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 | 『殉教・微笑』 講談社 price : ¥999 release : 1993/12

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理屈というよりは感覚的?
理屈というよりは感覚的な衝撃を受ける作品集。 しかし、その感覚的な衝撃は、紐解いていけば何がしかの理屈で語ることができるでしょうが、本文中にも本人の解説にも明確な答えはありません。 発表から時間が経った今でも、問題の提示(というほど内容的には明らかな印象ではない)は読者に考えることを要求し、またそうすることのできる力を持った作品集だと思います。
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子供の成長を通した親の姿を見る
再び大阪に戻って商売をはじめる主人公。 いろいろな事業に手を出し、次から次へと成功していく。 人間関係の様々な問題を彼流にかたしながら。 そんな人間模様と事業の拡大していくのはおもいろい。
この物語の最大のポイントは子供だ。 1部2部では存在だけが重要だった子供が、 この3部では主人公にとってかわらんばかりに、 縦横無尽に何かをやらかしたりする。 そこに子供を通して見えてくる自分の姿を、 これからの人生を主人公が考えさせられるのがよかった。
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 | 『義経〈上〉』 文藝春秋 price : ¥700 release : 2004/02

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生身の人間としての義経
伝記小説で読んだ義経は、少年漫画のヒーローだった。
司馬版義経では、幼児期に預けられた鞍馬寺では師の寵愛を受け(今風に言えば、「おかまを掘られる」)、奥州に行く道すがら逗留した家の娘との情事に惑溺する、生身の人間の姿が描かれる。義経=悲劇のヒーローのイメージを持って読んだ読者は、そのギャップに驚くだろう。しかし、後日出来上がって一人歩きした虚像の義経=劇画的な要素を極力排除し、軍事的天才であった一方、弱みもある「人間義経」を描いた作品として読めば非常に面白い。
上巻では平家との戦いは出てこないが、奥州に逃げる途中、盗賊に討ち入られた時に、瞬く間に仲間を掌握して盗賊を返り討ちにする場面など、将器の片鱗を見せる。
一方で、兄頼朝との確執は既に始まり、その本質を理解し得ない義経の悲劇を予想させる。
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短編集のような長編
京極堂第6作。この作品は今までと趣向が異なり、まるで6つの短編集ともとれる構成をしている。つまりは独立した6つのストーリーが展開するのだが登場する人物はいずれも過去の京極堂の作品の登場人物で、ただ一人新顔なのが多々良先生だ。やはり京極作品は最初から順番に読むことが重要なようだ。そうでないと今のストーリーを理解できなくなりそうだ。
いつもと趣向が違うためか息抜きしながら読める。大海を泳ぎ切る感触が今までに比べて無いが、それはそれで楽しい。京極堂の全キャラクター総出演と言った感じの作品だ。
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相沢事件だけでなく、226のまとめ。
この本は相沢事件から、226突入までのお話である。 特に、相沢事件と相沢公判の間にある、軍閥の暗躍という章は、振るっている。
以後の226の記述は、詳しいというよりある意味詳しすぎるところが多々ある。 著者は、このことを木を見て林を見ずになる心配があることを心配してわざわざ 226事件のまとめみたいなものをこの章に書いてくれている。
これを指針にしながら、以後の6?9巻を読めば、混乱無くいけるわけである。 親切な賞でもあるし、、松本史観のエッセンスでもある。
ただ永田事件の写真が章の始めに掲載されている。これにはぞっとしました。 昭和初年から20年までの昭和暗黒時代の描写がすごい。
ただ経済的に見れば関東大震災の負債をそのまま抱えている軍国にのみ走り、経済の ひ弱な国がすることはやけくその侵略である事がよく分かる。
さながら今の北朝鮮である。日本の軍国主義を正確に学べば今のホクセンも中国も これほど自国民の人権を蹂躙していないはず。
日本軍国を非難しながら、日本軍国のまねをしている愚行に気がつかないのは、いかがなものかと思う。
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 | 『日本史を読む』 中央公論新社 price : ¥840 release : 2001/01

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すばらしい対談
博識なジジイ二人の対談集である。各章とも題材として取り上げている文献と各々の知識を基に歴史上のif等に大胆な仮説を持ち出したり、推理を繰り広げているのだが、それが実に的を射ていて圧巻。仮説、推理それ自体が物語を作り出し、実に広いイマジネーションを与えてくれる。まさに知識とはこう使うべしというお手本である。 歴史を考えるとき、左か、右かといったことでしか考えられない傾向があるが、それとはまったく違う次元の歴史観を味わえる。読み終えて非常に視野が広がった気になる。何度も読み返していく度に新しい発見がある、非常に中身の濃い対談集である。
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 | 『血と骨〈下〉』 幻冬舎 price : ¥680 release : 2001/04

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在日文学の特長と限界
たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。
自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。
自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。
本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。
過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。
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 | 『三たびの海峡』 新潮社 price : ¥660 release : 1995/07

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なぜ、三たびの海峡なのか。四たびの海峡はなかったのか。
なぜ、『三たびの海峡』なのか。 このテーマが全てを語っている。なぜ「日本海峡」を主人公は渡らざるを得なかったのか。 一回目は強制であった。主人公は父に代わって大日本帝国の九州の筑豊に行くことを選ばされた。二回目。日本敗戦後、恋人と共に故郷に渡った。三回目。主人公は復讐のために、自らの意志で渡った。四回目は無い。克明にきちっと、情報収集することができた著者、ハハキギ氏の原作に出会ったときの驚き。これほど、生々しく語ることのできる人は福岡の出身者だ。 著者の略歴は、さておき、現在精神科医。具体的。筆致を押さえて書き続ける。この力量は凄かった。内容は文句なし。俺も、こう生きたいと思う男の怒り。復讐するは我にあり。戦時中の話しとしてこれほど明確に描かれた作品に出会ったことはない。流涙。泣いた。
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 | 『花火屋の大将』 文藝春秋 price : ¥550 release : 2005/07/08

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長編
梅安影法師梅安シリーズ第6巻。今回は長編です。 前作のように特に際立つキャラクターは登場しませんが、梅安、彦次郎、小杉十五郎、おもんなど、いつもの登場人物達がいい感じで息づいています。地味ななかで、キャラクターが際立っているとでもいうのでしょうか…。 未完に終わったというこのシリーズ、次回7巻(最終巻)を読んでしまうのが怖いような気もします。
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 | 『生きるなんて』 朝日新聞社出版局 price : ¥462 release : 2007/04

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 | 『Kの日々』 双葉社 price : ¥1,785 release : 2006/11

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普通の作品
とりたてて特長のない、普通の作品だった。作品の雰囲気としては、初期の「佐久間公シリーズ」に近い印象を受けた。 1.三年前の誘拐事件が起きた、2.その身代金を持った中国人が東京湾に浮かんだが身代金が消えた、3.身代金の行方を追ってその中国人の恋人をマークする、という内容なのだが、これだけ読んでも、ミステリーを読み慣れた人であれば、結末が容易に想像できるのではないだろうか? とにかく、この内容で500ページ級というのは、無理矢理ふくらませた感じで、読んでいてつらかった。大沢氏には、他に数多くの優れた作品があり、もし未読の作品があったら、そちらを先に読むことをおすすめしたい。
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 | 『アンボス・ムンドス』 文藝春秋 price : ¥1,365 release : 2005/10/14

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尾を引く影
OUT以来に読んだこの人の作品。 相変わらずダークな感じと、ちょっと終わりを読者にゆだねる感じと…。
今回は初めて読んだ短編集だった。
唐突に始まって唐突に終わる感じがあるのに、読んでいて楽しく引き込まれてしまう。
ちょっとアダルトな内容でもあったけど。^^; それもこの人らしさと言う感じで。
爽やかとは対象の、影の部分、特に女性独有のどろっっとした部分に触れる小説。
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 | 『最後の家族』 幻冬舎 price : ¥600 release : 2003/04

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【商品詳細】
リストラにおびえる父親・秀吉、若い大工と密会を重ねる母親・昭子、引きこもりの長男・秀樹、10歳年上の元引きこもりの男と交際する長女・知美。ある日、向かいの家で男に髪をつかまれて引きずられる女を目にした秀樹は、それが「ドメスティック・バイオレンス(DV)」だと知り、いつしか女を救うことを夢想しはじめるが…。 内山家は現代家族が抱えるさまざまな問題に直面している。しかし、「救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している」と語る村上は、内山家に安易に「救い」の手を差しのべたりはしない。「家族は楽しく食事しなければならない」「親は子供に期待する」といった現代家族を漠然と包みこんでいる幻想をはぎ取られた内山家は、一気に崩壊へと突き進む。にもかかわらず、読後感がさわやかに感じられるのは、多くの困難を引きずりながらも徐々に自立していく内山家の人々が、家族の崩壊と反比例するかのように生き生きとしてくるからだ。特に秀樹が、女を救おうとする自分とDV加害者とが「似ている」ことに気づき、涙するシーンは印象的だ。 村上は2000年に発表した『希望の国のエクソダス』で日本経済や教育を論じ、主人公の中学生に「この国には希望だけがない」と語らせた。そうした絶望感を経て書かれた本書には「救い」はないが「希望」の光は見て取れる。読み手は、家族それぞれの視点で同じシーンを描くという手法で構成されるこの物語で、登場人物の誰かに自己を投影し、自分にとっての「希望」を見いだすことができるに違いない。(中島正敏)
最後の家族
今の世代の若者受けはあると思います。 今、家庭に蔓延る不幸を受けている感じは人間誰しも楽しいことが生きがいではない、決して怯むことなく戦っていける人間、所謂ヒーロー像が全くない救いのない物語だったと思います。 貧しい家庭は決してミスは許されないそんな小説だと思います。 ミスをして誤魔化しても綻びはでてしまうそんな感受性の高い小説だと思います。
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 | 『総統の子ら〈下〉』 集英社 price : ¥650 release : 2006/12

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壮大な歴史絵巻
読後、しばらく絶句・・・。 ここに描かれているのはなんとも壮大な歴史絵巻です。 しかし、なんと酸鼻を極めた絵巻でしょう。 前半の煌めくような青春は、ヘルマンの落馬と同時に、 否応なく陰惨な歴史の中に巻き込まれて行きます。 戦争に正義はない。 ナチスも、ボリシェビキも、パルチザンも、 ドイツも、ソ連も、フランスも、米英も、 結局、同じ穴の狢。 でも、どの国にもやはり、青春の煌めきはあったはず。 なんともやりきれない想いです。 自分の周りが平和で良かったと心の底から思います。 と、同時にその平和は、過去の人々、現在の遠い国人々の犠牲で購われている その事実から目を背けてはならないのだと、強く思います。
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変化の予感
クリスマスにけんかして正月に仲直りできて、幸せな展開が続いてた。星野りつこにもかれんとの仲を打ち明けて。だけど花村の両親が帰ってくることになって。勝利が一つの決心をすることに。その上、星野が心を病んでしまって。なんだか悪いことがおきそうな感じです。
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マッチョだ!
グロテスクな所はともかく… 良かったと思います! 私は映画も原作も見たんですが、漫画もまた楽しかったです。 美鶴は良く喋ってくれますねwかっこいいです でも…ただマッチョだから…ちょっと中学生にあわなかったり… だけど星は4つです!
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 | 『こぶたくん』 童話館出版 price : ¥1,365 release : 1995/12

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仲良し兄妹のために
いくつかのお話で構成され、こぶたくんと妹のアマンダ、そしておとうさんとおかあさんが、こぶたくんの行動を諭すようなお話になっています。 また、妹を大事にするこぶたくんが描かれ、優しいお兄ちゃんを育てるにはいいのではないでしょうか。ちょっと気になるのは絵が少ないことぐらいです。
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 | 『カカシの夏休み』 文藝春秋 price : ¥620 release : 2003/05

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本を出すごとによくなるシゲマツ
シゲマツは、1作出すたびに成長していると感じさせる。 先生を主人公にした中篇が二つ。現役の先生には?なところもあるのだろうが、よくかけていると思う。教師も所詮は人間なんだと実感する年頃になったが、教師の人間くささが出ていて面白い。現役教師のレビューが見たい。 「未来」についてはやや消化不良だが、確実にいえることは、自殺した人間には「未来」は来ないってこと。いじめられて、自殺をチラッとでも考えてる子供に読んで欲しい。
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 | 『魔の山 (上巻)』 新潮社 price : ¥860 release : 1969/02

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過大評価
やっと上下巻を読み終えた…。上巻700ページ、下巻800ページととにかく長かった。それを最後まで読み通したのだから、つまらない作品ではない。しかし、私にとって面白くなったのは下巻からで、この上巻は退屈だった。長文を読むのが好きな人以外には薦められない。「二十世紀を代表する名作」という評価を見ても、単純に信じない方がいいだろう。
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 | 『男と女』 講談社 price : ¥620 release : 2002/08

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ある女性との出会いで
この本は読んでみようと思いました。 メル友の人妻だった人でしたが、私以上に奔放な人で 結局離婚する程の性の世界に行ってしまった人でした。 その人の事を理解(なんて出来ないですが・・・)しようとして 読んでみたんですが、何か時代や国などを越えた男と女の事の さまざまな情報の引用集みたいでした。参考になると言えば、参考にもなるかもしれないですが、 今の私も結構いろいろな女性を知り、読む必要はなくなってしまいました。 悪い内容ではありません。
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哀しいエミリー嬢にせめて薔薇の花束を
フォークナー最高の短編作品は「熊」か「乾いた9月」であろう。しかし、最も印象深いのは「エミリーに薔薇を」だ。この後味はポーにも似ているが、なにかポーよりも鮮烈で後々まで引きずる苦味がある。後味の悪さこそが文学の証しであろう。 勿論彼の本領は長編ではあるが、短編を放っておくのは余りに勿体無い。
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 | 『羊男のクリスマス』 講談社 price : ¥540 release : 1989/11

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ねじり気に入ってます
今では世界中ですっかり大人気となった村上春樹。 そんな彼の22年前の作品。 見開きごとに、佐々木マキのイラストがあって、 村上独特の不思議なキャラクターたちが、きれいな色使いで、 どことなくコミカルに描かれていて興味をそそされた。 文章のリズム、言葉の選び方といい、遊び心があって読んでいてとても愉快。 主人公「羊男」のおおらかで優しく、愛らしいキャラに引き込まれ、 羊男みたいな友達が一匹欲しくなってしまった。 ドーナツを食べながら読むと、更に楽しいかも。
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 | 『北条政子』 文藝春秋 price : ¥770 release : 1990/03

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どんどん引き込まれていきます。
初めて読んだのは、高校生の時。たまたま母が持っていてちょうど鎌倉時代の勉強中だったので、読んでみると・・・一気に鎌倉時代にタイムスリップしました。主人公の政子や頼朝の描写も良いですが、私が惹かれたのは二代目執権北条義時。永井さんは縁の下の力持ち的存在をさりげなくクローズアップするのが素晴らしいですよね。永井作品大好きです。この本がきっかけで歴史が大好きになりました。
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 | 『おぱらばん』 青土社 price : ¥1,995 release : 1998/07

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素晴らしい!
短編集というか、エッセィというか、散文というかは、作者本人にも特にジャンル分けを意識して書いていないと思われす。読まれた方それぞれが判断すれば良いかと。
しかし短編一つ一つが素晴らしい出来です、きっといつかまた読み返したくなるそんな作品ばかりです。
表題作の「おぱらばん」も一体どんな意味の何の言葉なのかはあっと言う間に分かる、そこまで読めば何と言う事も無い不思議な響きの言葉が、短編を読み終わると、その言葉がひどく愛らしくまるで手の中に納まった子猫の様に感じられます。
その他にも単館上映されている映画のタイトルの様な作品名の「留守番電話の詩人」(この話しはかなり好きです!いくつもの全く関係の無い小さな流れが絶妙の関係で合流してこのタイトルの元へと流れ込んできます!最高です)、視覚的広がりと美しさを連想させるタイトルの「貯水池のステンドグラス」(私にとってのベスト1です!ゲラシム・リュカ、いつか読んでみたいです)、タイトルから想像していたカラミになっていったにも係わらずさらに深い仕掛けと繋がりを与えられた「黄色い部屋の謎」、等どの作品も素晴らしいです!
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 | 『愛に関する十二章』 角川書店 price : ¥1,365 release : 2002/12

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やさしく書かれた言葉の、背後に横たわるもの
平易に伝える言葉を学ぶのに、五木氏の文章はひじょうに参考になります。ベストセラー作家をこんな風に評するのも妙かもしれない。あまりにもサラリと書かれるために返って敬遠しそうになるのですが、その文章は何重もの背景と共にあるものです。その上に「愛」ーーときている。 自己愛から始まり、同性への愛、家族愛……そして恋愛、セックスと12の章を立てて語っています。 「自分は『愛』について認識が足らなかったナア」と反省する。だが、それで良いのだろう。「愛だろ、愛。」とひとこと言えば、それで自明であるかのようにこの言葉が使われるより、それがどれほど多様性に富んでいるものかを知る方が豊か、だからだ。 そこには「愛よりも、情が必要」という、蓮如にも通じる「他力」のやさしさが、穏やかな春の海のように横たわっている。
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ワタルたちの生まれ変わりだ!!!
全然ちがうストーリーですね、コレ。 同じ登場人物でちがう物語見てるって感じです。 やっぱりミツルが悪い子。。。 ワタルがゲーオタなのはショックですが、 ワタルたちが生まれ変わった後の物語だと思えばじゅーぶん面白いですよ!!! とゆーことで星5つ。。。 あと、そんなビックリするほど筋肉ムキ×2ってわけでもないんで安心してください。(ワラ
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宗教戦争の中からヒューマニズムが生まれる
ミシェルの時代はシャルル9世とカトリーヌ・ド・メデイシス、ギュイエンヌ公、ナバール公、マーゴなどの時代。自身の宗教感については言及しないで、沈黙するカトリック教徒。ラテン語でギリシャ、ローマの教養を身につけたモンテーニュ。フランス革命の論理を彼がこの16世紀の時代にすでに発していると。王室伺候侍従武官に任命され、パリの宮殿で君主や貴族達の生活を観察して、何も庶民と変わらない、むしろ、トイレまで観察されて大変だ、とか、妻と母から疎外されたり、性について自分を観察したり、ブラジル現地人に質問して同じ人間だと感じたり、深い思索というより日記的随想といえる。堀田善衛の解説は大変面白い。サン・バルテルミーの大虐殺への経緯など息もつかせず読ませる。この時代の人間の残虐さ、カトリーヌの人間性、何故モンテーニュができたのかなどの考察がフランス時代史/ヨーロッパ史と共に語られる。堀田の追求して止まない人間主義・自由と平和への系譜が分かる。
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愛蘭土紀行ー街道をゆく
表題は愛蘭土ですが、実質英国紀行です。愛蘭土は、行けば好きか嫌いか はっきり個人差が出る国だと思います。因みに私は大好きです。それで本書を買って読んだのですが、司馬氏は、やはりアジアが好きで、思い込みが本書には多いようです。愛蘭土は特に1970年当時と今は、大きく変化していますので、違和感を感じます。
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男と女を考えるとき、非常にためになる一冊
軽く雑誌のように読める対談集なので、お気軽に楽しめます。
渡辺淳一さんとその担当編集者女1 2 と渡辺さんの対談ですが、男と女の性のあり方の違いがとっても明確に、しかも興味深く、なるほどなーと納得しながら読み進められます。
男のセックス、女のセックスについて、深く理解している渡辺さんのおっしゃることは実に的にはまっています。男とは基本的に浮気するもの。そういうふうに出来てるから、人類は存続してきたんだと。また、女性の性の快感は深いけど、男性は、達成してしまったら終わり。それを男も女性と同じようだったら、いちゃいちゃしつづけて、人類は繁栄しなかったと、、。女はあくまで自己中心。男はなんといっても社会的。仕事に命をかけている。お互いにちがうからいいんだと。
非常に端的に男性たちの代弁をしていて、なかなかお勉強になりました。女性達2人は、結婚とか妻の座の立場にたっての話なので、共感するところもあれば、ぜんぜん共感できないところもあり、また性の体験の浅い場合には、お話が通じないという場面もありで、それもまた「女とは」と考えさせられます。
互いが違っている事がわかって、それでもなお関わっていこうとするのが男と女であるという渡辺さんの言葉に、深く頷くのでありました。 男と女の関係で、元気が出てくる関係であれば、人生は非常に楽しいですよね。 そうでない関係はいらないとはっきり公言したいですね!
男と女を考えるとき、非常にためになる一冊です。
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【商品詳細】
1960年に『梟の城』で直木賞を受賞して、1996年に亡くなるまで日本と日本人のあり方を見つめてきた司馬遼太郎。ライフワークともいえる全43巻にも及ぶ「街道をゆく」シリーズは、日本はもとより世界中の街道を実際に歩いたうえ「司馬史観」を語るエッセイ集で、NHKでテレビ化もされた。本書は、同シリーズの中で唯一半島の名称がタイトルになっているが、主に鎌倉と昭和という2つの時代から、三浦半島が日本史の中で果たした役割を探っている。 半島の西側に突如として登場する鎌倉幕府は、平安京遷都以来初めて、京都以外に出現した政府である。関東武士たちの闊歩(かっぽ)した跡をたどりながら、著者は3代で途絶える源氏の政権や、滅ぼされた豪族三浦氏など「生死はいかにもあざやかだった」関東武士たちの、この政府にかけた思いにういて筆をすすめていく。 秀吉時代や開港当時のエピソードをはさんで、後半の時代は近代に飛ぶ。帝国海軍と横須賀という土地について語りながら、「海軍士官は、スマートであれ」という明治時代にイギリス海軍将校が残した教えを、消滅の瞬間まで守った海軍を紹介していく。その語り口からは、同じ旧軍出身ながら、陸軍にいた著者が海軍をうらやましく思っていることが伝わってくる。小説『坂の上の雲』のために旧海軍士官たちに行った「三笠」艦上での取材の裏話などを語り、最後は鎌倉時代に戻り、足利・新田氏によって鎌倉が陥落したときのエピソードで本書は終わる。小説化することのなかった昭和に対する著者の思いが伝わる貴重な1冊である。(鏑木隆一郎)
三浦半島と司馬先生の視点
本書と泉鏡花の「草迷宮」を読めば、 三浦半島の自然や歴史が身近になること請け合いです。 目の前に広がる丘陵、入江等、三浦半島の風景は鎌倉時代や第二次大戦期も変わることなく存在していたのだなという感慨を持ちました。 司馬先生の作品は常に歴史の醍醐味を感じさせてくださいますが、 本作は三浦半島という身近な場所を題材にしているので、 いっそう面白みが増すように思います。
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一番好き
中原さんの小説で一番初めに読んだ本で鳥肌がたつほど感動に近い興奮を覚えました☆言語感覚というか言葉のチョイスが面白いです。多分この方は翻訳小説を好んで読んでる方かな、と思いました。暴力的な表現が多いなかで不思議と著者のユーモアとか優しさが見え隠れしているところが好きです☆単行本と文庫と表紙デザインが違うんですね?。文庫も欲しくなってしまいますね☆
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かわせみワールドです
変わらぬかわせみのメンバーに人情味溢れる話です。かわせみファンには心地よく読める一冊です。この本を読んで江戸の世界に浸ってください。
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 | 『霊の発見』 平凡社 price : ¥1,470 release : 2006/09/26

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アニミズムとしての神道
肩に力を入れずに楽に読める本でした。対談形式なので、興味のある部分から抜き読みしても通読してもいい内容で、五木寛之、鎌田東二の両氏とも、深い知識に裏打ちされており、自説に固執しない幅広い議論を文献・歴史的事実に基ずいて議論しいる点が好感が持てました。両氏の、“神道は宗教としての理論とか、思想としての体系をなしていない原始宗教で、経典がなく、厳密な意味での教義がない”との指摘は興味深いものがあります。私個人としては、こうした事実にもかかわらず、現在に至るまで神道が生き続けていることに、不思議なものを感じました。また、両氏とも神道はアニミズムであるとしながらも、大自然の大いなる力に帰依し、畏怖畏敬するものとして評価しています。この本では自然に魂が宿るといった霊性をポジテブにとっており、こういった神をオヤ(=親、祖、オヤガミ)とする思想は、アニミズム的ものをネガテブにとる立場(例えばフロイトの‘モーセと一神教’に書かれているような)と対照的であり、考えさせられました。その一方で、この本では、神道をその本質とは全く切り離して利用した、1)戦時中の日本軍部の国家神道や2)現在の政治家の靖国参拝に対しては、その矛盾を非難しており、バランスのとれた内容であると思います。
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 | 『ガラス玉演戯』 ブッキング price : ¥2,940 release : 2003/12

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精神と現実の対立と分離
ヘッセの代表作ともいえノーベル賞を獲得したらしいこの作品でしたが内容的にも思想的にも奥深く人生の中での理念形成において大きな示唆を与えてくれる作品かもしれません。ただその分言えることは内容が難解で読むのに時間がかかる・・集中して読みと通すにはかなりの精神力が必要です、まぁ個人的にはそれだけの精神力を費やす価値がこの作品にはあると思う、最後の結末の部分は賛否両論でしょうが、個人的にはヘッセはあの結末以外当時書けなかったのだと思います、もしヘッセが現在ガラス玉演技を書いたとしても同じ結末しか書けなかっただろうし、将来ヘッセがなにか他の結末が書けるような時代が来てほしいものです。まぁそれは物理学でいう大統一理論の完成よりはるかに難しくというか不可能なのかもしれないが・・・
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シリーズ物の宿命か?
著者の書く作品は他の時代小説家とは少し視点が違っていると思っていた。 「大君の通貨」などは度肝を抜かれた。このシリーズでも過去の作家では 取り上げていない「八州廻り」という、いわば地味な役職を主人公に 与えており、目のつけどころに感心した。 しかし、この作品でちょっと首をひねった。シリーズの最初の十兵衛は、 有能だが娘を抱えてやもめ暮らし、それでいながら娘の出自に疑念がある、 いわば「影」を持つキャラクターだった。 この作品では何やら次第に「影」などない男に描かれている。恋も結構だが、 どうも魅力が半減した気がする。筋立ての上手さ等は言うまでもないが、 読者の要求なのか、編集者の要請なのか、どうもうなってしまう作品。
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通好みである
フォークナーという作家は通好みの作家である。ツボにはまれば熱狂的なまでに夢中になれるが、そうでなければ「難しすぎてわからへん」と投げ出してしまうものである。それは独特の「意識の流れ」の描写であったり、難解な構文や単語など色々な要因があるだろう。 で、この『アブサロム、アブサロム!』である。当然、難解です。ごめんなさい。でも、これホント。読み切るのに時間がかかる。一文一文丹念に理解し、バラバラになっている作品中の時間の流れを自分の頭の中で再構成していかなければいけないのだ。しかも、話者がころころと変わるのでその点にも気を配らなければいけない。大変である。 それでも、ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』よりは平易。読むにあたって必要となるコツを掴み取れば、むしろパズルを埋めていくようで面白かったりする。事実、私はどういう締め方をするのだろうか、と楽しんでいたほどである。まあ、これだけ難解であれば再読も楽しめるだろう。完全に内容を理解できた自信もないし(笑)。 ちなみに個人的な実感であり、なんら理論的な根拠はないのだが、ガルシア=マルケスはこの作品にインスパイアされて『族長の秋』を書いたように思う。
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 | 『命』 新潮社 price : ¥500 release : 2003/12/20

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生まれてくる命と、死んでいく命
生まれてくる命と、死んでいく命の2つの視点で、 生きることを描いた実話。
正直、いまでも柳美里さんは好きな作家ではないが、 この本だけは正直に良いと思った。
私記のわりにストーリーの展開が激しすぎる感があるが、 それだけ作者の感情の揺れ幅が感じられた。
生き方や死に方。 この本で書かれていることが全てではないが、 これから生きていくための参考書として、 1人の生涯を受け入れてみる良い機会になった。
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 | 『アメリカ素描』 新潮社 price : ¥660 release : 1989/04

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アメリカを鏡にして日本を考えさせる本
アメリカを挑戦的な男の世界だとすれば、日本は身を守ろうとする女の世界だとは、昔から多くの人が指摘してきたことだ。作家の司馬遼太郎はアメリカと日本を比較するに際して、文明と文化のいずれを主軸にするかで考え、『文明はたれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なものを指すのに対して、文化はむしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。つまり普遍的なものでない』という観点から、移民を受け入れる多民族国家のアメリカと、排他的な国粋主義の日本の差をアメリカで実感している。そして、『人間は体力が衰えると、カイコがマユの中に入るように自分の文化にくるみたくなる』と考察し、日本の民族主義や国粋主義の伏流について危惧する。20年以上も前に書かれたこの本は、小泉や安倍が政治の舵を握ってしまい、民族主義の狂気が燃え盛っている現在の日本に対して、その恐れを危惧した予言が的中しているという点で、いささかも新鮮味を失っていない点で感動的でさえある。多くの日本人に先人の知恵を理解するために、是非とも読むように推薦したいだけでなく、過去に読んだ人には再読することを勧めたい。
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 | 『40 翼ふたたび』 講談社 price : ¥1,575 release : 2006/02

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別世界のお話ではあるけども
最近の著書の中では良いほうですよね。あまりにも仕事しすぎのやっつけ著書が多い中(石田さんも自覚してるはず)、“ラスト”以来のまぁまぁのお仕事。吐き出し過ぎで、少し過剰気味だから、仕事もう少しだけスローになれたらもっと良いもの書けるのでは? ともあれ、都会モノで非日常的で、でも切実なとこが解りやすく共感できる作品です。まさに40才前後の方、ご一読ください!家の小六が読んだ後、私が読んだけどいきなりAV女優の話で、きついです。お子様がおられる家庭ではご注意くださいね!先読まれてちゃ、しょうがないか。
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 | 『胸の香り』 文芸春秋 price : ¥420 release : 1999/07

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余韻の残る、大人の味わい
宮本輝らしい、香り立つ作品集。 こたえを出すことの難しい様々な恋愛が描かれている。不倫と妊娠、出生の秘密・・・人生の影の部分を仄かに照らす、こころの物語。『月に浮かぶ』では、名月の夜に洋上で不倫相手の深刻な告白をうけて“私”がつぶやく。「僕には、海に映っている月のほうが本物に見えるよ」・・・。 善悪では割り切れない、男と女の恋愛・性愛のどうしようもない部分が描かれていて、余韻の残る短編集だ。
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 | 『きりぎりすくん』 文化出版局 price : ¥897 release : 1979/01

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どこまでも続くお散歩
沢山の生き物と出会い、その度に心優しいきりぎりす君は相手の話に耳を傾けてあげます。 風景を見ながらゆっくりと歩く事が好きなきりぎりす君は、いろんな考えを持った生き物が居るんだな、っと思いながら終わらない散歩を楽しみます。 きりぎりす君の視点から、いろんな虫たちの世界を覗いてみませんか?アーノルド・ローベルの素敵な絵と楽しい内容に、子供も釘付けでした。
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 | 『暖簾』 新潮社 price : ¥420 release : 1960/07

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まさに関西商法!経営者候補はぜひ読んでみてください。
とてもテンポよく読むことが出来て、すがすがしい気持ちになれました。 昆布商というところに目をつけたのがさすがですね。 とろろ昆布にも2種類あることとか、お酢につけて柔らかくして加工するとか雑学的な知識も 楽しめます。 度重なるピンチもナニワ商人のど根性で切り抜けるその逞しさはぜひ見習いたい。
借金をして建てたばかり、大量に買い付けたばかりの昆布が、台風で水浸しになり ダメになってしまったところから這い上がる所は必見です。
大阪の地理に詳しい方が読むと、実感として、とても楽しく読めると思います。 立売堀、丼池筋、千日前、船場、今も昔も関西商法の薄利多売、回転を効かせて 実利を取ると言うやり方は、とても参考になります。
鞘取り勉強・実践会 竹本淳一
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 | 『魂』 新潮社 price : ¥580 release : 2003/12/20

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ブラックジャック的闘病記
「命」の第二部のこの小説(自伝)は、東さんと柳さんの癌に対する闘病記といった趣がありました。 家族よりも恋人よりも切実な存在である東さんに生き続けてもらうために、あらゆる情熱を注いで治療法を模索していく。全て実名で登場する医療機関やその治療方法の違いは、「ブラックジャックによろしく」を思わせる痛烈な批判も盛り込まれ、赤裸々さにハラハラさせられます。しかし、柳さんはた東さんに少しでも長く生きていて欲しかったので、苛立ちも焦りも克明に記したのでしょう。 時として、息子の丈陽くんより東を優先させるほどの深いつながりに、人の絆の不思議さを感じつつ、健やかに育っている丈陽くんの様子は 一条の希望の光のようです。 生と死がクロスする、こんなに数奇な運命に翻弄されるのも柳美里の小説家としての宿命の一つなのでしょうか。 彼女にしか書けない現実です。
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 | 『避暑地の猫』 講談社 price : ¥470 release : 1988/03

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よく纏まっている。
一人の少年の目を通して映し出される、複雑に捻じ曲がった人間模様を描いた回想録。 ゆえに、物語の中心に位置しながらも、少年の語り口はどこまでも淡々としている。
軽井沢という清廉なイメージのある舞台背景と、そこで繰り広げられる醜悪かつ猥雑な 人間関係との対比が上手く描かれている良作である。 物語の主題である、人間が意識する心の“悪”とはなんであるのかを常に意識しながら 読むとおもしろい。
少々淡々としすぎたきらいがあったため星3つにしたが、全体としてスマートに纏まって いる点は良かったと思う。
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パンドラアイランド?
ほぼ一気に読んでしまった。 設定に若干の難がある様な気がしたが、登場人物の細かい動作など 細部にわたった、まるでパズルの様な物語。 少し気になったのは、以前の大沢作品の中に同様の名称を使用した 話(麻薬の生成?があったとされる伝説の島)があった様に思う点。
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 | 『猫町 他十七篇』 岩波書店 price : ¥483 release : 1995/05

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「鉄筋コンクリート」を「虫だ!」と思う感性のすごさ。
萩原の思想の神髄を<新しき欲情><絶望の逃走><虚妄の正義>から読み取れば読みとるほど、『猫町』という一見大したことのなさそうな話は、痛烈な重みをもった真実なのだと思う。しかし、家では娘と酒の席でおちょこを揺らし、感慨深くマンドリンをかき鳴らしたり、書斎の机の引き出しに、秘密のマジックの道具をしまい込んで、私かに練習をしている。そのこどもらしい萩原の姿も、また真実の朔太郎である。本書は、「この手に限るよ」のような朔太郎のおちゃめな部分をかいま見ることのできる貴重な短編集だと思う。普段矢鱈に不幸だの、病気だの言われている朔太郎だが、神経質で臆病な彼は実に子どもらしい伸びやかな感性を持っている。 「およぐひとのてあしはななめにのびる」という詩を思い出!す一冊である。
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 | 『物質と記憶』 白水社 price : ¥3,150 release : 1999/10

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「精神」の所在場所と「生気論」は当たっているでしょう
ノーベル賞(1927年度)の著者は1913年の一年間ロンドンのSociety for Psychical Research (SPR)の会長を承諾した人。哲学者は彼の「生気論」と「神秘主義」を批判し彼を古典のカテゴリーに入れ、例えば「哲学の名著」(古田光編)には彼の名は「年表」に「創造的進化」が出てくるだけです。哲学者は「カントの知恵」に従って、その身を「神秘主義」に近寄らないようにしているようですが、科学者では常識。「精神」・「記憶」が体とは違う次元にあると確信した著者も、バークリーの「あなたが五感で知覚しているものだけがあなたにとって実在する」という考えを排し、著者なりの見解を書いています。「予知(Precognition)」の存在を知っていた彼も、因果律という一見整然とした科学法則に抵抗することは出来なかったようです。我々の物理世界とは別の次元が存在することを示唆する情報はSPRの世界には多々あります。いわば「Vitality」が我々の「物理宇宙」のみならず物理学者のいう多数の宇宙を創造したという知識がSPRの世界にあります。それによると、まさにバークリーの考え、あるいはプラトーの「イデア」論(但し、その「イデア」は常に進化しているとすると、)が当たっていることになります。科学教育で育った我々には信じがたいことですが、「あなたのSubconsciousが、あなた自身のエネルギー使ってあなたの知覚する物理世界を創っている」という知識があります。100人の観光者が自分の「東京タワー」を同時に創っているとすると、あの狭い局所に100本の東京タワーをどのようにして置くのかと、誰しも疑問に思うでしょう。それは我々の「もので埋め尽くす空間」という概念そのものが「幻想」だからだとSPR知識は語っています。その知識はsethcenter.comに全てあります。
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うーん。。。。。。
私は、ずっと詠美さんのファンです。 ポンちゃんシリーズも欠かさず読んでいます。 でも、今回のポンちゃんは結構飛ばし読みしてしまいました。 うーん。。。。。。。って感じです。。。。。
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 | 『香乱記〈1〉』 新潮社 price : ¥500 release : 2006/03

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宮城谷昌光氏らしい小説
「十八史略」、「史記」、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」など、漢楚抗争をテーマとした史書や小説の中では脇役にすぎない田横が見事に描かれている。中国史の名脇役を選び、いきいきと描くという宮城谷昌光氏のうまさがよく出ている作品と思う。
難点をあげれば、非常に中途半端な恋愛模様(ストーリー展開上、必要性をほとんど感じなかった)や、田横があまりに理想的すぎる形で描かれているあたりか。
それでも、この時代の歴史を様々な観点から眺め、深く掘り下げてみたい人にはオススメの本である。
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 | 『森のなかの海(下)』 光文社 price : ¥680 release : 2004/09/10

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奥行きのある物語になってます
話が進むにつれて様々な出来事があり、それらが膨らんでいってどんどんストーリーが進んでいきます。 一気に読みました。読後感は、上巻にあった様な勘ぐりは消えて、すがすがしいものでした。人生って分からないから面白い、と思いました。
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 | 『本所しぐれ町物語』 新潮社 price : ¥540 release : 1990/09

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読んでみたら・・・
そういえば、こういうのも読んだことがあった。 昔の庶民的な風情と情緒がなんとなく感じられる。 ある意味、私が好きではない部類の系統で関心はないにしても、よくこういう物語がかけるなぁと思います。 読んでみていろいろ感じることもあったのでしょうが、人間社会で起こる出来事というのは良いことはすくないし、いざこざだらけだと。庶民的な視点での作品だという印象があります。こういう作品は、関心はないんだけれども、暇だったら読んでもいいと思う。 あまり考えることもないが抵抗感もなく、かつ、なぜかふつうに読める。面白くないと感じることもない。平凡なんだけど、その平凡さが際立っているというか、平凡さが良いという感じだった。
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 | 『さびしい王様』 新潮社 price : ¥700 release : 1981/09

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ごめんなさい、中途半端です。
童話として子供に読ませるには、やや難解であるし、又、「古風な同様」の判断を超える、ところがある。 では、大人の「童話」として捕らえるには、ちょいと疲れる。
このお話のプロットを童話と言う形でなく、思い切って大人向けのユーモア小説にするか、もう少し、子供の視点に傾いて「童話」に徹するかしてほしかったと思う。
・・・・といいながら大人にも子供にもなりきれない小生は結構楽しみましたけど。
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良いソファを買おうと思う
どうしてこんなに、「村上春樹」に惹かれるのか?彼を敬愛する者達が言う「春樹ワールド」とは、いったい何なのか?21世紀初頭、幸運な私たちは「村上春樹」と同じ時代を生き、「全作品」と名打った、村上本人の解約付きの書籍を手に入れることができた。 今、私の目の前に積み上げられた、美しく装丁された本の山に、この本を読むためだけに「良いソファ」(村上は、良いソファは値段に比例すると言った)を買おう、と決心した。 「どうして?」とか「なに?」なんて疑問の答えはきっと、わからないだろうから、いっそ、「良いソファ」に身を任せたまま、「村上春樹全作品」を抱えて眠りにつこう。
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 | 『母の発達』 河出書房新社 price : ¥546 release : 1999/05

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笑って泣かせる母と娘との絆
この作品で私は一生笙野頼子についていこうと決めた。 娘と母との葛藤を幻想小説という枠組みで描いた傑作である。 フロイトの提唱するエディプスコンプレックスでは、息子にとって父は乗り越えねばならない存在である。だが娘にとって母とは。 笙野氏にとっては世界と繋がる存在であり、そして世界を内包するための存在なのだ。あたかも「へその緒」で繋がれているかのように。 「母」とは存在の母であり、万人の母なのだ。 爆笑しつつもほろりとさせ、ラストには号泣する感動が待っている。 よしながふみ氏の「愛すべき娘たち」に感動した人は絶対読むべし! 笙野氏の傑作である。 「最高傑作」と書かないのは、笙野氏が今後も進化し続けるであろうからだ。
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 | 『ナポレオン狂』 講談社 price : ¥540 release : 1982/07

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最後の一文を読むまでは
珠玉の短編集.物語は最後の最後でどんでん返しを迎えることもあれば,淡々と終わるものもある.ブラックなものからミステリアス,ファンタスティックなもの等中身は様々.お試しあれ.
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面白いです。
ブレイブ・ストーリーも11巻になり、シグドラと騎士団との戦いも佳境に入りました。1巻から読んでいますが、とても面白いと思います。「報復のムフロン」から小野さんの漫画は読んでいましたが、ストーリーと共に絵も気に入っています。この夏に映画も出るそうなので、今後の展開も楽しみです。
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レビュー
小説も好きで手に取ったのですが、帯にあるとおり「現在進行形」の漫画です。 内容は差し控えますが、現代版にアレンジされてストーリーが展開するので、知っている人も知らない人にも楽しめると思います。
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 | 『老いるということ』 講談社 price : ¥756 release : 2006/11/17

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 | 『定年ゴジラ』 講談社 price : ¥730 release : 2001/02

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立ち上る温かさ
重い話もあるし、自分の心のざらざらした部分をさらに刺激するような話もある。 でも、作品全体から発せられるあたたかさがちょうど肩の凝りをほぐしてくれるようで なんとも心地いい。 作者の人間性が伺える作品と思います。 重松清、いまさらですが要チェックですね。
昔ドラマ化されたそうですが、ぜひ見たかったなぁ。
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内容は良いのに…
ちょっと字が小さくて読み辛いですね少し。 そのせいか他のエッセイ類に比べて読んだ印象がカタい気がします。 ちょっとページ数が薄いせいもあって読後感想が弱い一冊。 だが内容は流石氏のエッセイ。 文章が非常に判り易く巧い。流れるようだ。 字を大きくして少し厚めに編集し直す。 そうすればもっと読み易い一冊になるだろう。他社はやってますが。見習う謙虚さが欲しい。 非常に惜しい一冊。 星三つ。
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 | 『現代小説の方法』 作品社 price : ¥2,100 release : 2007/01

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 | 『梟の城』 新潮社 price : ¥860 release : 1965/03

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名作は何度読んでも飽きない
一度読んで面白い、と思える本は結構あるが、一読して仕掛けが分かった後に、何度も読ませるだけの本にめぐり合う事は稀である。 この物語は、家族を信長に皆殺しされ、その継承者である太閤秀吉暗殺、と言う仕事を全うしようとする伊賀忍者葛籠重蔵のハードボイルドな生き方としても読めるし、気楽に忍者アクション活劇として読んでもよい。また、重蔵と、なぞの女忍者、小萩との恋愛小説として読んでも面白いし、表題となっている梟たちー忍者の生き様を追っても味わい深い。
脇を固める役者たちが又、渋い。 己の利のみに走る元同僚忍者の五平、悪徳代官さながらの前田玄以、悪徳商人・今井宋久などなど。小萩の躾役の老女、楠は端役ながら、時に化生の凄みを見せる。 彼らのキャラクターは、ややステレオタイプの善玉、悪玉として描かれ過ぎているきらいがあるが、その分、分かりやすく、映画を見ているように人物を容易に想像できて面白い。
最後の石川五右衛門のくだりは無くても良かったのではないか、と思う。 そんな仕掛けをしなくても、十分楽しめる。作者最初の長編と言うが、少し技巧に走ろうとしたのではないだろうか?
しかし、この部分が総合評価を大きく落とすものではない。 何度読んでも飽きない、と言う本を名作と言うなら、本書は、不朽の名作と言っても呼びすぎではないだろう。
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兜率天に流れる時間
近江散歩はまあまあだったが、奈良散歩が秀逸!奈良散歩だけなら星五つ。東大寺を中心にじっくりと書いているのがいい。お水取りをめぐる話は興味深い。かつて東大寺に棲んでいた画家の須田剋太氏にひきずられるようにお水取りの舞台裏に引き込まれる司馬。そこには信じられないほどゆったりした時間が流れていた。(以下引用) 須田さんが、この青年を、 「小綱の堀池くんですよ」 と紹介したから、私は少し混乱した。小綱の堀池さんといえば、わたしにとっては堀池春峰氏なのである。堀池さんは若かっただろうか、と思った。堀池直樹くんがわらって、あれは父親です、といった。(以上引用)
同じ建物の中で何代も何代にもわたって同じ行事が繰り返される。その時間の緩やかさを司馬は兜率天(とそつてん=天人のすむ世界)に例える。なんとも詩的な文なので少し長く引用する。
兜率天に時間はないに等しい。その世界を写した二月堂修二会の行法でも、歳月は宇宙のようにゆるやかである。すでにふれたように兜率天の一昼夜は人間の四百年にあたる。人は変わっても「こもりの僧」そのものは、歴世連鎖して、歳をとるということがない。つねに壮年かあおあおとした若い僧である。 たしかに、東大寺には、兜率天がある。(以上引用)
橋本聖円師の「東大寺と華厳の世界」のお水取りの記述と併読されるとさらに味わい深いと思う。
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 | 『外伝・麻雀放浪記』 双葉社 price : ¥500 release : 1991/10

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大三元
イーシャンテン二巡目に中を引いてきた。白を泣いているが初は暗刻だ。対家が上がりパイを捨てたが小三元で上がってもオーラス間近なのでトップは取れない。見過ごして一巡目下家が中を切った。ポン。私らここで中は切らない。オーラス間近では慎重を期した方がいいのだ対家が中を捨てて大三元を和了。4万8千点。南4局は上家が安上がりして私の逆転トップで終わった。棋譜を見てなるほどと思った。下家は九連宝燈でイーシャンテンだった。麻雀のルールは公平ではない。簡単な大三元も技術を要する九連宝燈でも役万は役万。結局最後はツキなのだ。若い頃に麻雀から足を洗って良かったと思う。続けていたら身も心もボロボロになっていたことだろう。
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 | 『幽界森娘異聞』 講談社 price : ¥660 release : 2006/12/15

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男親=社会との闘争の視点
自分はかつて栗本薫(中島梓)のファンで彼女の著作で森茉莉の存在を知りました。しかしそれはあくまでも当時稀少だった同性愛をテーマにした作品の著者というだけで、森茉莉そのものは変わり者の小説家、くらいに考えていました。 この本では中島梓のそんなスタンスが完膚なきまでに粉砕されています。 森茉莉があまりにも巨大だった父、森鴎外にコントロールされていたこと、 それゆえに「お茉莉が泥棒でも大事な娘だ」と思われておらず、父の意を受けて架空の世界で自分を守るために作品をつむいでいたことなど、著者の視点を得てはじめて思い至りました。 森茉莉という仮面を通して著者の実像もよく見えてきます。 父=社会的構造、男根主義的文藝世界と常にまっこう勝負をして圧勝してきた著者ならではの素晴らしい評論であり、オマージュであり、哀悼歌でもあります。
弱きものとされてきたこども、女性、マイノリティからの胸のすくような反逆の書として、私は拍手喝さいを送りたいと思いました。
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 | 『逃亡〈下〉』 新潮社 price : ¥780 release : 2000/07

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戦争の“愚か”さ
戦争中憲兵(特高警察)として香港で厳しく治安維持にあたっていた主人公が敗戦後一転して戦犯に指名され、その理不尽さゆえ中国大陸から日本、そして日本各地を逃亡するという、文庫版で上下合計1200ページの大作でした。
97年の作品で柴田錬三郎賞を受賞しています。
原爆を投下して罪もない一般の人々を何十万人も殺したアメリカが罪を問われず、上官の命令で対日不満分子をはからずも手にかけてしまった者が、敗戦国ということで指名手配される。
作者はその不公平さ、理不尽さから戦争の愚かさを訴えているように思いました。
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 | 『井伏鱒二全詩集』 岩波書店 price : ¥525 release : 2004/07

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詩人井伏鱒二の全貌
井伏鱒二という「詩人」の全貌がやっと身近なものになった。私は彼の詩の一部しか知らなかった。今回の詩集は今まで一番充実していた「全集」のそれよりも「拾遺詩篇」19篇が付き、まさに「決定版」になっている。彼の詩は一言で言うと「個性の塊」である。そして一方では「柔らかい日本語」なのだ。そして時々「どきりとする表現」があり、時々「謎な表現」がある。例えば「逸題」。「今宵は中秋名月/初恋を偲ぶ夜/われら万障繰りあわせ/よしの屋で独り酒をのむ 春さんたこのぶつ切りをくれえ/それも塩でくれえ…」この見事なリズム感、見事な庶民性。そしてなぜ「われら」が「独り」なのかという謎。 また訳詩という作業において、井伏はまだ誰も追い越していない換骨奪胎の偉業を成し遂げている。「ハナニアラシノタトエモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ」干武陵の「勧酒」を見事に訳したこれだけではない。「ドコモカシコモイクサノサカリ/オレガ在所ハイマドウヂヤヤラ/ムカシ帰ツタトキニサヘ/ズヰブン馴染ガウタレタソウダ」(杜甫「復愁」)今回彼の詩を全部読んで気づいたのはその詩の中に庶民から見た戦争の影がどうしようもなくまとわりついているということだ。これは井伏でしか書けなかった詩であり、もう現代では誰も書けない詩である。そういう目で見ると「つくだ煮の小魚」も「顎」も「春宵」も突然いなくなった者たちへのもの哀しくオカシイ鎮魂歌の様にも思える。のは私だけだろうか。
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とりあえずのシリーズ最終巻
「勇気凛凛ルリの色」シリーズの第4段にして、とりあえずの最終巻。直木賞受賞直後の作品だけに全体的に躁状態で書かれている。軽妙洒脱が作者の持ち味で、読者へのサービス精神でもあるのだが、本作では少し脱線が過ぎよう。だが、作者に訪れた"福音"を考えれば、微笑ましいものである。
そして、その中で山一證券破綻に関する企業(大人)の責任問題、"選良"に関する野村證券の不祥事問題と新井代議士の自殺問題、元自衛官としての意識も込めた北朝鮮のミサイル発射問題など時宜を得た重いテーマも扱う。「地下鉄に乗って」に係るメルヘンティックな秘話も語られる。こうした硬軟取り混ぜた題材を料理できる所が作者の魅力であろう。
本シリーズを第1段から読んで来た読者は丁度、直木賞受賞をピークとする一人の作者のサクセス・ストーリーを味わう事になった。だが、この成功が単なる運ではなく、作者の長年に渡る不断の努力と執念に依る事が理解できよう。その意味で、読む側の我々にも希望とやる気を与えてくれる貴重なシリーズであった。いつの日にか続編が刊行される事を望みたい。
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 | 『密やかな結晶』 講談社 price : ¥720 release : 1999/08

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絶望的で悲しいけれど、
個人では抗えない大きな力による不幸に黙って耐える人たち、 しかもその不幸の記憶もだんだん薄れてしまう。 そんな状態に流されている主人公が、大きな流れに逆らうことをする。 その動機は本人にもはっきりしないが、自分にとってもかなり危険なことをやり通してしまう。 けれども、自分自身は大きな流れに乗って、消えていくことを受け入れてしまう。
ファンタジーですが、人ごととは思えない不安も感じてしまいます。 悲しくて辛いことが、たんたんと過ぎていく。 せめてもの救いは、本人はつらさをそれほど感じることができない、というところです。
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 | 『虚航船団』 新潮社 price : ¥820 release : 1992/08

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筒井好きは必読
筒井康隆は馬鹿馬鹿しいことを尋常じゃないバイタリティでやってしまえる人だと私は思っているのだが、その最たる例がこの作品だろう。気の違った文房具が船で旅をする、とこう聞けば単なるドタバタ小説かと思われるかもしれないがその描き方は全くもって真摯であって、数十種類の文房具による人間?模様は凄まじいことになっている。第二部にいたっては歴史のパロディで、延々と鼠の住む星について描かれる。ここがとんでもなく長い。そして二部での淡々とした進行をぶち壊すかのような第三部。ここにこの作品のカタルシスがある。600ページ超の長編小説。これを読みきるにはかなり疲れるし、上記の様な事を聞いて読む気にならない人もいるかもしれないが、筒井康隆が好きであればこれは是が非でも読まなければならない一冊である。どこまでこの人についていけるか、それがこの本では試される。最後まで読みきったからといってどうということはないが、私は筒井御大に拍手を送りたいような気持ちになったし、異常なほどの爽快感がある。長い小説を読みきったにも関わらず、それは単なる文房具の戦争である。馬鹿馬鹿しくもあるが、こんなことでも本気でやってしまえば芸術の域に達するのだということがわかる。全盛期の筒井康隆の圧倒的なパワーで描かれた傑作である。
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 | 『恥辱』 早川書房 price : ¥2,100 release : 2000/12

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