられないってことでしょ。穿った見方をすると庭いじりも写真集を出すためなんじゃ ないかと勘ぐりたくなりますね。確かに立派な庭だが、そんな暇があるなら立派な小説を書いていただきたい。 庭いじりについては一日中机に向かっていると精神の緊張を保てないともどこかで書いていたが、そんなに 集中して書いた結果が最近の作品かと思うと情けなくなります。著者が言うのとは逆に昔の作品の方が 数万倍輝いています。庭いじりと写真集だけでも十分生きていけると思います。カレンダーでも作って下さい。 でなければ著者が卑下する人も楽しめ、著者が想定する理想の読者も楽しめる作品を書けば全ては解決するって ことです。その事に気付かない限りもう破綻してますねこの人は。
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物足りなさ
時代物が読みたくて購入しましたが、少々期待はずれでした。 主体となる公事宿についても、旅籠との違いが少し曖昧というか、 様々な役割の部分をもう少し説明して欲しかった。 公事宿の存在を知らない人が読むと、少し分かりづらいように思います。 文化や場所の説明にしても、どうも痒いところに手が届かないというか・・・。物語自体にも、江戸の活気に溢れる生活感が描ききられていないのでは。 現代劇でもできることを、ただ江戸時代に移しただけと言えなくもないような気がします。 直木賞受賞作ということで期待していただけに、評価は3と、低くなってしまいました。
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祝、復刊。
「わが人生」三部作(正確にはまだ分からないが)中、 唯一絶版になっていたのが、この『わが人生の時の会話』だ。 題名通り、氏の印象に残った会話を中心に、三十九もの話が語られている。 個人的に印象深かったのは、ニクソンやアキノとの交感のくだり。 それぞれ冒頭を引用してみよう。 『ニクソン』 「人間には何かで競い合う相手との、競うがゆえの奇妙にねじれた関係というものがあって、 何かの加減、何かの印象で一方的に片方が得をしたり、損をしたりということがある」 『死にいく者との会話』 「彼がいつかは故国に帰らなくてはならぬのは誰よりも彼自身が知っていただろう。 それも出来るだけ早く。ということは、早いだけ危険を意味してもいた」 アメリカの名誉の為、ケネディに勝っていた選挙から身を引いたニクソン。 待ち受ける事を確信しつつ、なおフィリピンへ戻ることを選択したアキノ。 これほど悲しくも、雄々しい話が今まであっただろうか。 話自体の面白さはもちろんのこと、氏の技量にも感服させられるはずだ。
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なかなかの技
湖水地方を夫婦で訪れ、ワーズワースとベアトリクス・ポターを偲ぶ随想。イギリスならではの、自然でかわいらしい風景と建物の写真が豊富で美しい。 ポターの生涯を振り返り、「青春時代は自分探しの時代」、「壮年時代は自己実現の時代」、「老年時代は社会貢献の時代」とまとめている。一人の伝記を読みながらその足跡をたどることで、単なる観光旅行にとどめず、人生を考え、一冊の本まで、本として出版するは、なかなかの技である。
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 | 『黒い自画像』 角川書店 price : ¥580 release : 2006/08

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こんなもんじゃないはず!
阿刀田氏の、いわゆるブラックユーモアのジャンルに入る短編集はほとんど読み尽くしたけれど、ここ何年かの作品についてはパワーダウンが否めない。 この作品についても、なんだかぼんやりした話が多く、氏の持ち味だと思われる、洗練された恐怖やノスタルジー、上品なエロティシズムなどが、いかんなく発揮されているとは言いがたいのだ。 これは作品が変わったのか、読者である自分が変わったのかよくわからないけれど、かつてはワクワクしながら読み耽った作家だけに一抹の淋しさを覚える。 もし阿刀田氏の短編をあまり読んだことがない人なら、どうか氏の作品をこんなもんだと思わないでほしい。 ぜひとも初期の頃の短編集を読んでみてほしいと思う。
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 | 『天涯の花』 集英社 price : ¥740 release : 2000/09

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しばらく出会えないかも
何年かに一度、「しばらくもうこんな本には会えないかも・・・」と、読後に感動しながらも、寂しさを覚えることがある。 そして、これも何年かに一度、どうしても物語の舞台となった土地を訪ねてみたくなる。 来年の夏は、キレンゲショウマが咲く頃、四国徳島の剣山に登ってみようと思う。「天涯の花」とは、高山植物キレンゲショウマであり、純粋なまま少女から大人になっていく主人公、珠子そのものである。 松たかこの初座長舞台でも有名になった「天涯の花」だが、舞台の再上演は、もうないのだろうか。ぜひ観てみたい。 女の一生ではなく、15歳から20歳までを描いた物語であるだけに、その純粋な美しさは、他に例を見ない。
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 | 『若い芸術家の肖像』 新潮社 price : ¥620 release : 1994/03

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このレビューにこだわらずに
名作、ということになっていますが、わたくしにはどうもピンと来ませんでした。わが愛読する伊藤整も、この作からの影響で「若い詩人の肖像」をものしているというのに・・・(ただし、この作も同様にあまり感心しない) いわゆるビルドゥングス・ロマンに分類される、半自伝小説ということになっています。ピンとこないひとつの理由は、宗教との関わりということもあるかもしれません。また当時のアイルランドの、イギリスとの複雑な関係もひとつの理由になっているのかもしれません。 こう書くのは矛盾しているかもしれませんが、わたくしの評価にはこだわらずに本作を読んでいただければ、と思います。訳については原文と対照もしていないので評価不能ですが、日本語としては決してわるくないように思いました。
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 | 『みんなの秘密』 講談社 price : ¥540 release : 2001/01

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面白いよ
人にはそれぞれ言えない秘密があって、それぞれの人が色々なことを考えて生きているのだと思いました。 作品として読む分にには面白ですが、あまりにも日常的なことなので自分の人生に置き換えてしまうと、こんなにも世の中腐ってるのかと正直やる気が失せます。来年から社会人なのでなおさらでした。
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著者の器の大きさを想う。
原稿用紙2500枚に上る大作、約一週間かけて、のろのろと読み終えてみますと、全く様々な想いが脳裡を去来して、半ば呆然としてしまいました。とても面白く読ませて頂きました。残念ながら私自身は、ショパンの音楽、ドラクロワの絵画に対してそれ程造詣が深い訳では無いので、「物語」の中で展開される芸術論に対して、私は議論を差し挟む事が出来ませんが、CDで聴くショパンの音楽に対して、これまでよりもより深く愉しみたいと願う機会を与えて頂きました。”芸術に触れたい”という想いを抱かせてくれます。 著者が何故に、この19世紀のパリを舞台に有名な芸術家達の交流を描いたのだろうか、という事に、しばしば想いを馳せる事になりました。この「物語」全体から浮かび上がる印象ですが、ショパンやドラクロワの孤独、そして哲学的な思索、それらを通じて、平野啓一郎氏の想い、世界観、思索が滲み出ているように感じられます。決して、ショパンが平野氏ではなく、またドラクロワが平野氏という訳でもない。明確にダブる、重なる、という訳では無いのですが、その全体の中に、芸術家達の作品を産み出す苦悩や、孤独な作業、哲学的思索が、ショパンでもありドラクロワでもあり、なおかつ、著者・平野氏でもあるように、浮かび上がって来るかのようです。著者・平野氏の裡に抱えるその孤独、世界観を垣間見るような印象を受けました。著者・平野氏の器の大きさを想わずにはいられません。平野氏がその裡に秘めるものを表現しようとする時、その器の大きさが、結果として、この19世紀の芸術家達を通じて表現せざるを得なかった、ようにも想えて来ます。
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 | 『寂聴仏教塾』 集英社インターナショナル price : ¥1,260 release : 2002/08

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私の人生の書です。
私が人間の人生とか、死後に悩んでいたときにたまたま読んだ本でした。一つ一つのお話が本当に優しく、寂聴さんの仏様のような慈悲心を感じ、救われた思いがしました。仏陀も親鸞も、苦しむ私たちと同じ人間だったんだということ。宇宙とは体得することで、全ての宗教は一つであること、死んだ人たちはみな私たちを分ってくれていて、見守っていると言うこと――どれも寂聴さんの優しい語り方で、自然に理解できました。そして我々はおばかチャンなんだから、という寂聴さんの優しい言葉(どうしようもない自分に苦しんでいた自分を、救ってくれた一言)が大好きです。寂聴さんに仏心という素晴らしい優しさを教えていただけました。私のかけがえのない一冊です。
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 | 『イビサ』 講談社 price : ¥520 release : 1995/04

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これぞ村上龍!!
破滅的ストーリーとありますが、なぜか悲惨な感じがしないです。
精神病院から見るキウイ畑や天文台、タンジールの崖のくだりがすごく好き。 あの文体がたまらない!ずっとこの世界にいたい!! と思わせる一冊です。
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ショパンの姿が痛ましい
この巻では、始めにショパンのコンサートの描写が一曲ずつ、細々と続き、それに観客たちがどれほど感動したか、ということが述べられている。しかしショパンの栄光も一晩だけで、その直後に二月革命が起こり、彼はイギリスに避難する。そしてイギリス中を引きずり回され、病弱な彼は体調も気力も衰えていく。
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夢の対談
歴史小説が大好きな私のお気に入りベスト3は司馬遼太郎、陳舜臣、吉川英治!そんな私にとって、この本はまさに夢の対談!!緻密な情報収集を元に独自の歴史観を築き上げている2人の対談、これは「買い」でしょう。
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 | 『百器徒然袋―雨』 講談社 price : ¥1,313 release : 1999/11

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「僕」の名字は最後にわかる
天下の薔薇十字探偵・榎木津礼二郎の事件簿。京極堂ものでは脇役だった彼が本領を発揮して大活躍する中編3編である。筋書きは比較的単純で、事件解決の方法も蓋然性の低い、「たまたま上手くいったからいいようなものの・・・」といった類の危うい仕掛けであるから、これは論理性よりも榎木津の個性を楽しむ小説である。榎木津の破天荒に明るいキャラクターは実に魅力的な造形であり、私としては作者の作品群の根幹である、陰惨な京極堂ものよりも好ましく思える。
大変楽しい作品であるが、やはり過去の京極堂ものを(できればすべて)読んでいることが望ましい。この作品だけを読むことも不可能ではないが、楽しさは多分半減するだろうと思う。
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 | 『白道』 講談社 price : ¥650 release : 1998/09

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![まだ見ぬ書き手へ]() | 『まだ見ぬ書き手へ』 朝日新聞 price : ¥1,427 release : 1994/06

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自分にカツを入れたい時に最適
小説家として生きていくための人生読本である。文章のテクニック的なことはは一切書かれていないので、これを期待する人にはお勧めできない。 「小説家は、生活の全てを小説のために捧げねばならない」という主張が、骨太かつハードボイルドに綴られている。主張そのものは筋が通っており、小説家を志す人のみでなく、全ての“プロ”を目指す人に取って有益であろう。 ただ、余りに骨太過ぎるので、本書の主張通りに生きていくことは不可能であろう。恐らく、著者自身も本書の主張通りに生きてきた訳ではないであろう。 僕は、本書を座右の銘とするつもりはない。本書は、仕事がマンネリ化してしまい、何となく面白くなくなった時に、自分にカツを入れるために、時々読むのが最適と考える。
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