最終章はいただけない。作者の気持ちは良く分かる。アイヌのその後の運命を考えるとああいう終わり方にしたい気持ちも良く分かる。しかしせっかくつくってきたキャラを壊すようなことは良くない。あの思慮深いツキノエが、ハルフナリが、あそこまで無気力になるだろうか。物語に決着をつけるために作者が物語を「作為的」に作ったのだ、もちろん小説だから物語は作るのだか、「自然でない」と私は思うのである。 ただ、この物語には一度も登場しないが、この物語を規定している人物を配置するというのはなかなか面白い趣向である。老中松平定信の「日本国」論。もっとも彼の構想はさながら現代日本の官僚の作文のように思えて仕方ないのは私だけだろうか。
この作品では、かぶき者慶次郎の図々しく口の減らないところが強調され、とくに叔父の前田利家との掛け合いは軽妙で、笑いを抑えることができません。電車の中で読むとちょっと恥ずかしいかも…
船宿に向う途中の小店で、るいが目に止めた犬張子。それには深い因縁があった。
玩具職人の文治郎が斬り殺され、続いて娘も惨殺された。事件の裏には、孫の徳太郎を巻き込んだ大店の跡目争いが隠れており…。犬張子に込められた文治郎の孫への情愛に、胸を打たれる表題作。
ほか、「独楽と羽子板」「柿の木の下」「鯉魚の仇討」など七篇を収載。
るいと東吾、同心の畝源三郎などが大活躍する人情捕物帳。
相変わらずハードボイルドな捕物をしてるうえ、なかなか稼ぎも楽にならない伊三次ですが、母は強し、もともと鷹揚で肝っ玉の据わった文吉姐さんとおっとりかわいい伊与太坊と一緒で、それなりに幸せそう?お文が歳を気にしてるのを知ってて、わざといけずを言う伊三次の、ふたりの犬も食わないやりとりも楽しい!
中国史は相変わらず千年一日、なにも進歩が見られないのがよくわかる。 すなわち、名君登場により国は富み、暴君により民は苦しみ、国は傾く。 千年以上経っても、春秋戦国・秦・漢時代と基本は同じ。 中国史は面白い。しかし、虚しい。
毒をのまされて死にそうになる。周りは死んだと思って葬式を始める。その葬式の最中に目覚めて、周りを驚かせる。そして、”死んだまま”にしておく。この”死計”は最高だ。
ウジュを、お尻にしいて殺す。最後の戦いでは、敵将を怒り死にさせる。
そして、牛皐は笑い死にする。
こんな、愛僑たっぷりの人物にはなかなか出会えない。岳家軍の再興とともに、この英雄の生き様も楽しめます。
ハミツーの策により、宋の王宮に送り込まれた秦檜。彼は、確実に岳飛を追い詰めて行く。岳飛は遂に牢に入れられる。
彼の悩みは深い。「私の知人や親類達が私を慕うあまり反乱を起こすような真似をしないで欲しい」
岳飛の心は、どこまでも忠実で、清い。
私達が同じ境遇にあったらどんあ言葉を口にするのだろう。
「大丈夫は、死を見ることに平然としているべきで、人に笑われるようであってはならぬ」
この心を学びました。
相変わらず、うだつの上がらぬ物書き同心ではありますが、今回は私生活の方で子供達の巣立ちがあり、それに際しての紋蔵の微妙な心の動きがとても胸にしみてじんわりときました。それでも、あいかわず自分の預かり知らぬ内に事件に巻き込まれていたり、知らず知らずの内に真相を探り当てていたりする、苦笑いしたくなるようなおもしろさは健在で、最高でした。
新装丁されるにあたり書き下ろされた蓬田やすひろさんの絵は、パステルトーンで描かれていて、現代の「浮世絵」とも言えるような柔らかさを持っている。また、その絵は、平岩弓枝の描く「御宿かわせみ」の世界観を見事に体現しているのである。江戸気質とも言える厚い人情を精髄としながらも、折々の風物を添えて描かれる作品は、この装丁のように温かみを持っている。新装丁と改訂がされたのをきっかけに、書に手を伸ばしたが、ゆっくりとだが一通り読み通してみようと思った。
その後、もし私のリストマニアをごらんいただいた方ならお分かりのとおり、順次合計100枚以上のCDのレビューを書かせていただきました。もちろん、志ん朝師匠のCDで持っているものは、まだ全部ではありませんが、相当数書いています。ところが、不思議なことに、CDへのレビューはほとんどないのですね。大体私が、「最初のレビュー」です。前回、CDをそろえましょうと提案しましたが、どうやら、この本は買ったけれど、CDは聞いていない人が相当数いるのではないかと思えます。
この本では、円生100席も担当した京須 偕充 さんが、師匠の微妙なしぐさなどを「邪魔にならない程度に」括弧書きしてくれていますが、仮に声に出して読んだとしても、この本に収録された師匠の話芸は再現は困難でしょう。
落語は、もともと、話芸なのです。文字で読むものではないのです。この本はこの本に収録された噺を全て聞いた経験のあるものには、電車の中で読んでも再現できるでしょうが、聴いたことのない人には、師匠の真実の姿が正しく伝わらないのではないかと言う危機感に襲われました。
もしこの推測が正しいとしたら、この本は編者の意図を離れて、師匠の至芸を味わう機会を奪ってしまった罪な本になるのかもしれません。この推測が外れることを、切に願うものであります。
全4冊中の2冊目。
いよいよ潜水艦が大海原へと繰り出します。
様々な人生や思いを乗せるにはあまりにも小さすぎる潜水艦。
そんな潜水艦が実際に乗っている人数の何十倍、何百倍という人々の思いを賭けて死闘を繰り広げます。
潜水艦の乗組員は、それぞれ階級が高かろうが低かろうが1人の人間です。
また、それぞれ家族や恋人等の思いを背負っています。
人間の命や思いに軽重の差はありません。
というか、あるはずがありません。
死闘を繰り広げる潜水艦の乗組員1人ひとりのことを考えると、胸が熱くなりました。
ソレデハ…
この作品集でも最後のメンタルなどんでん返しが秀逸な表題作を始め、シチュエーション悲劇の傑作菊千代抄など素晴らしいものが並んでいるのだが、ワタクシのお気に入りは巻頭のいさましい話。周五郎のこの手の落梅記や山女魚を彷彿させる物静かな音楽のような語り口には本当に弱い。ストーリーは酔いどれ次郎八などに通じる泣いた赤鬼タイプの武家ものだが、戦前の次郎八が美談てこういうもんでしょう的類型的なのに比べ、格段に美しく厳かになっていると思う。
名声を極める岳飛軍。しかし、そんな時にこそ、内部の妬みに注意しなければいけない。
ウジュの脅威が去り、岳飛が邪魔になってきた朝廷。
そして、ウジュはまだ死んでいない。ハミツーに負けた理由を聞く。
「貴方が奸臣を嫌うからだ。もっと彼らを重用しなければいけない」ハミツーはそう指摘した。
そして、岳飛を殺す策を提案する。宋の王宮にスパイを送り込む。
岳飛の身に危険が近づく第3巻。
誇りを失わず家元を支えている人々の姿には心打たれます涙なくしては読めません!京女の芯の強さは感動モノです。茶道入門者、必読ですよ。