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 | 『艶まくら浮世草子』 ミリオン出版 price : ¥660 release : 2005/07/16

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玉鬘(たまかずら)
胡蝶(こちょう)・蛍(ほたる)・常夏(とこなつ)・篝火(かがりび)・野分(のわき)・行幸(みゆき)・藤袴(ふじばかま)の七帖をおさめた窯変源氏の第七巻です。全巻通して主人公は玉鬘と光。光と玉鬘の関係に、この巻は賛否両論になりそう。かつて、紫の上を育てた光は玉鬘を「魅力的な女性」としてどう教育していくのか?その様子はこの本をご覧あれ。 光が自分の落胤の姫を(ほんとは玉鬘は内大臣の姫なんだけれど)捜し出した、と聞いて、自分も捜す内大臣がおかしい。 それで「見つかってしまった」「近江の君」の日本語は窯変源氏の中でも唯一に近く「美しくない日本語」。大笑い!内大臣との漫才が最高におもしろい。 そして、どうも女性関係がいまいちらしい夕霧が、「野分」(台風みたいなものです)で、紫の上を垣間見てしまう。「父の思い人はこのように美しい人なのか!」と思い悩む「だけ」の夕霧は後に「まめ人」といわれるだけあって律儀者です(褒めています)。 次巻八巻で大事件が起こります。その緊張感をふくらませながら読む者を飽きさせない仕掛けを施した紫式部とそれを華麗に再現させる橋本治には本当に恐れ入ります。
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 | 『小説 封神演義』 PHP研究所 price : ¥720 release : 2000/07

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新鮮な視点から捉えます。
封神演義と言っても、割とオリジナル色の強い、新鮮なお話です。 殷代に実際行われていた呪術や祭事、自然現象からくる仙術などが描かれていて、当時の民衆の迷信深さや、辛い時代背景などが垣間見えます。 勿論太公望をはじめ、楊セン・ナタ・黄飛虎・竜吉公主といったお馴染みのメンバーも大活躍!永遠の敵役・妲妃のちょっと切ないエピソードや、李靖らとのゴタゴタを通して成長していく少年・ナタの複雑な心境など、見所は盛り沢山! 勇気あり友情あり愛情あり・・・一味も二味も違った封神演義、マンネリ脱出に最適だと思います。
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 | 『円を創った男』 文藝春秋 price : ¥1,995 release : 2006/02/15

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司馬遼太郎の再来
「時はまさに近世江戸から近代明治時代に入ってまもなくの,佐賀藩出身の大隈重信の赫赫たる武勲も無く,財務の実務 によってのみ,明治政府の高官にのぼり詰めて行く話。天と地がひっくり返った様な世情。明治政府の道のりも険しく,重信が 長崎で商人相手に培った財務への才を駆使して,次から次に起こる国難を見事に乗り切って行く姿は,この小説の最後の方 に記述している20円金貨の中央に刻印された太陽に黎明の光が反射して,煌めき渡った様な姿であったので,読んでいて非 常に痛快であった。歴史の本では,新貨条例を公布して,金本位制を定め,円,銭,厘の十進方を採用したとのみ記述され ている事が,重信がどんなに苦衷を感じながら,乗り越えて行ったか見事に記述されている。 また,重信の目線から,明治政府の混沌から脱出して行く姿が垣間見られるので,少なくとも日本全国の日本史,社会科の 先生方には一読をお薦めしたい。この本は歴史小説とは云え,立派な歴史書としても使えそうなので,重信の逸話をこの本 から引用して,生徒に話したらどんなに喜ばれる事か」
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”義”
九州柳川城主立花宗茂。実父に高橋紹運、義父に立花道雪という二人の偉大な父を持つ。 島津の侵攻に耐え大友家を支える。関が原の合戦では成り行き上西軍につき一度は改易されるがこの男の”義”によって敗将(勝った側から見れば逆賊)だがもう一度柳川城主に。これほど”義”に厚い人物はいるのだろうか?感動できる作品です。
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ふるさとは心の中に持とう
日本は悲惨な戦争を経験した歴史があります。で、文学作品の中には戦争体験に基づいた小説も多いわけです。 大抵は、一市民や一兵卒として戦争に巻き込まれて色々苦労した、と…… もちろん過酷な状況の中だからこそ優れた文学作品も生まれるのであって、それを否定するつもりは毛頭ありませんが、たまには違った視点の作品も読んでみたいものです。 『徳山道助の帰郷・殉愛』に収録された表題作「徳山道助の帰郷」では、陸軍中将まで昇り詰めた男の視点で、戦争と、その後の不如意が描かれています。 結局陸軍中将ほどの偉い人でも、巻き込まれて流されて落ちていくだけだったということです。ふるさとは遠きにありて思ふもの、という言葉がありますが、徳山道助と故郷の関係を軸として小説は描かれています。故郷とは、つかず離れずの関係が良いようです。 早世の作家柏原兵三が自分の祖父をモデルとして書いた作品です。だから軍歴誇示の手前味噌や自己弁護に陥りがちな自伝とは違って、それなりの客観性を保ち、ある程度批判的な要素を持っています。
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まっすぐな心は、人を魅了する
関が原に負けて、領地を没収される立花宗茂。 何もなくなった。 それなのに、家臣達は立花宗茂についていこうとする。例えどんなことがあっても殿様(立花宗茂)に生活の苦労をさせて はいけない。大名に戻れる可能性など無い。それなのに、家臣達は ついていこうとする。 しかし、時代は彼を放ってはおかなかった。 本多正信に見出され、徳川秀忠に気に入られる。 東北の小藩に赴任しても、その地に骨をうずめる覚悟で取り組む。 何をするにも、真剣で、誠実に取り組む。 私達が一番大切にしなければいけないことが、この人物の中には ある。それを読み込んで、読み取って欲しい。
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![幽霊船]() | 『幽霊船』 新潮社 price : ¥580 release : 1988/09

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 | 『武則天〈上〉』 毎日新聞社 price : ¥3,360 release : 1998/03

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大作という言葉すら薄っぺらい
これほどの作品に出会ったことはなかった。 丁度、入院中に、 とてもとても軽い気持ちで文庫本の1巻を入手した。そのときの自分の状況が 社会復帰できるかという不安の中で 普通の精神状態ではなかったからかもしれないが、 そのときの衝撃は今でも忘れられない。 読破後、 これぞ「文豪の作品」という言葉が頭をよぎった。 文豪という言葉の定義なんて知らないけれど。。。 「女性が政権を取った」から 働く現代女性を励ます、などという、 安易な連想の陳腐さを、この作品は叩き壊す。
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 | 『乾坤の夢〈下〉』 文藝春秋 price : ¥580 release : 1999/12

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器の違いを痛感する
大阪の淀殿と徳川家康の器の違いを痛感します。 どんなに、優秀な社員がいても、社長がボンクラでは話しに成らない ことも強く感じます。真田幸村・後藤又兵衛を擁していながら、彼らの意見を取り上げない。 戦場でも、場内でも、自分の意見を優先する。 読んでいて、淀殿と大野の言動と行動には腹立たしくなります。 ● 志は育てるものなのだ 徳川家康は、天下人になろうと最初は思っていなかった。 彼は、一歩先・一歩上を見続け、確実に登ってきたんだ。 彼の”志”は、織田信長や豊臣秀吉とは明らかに違う。 織田信長や豊臣秀吉の”志”は、かなり早い時期に”天下統一”にあった。 徳川家康は違う。”志”を育て続けてきた結果が”天下統一”に繋がった。 人間には、多くの生き方がある。 改めて、それを感じました。
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 | 『太閤暗殺』 光文社 price : ¥650 release : 2004/03/12

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魅惑の大作
空港で手にとってから旅行中一気に読み切ってしまった。 太閤秀吉を暗殺しようとする石川五右衛門、その一味。木村常陸介や石田三成、前田玄亥などの政争からも目が離せない。もちろん、謎が解けはじめると全てが明るみに晒される。 歴史小説好きの人には、必見の作品。骨のある作品なのでぜひ一度読んでみてはいかが。
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 | 『剣闘士スパルタクス』 中央公論新社 price : ¥1,890 release : 2004/05

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主人公の視点で濃密に描かれるが・・
共和制ローマ末期、奴隷剣闘士スパルタカスによる反乱という史実を描く。 ストーリーは終始、ほぼスパルタカスの視点で描かれる。これにより主人公の濃密な心理描写、蜂起の決断や蜂起後のスパルタカスの焦燥感や孤独を際だたせる効果を上げている。一方で、ストーリーの視野が主人公のみとなることで、ストーリーの広がりが限定されるような印象を受けた。 また、重大な戦闘やエピソードを省略して事が終わった後で回想という形で描く手法を多用しているのが顕著。
こうしたストーリー展開上の特徴は、蜂起当初の仲間たちが死んだ中盤以降において特に目立つ。 反乱軍はイタリア半島を南北に縦断し、いくつもの討伐軍を打ち破るのだが、このような外部の状況に関する俯瞰的なまとまった描写はない。元恋人やパトロンとの再会、討伐のローマ軍との戦闘といった様々ななエピソードが、断片的できちんと終了しないまま、スパルタカスの心象風景を中心に進んでいくようになり、作品はきちんと描くことを辞めたように、急ぎ足になり、ふつりと結末を迎える。
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![人間勝負〈上〉]() | 『人間勝負〈上〉』 新潮社 price : ¥660 release : 1987/04

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一遍上人の凄味
一遍上人についてはよく知りませんでしたが、仏教に興味があるということもありますが、何よりも「わが屍は野に捨てよ」という題名に惹かれてこの本を読みました。 空海や最澄のように、本拠地となる寺を持たず、すべてを捨てて遊行に明け暮れた一遍上人の人生には凄味があります。また、「わが屍は野に捨てて、けだものに施すべし」などという言葉は凄すぎます。これは仏教という宗教の究極のかたちだと思います。 ただ、一遍上人は初めから雲の上にいるような人だったのではなく、武士であったために犯した罪や、愛欲に苦しんだ人で、その果てに悟りに到達したのである。 作者は、一遍上人にかなり思い入れがあるように感じます。そのため、非常に読み応えのある小説になっています。
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素晴らしき「窯変源氏物語」!
昔々、学生時代に「源氏物語」にちょっとだけ触れることがあった。 そのとききちんと読まなかったことがずっと心に引っ掛かっていたのだが、ン十年後、橋本氏の「窯変源氏物語」を読み始めてからその面白さにぐんぐん引き込まれ、この本と巡り会ったことを本当に嬉しく思った。 氏の豊富な語彙に、日本語の素晴らしさを思い知らされ、その文章がつむぎだすきらびやかな、情趣あふれる王朝物語に酔った。 改めて、1000年の昔に一女性が(書いたとされている)このような複雑な心模様を描いた大長編の物語を日本で生み出してくれたことを誇らしく思った。 そして橋本氏を尊敬する。
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