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文学賞受賞作
林住期
林住期
幻冬舎
price : ¥1,470
release : 2007/02

いつも若い、、、

インドからの言葉でわりとしられてはいる。
安寧に身をゆだねるという人としての最後は
みなこんなんだったらいいですね。

ご夫妻そろっていつまでもながいきしてほしい。
80才90才の五木寛之の作品も読みたくなってしまった。

一読推薦です。
ロング・グッドバイ
ロング・グッドバイ
早川書房
price : ¥2,000
release : 2007/03/08

表紙のデザインがいま一つか?

内容に関しては文句なし。ハードボイルドを語る上で絶対に避けては通れない傑作。
翻訳に関しては、清水訳と村上訳どちらが優れているかは人それぞれだろう。真にこの作品の雰囲気を堪能したいなら原書で読むべき。何時だったか、ピーター・バラカンがチャンドラーの文章は格調が高いというようなことを言っていたのを何かで読んだ。チャンドラーは英国で教育を受けたので、その影響が文章にも現れているのだろう。私も挑戦したが、残念ながら私の貧弱な英語力では文章の格調云々までは判断できなかった。この村上版をきっかけにもう一度読み返そうと思う。
最後に苦言を一つ。これも所詮は好みの問題だが、表紙のパルプ雑誌風の安っぽいデザインは個人的には気に入らない。これはハードカバーなのだから、それなりの豪華さを演出して欲しかった。
村上かるたうさぎおいしーフランス人
村上かるたうさぎおいしーフランス人
文藝春秋
price : ¥1,600
release : 2007/03

「む」 村上春樹に付き合わされる

「よう!」とばったり会って、そこらへんでお茶でもしようよというかんじになってお茶を飲んで適当に相槌を打っていたらいつの間にかこういう話ばかり聞くことになった。というかんじ。
一通り読んでしまえば気が向いた時に開いた所をぱっと読んで「あはは・・」と笑えませんが、思えます。
この本にこの絵あり。絵もじっくり見てしまいます。
落日燃ゆ
落日燃ゆ
新潮社
price : ¥580
release : 1986/11

人事をつくして天命を待つ

短い文章が淡々と事実を伝えます。
感情はこめられていませんが、
哀しさがひしひしと伝わります。

なんとか戦争を回避しようと
最大限の努力を重ねたのにもかかわらず
最終的には戦争を回避できなかった。
戦争を回避できなかった責任はすべて
自分にあると、軍部を批判することもなく
自己弁護をすることもなく運命をうけいれている。

広田氏の死罪は重すぎると感じた。
同時に広田氏が死罪になったことによって、
本当は死罪がふさわしかったかもしれない
何人もの命が救われた。
広田氏の判断がよかったのかはわからない。
ただ論語を擦り切れるまで読んだ広田氏が
孔子の言葉を体現しているように思えた。
グレート・ギャツビー
グレート・ギャツビー
中央公論新社
price : ¥861
release : 2006/11

【商品詳細】

1922年、F・スコット・フィッツジェラルドは、「何か新しいもの、斬新で美しくて質素なもの、手のこんだ構成のもの」を書くと宣言した。それが、彼の代表作にして最高傑作である、『The Great Gatsby』(邦題『グレート・ギャッツビー』、または『華麗なるギャツビー』)だ。「ジャズ・エイジ」の光と影を描いた本書は、狂欄の1920年代の雰囲気をとらえた小説で、「アメリカの神話」の中で不動の地位を占めている。 貧しさの中から身を起こし、裕福になったジェイ・ギャッツビーは、フィッツジェラルド、あるいはアメリカそのものにつきまとう、金や野心、貪欲さ、進歩主義信仰などの強迫観念を象徴する。 「ギャッツビーは、緑の灯火を信じていた。お祭り騒ぎは、年々かげりを見せはじめているというのに、未来は明るいと信じていた。いざ、その時が来て、明るいはずの未来が素通りしていっても、たいした問題ではない。明日になれば今日より速く走ることができるし、大きく手を広げることもできるから…そしてすがすがしい朝が――」 夢の実現と崩壊を描いたこの小説は、「アメリカンドリーム」に一種の警鐘を鳴らす作品なのだ。 この小説は、デイジー・ブキャナンに対する、ギャッツビーのかなわぬ思いを描いたラブストーリーでもある。2人の出会いは、物語の始まる5年前。若きデイジーはケンタッキー州ルーイヴィルの伝説の美女、ギャッツビーは貧乏な将校だった。2人は恋に落ちるが、ギャッツビーが海外出征している間に、デイジーは、粗暴だが非常に裕福なトム・ブキャナンと結婚してしまう。 戦争から帰ってきたギャッツビーは、なりふりかまわず、富とデイジーを追い求めることに没頭する。やがて、当初は目的にすぎなかった富が、デイジーを手に入れるための手段になっていく。 「彼女の声は金でいっぱいだ」 これは、ギャッツビーが、この小説の中でも特に有名なシーンで発する賛辞の言葉である。 金持ちになったギャッツビーは、デイジーの住まう高級住宅地のイースト・エッグと、ロングアイランド水道を挟んで向かい合わせの地所に大豪邸を購入し、ぜいたくなパーティーを開いて、デイジーが現れるのを待つ。そして、彼女が登場すると、物語は、ギリシャ劇につきものの、悲劇的な様相を見せはじめる。かたわらで冷静な目で見ている隣人のニック・キャラウェイは、終始「コロス」を受け持つ。無駄のない文章、 洗練されたストーリー、透き通った文体。『The Great Gatsby』は優れた詩文でもある。

やっと読みました。

主人公ギャツビーは、力の限り、夢と現実との間に出来た裂け目を塞ごうとするが、結局は引き裂かれてしまう。それは一見愚行のように見える。が、ただの愚行と片付けていいのだろうか?彼を否定するのはたやすいが。物語は透明で、優雅で、残酷。ロマンと現実、ハートと物質の境界線のちょうどギリギリ真ん中に、作者は立っているかのようだ。もう一回読んでみたい。まだまだ発見があるかも。よって星4つ。
あかんべえ〈上〉
あかんべえ〈上〉
新潮社
price : ¥540
release : 2006/12

宮部みゆきの代表作になり得る傑作

上・下巻、一気に読み進めてしまいました。
突然幽霊が見えるようになったおりん、そしておりんを見守る幽霊達やふな屋の人々。
心情描写や情景描写が秀逸で、どんどん世界に引き込まれてしまいます。
人情あり、ミステリあり、ファンタジーあり、同時に描ききった宮部みゆきの手腕にはただただ感嘆するばかりです。

宮部みゆきの代表作となり得る傑作です。
二十一世紀に生きる君たちへ
二十一世紀に生きる君たちへ
世界文化社
price : ¥1,260
release : 2001/02

大人も子どもも、一度は2?3回遅読すべき!

 著者は歴史小説で有名な司馬遼太郎で、小学校高学年(5?6年)を対象にした2つのメッセージを1冊の本にまとめたものである。小学生を対象にしているせいか、平易な文体でわかりやすくスラスラと頭の中に入るように書いている。
 第一のメッセージでは、20世紀で生涯を終えた著者が21世紀を生きる我々に原点回帰と責任の重大さを伝えている。一方、第二のメッセージでは緒方洪庵(こうあん)を取り上げ、適塾の思想を通じて生きるべき指針を提示している。

 本書で、司馬遼太郎は平易でシンプルなメッセージを伝えている。そのため、一度読んだだけではあまりにも簡単に頭の中に入ってしまうため、あまり印象に残らないことが多い。
 特に、社会人になると学生時代のように時間があるわけではなく、限られた時間を有効活用しなければならない。そのため、一度に複数冊の本を同時並行で読み進めてしまい、同じ本を二度読むことは滅多に無い。

 しかし、本書のような類の本は読めば読むほど奥深さが出るものである。実際、書評を書きながら2?3回読んでいるのだが、平易な文体からは考えられないほど底知れぬ教えが隠されており、時間に追われがちで不安定になりがちな心理状態が落ち着いてくる。

 個人的には、後者が参考になった。吉田松陰の松下村塾と似たような方針であり、福沢諭吉や大村益次郎を輩出した適塾は、身分平等で入学試験も無く、「学問をする」というひとつの目的で集まっていた。
 加えて、塾生の間で勉強を教え合い、8つの級に分け、級の代表である会頭(かいとう)と熟生全体の代表としての塾頭(じゅくとう)を設置していた。さらに、12か条の訓戒を書き、医者としての心構えを説いていた。

 この訓戒を知った時、会津藩の“什(じゅう)の掟”を思い出した。「ならぬことはなりませぬ」で有名な什の掟だが、教育問題で揺れる現在の日本で最も必要な要素ではないだろうか?
あかんべえ〈下〉
あかんべえ〈下〉
新潮社
price : ¥540
release : 2006/12

あれ?ふね屋は結局どうなったの?

 『模倣犯』以降の宮部みゆきさん、少し、売り物のストーリーテラーとしての力量が少々低下しているような気がするのは自分だけでしょうか・・・・?
 金持道楽のお化け比べで散々大迷惑を蒙ったはずのふね屋の後日談はいつの間にかどっかに消えうせ、ふね屋に集う気のいいお化けさんたちと、シリアルキラーだった住職を巡るエピソードにて大団円を迎えてしまい、おりんの父親である、ふね屋の主人と女房が如何に近所の風評なんぞに挫けず、ふね屋を一流の料理屋にしていくか、或いはこれからしていくのか、という上巻で散々、引っ張っていた筈のテーマがいつの間にか、お化けさんたちの生前のエピソードに置き換えられてしまっています。
 ついついいつもながらの情感たっぷりのラストのセリフや地の文のテクニックにほろほろと惑わされそうになりますが、よーく冷静に考えると、開店早々にケチのつきまくったふね屋の後始末はまだ少しもついてないんですよねぇ。いいのかなぁ、これで・・・。
男子の本懐
男子の本懐
新潮社
price : ¥660
release : 1983/01

タイミング、、、

第一次世界大戦時、日本は金本位制を廃止し世界経済の輪の外に経済を置いた。浜口雄幸は国の首班として、大蔵大臣に井上準之助氏を招聘する。金解禁、金本位制への断行、復帰である。井上準之助は、浜口と同じく暗殺されるが、男子の本懐 であったと。あの当時の金解禁は、経済政策としては決して間違いではなかったのですがタイミングが悪すぎた。時の運が味方しなかったのでしょう。しかし、城山さん、広田弘毅と言い、井上準之助と言い、このような人物にスポットを当てて上手く作品として纏められるなあと思いました。昨日、79歳でお亡くなりになられました。有難う御座いました。合掌。
健康問答 本当のところはどうなのか? 本音で語る現代の「養生訓」。
健康問答 本当のところはどうなのか? 本音で語る現代の「養生訓」。
平凡社
price : ¥1,470
release : 2007/04/05

形而上学的養生論

70歳を越えても、若者以上に忙しく立ち働いている医者と小説家の対談です。二人とも健康法については、今までかなり著作があります。自分たちが実践していて、効果があった健康法の本音を聞けそうに思えます。

期待通りに、本書は巷で言われている健康法、治療法や健康観を一つづつ検証しています。臨床医としての治療体験から、あるいは実生活での体験から、それらの治療法の実効性をどう考えればいいのかを教えてくれます。治療法を見る視野は広く、西洋医学の外側にあるアーユル・ヴェーダ、中国医学、ホメオパシーなどの代替療法も排除することなく、言及されています。

帯津は、気功や楊名時太極拳とか丹田呼吸法などを、ガン治療に役立たせている医者として知られています。それだけでなく、彼はホメオパシーも実践しているそうで、その治療法の概要を本書で初めて知りました。ドイツで時々聞く、このホメオパシーを、もう少し詳しく知りたい気になりました。

しかし彼が目指しているのは、身体・心・命が一体となった人間まるごとをそっくりそのままとらえるホリスティック医学だそうです。これは伝統的な思考法で言うと、もはや自然科学を超えていて、形而上学の世界です。この領域でも二人はかなり直裁に話しています。
一人は肉体が滅びた後は、虚空に向かって還っていくと考えています。他方は肉体が滅びれば、一遍、浄土に往って、そこで浄化されて再び菩薩行のために地上に戻ってくると考えています。宗教家以外ではなかなかこういう明確な話は聞けません。この部分が僕には一番刺激的でした。

十三歳の仲人
十三歳の仲人
文藝春秋
price : ¥500
release : 2007/04

華麗なる一族〈下〉
華麗なる一族〈下〉
新潮社
price : ¥780
release : 1970/05

背表紙?に注意

続きを知りたいあまり、下巻の背表紙のあらすじ(?)を読んでしまうと大変なことになります。先が気になっても我慢しましょう。
出版社には背表紙のあらすじ部分を訂正するよう求めたい。
官僚たちの夏
官僚たちの夏
新潮社
price : ¥580
release : 1980/11

燃えた夏、、、

私が会社に入った頃、買い求め読みました。そしてNHKでドラマになりました。あの当時の官僚、政治家が解かりますが、戦後高度経済成長の名の下、統制された民間企業が結局自由化された途端欧米に良いようにされた事を思うと慙愧に耐えません。あの頃の、極東の島国だけの思い上がりや視野の狭さを描いているように今読み返すと感じてなりません。昨日、城山三郎氏が亡くなられました。享年79.合掌。
華麗なる一族〈中〉
華麗なる一族〈中〉
新潮社
price : ¥820
release : 1970/05

ドラマを見た人も見てない人も

さすがは山崎豊子先生!「白い巨塔」や「大地の子」にもひけをとらない。
ドラマを観た人も見てない人も是非読んで欲しい。ドラマとは内容が違うところも多々ある(結末は・・・?)。それによって、登場人物に対する印象ががらりと変わるというのも、ドラマを観た人とならではの楽しみ方。先に小説を読んであとでドラマを観るのもよし、ドラマの後に小説を読んでもよし。
いずれにせよ、鉄平ガンバレ!大介引っ込め!という単純な話ではない。もっと深く重く。読み応えのある物語である。銀行界の裏を知ることもできる。(現在の銀行とは違うかもしれないが・・・)

指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく
指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく
新潮社
price : ¥460
release : 2004/07

散華

日本人の悪しき精神論なのか、終戦を有利な条件に導くための政策だったのか、いずれにしても60年前に人の命が紙切れ程しか扱われなかった時代があったことは事実です。軍人としての散華は残された家族の悲しみしか残らないという事実を封印しながら特攻隊としての使命を強制させた日本軍と、死んでいった特攻隊員達。
ちなみに本書でも簡単に触れている神風特攻隊員の第一号である久能中尉は法政大学出身。世間的に特攻第一号とされ、軍神とされている関大尉は軍人のエリートといわれる海軍兵学校出身。あくまでも体裁と対面を繕った、旧日本軍の悪しき官僚的側面がこの件からも見えてきます。
きよしこ
きよしこ
新潮社
price : ¥460
release : 2005/06

主人公がいいやつだ。

吃音に悩んだ作者自身の少年時代をモチーフにした,7つの連作短編集。ほかの重松短編と異なり主人公が変わらないので,長編のように違和感無く読めます。
ハンディキャップのある主人公のお話にもかかわらず,物語が重くない。それが,吃音の克服自体よりも,転校を繰り返した小学校時代に味わった疎外感と,野球に打ち込んだ中学時代の交友関係が生々しく描かれているからでしょう。
とにかく主人公“白石きよし”がいいヤツだ。自分のハンデに負けてない。特に「交差点」は,それまで描かれてきた過去がリンクした,いい話に仕上がってます。
巻末のあさのあつこ氏の解説には,ホント同意します。

風林火山
風林火山
新潮社
price : ¥540
release : 2005/11/16

女性にもお薦めです

歴史小説と無縁な人も一気に読破できる本です。私の歴史小説への導入書となりました。

まさに小説と言わせる登場人物の人間模様の描き方など、夢中にさせてくれる凄さがあります。
歴史小説には珍しく短編であることも、気楽に手に取る気分にさせてくれます。
大河ドラマで話題になっている今だからこそ、興味はあるけど、、、という人に是非お薦めします。


坂の上の雲〈1〉
坂の上の雲〈1〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/01

【商品詳細】

同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもおもしろい。 司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい、そんな1冊である。(土井英司)

学校では教えてくれない日本近代史

ありとあらゆる方が薦めている歴史小説。
読み手によって様々な視点で、語ることのできる名著。

職場や友人などに薦めまくっています。
会社では、組織論・リーダーシップ・企業戦略という視点で。
友人には、学校では教えてくれない近代史という視点で。

いずれにしても、
当時の日本人が国際社会の中でいかに模範となろうとし、
美しい国として、自立しようと、世界に認めてもらおうとしていたのか、
痛感します。

主人公の秋山兄弟と正岡子規の少年時代からの物語ですが、
日露戦争を描いた部分以外からも、ぽろっとするシーンがあります。

とても感動します。
ぜったいに読んでください。
雄気堂々〈上〉
雄気堂々〈上〉
新潮社
price : ¥620
release : 1976/05

渋沢栄一伝

日本のためにやらねばならぬ。その一念で片田舎から飛び出した渋沢栄一は徳川慶喜に仕えフランス留学、そして政府高官、銀行頭取へと立場を変えつつ日本のために懸命に働く。

何の資本も持たず、藩の援護もなく、その志だけをもって生きた渋沢栄一。一人の人間の意志の力とはかくも偉大なものかと驚嘆する。
華麗なる一族〈上〉
華麗なる一族〈上〉
新潮社
price : ¥860
release : 1970/05

ドラマを見た人も見てない人も

さすが山崎豊子先生です。「白い巨塔」「大地の子」などの名作に引けを取りません。
ドラマとは内容が違うところも多く(結末は?)、おそらく、ドラマを観たときと、小説を読んだときとでは、登場人物に対する印象が大分違うでしょう。それを実感してみるのも、ドラマを観た人ならではの楽しみ方でもあります。
いずれにせよ、鉄平ガンバレ!大介ひっこめ!見たいな単純な物語ではありません。もっと深く、もっと重いはずです。この本を読めば、ちなみに銀行の世界の社会科見学的なメリットもあります。(現在の銀行界は大分違うかもしれませんが・・・)
雄気堂々 下    新潮文庫 し 7-4
雄気堂々 下  新潮文庫 し 7-4
新潮社
price : ¥660
release : 1976/05

日本初の財界人

渋沢栄一の幼少期からの伝記的な小説です。渋沢栄一について今更説明する必要はないと思いますが、彼がどうして日本初の、そして世界に類するもののないほどの財界人になりえたかのヒントがこの本に書かれています。たとえば、幼少期から家業の商売に対し親になんと言われても自分の信念を貫いたり、尊皇攘夷のための決起を自ら企てながらも、冷静な判断で計画を中止したりといったエピソードは、なるほど世の中の流れ(それもゆっくりと地を這う様に流れている)を敏感にキャッチする能力が備わっていたことを意味します。彼の存在がなければ現在の日本の地位はないと言っても過言ではありません。日本経済の父渋沢栄一を、この本でもう一度確認してみてください。
毎日が日曜日
毎日が日曜日
新潮社
price : ¥860
release : 1979/11

ある商社マンに湧いた問い

  高度経済成長下の日本で花形の職業とされた商社マン。ただ、世界を舞台に活躍するといったイメージがつきまとう彼らにも家族があり、日々の生活で普通の悩みが湧き、世の大半のサラリーマンが抱くようなさまざまな葛藤がある。

  商社マンの沖は、社内では「戦列外」とみなされている京都支店長に配属された。社長や相談役の接待が主要な任務であるこの肩書きをまとい、鬱屈した日々を送る。若いころ開発輸入のために汗水たらして開墾したインドネシア・スマトラ島のとうもろこし畑に今も思いをはせ、そのとうもろこしを飼料にした養豚場の建設事業計画はいまだあきらめきれない。長く暖めていた夢と現在の自分のありさまの間で葛藤していると、ある日、息子の忍がバイクで事故を起こし不運にも左足!!切断の憂き目に遭う。かつて米国の片田舎の小さな町、ツーソンに駐在していたころまだ幼かった娘、あけみは日本語が不自由だ。海外駐在中に苦労をかけたうえ、日本に戻るやいなや東京と京都で離れ離れになってしまった妻、和代には心では申し訳ない気持ちで一杯だが、忙しさにかまけて優しい言葉一つかけてやれない。

  沖はただ、日々起こる煩瑣なできごとややりがいを感じられない仕事に苛立ちを覚えながらも、一人のサラリーマンとして真面目にそれらをこなしてしまう。しかし、悩みばかりを作る周囲の出来事に取り巻かれるうち、彼にとって家族とは何か、自分の人生とは一体何だろうかという問いが生まれてくる。

  そんな主人公、沖を淡々と描き、企業戦士が思い悩む様への共感を誘うこの小説には、!!著者が彼らに対して覚える共感が一貫して流れ、暖かい眼差しがあふれている。自分の人生で何が大切か、という素朴な問いに即座に答えられる人は少ない。そんな問いにますます答えにくくなっている時代で、時を隔てても決して古びない一つの人生の物語がここにある。

坂の上の雲〈3〉
坂の上の雲〈3〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/01

昭和日本軍の原点をみた

いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。
前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。
中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。
例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向けたシナリオ(短期決戦での勝利で列強諸国に仲介してもらうこと)を共有化していたことは、昭和の戦争とは対照的で興味深いです。
一方、兵士個々人の闘争心や忠誠心に頼る白兵戦中心の戦闘、補給に対する意識不足など日本軍の特徴がすでにみられ、日露戦争の反省があれば昭和の戦争はもう少し違ったものになったのではないでしょうか。
坂の上の雲〈2〉
坂の上の雲〈2〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/01

子規の実像と明治人気質

この巻では主に、闘病しながら文筆活動を続ける正岡子規と、軍人として活躍を始める秋山真之を中心に描かれています。
正岡子規に関して小学校の教科書レベルでしか知らなかったので、過去の俳句や短歌を検証し、新たな作風を作り上げていった彼の功績を初めて知りました。それにもまして結核を患いながらも壮絶なまでに創作活動を行う彼の執念に胸を打たれます。
一方、秋山真之という人物の資質は、欧米に追いつき追い越そうとする明治日本になくてはならないもののように感じます。「飛ぶが如く」で描かれた大久保利通もそうでしたが、この時代には物事に強烈なこだわりをもった人物が必要だったのでしょう。
なお、この巻の最後の章は、ロシアに関する記述になっていますが、欧米でもなくアジアでもないロシアという国の性格が見事に表現されていて、大変ためになります。先に「菜の花の沖」を読んでおけば更に楽しめると思います。
「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
朝日新聞社
price : ¥1,470
release : 2006/11

村上春樹という人物

 しっかりと過去の作品やエッセイを読み込んでおけば分かることなのだが、村上春樹という人物は食えない。本当に食えない人物である。自分の本音をさらけ出しているかのようで、根本的な部分に関しては煙に巻く。
 かといって、それが不快感になるわけでもなく、むしろ独特の存在感を際立たせる。社会に対する見方が私とは違うように思ったりするのだが、一方で人間なんてそんなもんだろうが、という冷徹で醒めた視点を持ち合わせていたりする。
 だから、この人物がYESと言ったことでも、実はその裏に複雑な思考プロセスが幾重にも折り重なっているわけで、そこを体感しなければ全てを理解することは出来ない。そもそも、作家としての村上春樹は天性と豊富なキャリアを持つ歴戦のエキスパートである。
 本当に食えない人物である。しかし、食えない人物が書いたものでなければ小説など面白くない。私に言わせれば筒井康隆以上に食えない人物だ(言っておくが筒井康隆も現役の作家では村上春樹を除けばだが、一番食えない人物であるw)。
 そして私は彼の作品を愛する。食えない作品だからだ。
坂の上の雲〈4〉
坂の上の雲〈4〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/01

リーダーの資質が組織の運命を決める

第4巻は遼陽の会戦から旅順攻防まで。
リーダーの資質が、特に戦争といういわば極めて緊迫した状態において、いかに重要かということを思い知らされます。
旅順攻略軍における乃木・伊地知コンビ、バルチック艦隊におけるロシア司令長官について、著者は「無能」を連発し酷評しています。当然、ここでいう「無能」とは、全人格を否定する意味での無能ではなく、あくまでもそのとき置かれた状況下において能力を発揮できなかった(もしくは持っている能力が状況に適応できなかった)という意味でしょう。ただ、リーダーたるもの、ある面で優れているだけでは(例えば乃木がもつ会う人を魅了してやまない包容力など)務まらないどころか、組織全体に対して悪影響を及ぼすという事例ともいえ、企業経営などに置き換えると考えさせられるものがあります。
なお、乃木・伊地知が攻撃の失敗から反省することなく、無謀な攻撃をただ繰り返すさまは、日本陸軍がもともともつDNAなのか、後の太平洋戦争を暗示しているようで、名著「失敗の本質」が思い出されてしまいました。
坂の上の雲〈5〉
坂の上の雲〈5〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/02

児玉源太郎物語

3巻あたりから登場の児玉源太郎。
今の主人公は、彼であるといっていい。
書き進むうちに、この輝く人物をほうってはおけなくなったのだろう。
遼陽に戦い、二○三高地を落とし、旅順を攻略。
苦労しながら辛くも勝ち進む日本と同時に
バルチック艦隊の長く苦しく足並みの悪い旅路が描かれる。
多くのエピソードが示唆を与えるこの戦争は、作者も
物語を選りすぐるのに苦労したのではないか。
そう感じる5巻でした。

坂の上の雲〈6〉
坂の上の雲〈6〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/02

明石元二郎物語

戦いのほうは、敵の退却により黒溝台での凄惨きわまりない危地を、あっさりと脱する。

この巻では、むしろ、明石元二郎が主役といってもよいくらいのサイドストーリーが展開されます。
とにかくこの人が、興味深い人物として描かれていて、印象が深いです。

革命に与えたこの人物の影響は、本当のところどの程度なのか?
もう少し勉強したい気持ちになりました。
坂の上の雲〈7〉
坂の上の雲〈7〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/02

奉天

1会戦で、両軍合わせてひとつの都市の人口に相当する兵士が
戦死した日露戦争も最終章に近づいてきた。

乾坤一擲、ぎりぎりの勝利。
日本は、人材に恵まれていたのだろう、
ロシア軍を、日本の大山のような人物がが率いていたら?
大功のみを考え、小節にかかわらないような人物が組織のトップに必要であることを
痛感します。


時をかける少女 〈新装版〉
時をかける少女 〈新装版〉
角川書店
price : ¥460
release : 2006/05/25

筒井のどたばたSFファンとしては

筒井のドタバタSFファンとしては、他の作品と比べるとかなり違いますが、この作品大好きです。何度も実写化されていますがどれも美しく、映画と同じく小説を読むと、ほのかに胸が甘くなります。
この小説読んだ筒井康隆ファンが大人になって新しいものをどんどん作っているのかと思うとうれしくなります。ただもっと筒井のどたばたSF読みたいな?。最近の作家でおなじ感じなのは戸梶圭太(シルクロード少年ユート)とかでしょうか。
またSF書いてほしい・・・。
ノルウェイの森 下
ノルウェイの森 下
講談社
price : ¥540
release : 2004/09/15

共感

この本はとても暗く迷路のようでした。しかし、とても共感しました。
私と主人公が同じ学生で似た環境にいるからでしょうか。
性描写が多いのには正直参りましたが、何か確かめ合っているかのようにも思えました。
読んでいる最中や、読んだ直後は「なにこれ」と思いましたが、
しばらくしてあとがきを読み「ふーん」と思いました。
何に共感したんだと聞かれると上手く言えません。不思議な本です。
蝉しぐれ
蝉しぐれ
文芸春秋
price : ¥660
release : 1991/07

夏の思い出

 夏の頃、父の実家に泊まったとき、早朝、蚊帳の中から這い出して、朝靄の中、川沿いを歩いたときに田園を見た景色が1ページ開くたびにあるように感じ、懐かしい思い出があふれてくるようだった。
実際に主人公牧文四郎が遭遇するようなことはありえないだろうが、男の子だったら、初恋の人を守るためならば・・・、と、共感を得る題材です。
 映画はつまらなかったけど、イメージソングの「かざぐるま」は原作にあっていて、頭の中でリフレインしながら一気に読んでしまった。
坂の上の雲〈8〉
坂の上の雲〈8〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1999/02

雲の後

作者が描きたかったことの一つは、日露戦争に勝ったことの後の世への影響だろう。

作者が40代のほとんどの時間をかけて編み出したこの作品は、紛れもなく代表作である。
勝ったことで、問題点を美点で隠す。そういった視点を排除して書かれたこの作品は読み継がれてしかるべき価値がある。
竜馬がゆく〈1〉
竜馬がゆく〈1〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/09

講談小説

司馬遼太郎の出世作。
西郷も木戸も大久保も長州や薩摩といった藩の後ろ盾の元に維新の駒を指し進めた人物だが、
この作品の主人公、坂本龍馬は何の背景もない脱藩浪人。
この浪人が、自前の勢力と発言力と資金を築き上げ(資金の方は大体借り倒れ)、
薩長同盟から船中八策、大政奉還と立て続けの大仕事へ飛翔していく姿を描いている。

主人公の竜馬は、いつもだらしのない不潔な格好をしていて、極度に訛っていて、
剣は北辰一刀流免許皆伝の凄腕、
性格は子供のようでもあり、抜け目がないようでもあり、
何を考えてるかちょっとわからない、ユーモアと機略に富んだ人物。
年上の女に何故かモテる。

竜馬をはじめとする魅力的な人物群、講談のようなテンポよい語り口、
ユーモラスな会話、などにに引き込まれるようにして、次々と読み進められる。
主人公がチャーミングなので女性が読んでも面白いかも知れない。
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
新潮社
price : ¥620
release : 2001/12

こんな会社あり?

こんな会社が実際に存在して、
自分の命を預けなければならないとしたら
ゾッとします。

その会社は
いまだに多数の組合が存在し、
突然社長の解任さわぎが起きたり、
部品が落下し飛行機が引き返したり
何も変わっていなかったりしているのでは
ないでしょうか。

終わりは唐突な感じはありますが
著者は、国民航空を存続させていいのか?
という問いを読者に投げかけて
終わらせたのだと思います。
ノルウェイの森 上
ノルウェイの森 上
講談社
price : ¥540
release : 2004/09/15

恋愛…小説?

同名のビートルズの名曲を重要な小道具に用いた小説。
もっとも、最近の人はこの曲に邦訳は使わず、原題そのままで呼ぶらしいが。
いずれにしても、かの曲のインド琴が醸す童話的な雰囲気が、舞台を回す重要なファクタになっており、
逆にこの曲を知らないと雰囲気やニュアンスが今一つ伝わらない作品でもある。
私は、いわゆるハルキストさんに「最初がノルウェイの森なの」と眉をしかめられつつ、
後に処女作含む3つ4つ、H.村上作品を読んだのだが、
結局処女作とこの作品が一番面白かった。
例のハルキストさんによればこの作品はH.村上氏にすれば異色作なのだとか。

何だか異世界の村上ワールドで起こった異世界人たちの恋愛のような印象も多少ないでもないが、
ビートルズの歌が微妙なアクセントになっていて、気がつけば作品世界に移入しているのが不思議なところ。
それも、CD音源の「ノルウェイの森」ではあまりよくなくて、
耳の奥にかすかに残る不正確な「ノルウェイの森」の方が案配がよかったりする。
どっかの中心で何か叫んだりするような恋愛小説よりは、ずっと奥行きがある気はするけども。
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
新潮社
price : ¥700
release : 2001/12

壮絶な事故

御巣鷹山の墜落事故について、克明に描かれています。
全5巻の中でも、第3巻の存在感は際立っており、
3巻だけでも十分に作品になると思います。

残された遺族の苦悩は痛烈に心に訴えかけます。
被害者のかたの、残された家族にあてた遺書が
引用されていますが、涙なしには読めませんでした。

事件を風化させないためにも
読み継がれていって欲しい本です。
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
新潮社
price : ¥700
release : 2001/12

著者会心の傑作!

企業の利益優先と人間性の欠如は現在も多くの人命を奪っている。
JR脱線事故、安曇野の観光バス事故、多くの長距離トラックの事故など上げたら数限りなく出てくると思う。
20年前に警鐘とも言える事故を経験しながら、この国はどうなって行くのかと不安になる。

刑罰的人事を描いた1―2巻での企業の腐敗、人道の欠如は520人を人柱にする大事故に発展した。
著者は見事な取材で、3巻にあの忘れてはならない未曾有の大事故を立体的に描ききり、当時報道されきれていなかった事実をも描いている。
この4巻では、うわべだけの謝罪をすませ、のうのうと私欲をむさぼる、役人的特殊法人と言う”お役所”と改革に立ち上がる人々の戦いが始まった。

この巻では個人的に組合活動をささえる家族たちに頭が下がり、事故現場に一周忌に集まった遺族たちの叫びに涙した。
人が良心を取り返し、金銭意外に人生の目標を持たなければ、事故の本当の解決は遠いのではと思う

この事件を知らない若い世代の方にも是非読んでいただきたい作品であり、その際”クライマ?ズハ-横山秀夫”も一緒にお読みいただけましたら、この事件の社会的影響がより理解できるはずです



沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
新潮社
price : ¥700
release : 2001/11

続きが楽しみ

合員の待遇改善を目的に組合活動を活発に行ったことからアフリカに10年以上飛ばされていた主人公の恩地が組合員の働きかけでようやく帰国できるようになった。

アフリカ編(下)は読中爽快であったがその後はどうなるのか…楽しみである。

この面白さは最後まで挫折がないことは間違いない。

巨船ベラス・レトラス
巨船ベラス・レトラス
文藝春秋
price : ¥1,200
release : 2007/03

メタフィクションの秀作

30年以上筒井康隆を読んでいるが、大いなる助走からは洗練度が桁違いで、作品全体から強烈な時代批評を感じる。筒井康隆がこれまで培ってきた実力の一端を披露するだけでこれだけの作品をものしてしまうことに畏敬の念を持たざるを得ない。読後に苦しくなるほどの満腹感を感じるのが最近の筒井康隆作品であったが、今回は広く若い読者にもわかりやすく噛み砕いて書いた軽快さを感じる。
株の原則
株の原則
光文社
price : ¥520
release : 2000/09

成長株発掘の視点を与えてくれる

登山投資家、マクロ経済派のスタンスが読み取れる原則だが、いわゆるバリュー投資(割安株投資)の原則とは異なる。個別銘柄の選定方法について、非常に分かりやすい視点を与えてくれる本。成長株投資というか、世間に目をつけられていない発掘銘柄を探すヒントを提供してくれる。テクニカル分析を信じる人たちには無縁の本であるが、マクロ視点での銘柄発掘に今後注力したいと考えている人には一読の価値はあるかもしれません。かくいう私は、マクロ視点かつ割安株投資を志向しているので、そこまで新鮮味のある話ではなく、かつ、割安株投資の観点が欠けているため、琴線に響くフレーズはありませんでした。
現代語訳 般若心経
現代語訳 般若心経
筑摩書房
price : ¥735
release : 2006/09

入門書に最適

般若心境には以前から興味があったが、宗教がらみの本は敬遠していた為になかなか基本的な事も分からなかったが、本書はその様な私にも違和感なく読めた(すべてを理解できたという訳では当然なく)。又、別途興味を持って読んでいた量子力学などの知見との関係での説明もあり、成る程なと思った。著者の狙いのその様な所にあったらしく、その点でも本書は成功していると思う。
毎日音読すればいいご利益があるかと世俗的に期待しています。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉
新潮社
price : ¥620
release : 1988/10

ファンタジーや冒険が好きな人に。

春樹さんの小説を何冊か読んでいますが、この本は中でもかなり読みやすいほうだと思います。
ファンタジーや冒険の世界をどっぷりと楽しむことができます。

何かのロールプレイングゲームをやっているかのようなワクワク感がありました。
混乱してしまったら、巻頭についている地図を見ることをオススメします。
竜馬がゆく〈8〉
竜馬がゆく〈8〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/10

最期がいい

この小説はとにかく最高です。少し長いなぁと思える所も有りましたけど、この最終巻を読み終えるとそんな事はすっかり忘れていました。
特に「この長い物語も、おわろうとしている。」という文の辺りからドキドキしながら最期まで読みました。漫画ならともかく、小説でこういう体験をしたのは初めてでした。今後も小説でこんな体験は出来ないと思いました。後、最期の一文がいいです。
個人的にかなり気に入っている言葉です。美しい言葉だなぁと読み終えてから思いました。
無銭優雅
無銭優雅
幻冬舎
price : ¥1,470
release : 2007/01/31

素敵!!愛してます。

私が一番好きなのは、主人公のメイサが駄菓子屋に入ろうとして我を忘れる場面。これぞ恋の醍醐味!!って感じ。さすが詠美さん。泣かせる??〆。
ただ、ラストで詠美さんの分身が頭に缶コーラを乗せて、ひとしきりほとばしる様はファンとしてもどうなのかな、と思っちゃった!テヘヘ‥。
よって星4つ。
竜馬がゆく〈7〉
竜馬がゆく〈7〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/10

行動と多くの出会いで人生は変わる

幕末物は新選組関連しか読んだことがなかったので、この作品を読むと同じ幕末時代に生きていたとは思えない程、さまざまな人物、思想、各藩の政治問題が書かれています。(時間を置いて読むと記憶を取り戻すのにちょっと苦労(汗))
なのでこの作品で幕末時代の生活がよくわかり、とても勉強になりました。(新選組はかなり閉鎖的な世界。私自身保守的なのでこちらの方が共感はしますが)薩長といえばお金があり改革派ということは知っていたのですが、長い間ずっと犬猿の仲で連盟するのにものすごく手間と時間がかかったことや、「海援隊」とは何をするか、どんな目的で結成されたか、どのような人物がいたかが書かれており、この時代に幕府以外が貿易という考え方、行動をすると犯罪・死刑に値するほどのことなんて知りませんでした。(それを薩長はやっていたのでいわゆる密輸)
この巻には「お慶」の章があるのですが、この人物は長崎きっての美人女商人38歳。(生まれはお嬢様)でまだ鎖国体制の25才の時に上海へ密航、その後日本茶の輸出で富を築き、一人身ながら大屋敷を持ち、着道楽、仏製香水までつけていて、彼女だけに限らず困難な時代でも努力はもちろん、行動・人との関わりで情報・時機を見極めることで人生が変わるのだなと思い、私も見習わなきゃ!という気にさせられました。
でもこの作品にありがちなんですが、いつの間にか人物がフェードアウトしていき、お慶も少ししか出番がなくて寂しい・・(特に3巻あたりからずっと薩長土の人達はもちろん、天皇家、幕臣、外国人までいて全員の名前は覚えられないです)

ちなみに後半に竜馬がワインを飲んでいます。


西遊記 上 (1)
西遊記 上 (1)
毎日新聞社
price : ¥1,785
release : 2007/03

いちばん美しい「西遊記」

 西遊記は孫悟空の冒険物語と思われるでしょう。でも、作家の平岩弓枝氏は悟空の成長物語として物語を組み立てなおされています。普通は悟空が大暴れして、お釈迦様に岩に閉じこめられ、そこに三蔵法師が通りかかるという話の展開ですが、この物語では、三蔵が旅を始める部分から始まっています。天上界で大暴れをした悟空を知らない三蔵の視点で読者を取経の旅へと誘います。

 さまざまなエピソードを交えながら、困難を乗り越え、成長する様にとても惹かれます。

 本の帯にはこう書かれています。
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「俺はなにがあっても お師匠様と天竺へ行きたいよ」

悩み、苦しみ、成長していく、師匠と弟子たち。
平岩弓枝の筆致が生み出す、今まででいちばん美しい「西遊記」。
大人気の挿絵も収録。
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本当に美しい物語だと思います。挿絵もとても魅力的で、全て切り抜いておけばよかったと後悔していています。
 
下巻が出版されたあとは、挿絵を全て掲載したような本を出版してほしいなと私は思っています。
流星ワゴン
流星ワゴン
講談社
price : ¥730
release : 2005/02

家族・親子の物語

 この小説を読んでいるとき、物語には十分に引きこまれているのに、その一方で自分の家族、自分の周辺の家族を照らし合わせながら、物語とは脱線した自分の現実を見つめ直したりしている冷静な私がずっといました。

 ストーリー自体は、大学生で♀な私には、あまりダイレクトに関係ないような話なのですが、家族を持つヒトなら誰でも感じるけど口にしないであろう様々な感情が描かれていて、主人公の気持ち、ちゅうさんの気持ち、いろんなヒトの気持ちが自分のことのようにリアルに感じられて、一緒に感情の旅をした気分になりました。 重松清さんって惹き込ませるのが上手ですね。

 決して、すごく心地よい夢をみせてくれるトカ、新しい何かを発見させてくれる物語ではないけど、「当たり前だけど、忘れてしまいがちな大切なこと」に再度気づかせてくれる良いストーリーだと思います。ワゴンを降り、本を閉じたとき、無理のない前向きな気持ちで、「まだ時間がある私は、失う前に築き、受け止めていこう」と思えました。
 疲れている誰かにそっと渡したい本です。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉
新潮社
price : ¥580
release : 1988/10

村上春樹さんの最高傑作

2つの物語が交互に進むという、(その他にも、自身に非は無いものの巻き込まれる事や、様々に魅力的なキャラクターたちや、使用される楽曲の選曲の素晴らしさ、時々出てくる固有名詞を交えるのが絶妙な事とか、物語を終えた後の余韻の深さ等の)村上さん作品の特徴を充分に堪能できる私が考える村上さんの最高傑作。

いままでで1番読み返した小説。村上さんのこの作品を読んでしまった為にその後も新作が出るたびに買わずにはいられない。が、この作品の完成度を超えたものには未だに出会えない。

50年経過したとしても色あせないであろう作品。作者自身も公言されているが、他の作品よりもハードルを高く設定した、と。素晴らしい完成度、是非オススメ。出来たら「カラマーゾフの兄弟」の読後がベストか。

視覚的にも思念的にも広がりのある、それでいて現実感も損なわない稀有な作品。
日の名残り
日の名残り
早川書房
price : ¥756
release : 2001/05

映画みてなくてよかった

映画は気取ってそうで見てなかったんだけど、私たちが孤児だったころ、をきっかけにほとんどのKAZUO ISHIGUROの作品、読みました。先入観なしにこの本を読んだら、感動しました。お勧め。
よろずや平四郎活人剣〈上〉
よろずや平四郎活人剣〈上〉
文藝春秋
price : ¥660
release : 2003/12

やっぱり良いですね…

久しぶりに藤沢作品を読みました。藤沢作品は、今まで20?30作品は読んだと思います。
自分は、時代小説はもとより、歴史、ミステリー、純文学各小説、ビジネス書等々ジャンルにとらわれない方なので、その時の気分で読む本も変わります。今回、藤沢周平のあの味のある文章を読みたいと思い、「よろずや平四郎活人剣上下」を選んだのですが、やっぱりイイですね。主人公:神名平四郎が繰り広げる数々の物語、市井の人々の喜怒哀楽、人間の心理、機微における描写は、他の追随を今でも許しませんね。特に作品全般に通じる生き生きとした文体は、まさに藤沢周平、円熟期の作品として、とても印象的です。代表作には、暗殺の年輪、蝉しぐれ、用心棒シリーズ、一茶等本当に事欠きませんが、デビュー時の作品はとても暗く(しかし完成度は極めて高い)、本作を読むと、別人のごとき生命、まかに活人剣の如しですね。
空海の風景〈上〉
空海の風景〈上〉
中央公論社
price : ¥720
release : 1994/03

司馬文学の奥深さを感じる異色作

 真言密教の祖・空海。“弘法大師”“お大師さん”として庶民に篤く信仰され、その伝説は日本全国に無数に伝わっている。一体、1200年前に生きた、一人の実在の人間としての空海とは何者であったのか?文豪・司馬遼太郎がその姿に迫った。上巻は、空海の誕生(前史)から、唐の都・長安で密教の師・慧果と出会うまでを描く。
 
 「空海」ではなく、あえて「空海の風景」というタイトルの通り、司馬は時の彼方にある空海の姿を無造作に造形しようとはしない。足跡をたどり、丹念に史実を集め、そこから乖離しないように細心をつくしながら、少しずつ空海の輪郭を浮き彫りにしようとする。
 そして時に、集めた事実をバネに、驚異的な想像力で跳躍し、空海に一気に肉薄する。その跳躍力の“飛距離”と“豊かさ”は、いつもながら惚れ惚れするほど見事である。

 著者は「本書は小説である」という。実のところ小説でもあり、また歴史書でもあり、紀行文でもあり…ということはすなわち、事実に即すべき歴史書でもノンフィクションであるべき紀行文でもなく、小説でしかありえないとも言える。しかし、我々一般が持つ小説という概念の枠組みを大きく超えてしまっている。まさに“司馬遼ワールド”としかいいようがない。
わが人生の歌がたり―昭和の哀歓
わが人生の歌がたり―昭和の哀歓
角川書店
price : ¥1,575
release : 2007/03

心にしみる歌の数々を懐かしんで

 こころに響く語り口…深夜便の歌語りが再現された。聞き落としたところも含め、幼少青年期に歌と共に過ごした生活が生き生きと語られている。
 ピョンヤンに流れていた軍国歌謡、記憶の底で響く「アリラン」、母が歌った「花嫁人形」、父に隠れて聴いた「純情二重奏」、戦時下の望郷歌「誰か故郷を想わざる」等々
 人は悲しいとき、明るい歌で元気づけられるというものでもない。悲しいときには、強い言葉とか元気な激励の言葉ではなく、「わかるよ、おれもそうなんだよ。本当に生きていくことは大変なんだよ」という言葉の方が心を支えてくれる。それでもなんとか生きていこうという気持ちが湧いてくると言うのも肯ける。その当時の歌のかけらを一つずつ拾い集めていくうちに、「自分の生涯が影絵のように浮かび上がってきた」という。
 戦後、外地から脱出、引き揚げ船での演奏会、「リンゴの唄」がくれた希望の光、温かく迎えてくれた援護の人びと「かえり船」等々
 戦後日本で、若く新鮮な歌手だった美空ひばりの「悲しき口笛」「リンゴ追分」…その頃はまだ国民的大歌手ではなかったが、「歌は本当に心にしみましたね」と懐かしむ。
 雑誌で美空ひばりと対談したとき、「津軽のふるさと」が「あなたの歌のなかで、世界に通用する一番いい歌」だと言うと、次週早速テレビ歌謡番組で歌ってくれたとのこと。著者のサイン会に訪れたひばりと向き合う写真も掲載されている。第一部はここで終わっている。二部・三部が待たれる。 
時をかける少女―TOKIKAKE
時をかける少女―TOKIKAKE
角川書店
price : ¥567
release : 2006/07/26

時かけ、漫画化!

映画の出来にはさすがに適いませんが、中々良い感じに漫画化されていると思います。
ただページが足りないのか少々説明不足、というか置いてけぼり感があり、映画を観ていない人は少し
混乱してしまうかもれません。
映画に感動したのでもう一回見たい、けれどもお金がない。という方にはお勧めです。
観ていない方は先に映画を観てからの方がいいかも・・・。
竜馬がゆく〈6〉
竜馬がゆく〈6〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/10

いよいよ話が終盤に近づいてきました。

ついに不可能といわれていた犬猿の仲の薩長の手を握らせた竜馬。
どんな優れた交渉術をもっていたのだろうか、とても気になるところ。
明治という新しい時代の幕開けもすぐそこまでという第6巻。
7、8巻の終盤が楽しみです。
よろずや平四郎活人剣〈下〉
よろずや平四郎活人剣〈下〉
文藝春秋
price : ¥660
release : 2003/12

市井+剣豪の藤沢作品の両面が楽しめる面白い本です

知行千石の旗本の次男に生まれながら、妾腹の子であったため、家を出、裏店に住まい、得意の口上と剣の腕を便りに「よろずもめごと仲裁業」を始めた主人公。一風変った商売に最初は客もつきませんでしたが、夫婦喧嘩や浮気の仲裁をする内に、市井の暮らしにも慣れ、仕事の方も評判が評判を呼び、何とか当初の予定であった道場創設の資金がたまるまでになります。
道場創設を一緒に目指した仲間に資金を持逃げされながらも、持ち前の明るさで、力強く生きていく主人公、裏店を中心とする市井の人々とのやりとり、そして主人公の剣が冴える決闘の場面に加え、目付を務める長兄の権力争い、元の許婚との再会等が複線的にはられ、ワクワク楽しみながらホロリともさせられる楽しいシリーズです。
天国までの百マイル
天国までの百マイル
朝日新聞社
price : ¥500
release : 2000/10

【商品詳細】

主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。はたしてその先に奇跡は待っているのか――。 年老いた親の介護や終末医療というテーマはきわめて現代的で、自らの身の上と重ね合わせずに本書を読み進めることはまず不可能にちがいない。そして、それぞれに成功者となり、老母とのかかわりを避けようとする主人公の兄たちの冷淡ぶりに怒りが込み上げてくる。だが一方で、その兄たちの姿がそのまま、読む者自身を写し出す鏡であることにも気づかざるを得ない。そんな恐ろしい一面を隠し持つ作品でもある。 また、特筆すべきは安男の同棲相手のマリだろう。「ブスでデブ」を自認するホステスのマリは、不幸な生い立ちにもかかわらず底抜けに明るく、安男に惜しみない愛情を注ぐ。この上なくリアルなキャラクターでありながら、同時に、男にとっての理想の女に描かれていることは驚きに値する。本書をせつない男女の恋物語たらしめている名脇役に、ぜひ注目してほしい。(西村 匠)

心を捧げるということ

浅田次郎ダイスキなので、迷わず購入しました。

人に対する愛情の深さやその種類を目の当たりにした作品でした。
大人になると「こうありたい自分」と「こうなってしまった自分」の違いに気がつくけれど、
主人公と同じ立場に立ったときに、主人公と同じように行動し、考え、そして学ぶ謙虚さを
持ち合わせることができるのだろうか、と自分を振り返えさせられる作品でした。

浅田次郎は深いです。
シリウスの道〈上〉
シリウスの道〈上〉
文藝春秋
price : ¥540
release : 2006/12

そうだ、仕事をやるときゃ、その姿勢でいつも胸を張ってろ。

 大手広告代理店の営業局副部長辰村は、今の仕事を続けることに疑問を感じはじめていた。
 そこへ大手の弱電メーカー大東電気から名指しで競合の申し込みがあり、本来担当していない辰村の営業局が指定されてきた。
 大東電気には辰村が個人的に会いたくない人物がいて、それは、幼い頃の思い出がからんでいる。
 広告代理店の競合の様子にあわせて、主人公の幼い頃の事件が織り込まれ、お話が展開していきます。
 主人公の仕事のさばき方や、部下のやりとり、手腕を発揮する女性上司の様子など、現実味を帯びていて、とても面白く読めます。 
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫
新潮社
price : ¥580
release : 1994/04/01

【商品詳細】

「財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。これだけはぜひ息子に伝えておきたい」(まえがきより) 本書は、ビジネスマンとして成功を収めた著者が、同じく企業家を目指す息子へ宛てて書いた手紙をまとめたものである。全部で30ある手紙は、試験、実社会への出発、企業での人間関係、部下とのコミュニケーション、友情、結婚など、ビジネスマンが人生で遭遇するあらゆる場面に言及している。著者が人生を通じて得た「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」「友情は手入れしよう」「批判は効果的に」といった教訓は、いずれもビジネスにおける普遍の真理をついている。 本書の魅力は、こうした教訓だけにあるのではない。「父親を超えられない」と不安に思う息子を励ます場面では、息子の成長を祈る父親の気持ちが伝わってきて、思わず涙しそうになる。父親と息子の、男同士の絆。厳しさと愛情の入り混じった複雑な感情が、読むものの心を強く打つ作品である。 原書は『LETTERS OF A BUSINESSMAN TO HIS SON』で、全世界でミリオンセラーとなった。時代が変わっても輝きを失うことのない1冊。(土井英司)

自らが親になったときに

父から息子への手紙が元というだけあって、
優しく語りかけるような口調で書かれている。
ビジネスの心構えやアドバイスだけではなく、
進路や教育、友人関係などの「普通の親子」が
乗り越えていくような話題も。

今、自分も父という立場に立っているけれど、
自信を持って薦める良書が10冊思い浮かぶか、
子供に想いを伝える言葉を持っているのか。

良き父親になるために、まだまだやることは多い。
これから親になる人も、読んで感じるだけではなく、
伝えられる親になるために頑張れるだろうか。
ふたりはともだち
ふたりはともだち
文化出版局
price : ¥998
release : 1972/01

【商品詳細】

フロッグとトードは、同じ意見だった。今日は泳ぐにもってこいの日だ。トードが頼んだので、やさしいフロッグはトードの水着姿を見ないようにした。ところが泳ぎ終えてみると、みんながトードのおかしな水着を見に集まってきて、2人とも追い払うことができなくなってしまう。 このかわいらしいペアは、なくしたボタンを探したり、春にあいさつをしたり、郵便を待ったり、5つのすてきな物語をぴょんぴょん飛び回る。2人が互いを心から思いやる気持ちはすばらしく、トードとフロッグは両生類の姿をしたすばらしいお手本だ。子どもたちはフロッグと一緒にトードが愚かしい努力をするのを見て、くすくす笑うだろう。そして長い冬眠からついに目覚めるトードに、きっと拍手を送ることだろう。5番目の物語は、いつかペンパルを持とうという人や、本当に信頼のおける友だちがいるのがどんなことか知っている人なら、誰でも心があたたまることだろう。 あたたかくゆかいな友情の物語を演出するアーノルド・ローベルのブルーとブラウンのイラストは、すべての読者の心をひきつけ、気持ちよく楽しませてくれる。ローベルの名作「Frog and Toad」シリーズの一作である本書は、カルデコット賞を受賞し、全米図書賞児童文学部門でも最終候補に残った実力をもつ。ぜひ子どもの本棚に加えたい一冊だ。そしてもっともっとフロッグとトードが読みたい人は、『Frog and Toad Together』、『Frog and Toad All Year』、『Days with Frog and Toad』もお見逃しなく。(4−8歳向け)(Emilie Coulter, Amazon.com)

エキセントリックなユーモアが気に掛かる


ややグロテスクと云えなくもない絵柄だが、
小学二年生の教科書に名作「おてがみ」が採録されていたため、
それを含んだ短編集である本書を手に取ってみた。

「おてがみ」ほどしみじみとくる短編はなかったが
ちょっとエキセントリックなユーモアが読後、
とても気に掛かってしまう。
空海の風景〈下〉
空海の風景〈下〉
中央公論社
price : ¥780
release : 1994/03

”超人”と”人間”のあいだに…

「空海はあるいは、言葉に出して、――朝廷も国家もくだらない。といったかも知れない。」

かつて在阪の頃、空海ゆかりの場所を数多くたずねた。東寺、神護寺(高尾山寺)、施福寺(槇尾山寺)、東大寺、大安寺…特に意識しなくても、前記のような史実と思しき場所から伝承・伝説の類まで、近畿(この場合、“関西”より“近畿”がふさわしかろう)を歩けば、どこでも空海の足跡にすぐ行き当たる。それほどに空海は“遍在”している。それは冒頭の言葉に代表される、空海の人智を超えるような思想的巨大さの表れとも思える。

 前期の期間、行きたいと思いつつ遂にそれを果たせなかった場所が、高野山だった。その高野山の壮大な伽藍を、司馬氏は「若き日に滞在した長安の街を再現したかったのではないか」と“夢想”する。

「空海は帰国後、淋しかったのではないか」

 その余りの巨大な知ゆえに、当時“文化の果てるところ”の辺境だったこの国において、空海は孤独だったのではないか…司馬氏が描く“空海(の風景)”の魅力は、その壮大さと同時に、“超人”にもなお、人間としての“弱さ”を透視しようとする著者の視線にある。

 本書を読んで、必ずいつか高野山を訪れたい、という思いが、改めて強くなった。
竜馬がゆく〈2〉
竜馬がゆく〈2〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/09

脱藩

続く第二巻。主に故郷土佐での話が描かれています。
面白いのは、多くの人との出会いが描かれているところ。
四国行脚の旅に出て情勢を自分の目で確認する竜馬。時に剣を用いて、時に言葉を用いて人々の心を捉え、その人間の大きさに惹き付けられていく人々。有名無名関わらず、幕末に生きた多くの人々が竜馬の目を通して描かれています。

と、同時に激動の時代背景。『桜田門外の変』、『安政の大獄』といった歴史の世界が遠く土佐にいる竜馬の視点から見れます。「生涯、これほど血のわいた瞬間はない」とは桜田門外の変での竜馬の心境。

激動の時代がいよいよ始まる、そんな幕開けを感じさせる心高ぶる第二巻でした。

いよいよ竜馬も脱藩。
しかし、日本の未来を作った竜馬の脱藩の陰には悲しい犠牲があったことを知る切ない二巻の終わり。第三巻は果たしてどうなるのか、期待が高まりました。
卒業
卒業
新潮社
price : ¥620
release : 2006/11



短編からなるこの本。「死」がテーマなだけに、愛とは、家族とは何かを考えさせられました。優しいメッセージの本です。人それぞれ何かの卒業があるかもしれませんね。心に響く本でした。
竜馬がゆく〈5〉
竜馬がゆく〈5〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/10

坂竜飛騰

p298に出てくる当時の竜馬の活躍を表した言葉「坂竜飛騰」。
まさにこの頃の竜馬をうまくあらわしていると思う。
竜馬、西郷という幕末の両雄がようやく出会い、一気に時代の流れが進んでいく第5巻、読み応え十分です。
風の歌を聴け
風の歌を聴け
講談社
price : ¥400
release : 2004/09/15

読んでしまった時期

恐らく今、この小説の持つ独特の感触は薄れてしまっていると思う。
小説の賞味期限としてはもちろん長いモノであると思うし、村上春樹さんのデビュー作であるから、今後も読まれていくと思う。

しかし、出版された当時のショックは大きかった。これを私は高校生時に読んでしまって、その後「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読んでしまったが為に、新作が出るたびに買わずにはいられない作家になってしまった。

この作品はいろいろしかけは多いのだが、その仕掛けをいちいち解きたくなり、また自分の説を説明したくなるという作用を持つ。しかし、私の感じた1番大きなことはまるで消毒された様な文体だった、という事です。

今では当たり前のこの文体ですが、その当時は本当にショックだった。有名な1度英語で書いて翻訳した、という事実も良く分かりますが、それだけでない突き放した、自分の影を出来るだけ排除し、消した文章が、とても印象的でした。

今はやりの文体の恐らく原点、それを確認してみたい方にオススメいたします。
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
新潮社
price : ¥620
release : 2001/11

沈んでしまった太陽

山崎豊子氏はどの作品を執筆するにあたっても、その緻密な現地調査、膨大な数にのぼる
資料調査に労力を惜しまないことで有名な作家だが、この作品でも、草稿を練り上げる
までにかなりの時間を要したという。それもそのはずで、航空業界の専門用語を使いこなす
のはもちろんのこと、骨の髄まで病んでいる一企業の闇の実態を逐一信憑性の高い内部資料
や当事者の証言で赤裸々に暴いて見せている。

航空機というものが人々に身近に利用できるものになった現在、実際に搭乗する機会が多い
我々読者にとって、未曾有の大事故を起こした航空会社が、その反省に立って、二度とこの
ようなおぞましい事件を起こしてなるものかという強い信念を持って新規一転改善と安全運行
に邁進しているものだろうと考えたいところだが、その実態はあまりに暗澹たるものだった。

山崎豊子氏が暴くJALは、政界と癒着した天下り天国、まるで「武家の商法」たりのずさんな
経営方針、安全運行に支障をきたすほどの作業員不足と過密スケジュール、そしてそれらの是
正を求める現場の声を排除し、命を預かっているという意識がまったく欠如している上層部。

主人公や一部の人々が是正に乗り出そうとしてもとてつもなく大きな力で握りつぶされてしま
う。山崎氏は作中、この企業の実態を「末期癌」という辛らつな言葉で表現している。

最後まで読んで、暗澹たる気持ちになった方が多いと思う。

御巣鷹墜落事故を別の角度(新聞報道)で捉えた横山秀夫氏の『クライマーズ・ハイ』もおす
すめ。この大事故が新聞業界でも、多くの人間のその後を左右するほどの影響を残したという
ことが描かれています。
シリウスの道〈下〉
シリウスの道〈下〉
文藝春秋
price : ¥540
release : 2006/12

溜飲が下がらない

冒頭シーンからラストにいたるまで、緊張感と疾走感を失わず一気に読ませる力作であると思う。
主人公辰村の過去と広告業界の内幕の絡ませ方も、申し分なく面白かった。
ただ、藤原作品を読んでいつも思うことだが、ラストを余韻ととるか後味と取るかで微妙に評価が分かれるのではないかと感じた。
辰村の期待に、驚異的な努力で見事に応えて見せた戸塚青年の処遇に納得できない感が残ってしまったのが非情に残念だった。
読み終わって、よかったとホッと感じられるものがあってこその余韻ではないのだろうか。
今回に限らず、藤原作品のラストには微妙に溜飲が下がらない感がのこることが多い。
この作品も評価は文句なく星5つとしたいところなのに、ラストの後味が今ひとつすっきりしないせいで一つ脱落してしまった。
竜馬がゆく〈4〉
竜馬がゆく〈4〉
文藝春秋
price : ¥620
release : 1998/09